梶山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年10月6日

(平成29年10月6日(金) 10:32~10:40  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.質疑応答

(問)今日午後、まち・ひと・しごと創生総合戦略KPI検証チームの初会合が開かれます。この会合の狙いと見通しについて教えてください。
(答)今年度は総合戦略の中間年に当たります。総合戦略において設定している基本目標やKPIについて必要な見直しを行い、より効果的な対応を検討すると、「まち・ひと・しごと創生総合戦略(2016改訂版)」に記述しているところであります。
 これを踏まえ、基本目標及び各施策のKPIについての検証等を行う「まち・ひと・しごと創生総合戦略のKPI検証チーム」を私の下で開催することになりました。
 本日、第1回目の会議ですので、KPIの現状と論点について御議論をいただく予定です。
(問)2020年時点で、東京圏と地方の転出、転入を均衡させるという指標もありますが、これは現実的にもう達成困難じゃないかと思うんですけれども、まずそのことについてどう思われますか。
(答)2020年までまだ数年あり、いろんな施策を今行っているところでありますが、それらの施策の検討も含めて現状の把握をしていただいた上で、検証チームによる議論を踏まえて、対応を検討していきたいと思っております。
(問)そもそも実現の可能性が低い目標設定だったとは思いませんか。
(答)最初のKPIの設定でありますので、こういう形にしたいという思いも含んでいたこともあるかと思います。しっかりそれに向かってどういう施策をしていったら良いのかということを、今、取組を加速をしながらも、検討しているところであります。
 例えば、地方の大学の振興であるとか、昨日も会議をやりましたけれども、東京の大学の定員抑制。また、政府関係機関の地方移転、地方の産業の創出、雇用の創出、これらも含めて、少し時間が掛かることかもしれませんけれども、そういう転出入の均衡を図っていくことで、地方が生き残れる形になる、また、日本全体も活力を取り戻すことになるという思いで、これからも進めてまいります。まずはこの検討チームの検討結果を踏まえて、どうしていくかということを決めてまいりたいと思っています。
(問)昨今、日本版DMOの設立が相次いでおりますけれども、地方創生を推進するべき意義と、これまでの取組を教えていただけますでしょうか。
(答)これまでの観光地域づくりというのは、文化、農林漁業、商工業などの地域の関連事業者や住民等の多様な関係者の巻き込みが不十分ということでありました。また、来訪客に関するデータの収集、分析も不十分であった。効果的なブランディングやプロモーションといった民間的手法の導入が不十分であった。そういう反省を踏まえて、国内外からの観光客の地方への流れを創出し、観光による地方創生を実現するためには、多様な関係者の合意の下で、効果的なマーケティング、観光地の一体的なブランドづくりなど、観光振興を戦略的に推進する舵取り役であるDMOを全国各地で形成、確立する必要が出てまいりました。
 観光地域づくりの舵取り役を担う法人ということでして、地域の稼ぐ力を引き出すために、観光地としてどうしたら良いのか。いろんな方々の意見を集約していく。また、様々な手法を取り入れていく。その上で動線を作っていく。そして、海外の方々、新たな市場である、海外の訪日客、そういった方々をいかに取り込めるかというのが、それぞれの地域のこれからの大きな課題であると思います。
 成功例として、例えば、徳島県の一般社団法人そらの郷というものがあるんですけれども、そこでは、自然、歴史、文化、伝統芸能、食、温泉などの地域資源を、地域住民が主体となった体験プログラムとして掘り起こし、リノベーションされた古民家や農家等に宿泊した観光客に提供することで、地域への滞在、周遊を促す取組を行っておりまして、例えば、徳島県の4市町における外国人延べ宿泊者数が平成24年には2,232人泊だったのが、平成28年には1万8,495人泊ということで数値の上で大きな変化を見せておりますし、またこの地域の従来の宿泊施設、5つホテルがあるんですけれども、外国人の宿泊者数は10年間で見ますと、27倍に増えている。平成19年が546人泊、平成28年が1万4,828人泊ということで、こういった取組が実を結んでいるところもあり、他の地域もこういったものを倣っていただきたいと思います。それぞれの地域の特性がありますから、どういった特性を表に出していくかというのは、これからDMOを作り、そしてその中で議論、検討をしていただきたいと思っております。
 そういったやる気のあるところには、従来からお話しておりますけれども、地方創生版の3本の矢で支援を行っていくということで、情報支援、人材支援、そして財政の支援ということで、しっかり後押しもしてまいりたいと思いますし、その人材を育成する意味でも、この支援を強くしてまいりたいと思っております。
(問)この情報支援のところで言いますと、DMOネットがまち・ひと・しごとの管轄でやっていらっしゃる支援かと思うんですが、それの現状を教えていただけますでしょうか。
(答)DMOネットを今年3月に立ち上げたということで、DMO候補法人の業務の効率化を図ったり、また現在110社登録されている専門事業者とのマッチングなどを支援しているというところであります。
 ですから、地域の知恵だけじゃなくて、いろんなところとのマッチング、どうしたら良いのかという、地域だけではなかなか選択の幅が狭くなってしまうところを広くするためにも、こういったDMOネットを御利用いただければと思っております。

(以上)