鶴保内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年4月11日

(平成29年4月11日(火) 9:06~9:25  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 私の方からは1点、みちびき2号機打上げ日の決定につきまして。準天頂衛星システムの4機体制に向け、みちびき2号機の打上げを6月1日に実施をすることにいたしました。これから順次3号機、4号機を打ち上げまして、平成30年度にはセンチメートルレベルの精密な位置情報等が利用できるようになる予定であります。
 今後、引き続き予定どおり衛星が打ち上げられ、準天頂衛星による各種測位サービスを多くの方が円滑に利用できるよう、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。
 私の方からは以上であります。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 沖縄の振興についてお聞きしたいんですけれども、先週、OIST(沖縄科学技術大学院大学)がオニヒトデのゲノム解読なんかをしたりして、駆除につながると。そういったマリンゲノム関係については、研究成果がいろいろ出ていて、沖縄振興にもつながっているんですけれども、沖縄の産業とか地域振興につながるようにするために、OISTを今後どういうふうに活用していくのか。今のまま以上に、元々OISTは沖縄振興予算でやっていることもあり、どういうふうに振興につなげていくのか、そこら辺について教えてください。
(答)OISTに何度か行かせていただいて、各研究者のそれぞれの研究成果をいろいろとお聞きをいたしました。その結果として受けた印象でありますが、各研究者も沖縄であるからこそできる研究、沖縄の人たちとすればより進むであろう研究には特に興味を持ってしていただいているのは事実であります。
 例えば先程のオニヒトデだけではなくて、波力発電、波の力を使った波力発電の研究なんていうのも世界的にはもう最先端のものになりつつあるんだという話もありました。そういった沖縄についての研究、沖縄についてというか沖縄の振興に資するものというのは、本人たちが意識されているかどうかは別として、せっかくそちらにいらっしゃるのであればということがやっぱり大きく意味はなしているんだと受け止めております。
 ただ、沖縄であるからこそスポンサーを探すとか世界への情報発信をするとか、多少、他の大学と比べてデメリットに働く場合も無きにしもあらずのところもありますから、そういったところを是非私たちとしてもサポートしていかなければならないんだと思っています。
 それ以外に、沖縄振興のために我々がするということよりも、自由な研究を私たちがいかにサポートしていくかということに今は主眼を置いているというのが実情であります。
(問)化学工業日報の伊地知と申します。
 来年度の予算編成に向けて総合戦略の検討に入っていると思うんですが、その中で、骨子案の中でも書かれたと思うんですけれども、民間投資の促進と、呼び水にするようなことを今後明確にしていくというふうに理解しているんですが、これまでと来年度の予算に向けての資源配分が変わっていくところがあるかということと、それから、これで民間の投資が増えることが、第5期の5年間の目標に掲げてある総額の中に内数として民間投資のものも入れていくというふうな発想があるのか、この2点をお聞きしたいんですが。
(答)内数としてというよりも、飽くまで私たちが目指しているのは科学技術予算の全体としての増大でありますので、呼び水としてという言い方をよく申し上げているとおり、民間の研究開発投資も非常に大きな意味を持ってくるのであろうと。なおかつ、そういう総体としての国民的理解を得られる社会を私どもとしてはちゃんと目指していくと。
 以前この席で申し上げたかと思いますが、国の科学技術予算の半分以上が軍事費予算ですというような国も世の中にはあるわけで、そういう状況を目指しているわけではない。私たちは飽くまで科学技術の予算を呼び水にして、全体としての官民投資が伸びるようにしていきたいというのが主眼でありますので、それを内数というかどうかは受け取られる方の思いみたいなものに変わってくるのかなと思います。
 それから、前半は何でしたか。
(問)その呼び水のためのいわゆる予算配分が大きく変わるというものがもしあれば教えていただきたいなと。目玉ということですけれども。
(答)それは実を言うと、この4月だったかな、官民ターゲット領域を決めていくのは。4月中には中間取りまとめをして、どの部分に重点配分をしていくかについてターゲット領域という名前の下に決めていこうと、今CSTI(総合科学技術・イノベーション会議)の方で議論をしていただいているところですので、少しお時間を頂ければと思います。
(問)それから、すみません、2番目のものでちょっと言葉足らずで恐縮だったんですが、政府の掲げている5年間の予算の目標がございますよね。その中に新たに民間の投資で呼び水としてやったものも内数として入れてしまって、いわゆる政府の投資目標を補っていくというふうな発想はなくて、民間は民間、政府が投資するものは引き続き政府目標に向けて予算を獲得していくというふうな理解でよろしいかということです。
(答)そういうことだと思います。
(問)いや、過去にいろんなもので、総額でどんどん増やしていって、地方自治体を増やしたりとかという形で母数が増えていった経緯があるわけです、過去に。第1期の時には、純粋に国の予算で政府目標17兆円といったものが段々地方自治体も入れていくという形で分母を増やしていったという経緯があったんですけれども、今回、民間の投資が殖えたとしても、それを内数として、いわゆる総額として盛り込むという考えはないという理解でよろしいんでしょうか。
(答)飽くまで私たちの数字を増やしていくということを今のところは申し上げています。
(問)朝日新聞です。(永田記者)
 ちょっと話し変わるんですけれども、自民党の沖縄県連が先週末、普天間飛行場の辺野古への移設容認を正式に決められましたけれども、これについての大臣の御所感をお伺いできますか。
(答)常にこれ言い方じゃないかなと思いますけれども、私どもと立場はあまり変わらないと思います。自民党の県連の先生方とも常に、密に意見交換、情報交換をしながら進めさせていただいているつもりでありますが、唯一の解決策、そして、それでなければならないという考え方で、沖縄の意見は全く聞きませんよ、沖縄の考え方を全く採用しませんよというのはあり得ないと私は思っています。
 そういう意味においては、虚心坦懐、前広に色々な意見を聞いて、正すべきところは正し、沖縄の方々の理解を得られるような努力は必要であると、今までもこれからもこのような思いであります。これまであらゆる選択肢をと言ったのは、辺野古容認という形になったと言いますけれども、多分考え方のベースは変わっていらっしゃらないのではないかと思いますし、私どもも変わっていないと、変わるべきではないと思って御理解をいただければと思います。
(問)それと、県民投票の可能性を模索しているという動きも一報道でありますけれども。これについてはどのように思われていますかね。
(答)選挙というものは、ある意味そういうことになっている部分もあるでしょうし、それから、もしおやりになられるとしたら、それは相当大きな意味があるだろうと、覚悟があるだろうと思いますから、問い方にもよりますので、県民投票と言ってもですね。基地問題をどうしますかというのと、辺野古に賛成ですかというのと、またそれは感覚の問い方も変わってきますから、そこは慎重に私どもとしても、自民党として、考えている部分があるのではないかと思います。
(問)沖縄タイムスの上地です。
 関連しまして、普天間の返還が盛り込まれたSACO(沖縄に関する特別行動委員会)の中間報告から明日で21年になります。政府の方としては、翁長知事が辺野古に協力的でないことを挙げて、普天間の5年以内の移設というのは困難という見通しも示していますが、先程大臣も唯一の解決策はそれでなければならないということではない、話合いもしながらということもおっしゃっていました。5年以内の運用停止というものに対して、辺野古ができるまでの間、普天間の危険性の除去というのはどういうふうにすべきだというふうにお考えでしょうか。
(答)普天間の話は、一日も早く、それこそ一秒でも早く返還をしていくべきだし、危険性の除去をするべきだと。この交渉の中で、これは私どもの所掌ではないんですけれども、交渉の中でこれが今は辺野古移設を条件とするという状況になっています。ここは政府としても最大限の理解を得られるよう今までも努力をしてきましたし、これからも努力をしていくべきだと思います。
 そのことについてポジショントークをするような向きもないではないかもしれない、様々な御意見を聞く限りではですよ。とにかく言ってやって反対だと。この間、沖縄の県議会議員の先生方がいらっしゃった時にも同じことを申し上げたんですが、これ共産党の方もいらっしゃいました。その中で私が申し上げたのは、皆さんだって政府にこういうことを言ってやって、それで気持ちよく終わったと、これで終わりだと、こういう話はもう絶対受け入れられないんだというだけで、気持ちよかったねというだけで終わっていたのでは、これは意味もないですよねと。ただ、逆に政府の側も皆さんに対して、いや、辺野古移設が絶対なんですよと。もうそれ以外一切交渉しませんよというこのやりとりは不毛ですよということを申し上げたつもりであります。
 誤解のないように言っておきますが、先程、辺野古が唯一の解決策ではないとは言っていないんです。辺野古が唯一の解決策であるというのは、私たちの政府の立場であります。じゃあどうするんですかと。その中で、反対をされる側は、じゃあこういうふうな解決策があるんじゃないですかね、あるいはアメリカ軍とのやりとり、アメリカとのやりとりの中でこういう提案をしていったらどうなのか等々、建設的な意見もあって然るべきだと思いますし、また、逆にこういうふうにすればもう少し理解も得られるんじゃないかという手続上の提案等々もあるのではないかと思うんです。
 何度も言いますが、政府もそういう努力を虚心坦懐に受けるべきだと思いますし、それは決して昔も今も変わっていないと私は信じています。辺野古が唯一の解決策と言って、はね付けるようなものではないんだということは県民の皆さんにも是非御理解をいただきたいと思いますし、逆に、だからこそ県民の皆さんも、県の皆さんというか、県民の皆さんとは言いません。ある一定の立場の方々に対しても、それは言って終わりだということではなくて、様々なまた意見を、是非建設的な意見をやっぱり戦わせるべきなのではないか。そして、その場を私は作っていくべきなのではないかということをずっと申し上げております。
(問)共同通信の市川です。
 関連で1問お伺いします。今、大臣が辺野古が唯一の解決策と言ってはね付けるようなものではないというふうにおっしゃっていたんですけれども、政府の方は16日の週前半にも辺野古の護岸工事に着手するという方針を固めたという一部報道がありまして、護岸工事に着手するということは、海底に石材などが積み上げられて、元に戻す原状回復がこれ以降困難になるという見方があるんですが、護岸工事に着手するということに対してどう受け止められているかというのをお聞かせ願えればと思います。
(答)これは今までの長い間のいきさつがありますので、普天間と辺野古を交渉の中で条件としてきた交渉の経緯がありますから、普天間移設について先程おっしゃったように、普天間移設についてのもう待ったなしの状況を解決するという意味においては、辺野古の手続は一刻の猶予もないという立場であります。辺野古が唯一の解決策と言ったのは、そういう立場の中でのことだろうと思います。
 私が今ここでこういうことができたらということを提案するわけにはいきませんけれども、その中で、その手続の中でもいろんな話合いはやはりあるのではないか、あるべきではないかということを申し上げておきたいと思います。
(問)科学新聞の中村です。
 先程の科学技術の投資のことについてちょっとお聞きしたんですけれども、今のシーリングのやり方と、今の官民投資が呼び水としての新型推進費を作ると思うんですけれども、今のシーリングだと、例えばSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)予算550億がベースになった場合、今のシーリングは大体10%削減で20%要望、そうすると、1.198倍くらいになるんだと思うんですが、大体110億ぐらい、目一杯要望が受けられたとしてもそのぐらいだと。それで、本当に呼び水、全体の各省を引っ張っていけるだけの予算になるのか、あるいは今のシーリングの枠外の何らかの手を大臣としては考えられているのか、そこら辺についてはどうでしょうか。
(答)考えています。考えていますが、なかなか現実は難しいというのが現状で、はっきり言いましたけれども、以前も申し上げたと思いますが、今のままで、このシーリングの枠がある状態で、とてもとても我々が目指すべき予算の達成はかなり困難であると思いますので、これは是非とも国民の皆さんにも応援を頂きたいと思います。
 最後は、我々も覚悟を決めて、これについて行動を起こさねばならない時がもう近付いていると思っていますから。

(以上)