梶山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成30年3月23日

(平成30年3月23日(金) 10:00~10:15  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 本日の閣僚懇談会において、総理より公文書の信頼回復についての御発言がありました。総理の御発言の概要は、以下のとおりであります。
 「この度の決裁文書の書き換えにより、行政全体の信頼が損なわれたことは痛恨の極みである。全ての政府職員は原点に立ち返って、公文書の重要性を肝に銘じる必要がある。各行政機関は、4月からの新ガイドラインによるルールの徹底、電子決裁システムへの移行の加速に直ちに取り組むべきである。現在、行われている事実関係の調査、解明を踏まえ、更に問題点を洗い出し、公文書管理の在り方について、政府を挙げての見直しを行いたい。」
 続いて、私から公文書管理を担当する大臣として、
「公文書への信頼回復に向けて前面に立って取り組む。各大臣におかれても、所管行政機関に特段の指導をお願いする。取り分け、昨年末に改正した『行政文書の管理に関するガイドライン』に基づく、より厳正なルールの徹底について万全を期していただきたい。」
という旨の発言を行いました。
 関連して、総務大臣から、電子決裁の推進等についての御発言がありました。冒頭の報告は以上です。

2.質疑応答

(問)総理より御発言があったということですけれども、この中で総理はもう少し踏み込んだ、例えば、改善策であったりとか、そういったことを御提案されたのかどうか。また、一部で第三者機関などの管理といったものなどの提案もあると思うのですけれども、何かそういった大臣のお考えなどあったらお聞かせ願えますでしょうか。
(答)総理の方からは今財務省における文書の書き換えについては、調査をしている最中だということでありまして、これを受けてどういう公文書の在り方が必要なのか、問題点を洗い出していきたいという発言があったということであります。
 現実にも、やはり作業としては今の調査、解明を踏まえて、どういった状況でどういった書き換えが行われたかという現状も踏まえた上で、もし公文書管理法上の仕組みに課題があるのであれば、対応をしていくということになろうかと思います。
(問)今の大臣の御発言の関連ですけれども、もし公文書管理法に課題があるのであればどういう対応をしていく。
(答)公文書管理法上の今のシステムに課題があるのであれば、どこをどう直すかということも含めて考えていくということです。
(問)これは大臣のお考えということ。あるいは、何か総理の今日の発言の中にそういったことがあったのか。
(答)いや、私の考えと併せて公文書管理の在り方について政府を挙げて見直したいという、総理の御発言がありました。
 それの意味するところは今、公文書管理法というものを基にガイドラインができ、行政文書管理規則ができ、という中で、その中での仕組みに課題があればというふうに私が受け取っているということであります。
(問)今後、その財務省の調査の問題の解明を踏まえて、更に公文書の管理の見直しを行うことも視野にというふうに総理が発言されたと思うのですけれども、それは今後、公文書管理委員会で引き続き議論をするということでしょうか。それとも、何か別の会議なりなんなりで対応していくということになるのでしょうか。
(答)公文書管理の在り方については、公文書管理委員会で今までも議論をしていただいて、今、行政文書管理規則について、今年度中に結論を出していただくということになっています。
 そして、公文書管理の体系の中で何かが必要であれば、公文書管理委員会の御意見を頂くという、ここで議論をしていただくということも含めて必要になってくると思います。
(問)公文書管理委員会の何か会議体とかを作る可能性はあるということでしょうか。
(答)それは分かりません。あらゆる可能性を排除せずに取り組んでいくということになりますし、まずは調査解明が第一。調査解明において、どういったところで、どういうふうになされたのかということが判明しないと、そういった規則のことも言及できないと思います。
(問)加計学園の問題で、今治市の出張報告書が内閣府の指示によって書き換えられと指摘されまして、市民団体が検察に告訴状を出した問題ですが、その後、状況はどうなりましたでしょうか。
(答)状況は分かりません。我々は、この前もお話ししたと思うのですが、今治市の出張復命書というのは、今治市の規程に基づいて作られている文書であります。ですから、今治市に問い合わせていただきたいということでありますし、もしこちらの指示はということであれば、それはありませんということでお答えをしております。それ以降こちらは何ら変化はありません。
(問)大相撲の貴乃花親方が本日、日馬富士関の傷害事件に関して、内閣府の公益認定等委員会に提出していた告発状を取り下げるというふうに言ったのですが、それに関しまして、もし受け止め等とかあれば。
(答)私は、それは今初めて伺いました。
 いずれにしましても、前にもお話ししましたように、告発状が来ているのは事実であり、その告発状の中で、今どうしていくかということで調査をしながら今後の方針を決めたいということも前に申し上げたと思いますが、そういうことであれば、少しまた変化があるのかなということで、今の時点ではそこまでしかお答えできません。
(問)現段階では、まだ確認はされていませんか。
(答)今の段階で私、確認していません。
(問)公文書の話に戻るのですけれども、昨年のガイドラインの改正とか、今、各省庁で作っている規則というのは、その書き換えというのを前提としていないと思うのですけれども、先程大臣が言われた、そのシステムに問題があるのであればどう見直すか考えていくということは、書き換えとかというのもなくしていくという方向で考えていって。
(答)何かしらそこに課題があれば、全てあらゆる可能性を排除せずにやっていきましょうということです。
 少し説明すると、平成23年4月1日に公文書管理法は施行しました。5年経っての見直しというものについて対応という取りまとめをしていただいて、それについて検討しながらガイドラインの改正を図ってきました。そして昨年いろいろな事案が起きて、御指摘もあり、それらも含めてガイドラインの改正が12月に行われました。それらに基づいて、今、各府省の行政文書管理規則を改正に向けてチェックしている最中ということであります。
 そして今起こってきたことがあるわけですが、これは決裁文書に手を加えてはいけないというのは大原則でありまして、規則に書いてある、書いていないの問題ではないと思います。ですから、こういう行政文書、公文書をしっかり作成していく、管理していくということを徹底するにはどうしたら良いのかというのも一つ課題だとは思いますが、決裁文書を変える、変えないについて具体的にどういう対策を取るのかと言われると、今の時点では調査、解明を待って考えるしかないということです。
(問)放送法に関してなのですけれども、放送事業の見直しについて、先日の会見でもお伺いしたのですけれども、担当の大臣としてコメントは差し控えるという、前回そういうことだったのですけども、改めて、今放送事業の見直しをする意義について大臣のお考えを教えていただけますか。
(答)私の考え方と言えば、規制改革推進会議の投資等ワーキンググループで放送を巡る規制改革について議論しているものと承知をしておりまして、その方向性について私どもがコメントする立場にないということであります。議論の推移を見守っていくということだと思います。
(問)公文書管理の見直しの関係ですけれども、実際に具体的に検討を始めるのは調査が終わってからということになるのですか。もう現段階で一応書き換えというのは認めて、問題があることは分かっていると思うのですけれども、これについてどう対応するかというのは、実際に動き出すのは調査が終わってからという考え方ですか。
(答)総理の御発言は、当面は4月からの新ガイドラインによるルールの徹底、新しいガイドラインになりますと、それをしっかり周知徹底した上で実行してくださいということが一つ目。
 二つ目は、電子決裁システムへの移行の加速ということで、これは総務大臣の方がシステムの担当でありますが、公文書そのものというのは私の担当であるということですが、電子決裁システムに移行するに当たって各省庁に協力依頼を今から総務大臣がするという御発言もあったということであります。
 そして、現在行われている事実関係の調査解明を踏まえて、更に問題点を洗い出して公文書管理の在り方について政府を挙げて見直しをしたいという発言ですから、当面やはり今ガイドラインを徹底していくということです。ガイドラインを徹底していれば、決裁文書の書き直しとか手を加えるということはあり得ないことだと思っております。そういうことも含めて、しっかりと徹底をしていくということだと思っています。
(問)公文書管理の件ですけれども、財務省の調査だったりとか特捜の捜査だったりというのは、終わりの時期が見えていないこともありまして、かなり長い時間掛かる可能性もあると思うのですけれども、先程、そのようなことをまず調査を見てから書き換えのことを前提とかに考えるとおっしゃっていたのですけれども、一方で、同時進行していくべきという意見もあるのですが、そのお考えをお聞かせくださいというのが1点、もう一つが、放送法の見直しですけれども、一部報道で民放の私が言うのもあれですが、NHKの関連以外の民放などの規制を全て全廃して、民放とインターネットを同じような枠組みで捉えるというような報道があったと思うのですけれども、大臣、そのような動きがあるのかどうかについて教えていただきたいのですが。
(答)まず2点目から言うと、報道は承知をしておりますが、先程申しましたことが全てということであります。
 そして、見直しというのは、見直しは何をすれば良いのかということなのです。調査解明しなければ見直しの対象というのは見つかってこないということでありまして、あと公文書管理法、それに基づくガイドライン、そして各府省ごとの行政文書管理規則、これを守っていれば決裁文書に手を加えると、無断で手を加えるということはあり得ないと思っています。ですから、こういうものをしっかり守っていただくことをまずは徹底しましょうということと、その他に課題がどこにあるのか。例えば意識の欠如であれば研修をしていくとかそういうことになりますが、それらも含めて昨年の様々な事案の御指摘も含めて研修にも力を入れていきましょうということが今申合せもしているところでありますから、当面できることをしっかり果たしていくということになりますし、我々が外から調査をすることが果たして適切なのかどうなのかということも含めて、まずは文書の管理というのは省庁ごとにある一定は完結しているわけです。その中で責任者が中心となって解明をしていただくということがまず第一だと思っております。
(問)国立公文書館の関係でお伺いしたいのですけれども、一部報道で、原案がまとまったというような報道が出たのですが、今の国立公文書館の新しい建設案についての検討状況を教えてください。
(答)今、検討中ということです。それで報道はあった、何かまとまったという。
(問)ええ、報道が一部で出ていたのですけれども。
(答)それはまだ聞いていない。その前の段階で私が検討中と言った時点からは、まだ新たな局面にはなっていないと思います。

(以上)