梶山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年8月4日

(平成29年8月4日(金) 11:30~11:48  於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 皆さん、こんにちは。
 このたび内閣府特命担当大臣を拝命いたしました梶山弘志でございます。私の担当は地方創生、そして規制改革でございます。併せて、内閣の担当大臣としてまち・ひと・しごと創生、行政改革、国家公務員制度担当も務めます。
 地方創生についてですが、地方創生は、人口の減少に歯止めをかけると共に、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持することを目指しております。
 平成29年度は、まち・ひと・しごと創生総合戦略の中間年を迎えておりまして、これからは成果が問われることとなります。国としても、今後とも意欲と熱意のある地方公共団体に対して情報支援、人材支援、財政支援の地方創生版「3本の矢」で強力に支援するほか、現在の取組を更に深化させると共に、地方創生に資する大学改革等、地方創生を加速化するための新たな取組を行い、地方創生の新展開を図ってまいります。
 国家戦略特区につきましては、日本が世界で一番ビジネスのしやすい国を目指し、日本経済を成長軌道に乗せるための重要な実現手段でございます。本年度末までの集中改革強化期間に、重点6分野を含む残された岩盤規制改革を積極的に行ってまいります。もちろんその実施に当たっては、国民の皆さんに分かりやすくしっかりと説明をしてまいります。
 地方分権改革についてでありますが、地方分権改革の推進は、地域が自らの発想と創意工夫により課題解決を図るための基盤となるものでありまして、地方創生において極めて重要なテーマであります。現在進めている地方分権改革に関する提案募集について、地方からの提案をいかに実現するかという基本姿勢に立って、改革を着実かつ強力に進めてまいります。また、改革の成果を国民が実感できるよう優良事例の普及や情報発信の強化等に努めてまいります。
 次に、道州制についてですが、道州制の導入は、国の在り方を根底から見直す大きな改革でありまして、この検討に当たっては、国民的な議論を十分に行うことが必要であります。現在、与党において道州制に関して検討が行われており、政府としても連携しつつ取り組んでまいりたいと存じます。
 規制改革についてですが、アベノミクスがスタートして4年半を過ぎましたが、規制改革が一丁目一番地であることに変わりはありません。今後、本年6月に閣議決定した規制改革実施計画を確実に実行すると共に、更なる改革の実現に向けて規制改革推進会議での審議の充実を図ってまいります。
 行政改革についてですが、国民から納めていただいている貴重な税金をできる限り有効に活用し、政府への国民の信頼を得る観点から極めて重要な取組であると考えます。このためにも、行政事業レビューを通じた国の全ての事業の見直しとその予算への反映を徹底し、行政の無駄を排除すると共に、証拠に基づく政策立案、すなわちEBPM(Evidence Based Policy Making)を推進することで、行政機能や政策効果の向上を図ってまいります。
 国家公務員制度及び行政組織についてですが、限られた人的資源を最大限活用し、政府全体として戦略的人材配置を行います。そのため、公務における優秀な人材の確保・育成・活用に向けて働き方改革の推進などに取り組んでまいります。併せて、既存体制の見直しを進めると共に、戦略的な機構・定員配置を通じて、急増する内閣の重要課題に確実に対応できる体制の構築を進めてまいります。
 公益法人制度についてですが、民による公益の増進を担う公益法人は、活力あふれる共助社会を支える重要な存在であります。私としましては、引き続き公益認定等委員会と協力し、公益法人の自己規律の確立や適正な法人運営の確保に努めることにより公益活動の活性化に一層尽力してまいります。
 公文書管理についてですが、現在と将来の国民に対する説明責任を全うするため極めて重要な制度である公文書管理制度について、制度所管官庁として、各府庁における公文書管理の質を高めるための不断の取組を行ってまいります。また、国立公文書館の新たな施設の建設について、今年度中に基本計画を策定するなど、新たな施設の建設に向けた取組をしっかりと進めてまいりたいと存じます。
 特定秘密の指定等の適正確保についてですが、独立公文書管理監及び情報保全監察室が運用基準に定められた権限を適切に行使しつつ、特定秘密の指定等について実効的に検証・監察を行い、法の運用の適正が確保されるよう万全を期してまいります。
 重要な政策課題に取り組むこととなりまして身の引き締まる思いであります。安倍内閣の一員として精いっぱい努めさせていただく所存でございますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 以上です。

2.質疑応答

(問)公務員制度担当としてお伺いしたいんですが、内閣人事局長が杉田さんになられましたけど、その受け止めをお伺いできたらと思います。
(答)これは内閣法に基づいて総理が副長官の中から選ぶことができるということでありますので、総理の判断でそういうことになったものと存じます。
(問)杉田さんに期待されることをお伺いできたらと思います。
(答)適切な評価と、その実行に期待をするということであります。
(問)加計学園の獣医学部新設をめぐる問題に関連してお伺いします。昨日、総理は会見で、内閣府と文科省で言った言わないの水掛け論に陥って疑念を招いたと御発言されました。こうした省庁間の調整プロセスについて、梶山大臣は更なる透明性の向上に向けてどのようにあるべきだというふうにお考えでしょうか。
(答)この課題は、当事者間の言葉が違ったり、いろんな疑念を生んでいるというのは総理の言葉のとおりだと思っております。そういったものを払拭するためにも、省庁間の調整をしっかりしていくということと、その調整過程も含めたプロセスを透明化していくということ。それには、今度は公文書の管理ということも必要になってくると思いますけれども、省庁において少しばらばらになっていた感がありますけれども、公文書の管理のガイドラインを今年中に改定しようということで、その改定したものをしっかり各省庁の共通の認識としてこれからそういうものが皆さんに理解されるような形になれるように努力してまいりたいと思います。
(問)先程の御発言の中で、省庁間でばらばらになったという感じがあるがというふうにおっしゃられましたけど、どういった意味合いかもう一度御説明いただけますでしょうか。
(答)その管理の在り方ですよね。管理の在り方は皆さんもお感じになっていると思いますけれども、やはり予算委員会等での話を聞いていても、どうもやっぱり共通認識がないということかもしれません。ですから、公文書の管理をあずかる者としてしっかりともう一度、公文書についての認識を共有していただくということだと思っています。
(問)地方を取材で回ると、地方創生に対する期待が強いと感じます。梶山大臣は、地域の経済を良くする、あるいは人口減少を食い止めるためにどのような手を打っていきたいと思いますか。それから、梶山大臣の考える理想的な国家像といいますか、そういう理念的なことでも結構ですので、ちょっと大局的な見地からお考えを聞かせていただけませんか。
(答)地方創生の政策、中間年を迎えたということは先程申し上げましたけれども、地方の提案でやれるものはやっていこうと、意欲の有るところにはしっかり支援をしていこうということなんですね。横並びで全て同じくという時代はもう過ぎたと思っております。意欲の有るところ、その地域の個性を生かしながら、どう持続可能な地域にしていくかということがそれぞれの地域の課題でもあるし、そういったものをしっかり後押しをしていくということになろうと思いますし、それができると、今度は他への横展開ということになるわけですけれども、必ずしも横展開が全て成功するとも限らない。それぞれの地域に合わせた応用をしていくということになると思います。
 この課題は、かなり大きな課題だと思っています。人口減少局面に入りました。そういった中で、東京だけ人口が増えている、若い人たちの人口が増えている。こういったものを直していくためには、制度的なものもある、また税も活用しなければならないかもしれない。そういった中で、地方に若い人たちの目が向くように、また、例えば生まれた地域で、そこで就職をしたい、そこで住んでいたい、住み続けたいといったときにできるような地域作りのお手伝いをしてまいりたいと思っています。
 全体の経済の数値は上がってきましたけれども、これはやっぱり地方によってはまだら模様だと私は思っております。地方創生をやることによってローカルアベノミクスの推進にもつながると思いますし、それぞれの地域が特性を生かしながら、経済を少しでも底上げしていくんだと、その地域の財政指数を少しでも上げていくんだという意識を持ちながら、そういう共通の認識の下に私どももお手伝いをしてまいりたいと思っています。
(問)先程の公文書管理の関係で御質問なんですけれども、行政文書管理規則によるガイドラインの見直しを今政府としては進められていると思いますが、もし、時期的なめどとしていつごろをめどに公表されるのですか。
(答)年内にということです。
(問)憲法改正の件でお尋ねします。昨日、安倍首相が記者会見で、改正憲法の2020年施行目標や、秋の臨時国会への自民党改憲案提示について議論を深めるべきだと一石を投じたと、スケジュールありきでないとおっしゃいました。また、萩生田光一幹事長代行も、この総理の発言について、臨時国会でのということを軌道修正したというふうに発言されているんですけれども、この一連の憲法の改正をめぐる流れについて、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)これは国会で憲法審査会で議論をされること、それぞれの政党においてまた議論をされることであって、私がこの立場でコメントすることではないと思っております。
(問)地方創生について関連させていただきます。前の山本大臣は、地方創生とは地方の平均所得を上げることだと定義付けられて、地方に稼ぐように、稼ぐ取組を応援しようと定義付けられていたんですが、梶山大臣は、この地方創生をどのように定義されて、また、平均所得を上げることだということは引き継がれるお考えでしょうか。
(答)これは、日本の経済全体の底上げをするためにも、地方の経済の活力を上げなければならないということでローカルアベノミクスもやっております。そういった中で、所得が上がることによってその地域の雇用が生まれる。そして、それが給与に反映する。そして、それが消費につながるという経済の好循環を生むのも、このローカルアベノミクスと地方創生の合わせ技だと思っておりますけれども、それ以外にも経済的なものだけではなくて、その地域の魅力であるとか個性であるとか、やはりここに住みたいんだと、ここで家族で住みたいんだ。そして、ここでこうしたいんだ。そして、働きながらも余暇はこういうところで暮らしたいんだというような感性というものも必要だと思いますし、その地域に合った産業の在り方というものもあると思いますので、そういったものを全て含めたものが地方創生につながると思っておりますし、所得も重要な要素の一つだと私は思っております。
(問)関連してお伺いします。昨日の会見でも梶山大臣は、地域の独自の価値観を作っていくことも大事だと、地方創生に関しておっしゃっていたんですけれども、それはどういったふうに政策として落とし込んでいくのかというところをもうちょっと具体的に教えていただけますでしょうか。
(答)まだそれが成功しているところがあるかどうかというのは私も精査してみないと分かりませんけれども、例えば政策の重点化ということで子育て支援に回すとか、子育て支援というのは、やっぱり人口減少社会で子供さんたちも減ってくる、そして人口構成が変わってくる。そういった中で経済の活力というのは、若い世代がいないと、どうしてもその地域の活力というのは落ちてしまう。なぜかといえば、子育て世代は子供さんが幼稚園に入る、小学校に入る、中学校に入る、高校に入るということの中でランドセルを買ったり、自転車を買ったり、腕時計を買ってあげたり、家を子供の成長に合わせてリフォームしたり、家を建てたり、車を買い換えたりと、借金してでも必要になるんですね。そういうことも含めて、やはり若い世代がその地域に住めるような政策を後押しする。財政面だけではなくてどういった形で、逆に共助という形で子育てを経験した人たちが若い人たちにアドバイスできるかとか、そういう仕組み作りも一つだと思いますし、治安のよさ、安全・安心ということでは犯罪が起こらない。それは、近所の連携であるとか、また共助であるとか、そういったものも含めて住みやすさ。普段はお金を掛けなくてはならないところにお金を掛けなくて済む。その結果、生活に余裕ができるということもあると思いますし、あとはその地域の特性に応じた産業の作り方、6次産業化ということでも結構でしょうし、また、そこで埋もれていた古い産業がブラッシュアップすることによってもう一回輝きを取り戻すとか、そういったものが地域から提案をされて行われるものだと思っていますし、そういったものが良いものがあれば、三つの支援をしっかりとしてまいりたいと思っています。

(以上)