松山内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成29年10月24日

(平成29年10月24日(火) 10:16~10:29  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 それでは、私の方から2点報告させていただきます。
 まず、子どもの貧困対策を担当する大臣として御報告いたします。
 この度、着られなくなった子供服を活用した寄付プログラム「こども服みらいファンド」というものが株式会社キャリーオンの御協力により開始されることになりました。このプログラムを利用して子供服を送っていただくと、その買い取り金額が全額、子供の未来応援基金に寄付をされるというシステムであります。
 昨年の11月に既に開始されている、古本を活用した寄付プログラム「こどものみらい古本募金」、多数の個人の方による参加だけではなくて、今年4月からキヤノンマーケティングジャパングループ各社で、古本の職場回収が実施されております。また、9月からは来店型保険ショップであります保険クリニックにおいても全国約180店舗で、来店した方々へ協力の呼びかけを行っているところでございます。このような賛同していただく企業が徐々に広がっているということを御報告申し上げたいと思います。
 この度の「こども服みらいファンド」におきましても、様々な企業・団体に賛同いただきまして、子供たちの支援の輪というものが広がっていくことを期待しているところでございます。
 次にもう1点、少子化対策の担当として御報告申し上げます。
 企業主導型保育事業所につきまして、先日、経済界の御協力の下に、今年度末までに整備量を5万人分から7万人に拡大するということで公表しました。これを受けた第2次募集を9月29日、先月まで行ったところでありますが、第2次募集では約3万人分の新たな申請がございまして、これまでの申請を含めますとおおむね7万人程度に到達をいたしましたので、子育て安心プランの前倒し実施分として追加した2万人分の受け皿を確保できる見込みでございますことを報告申し上げます。
 従業員の多様な就労形態に応じた保育サービスを行うことができる、この事業に対する企業のニーズがかなり強いものであったということを表しているものだと考えております。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 今回の選挙で自民党、与党が大勝したんですけれども、今回の選挙結果の受け止めと、その結果を受けて今後政策にどのように取り組むのかを教えてください。
(答)今回大勝したということでありますが、国民の皆さんが安定した基盤の下に政策を進めていくということについて、多くの方々の御理解と信頼を得られたというふうに理解をいたしております。このことを謙虚に受け止めて、これからしっかりとまた政策の推進を図っていきたいと思っておるところでございます。
 引き続き一億総活躍社会の実現、その第一の矢であるGDP600兆円の達成を目指しながら、最先端のイノベーションによる生産性革命、これに取り組んでまいりたいと思っております。イノベーションを巡る国際競争は劇化しておりますので、Society5.0を実現するためにも、政府を挙げて、科学技術イノベーションを一層強化をしていきたいと思っておるところでございます。
 また、宇宙政策につきましても、先日の準天頂衛星4号機が無事に打ち上がりましたので、宇宙利用の拡大に精いっぱい取り組んでいきたいと思っておるところでございます。
(問)共同通信(千葉)です。
 2点お伺いします。1点目は今の質問の関連なんですけれども、自民党が大勝したということなんですが、一方で、内閣支持率というのは不支持率が上回っているという状況にあります。積極的に信任されたとはちょっと言い難いのかなという状況でもあると思うんですが、そのことを踏まえて改めて選挙結果について、大臣の御所見を伺いたいというのが1点。
 2点目は幼児教育の無償化についてです。選挙の直後に安倍首相が、5歳児からの無償化について19年度からやりますというふうにおっしゃいました。一方で、高所得者にも無償化になるということについて、有識者の方などから如何なものかというような異論も出ています。大臣としては、無償化について所得制限を設けるべきなのか、それとも全員にやるべきなのか、そのお考えを聞かせてください。
(答)まず、選挙の方でありますけれども、この間、与党としても現状の国難突破解散とか言われたように、現在の国内あるいは海外の北朝鮮の状況も踏まえて非常に厳しい、直面した課題が多々ある、そういったことを聞いていただいて、やはり今後の安定した政治というものに期待をしていただいているのだろうというふうに思いますので、支持率の問題はありますけれども、総理もおっしゃっておられたかと思いますが、やはりこの結果を浮かれるのではなくて、やはり勝って兜の緒を締めるという、謙虚に受け止めながら、そして丁寧に、やはり今やるべきことをしっかり詰めていくということが課せられた使命だと思いますので、そういう心構えを持って頑張っていかなければと思っております。
 先程の幼児教育の件ですけれども、新しい内閣ができて、この2か月間いろいろな協議をしていく中で、総裁の御決断もあってのことでありますし、やはり若い世代にしっかり投資をしていく、また、結婚・出産・育児ということが本当に安心してできる状況を作る社会システムをつくるという意味では、このような幼児教育に対しての、3歳から5歳への無償化、あるいは0歳から2歳児については低所得者の方々を対象に、また、高等教育についても、真に勉学を求めて頑張っておられる方々にはということで、ある程度そこは一線を引いていると思いますし、特に幼児教育は、やはりしっかりと不安を解消してやるという、子供たちの未来に投資をするという観点からそのような御判断になったのだというふうに思います。
(問)ということは、3歳から5歳については所得制限は設けるべきではないというのが現時点での大臣のお考えだというふうに理解してよろしいんでしょうか。
(答)そういう方針で今回国民の皆さんに提案をして、公約として打ち上げましたので、年内にそのことも含めて、政策のパッケージを今から作っていくと思いますので、方向としてはそのような形になろうかと思います。
(問)日経新聞の猪俣と申します。
 先週のことになるんですけれども、宇宙政策委員会が開かれまして、来月から一部施行される宇宙活動法に基づく基準案がまとめられました。改めて、これがどういう意義のある基準だと受け止めていらっしゃるかということと、あと内閣府で新たに審査業務が始まるということになるんですけれども、極めて専門的な知識も必要な審査業務が始まるということで、どのように体制づくりを進めていくかということを教えてください。
(答)先般の宇宙政策委員会で基準がまとまったということで、人工衛星の打ち上げ等の許可の判断の基準となる技術基準の検討につきましては、公共の安全確保及び宇宙諸条約の遵守のための必要最小限とすることに留意をしています。
 今般、警戒区域の確保あるいはロケットの中断措置等の安全基準を明確化することで、事業者の予見可能性を向上させて、今後、我が国の民間事業が活性化するということを期待しているところでございます。
 また、御指摘ありました審査業務が新たに発生するわけでございますので、これに、審査基準の作成に当たっていた職員が、専門家の意見あるいは助言を頂きながら審査に取り組むことになりますけれども、新たな民間のプレーヤーが出てくるということも願っております。また、審査業務だけでなく事前の相談等も重要と考えておりますので、しっかりと体制の充実・整備というものに取り組んでいきたいと思っておるところでございます。

(以上)