鶴保内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年9月6日

(平成28年9月6日(火) 10:55~11:11  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 まず大臣就任後、今回初めて最先端の研究開発現場を間近で見ることができました。10月から特定国立研究開発法人としてスタートする物質・材料研究機構、産業技術総合研究所の最先端の研究現場を視察し、現場の第一線の研究者に話をお伺いすることができました。また、その他にも筑波大学へ行きまして、昼食を交えて意見交換をし、睡眠に関する世界トップレベルの研究拠点を拝見し、改めて基礎研究の重要さと大学の果たす役割の大きさを肌で感じてまいりました。 加えてJAXA(宇宙航空研究開発機構)に参りまして、準天頂衛星など衛星の実物や管制ルームを見て、そこで国際的に活躍する人材も含め、日本の宇宙開発のレベルの高さを体感することができました。 現場の記者会見でも申し上げましたが、その現場で大変、民生化について、まだ各地各所で様々な努力をしておられるということも感銘を受けたところでありますが、なお一層このことについて内閣府としてもサポートできることがあればと考えております。
 なお、本日の閣議におきまして、明日、9月7日から10日までの4日間、トルコ共和国を訪問いたすことを了承いただきました。トルコにおいては、近々宇宙機関の設立等が計画されている等、宇宙開発利用活動を積極的に進めようとしておりまして、この時期に両国の宇宙分野における今後の協力活動について、担当大臣と会談して弾みをつけることは極めて有意義と考えております。今回は、エルドアン大統領宛ての安倍総理の親書も携えて行くこととしておりまして、現地ではユルドゥルム首相とお会いする他、アルスラン運輸海事通信大臣及びオズル科学産業技術大臣等と、日本とトルコの間の宇宙開発利用や科学技術に関する協力活動について会談を行う予定であります。 また、帰国後報告させていただくべきことができましたら、報告させていただきたいと思います。
 以上です。

2.質疑応答

(問)化学工業日報の伊地知です。よろしくお願いいたします。
 昨日のつくばの御視察も、いろいろと感慨深いものがあったというふうに思いますが、改めてなのですけれども、科学技術政策の推進というのはやっぱり一般の国民の理解が、常々、大臣もおっしゃっていると思うのですが、優良事例を通じて、理解を深めていきたいとおっしゃっておりますけれども、改めて現場を視察したことを踏まえて、具体的になかなか一般の私たちも含めて、科学技術の恩恵というのがなかなかこういうふうに肌で感じない、当たり前のことだというふうに思ってしまうのですけれども、それでは科学技術の政策の振興というのが、なかなかできないのかなと思うのですが、具体的に何か始めたこと、これから具体的に一般国民へのPRみたいのがあれば教えていただければと思います。
(答)幾つもあります。一つ、物質・材料研究機構では、専門の広報担当を置かれて、ユーチューブ等で自由に閲覧ができるようにしてあります。難解な研究を分かりやすく、一般の国民が親しみやすいようなものに仕上がっているということを聞きました。
 JAXA、宇宙開発の分野に次いで、日本国中のこうした研究開発関係の研究機関にしては珍しくアクセス数が高い、日本でも2番目に高いという話を聞きまして、意を強くしておるところでありますし、こうした努力を各研究機構、各分野においてできないか、また、それを有機的につながるようなものを作っていくことができないか、そしてまたそういった広報担当、広報作業に対して、国がサポートするようなことができ得ないかということを考えました。
 また、それに付随して、一般の方々が大変関心を高く持っていらっしゃるということであるならば、こうしたことを一般国民の感情としてサポートしたいという気持ちを実現し得るような仕組みが何かできないか。具体的には、寄附でありますとか、税額控除とまではなかなか難しいかもしれませんけれども、そういったことも含めて、海外の事例なども参考にしながら、新しいものを作り得ないかということを、今日は関係部局と議論しており、指示をしたところであります。
 その他にも、産業技術総合研究所や物質・材料研究機構等々で言われた様々な技術を、もう少し多くの分野で応用ができないものか、特定の関係者とつながってくること、そのチャンスを得て、ある企業やある研究者が、その研究分野にアクセスすることが可能であるというような話を聞きましたけれども、こうした研究分野のプラットフォームの広がりをもう少し国がサポートして広げることができないのかといったことも問題点の一つとして感じます。
 とにもかくにも、それぞれの研究開発機構が、より出口志向になってきているなということを感じましたから、これらを、今度は内閣府が中心になってレビューしていく、出口に近い研究がその後、ちゃんと実を結んでいるかどうかについても、レビューしていく必要があるのではないかとも感じております。
 いろいろ申し上げましたが、そんなところです。
(問)TBSテレビの長谷川と申します。
 公務の内容とは、ずれてしまうのですけれども、一部報道でありました今年7月に大阪府内の高速道路を鶴保大臣が、大臣就任前、走行中にスピード違反で摘発されて、その後書類送検をされたという報道がありますが、それについて事実関係の説明をお願いします。
(答)大変申し訳ないと思っております。選挙期間中に、私自身も選挙でありましたから、大変タイトな日程の中、選挙の応援に要請がありましたので、急ぎ日程をやりくりいたしまして、行くことになりました。
 都合で、私自身がめったにしない運転をするはめになりまして、渋滞に巻き込まれ、予定していた目的地と違うところへ行かざるを得なくなったものですから、慣れない道だということもありまして、多少焦っておったところであります。
 今後とも、こういうことのないようにせねばならんなと思っておるところでありますけれども、何といっても、これから車の運転をする機会なんていうのも、私自身ももうほとんどありませんし、こうしたことが本当に皆さんに御心配をおかけしたことを大変申し訳なく思っておりますが、襟を正して、職務に精励し、分かっていただけるように頑張りたいと思っています。
(問)フジテレビ、和田でございます。
 質問に移る前に、私、大臣就任以来、会見ですとかグループインタビューですとか拝聴していまして、特にクールジャパン、あるいは科学、あるいは沖縄、大変前向きに取り組まれようとしているので、実は高く評価させていただいていたんですが、そんな中で、道交法違反の問題が出てしまったと。
 それはそれとして、大臣、今、大変申し訳ないと思っているとおっしゃったので、あえて質問というか、指摘をさせていただきたいのですが、昨日、大臣は夜、この件でコメントを出されました。それはいいと思うのです。ただ、私、記者ですから、事実関係で分からないことが2点ばかりあったもので、秘書さんに電話して質問しようといたしました。簡単に10秒ぐらいで答えられるようなことです。
 そうしましたところ、コメント以外のことは一切話さない、質問させないで、もう電話を切ったんです。私、記者ですから、質問しなければいけないということで電話をしました。もう留守電で出ません。
 もし、大臣が申し訳ないと思っているのであれば、こんな無礼な、あるいは子供じみた隠蔽のようなことを秘書にさせるというのは、笑わないでくださいよ、秘書にさせるというのは、この会見の場で大変申し訳ないと思っているなどということを本気で言えるのですか、こんな対応をしていて。あえて申し上げます。
(答)秘書の対応がどうであったか、私は存じ上げないのです、申し訳ないのですが。昨日は、深更まで視察がありまして、その後も政務、公務が立て続けにありましたものですから、私自身が全てを対応すべきところではあったかもしれませんが、それがかないませんので、秘書にサポートをしていただきました。その部分で、不手際があったのかもしれません。そのことについてはお詫び申し上げたいと思います。
 ただ、隠蔽をするようなつもりは全くございませんし、今後、私がこの件について何を問われようとも、私自身に責任があることは事実でありますから、しっかりとそれは受け止めて、再発がないように自分自身も深く反省し、これから努力していきたいということだけは信じていただきたいと思います。
(問)分かりました。その時伺おうと思ったことは、実は簡単なことで、7月の初旬と(コメントに)書いてあったものですから、7月のいつなのかということと、肝心なことで何の目的でどこからどこへ行こうとしていた時に、この案件が起きたのかということだけ伺おうと思ったのです。
(答)それはもう答えましたか。
(問)答えていません。電話切られちゃいましたから。この点だけお答えいただければと思います。
(答)大変失礼しました。7月の頭だと思います。具体的な日にちを、私自身忘れているのですが。
(問)これ、ひょっとして7月2日に岐阜に行かれた時ですか。
(答)その時かなと思いますけど、どこへ具体的に、岐阜というか、中部地方にまいりましたので、岐阜だけではなくて、その全体でお答えしたいと思いますけれども、その時だったと思います。幾つか応援には、他のところにも行かせていただきましたから、そのうちのどれかだったと思います。
 私自身、先ほどペーパーで申し上げましたが、こういう形で取締りがあったこと、その時点で知らなかったものですから、そんなに出ていたのかということを後で思ったぐらいでしたので、日にちもその程度のおぼろげな印象でありました。
(問)どこからどこへ行く。
(答)新大阪です。和歌山から。
(問)和歌山から新大阪。分かりました。大臣、いろいろな意味で頑張ってください。
(答)ありがとうございました。
(問)日本テレビの川上です。
 関連する質問なんですけれども、罰金の支払い等々が終わったのかということと、あと免許停止の有無について教えてください。
(答)免許停止は来ました。罰金はまだ通知は来ておりません。
(問)関連して質問します。
 大臣就任前とはいえ、交通違反をしたということは、重いと思うのですけれども、今回の問題が進退に関わるかどうかについてお聞かせください。
(答)襟を正して頑張る、それに尽きます。私自身、今回のことをしっかり受けて、どうこれから考えていくのか。私自身も、免許を返上してでも車の運転はやめたいところなのですけれども、残念ながら、地方に住む者の実情として、車の運転ができなければ生活ができないというようなこともあります。
 これも一つの経験だと前向きに捉えて、私自身の所掌の中でできることをしっかりやっていかなければなと、いつも申し上げておりますけれども、科学技術を使って自動運転の時代が来るようなことも考えておりますから、そんなことも今回のことを受けてしっかりやらねばなと考えております。
(問)関連で、朝日新聞の小野と申します。
 これは「オービス」(自動速度違反取締装置)だったと思うのですけれども、事件発覚したのは、大臣就任前だったのでしょうか。後だったのでしょうか。
(答)通知が来たのが前で、その通知の内容を見て知ったのが後でした。
(問)そのことに関して、総理に御報告を差し上げたのでしょうか。
(答)いいえ、していません。
(問)今回の報道を受けて、例えば何か報告するとか、あるいは関係者に連絡するといったことは対応されているのでしょうか。
(答)それはしました。
(問)具体的にどちらの方に御報告されたのでしょうか。
(答)官房長官と話をしました。
(問)長官から何か言われましたでしょうか。
(答)これで、しっかり頑張ってくれということで。
(問)これで、しっかり頑張ってくれと言われたということですね。
(答)はい。それを受けて。
(問)読売新聞の岡部です。
 関連ですが、大臣は2006年にも速度超過で書類送検されて、罰金命令を受けていらっしゃいますが、まずこの事実関係を改めて伺いたいのと、今回が二度目ということですと、有権者の見る目もより厳しくなるのではないかと思うのですが、二度目であるということについてはどのようにお考えでしょうか。
(答)二度目なんです。二度目ではあるのですけれども、その間、ほとんど私も無事故無違反で、今回もあと少しでゴールド免許だなと思っていた時期でありました。
 さっき申し上げたとおり選挙の期間中で、どうしても自分で運転しなければ仕方なかった事情があります。普段であれば、そういうこともめったにないわけですけれども、こうしたことを全部踏まえて、自分自身、特殊な事情であったとはいえ、自分自身がどこに反省をせねばならないかを、今、静かに考えておるところであります。もっともっと具体的に、時間に余裕を持って動こうというぐらいの一般論をまずは考えるべきところでありますけれども、そんなことを今、考えています。
(問)テレビ朝日の高松と申します。
 事実関係について、もう1点詳細にお伺いさせてください。和歌山から新大阪へ向かう途中と大臣おっしゃいましたが、大阪府内の高速道路でスピード違反があったという認識でよろしいでしょうか。
(答)そうです。

(以上)