加藤内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成28年10月28日

(平成28年10月28日(金) 8:19~8:29  於:中央合同庁舎第8号館1階s101記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 本日の閣議で、11月1日から30日までの1か月間、「子供・若者育成支援強調月間」を実施することについて申し上げました。この強調月間は、昭和53年以降毎年行っているものであります。
 本年度は、「支えよう 輝くひとの 夢みらい」をスローガンに、関係省庁、地方公共団体及び青少年関係団体などと連携して、若者の社会的自立の促進、子供の貧困対策の推進などを支援することなどに重点を置き、全国で子供・若者育成支援のための大会や街頭啓発活動などを集中的に実施いたします。
 私の方からは以上であります。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の髙橋です。
 拉致問題について伺います。一部報道で、北朝鮮と取引のある第三国、すなわち中国を想定した制裁も検討しているというような報道も流れています。現在の制裁の検討状況と中国を刺激することは国連制裁を考える上でどのようなメリット・デメリットがあるというふうにお考えか、もし、お考えがあればお聞かせください。
(答)今、国連の安全保障理事会で新たな安保理決議の議論がなされているのと並行して、我が国独自の措置についても鋭意検討が進んでいるということは承知をしておりますが、今おっしゃられた件を含めて具体的な内容について、まだ申し上げる状況にはなっていないというふうに思います。
(問)朝日、髙橋です。
 働き方改革についてなのですが、今後、生産性の向上と賃金についてもテーマになってくると思うのですけれども、改めて現在、賃上げをするような状況にあるのか、もしそうであるとお考えならば、どのような現状からそのようにお考えかをお聞かせください。
(答)ちょっと今手元にないので、総理からの指示事項の中に賃金の引上げと生産性向上というのがたしか入っていたと思います。当然それは実現会議で議論していくということになるのだろうというふうに思います。
 今お話があった、今の状況うんぬんということでありますけれども、基本的にはアベノミクスにおいて賃金の引上げができる状況をつくっていき、それが消費の拡大につながっていくと、そういうことも含めた経済の循環をつくり出していくということは基本だというふうに思います。
(問)TBSの難波と申します。
 改めての質問になって恐縮なのですけれども、政府が企業に対して、副業を従業員に認めるよう勧める取組を進めることの意義を教えていただけますでしょうか。
(答)副業・兼業に関しては、それを通じて労働者自身が成長していくということ、また、高齢化社会の中で、例えばですが、自分の定年後についてどういう働き方をしていくのかという意味において、それを準備していくと、そういうことにもなり得るのではないか。
 また、企業にとっても、そうした社員が成長していき、また、新たな事業や技術革新にチャレンジをしていくということは、プラスになっていく面もあるのだろうと思います。
 また、さらには海外のベンチャー企業の成功例を見ると、なかなかベンチャーというのはリスクも高いわけでありますので、前職に勤務しながら副業として事業をスタートさせて、しかるべき段階で本業にしていくと、そういう形で起業に伴うリスクを抑え、そうした起業を行っていく、そうした流れに寄与しているという側面もあるのだろうと考えております。
 また、総理も御指摘をしておりましたけれども、やはり兼業・副業を行うことで長時間労働が喚起をされて、働く人の健康障害が生じないように配慮することは当然必要でありますので、こうした意味でも労働時間管理をどうしていくのかということも含めて、整理をしていく必要があると思います。
 総理の御発言もありましたが、ガイドラインの制定も含めて検討して、年度末の実行計画では、この兼業・副業についての結論を出していきたいと、こう考えております。
(問)今お答えいただいた部分でもうちょっと詳しくお聞きしたいのが、兼業をすることによって本業先の企業は自分のところの労働力が取られてしまうのではないかとか、本業がおろそかになってしまうのではないかというところをちょっと気にして、就業規則等で縛って副業できないようにしているところというのも多いと思うのですが、副業をすることによって本業にどういうメリットがプラスで働くのかという部分を、もうちょっと具体的に教えていただけますか。
(答)この間、私が見させていただいたところは、まだスタートしたばかりではありますけれども、やはり自分が今携わっている仕事というのは、企業で言えば、企業がやっている仕事の一部ということになるわけでありまして、こうした副業・兼業を通じて更に違う仕事をしてみる。あるいはNPOなどもそうだと思いますけれども、例えばプロジェクトをつくること、そのための資金をどう集めるか、人をどうやってやっていくかという総合的なことを経験できるということ、正にプロジェクトを進めていく上での様々なノウハウを習得できる。そういったことは、その人がその会社において事業を進めていく上においてもプラスになっていく、こういうような指摘もありました。
 そういったことも含めて、その本人の成長にとって大きくプラスになっていくということと、それからもう一つは、やはり本人がいろいろな意味でのキャリアプランを自分で持ってそれを進めていくということは、非常に大事なのだと思っておりまして、そういう中においてもキャリアプランを進めていく、先程申し上げた準備段階的な意味も含めて、プラスになっていくのではないかなと。そうした個人がそれぞれ集まることによって、また、その企業においても多様な、いわゆる価値観の中で新たなサービス、商品開発、そういったことも生まれていくということだと思いますし、正に今、時代はそういう時代になって、企業からもそういう対応が求められる時代になっていると、こういうふうに思います。
(問)最後になるのですが、前回の実現会議の後、経団連の榊原会長が、自分は副業を広める取組を進めてほしいという立場ではないということを述べて、慎重な姿勢を示していたのですけれども、企業からもまだそういった副業の文化というのが根づいていない部分もあって、なかなか浸透するには時間がかかったりするところもあると思うのですが、そういった企業や経団連会長のような慎重な意見を持つ人に対して、そういう意見があることについては、どのようにお考えか、また、どうやって議論を詰めていくかお願いします。
(答)中小企業庁のいわゆる中小企業を対象とした調査では、兼業・副業を認めている企業が全体の3.8%、大企業については調査自体ありませんけれども、認めている企業は決して多くないのだろうというふうに思います。そういったことを背景に、今、榊原会長も慎重に受け止められているのではないかなというふうに思っておりますが、当然、現状認めていないわけでありますから、当然それを前提にすれば、慎重な対応というのは十分分からないわけではないなというふうには思います。
 ただ、今申し上げたように、これからの時代を考えていくと、また、従業員の皆さんからもそういう声が上がっていたように、従業員、働く方の自分自身の成長、また、それを通じた企業のこれからの発展、さらには日本経済の成長といったことを考えたときに、この問題にしっかりと取り組んでいく必要があるのだろうと思っておりまして、先程申し上げた、年度末に向けて議論をしっかりと進めていきたいと思います。

(以上)