松山内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成29年10月20日

(平成29年10月20日(金) 10:38~10:47  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。私の方から3点御報告がございます。
 まず、クールジャパン戦略担当の大臣として報告を申し上げます。
 10月14日から15日まで韓国の釜山に出張いたしました。現地では食、J-POP、アニメ、観光などを紹介するイベントである「九州フェスティバルin釜山」に出席をし、日本や九州の魅力を発信するスピーチ等を行ってまいりました。
 特に、九州では昨年の大きな震災、あるいは今年の豪雨災害などもありましたので、九州の活性化という意味で、九州のクールジャパン戦略の一環として訪問をさせていただいた次第であります。
 今回の出張の成果を踏まえ、引き続き、クールジャパン戦略を積極的に推進してまいりたいと思います。
 次に、少子化対策担当の大臣として報告いたします。
 昨日19日、韓国のソウルにおいて開催をされました、少子化及び人口問題に関する国際会議に出席をさせていただきました。同時に、日韓少子化担当大臣会合を行ってまいりました。国際会議では、日本の少子高齢化が危機的な状況にあること、また、これを克服するために、安倍内閣では待機児童の解消や幼児教育の無償化、高等教育の無償化などに現在取り組んでいるということを発表し、国際社会に向けて発信をさせていただきました。
 また、少子高齢化について共通の課題を持つ韓国との間で実施をしました日韓少子化担当大臣会合では、少子高齢化による人口問題に関して、共同して課題の解決に当たることの重要性について合意をし、今後、両国間で、この人口問題を克服するための共同研究、また、東アジアでの人口問題を議論するプラットフォームの立ち上げについて検討を進めることにいたしました。
 今回の韓国訪問では、日本の取組が韓国メディアからも注目を集めていることを肌で感じてまいりました。急激に進む少子高齢化の対応は、日本固有の問題ではなくて全世界的な課題でございます。あらゆる政策手段を尽くして、日本の取組を世界経済の未来に挑戦する新しいモデルとして、世界に発信していきたいというふうに思っております。
 3点目ですが、宇宙政策担当の大臣として報告いたします。
 10月10日、大臣談話でも発表させていただきましたが、我が国のH-IIAロケット36号機によりまして、準天頂衛星みちびき4号機の打ち上げが成功いたしました。現在、4号機は順調に飛行しておりまして、今後1週間程度で所定の準天頂軌道に到達をする見込みでございます。今回の4号機を始め、今年度に予定しておりました3機全ての打ち上げが成功し、軌道投入の見込みが立ちました。改めて関係者の御努力に心から感謝を申し上げたいと思います。
 これを受けまして、来年度から準天頂衛星システムの4機体制によるサービスを開始し、各種測位サービスを多くの方が円滑に利用できるよう、より一層、関係者と連携をいたしまして進めてまいりたいと思います。さらに、宇宙政策全体を担当する立場から、準天頂衛星システムを含む宇宙開発利用の拡大に向けて、引き続き宇宙基本計画に基づく取組を着実に進めてまいりたいと思います。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 先日の理工系女子応援ネットワーク会議でも大臣挨拶されたかと思うんですけども、これから理工系の女性が非常に重要だと。理工系に女子が進学するための何らかの取組について、大臣どのようにお考えでしょうか。
(答)先日、理工系の女子応援ネットワーク会議を開催いたしました。女性の活躍の推進、あるいは次世代を担う理工系女子人材の育成は、多様な視点あるいは発想を確保して、イノベーションの創出によって様々な問題の解決を図るという観点から、我が国が持続的に成長していく上で、極めて重要であります。
 そんな中、女子学生の比率は極めて低い状況であるのも事実でございますので、今後は女子中高生に対して、理工系の職業や面白さに触れ、あるいは苦手意識や固定的な先入観を払拭する機会を提供していくことは極めて重要かというふうに思います。
 内閣府においては、文部科学省あるいは経済界、大学・学術団体との連携で夏のリコチャレとして、夏休みの期間中、多くの企業・大学に協力を頂いて、理工系の職場や工場の見学あるいは仕事の体験、先輩女子社員との交流などのイベントを実施してます。先般は2回目の産学官のネットワークの会議を開催させていただいたわけですが、こういったところで情報を共有をしたり、あるいはシンポジウムを行ったり、これからもいろいろな形で取り組んでいきたいと思っておるところでございます。
 その上で、こういった取組を進める上で、女子中高生の本人に加えて、保護者あるいは教員等に対する理解促進といった周囲への働きかけも含めて、社会全体で支援する環境づくりが極めて重要だと思っております。引き続き検討してまいりたいと思っておりますが、特に、先程も申しましたように女性の視点あるいは発想は極めて重要でありますので、女性がより理系を目指していただくために何らかの優遇できるような、背中を押せるような、そういった支援策というのを検討していきたいというふうに思っております。
(問)NHKの小泉です。
 先程、韓国の少子化担当大臣とお話されたということだったんですけれども、このアジアというか、他国とこの少子化問題について連携される意義というか、そういうことについてもう一言いただけたらと思います。
(答)韓国も、御承知のように昨年の出生率が1.17ということなのですが、極めて深刻で、日本のこれまでの少子化対策の取組を非常に参考にしたいということもあるし、韓国では長年の少子化状況ですので、我々も参考にできるものもあろうかと思いますし、タイやシンガポールといったところも、随分そういった状況になってきつつありますし、中国も一人っ子政策ということも長い間続けてきましたので、こういった状況になりますから、東アジア全体でいろんな情報交換をしながら、この少子化対策、一日も早く対応できるような対策を練っていくために、今回の大臣会合も非常に意味があったと思います。
 特に韓国では、大統領が委員長になって少子化対策の委員会を立ち上げたということですので、我が国と同じような深刻な状況を共に取り組んでいるという意味では、今回の意見交換は非常に有意義な情報交換でもありました。

(以上)