松山内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成29年9月8日

(平成29年9月8日(金) 11:51~12:02  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 私の方から、科学技術政策・宇宙政策担当の大臣として、1点御報告を申し上げます。
 一昨日、9月6日から7日にかけまして、東方経済フォーラム2017の出席及びロシア政府要人との会談等を目的に、ロシア・ウラジオストクに出張してまいりました。
 安倍総理、ロシアのプーチン大統領、韓国のムン大統領、モンゴルのバトトルガ大統領らがスピーチを行った東方経済フォーラム2017全体会合にも出席をいたしました。
 また、私の方は、ロスコスモスの総裁でありますコマロフ総裁と会談をしまして、国際宇宙ステーションを始め、日露の宇宙政策分野における連携の在り方等について意見交換を行いました。さらに、来年3月、東京で開会予定の第2回国際宇宙探査フォーラム、ISEF2への参加を招請し、参加について御快諾を頂きました。
 また、極東連邦大学のアニシモフ学長代行との間で、日露の大学等による研究協力の在り方について意見交換を行いました。加えて、東北大学の丸田教授と極東連邦大学との共同研究拠点である国際燃焼・エネルギー研究室を視察させていただきました。
 今回、出張の成果につきまして、科学技術・イノベーション政策の更なる推進に役立ててまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 一昨日なのですけれども、大型の太陽フレアが発生しまして、衛星などへの影響が懸念されているのですけれども、内閣府としてどのように対応されるのか教えてください。
(答)情報通信研究機構、総務省のNICTの情報によりますと、6日に発生した大規模な太陽フレア現象に伴って放出された高温のコロナガスが本日の午後15時から24時、地球に到来することが想定されています。
 これによる人工衛星通信網、あるいは送電線などの影響が懸念されているため、関係する省庁と連携しまして、引き続き注視をしてまいりたいと思っているところでございます。
(問)NHKの鈴木と申します。
 ロスコスモスの総裁と会談されたということですけれども、今後、宇宙政策や宇宙において、ロシアとの協力の在り方というのはどのようにお考えで、どのように推進していきたいかというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)コマロフ総裁との会談ですが、日露の宇宙政策での連携の在り方について意見交換を行ったところです。特に宇宙分野での日露の連携としましては、国際宇宙ステーションが極めて重要ですし、我が国の宇宙飛行士の国際宇宙ステーションへの往復は、ロシアのソユーズなしでは手段がないわけでありますので、まずは無事にこれまで御協力いただいていることに感謝申し上げ、また、次回、金井飛行士の派遣についてもお願い申し上げたところであります。
 もう1点はISEF2ですね。これについては、極めて重要な会議ですので是非参加したいということで、快諾を頂いたところであります。双方、宇宙分野で日露間の協力の機運を高めていくという認識を共有できたことは、非常に有意義な会談でございました。
 もう1点、先方からは、先ほど私が申し上げたことについては、金井さんのISSへの派遣に万全を期したいというお言葉と同時に、日本がISSの2024年までの延長を決めたことは大変喜ばしいということで合意いたしました。また、リモートセンシングについて、防災等様々な分野で幅広い可能性を有しているので、引き続き観測の情報交換等々深めていきたいので、日本の民間企業にロシアの宇宙分野をアピールできる機会を持ちたいということでお話がありました。
 今回の会談を契機に、今後の日露間の宇宙分野の連携を更に深めていきたいと思っております。
(問)NHKの小泉です。
 関連しまして、アニシモフ学長と研究協力の在り方について意見交換をされたということでした。日露との研究協力に、もう少し具体的にどのようなお話をされたかお伺いしてもいいでしょうか。
(答)(事務局)アニシモフ学長との間では、日ロ間で既に大学間交流というのをかなり積極的にされていますので、特に学生交流に当たって、極東連邦大学と日本の複数の大学とで協定を結んで研究が、あるいは学生交流を進めているという話がありました。ですので、それについて一層進めていくというのが一つ。
 それとあと、極東連邦大学の方では、やはり科学技術でも重点分野っていろいろ定めている。燃焼エネルギーの分野であるとか、生命科学とか、いろいろな分野で重点分野を定めていますので、それについてお聞きするとともに、日本の大学あるいは研究機関との協力の可能性について、これから模索していこうという話になったものです。
(問)フジテレビ、和田でございます。
 今の日露の宇宙協力の問題なのですが、今、米露関係というのが少し緊張関係になるというような中で、政治的な意味合いで、それが日露間の宇宙協力に何がしかの影響を及ぼしかねないというような御懸念はお持ちでしょうか、全くありませんでしょうか。
(答)私が、コマロフ総裁とお会いして、また今回の各首脳の全体会合も出席した中では、今のところは日露の宇宙政策の連携について全くそういう懸念は抱いていないところでございます。
(問)テレビ朝日の佐藤と申します。
 1問目にありました大型の太陽フレアなのですけれども、引き続き注視していくと、最初、御発言がありましたが、何かそれに向けての体制等はとられているのでしょうか。
(答)例えば、先般打ち上げた準天頂衛星システム、みちびきにつきましては、監視体制を強化しておりまして、万が一、衛星に異常が発生した場合は、速やかに衛星を保護する運用、省電力モードなどの安全なモードに切り替える等の運用を行って、修正していくという準備をいたしております。
 2003年にもこのような状況があったそうでありますが、このときもデータ中継技術衛星、こだまが影響を受けて、その後、同じような修正をして、定常運用に復帰したというようなことを聞いておりますが、私としては、今、みちびきについてはそういう体制をとっております。
(問)東京新聞の柚木です、よろしくお願いします。
 先日のロシア訪問前の会見でおっしゃっていらっしゃいました、覚書の取り交わしの中身に福島第一原発の廃炉や放射線廃棄物の減容化についても取り交わすというお話があったのですけれども、どこの機関とどういうタイミングで相手方と、あと中身をもう少し教えていただきたいのですが。
(答)放射線廃棄物の処理及び管理のためのマイナーアクチノイドの核変換のための炉物理試験に関する情報交換のための覚書であります。これは日本原子力研究開発機構とロスアトムの間で覚書が交わされたところでございます。
(事務局)廃炉関係共同研究は文部科学省、文部科学審議官とそのカウンターパートの教育科学省の次官との間で覚書を結ばれています。具体的なものはその機関に直接問い合わせていただけますか。

(以上)