加藤内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成29年6月9日
(平成29年6月9日(金) 9:12~9:24 於:中央合同庁舎第8号館1階s101記者会見室)
1.発言要旨
まず、閣議での発言でありますけれども、本日、男女共同参画白書を閣議決定いたしました。
本年の特集においては、女性活躍推進法の全面施行後1年間における国及び地方公共団体、民間企業の女性活躍推進の取組などを紹介するとともに、法律の施行を契機に女性活躍推進の取組を更に推し進め、社会全体として女性の活躍を加速・拡大していくことの必要を述べたところであります。
それから、冒頭2件、申し上げておきたいと思います。
一つは、本日、持ち回りという形でありますけれども、高齢社会対策会議を開催し、平成24年9月に閣議決定された高齢社会対策大綱を見直すことを決定いたしました。
現在の大綱では、「経済社会情勢の変化等を踏まえておおむね5年を目途に必要があると認めるときに、見直しを行う」ものとされております。
現在の大綱が取りまとめられた平成24年以降、人口動態面では高齢化率の一層の上昇、経済・社会面では就業、社会保障、生活、経済活動など、様々な分野で変化が生じてあることを踏まえ、平成29年内を目途に、高齢化社会対策会議で新たな大綱の案を作成する予定であります。
新大綱案の作成に資するため、有識者から意見を幅広く聴取することとし、お手元に配付しておりますが、本日、内閣府特命担当大臣の決定という形で、高齢社会対策の基本的在り方などに関する検討会を設置することとしております。検討会では、年内に報告書という形で取りまとめを頂きたいと考えております。
2点目でありますが、拉致問題の関係でありますが、政府・拉致問題対策本部では、平成29年度の新たな施策として、中学生及び高校生を対象とした北朝鮮人権侵害問題啓発週間・作文コンクールを実施することとしております。募集期間は、6月12日から9月29日としております。
生徒の皆さんには、全国の学校に配布しております拉致問題啓発アニメ「めぐみ」のDVDを視聴していただき、さらに学校の授業でいろいろ学んでいただき、あるいは自分自身で調べていただく、こうしたことを通じて、拉致被害者や拉致被害者御家族の心情を理解するとともに、拉致問題解決のために自分に何ができるのか、何をすべきかということについて、作文として書いていただきたいと思っております。
コンクールの表彰式は、12月16日に開催予定の北朝鮮人権侵害問題啓発週間・政府主催イベントの中で執り行うこととしております。
私の方からは以上であります。
2.質疑応答
- (問)NHKの伏見と申します。
今日、参議院本会議で、天皇陛下の退位ができるようにする特別法が成立する見通しになりました。歴史的な法改正だというような評価もあるかと思うのですけれども、大臣としての受け止めと、もう一つは衆参両院の委員会の附帯決議で、女性宮家の創設があったりだとか、安定的な皇位継承について、政府の検討を促すような内容の決議が出ましたが、大臣として、女性天皇であったり、女系天皇であったり、女性宮家に関して、どういうふうなお考えをお持ちかというところを教えてください。 - (答)衆議院での審議、そして採決、そして参議院で委員会と、そして今日、本会議で採決、成立するという運びになっているというお話でありましたけれども、この天皇陛下の退位に関する法律については、本当に静かな環境の中でしっかりとした議論をしていくということで、法案を提出する前においても、衆議院、参議院の中においても議論を重ね、そしてそれらを踏まえながら法案が提出され、今日、成立が諮られたという意味においては、本当に国会全ての関係者の方々のそうした思いがここに結実されているというふうに思います。
また、衆参の決議の中にも、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、それと女性宮家の創設などの検討については附帯決議に盛り込まれているわけでありますから、それを尊重して、政府として対応していくというのが基本的な考え方である。これは官房長官がおっしゃっておられるとおりだと思います。 - (問)重ねてになりますけれども、特に女性宮家のことに関しては様々な意見があって、やはり歴史、伝統という意味では、男系を維持すべきだという意見の一方で、女性、特に大臣、男女共同参画の担当大臣でもいらっしゃるかと思うのですけれども、フェアに合わすべきだというような御意見の方がいらっしゃるかと思うのですけれども、そこについて御意見があったら教えていただければと思います。
- (答)天皇陛下に関して申し上げれば、皇位継承の在り方として、これまで歴史的に男系という形で継承されてきたという、この歴史的な経緯というのは大変重みがあるというふうに思っております。
それを踏まえながら、先ほど申し上げたように、先日の憲法審査会でも、いろいろ御議論があったということでありますけれども、ただ、政府として今申し上げているのは、安定的な皇位継承を確保するための諸課題と女性宮家の創設との検討ということでありますから、まずは、この決議にのっとって、そうした検討を進めていくべきものというふうに思います。 - (問)共同通信の山本と申します。
お配りいただいております高齢社会対策の検討会の件で伺いたいのですけれども、おおむね5年たったタイミングで、先ほど大臣の方から高齢化率の一層の上昇ですとか、様々な変化を踏まえてという御発言でしたけれども、今回、前回の大綱作成から変わったことを踏まえて、特にこの検討会でどういう部分について御議論いただきたいか、お考えがありましたらお聞かせください。 - (答)今お話がありましたように、この間の5年間、それから、これから5年、10年を見据えた中で、どういう変化がこれからあるのか、そしてその中には、単に量的な変化と、それから生まれてくる質的な変化というものがあるのだろうと思っております。
例えば、一人暮らしの高齢者の方々が増加している。あるいは、高齢化の状況も、いわゆる中山間地域というのでしょうか、そういった地域では75歳以上の人口はむしろ減少に転じてくるという地域も既にある一方で、東京を始めとしたこうした地域では、これから大きく増えていくという、かなり地域の間で方向が随分異なってくるということもあると思います。
それから、今、ICT等々様々なツールを使って我々は生活しているわけでありますけれども、このスピードが非常に速いわけでありますから、それにやはりキャッチアップしていけないと、なかなか生活しづらいという状況も生まれることが想定されるわけでありまして、そうしたイノベーションの進展にどうキャッチアップしていくのか。あるいは長寿化していく、よく人生60年から人生90年、100年と、こう言われるわけでありますから、当然それぞれの方々の考え方も変わっていくわけでありますし、あるいは健康をどう確保していくのか。あるいは生活をどう維持していくのかという意味においても、考えていくスパンというものが変わってきているということもあるのだろうと思います。
そういったことを中心に、有識者の皆さん方からも御意見を頂きながら、取りまとめを行っていきたいと、こう思っております。 - (問)朝日新聞の平林です。
生活保護の受給者について、昨日、発表がありましたけれども、受給者自体は全体では20年ぶりに減少している一方で、高齢世帯は引き続き増加していると、先ほどの御質問に関連すると思うのですけれども、サービス業を中心に人手不足の一方で、高齢者の働く場の確保というのが課題だと思うのですが、その辺、大臣のお考えを教えてください。 - (答)高齢者の、確か年齢を区切って高齢者ということをされていましたから、その中で今おっしゃるように、就業していく思いと、そうした対応ができる方と、なかなか難しい方もいらっしゃるのだろうというふうに思いますけれども、いずれにしても高齢者の方々の就労したいという希望、それを実現できる、そうした体制を作っていくということは、働き方改革の実行計画にも盛り込ませていただきましたけれども、そういったことをしっかりやっていく必要があるのだろうというふうに思いますし、一方で、なかなかそうした就労が難しいという方もいらっしゃるわけでありますから、そういった方も含めて、先ほど申し上げたように、こうした、人生が長くなっていく中で、どう対応していくべきなのかといったことも含めて、御議論も頂きたいというふうに思っています。
- (問)あと1点、一部報道で、今日、働き方改革に関連して、地域ごとの協議会を作るという政府の方針があるということなのですけれども、事実関係はいかがでしょうか。
- (答)それについては全く承知しておりません。
- (問)共同通信の浅田と申します。
加計学園の問題についてですが、一部報道で、もう文科省が再調査するという話が出ていますが、一度調査した後に前川次官の発言であったりとか、メールの存在であったりとかが出て、新たな事象が出ている中で、再調査の必要性、これについて大臣、どのようにお考えでしょうか。 - (答)調査ないし再調査に関しては、文部科学省において適宜判断されるということなのだろうと思いますので、門外漢の私がどうのこうのと申し上げることは適切ではないと思います。
(以上)