山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年7月21日

(平成29年7月21日(金) 10:19~10:35  於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 本日は、4件報告があります。
 1件目、昨日の臨時閣議において、「平成30年度の概算要求に当たっての基本的な方針」について了解がなされました。これに関連して報告いたします。
 まず、国家公務員制度担当の大臣として、機構、定員及び級別定数等に関する要求について発言しました。機構、定員及び級別定数等に関する要求については、昨日、内閣総理大臣決定された「人件費予算の配分の方針」に沿って、内閣の重要政策に係る取組に重点化を図ること、我が国の厳しい行財政事情の下、内閣の重要政策に的確に対応していくため、業務改革の取組を徹底し、既存の体制を厳しく見直すことについて、各大臣に要請をしました。
 次に、行政改革担当の大臣として、私からは、各府省で取り組んでいる「行政事業レビュー」の結果について、各府省の概算要求に的確に反映するよう、各閣僚に要請いたしました。また、私が大臣に就任以来提唱してきた証拠に基づく政策立案、EBPMの推進は、先般、骨太の方針にも盛り込まれたところであり、各閣僚には、こうした観点も踏まえて概算要求を検討いただくよう要請いたしました。政府としては、「行政事業レビュー」を通じて、平成30年度概算要求に盛り込まれる事業について、PDCAサイクルをしっかりと回し、事業内容の改善に取り組んでいきたいと考えております。
 3件目です。来週28日に、内閣府公益認定等委員会の山下委員長を始めとする委員が、福島県郡山市にある公益財団法人三菱商事復興支援財団ふくしま逢瀬ワイナリーを訪問いたします。今回の訪問は、従来から実施している委員会と法人との対話の一環として、現地での活動状況を含め、財団のこれまでの取組について伺うとともに、民間公益活動の増進等に関して意見交換を行うものであります。
 4件目、本日から明後日にかけて、静岡県、長崎県、沖縄県を訪問する予定であります。いずれも詳細については事務局にお問い合わせください。
 以上です。

2.質疑応答

(問)来週、香川で地域商社協議会が開かれると思うんですけれども、地域商社事業について、現状と今後の取組を教えてください。
(答)私、地方創生とは地方の平均所得を引き上げることだと、常々申し上げてきました。地域の魅力ある農産品、工芸品などを扱って、どう加工し、どの市場で売れば売れるかを考えることで、域外から稼ぎ、地域の生産者に還元する地域商社の立ち上げは重要な取組であります。例えば、国内では市場価値の低い魚を東南アジアのマーケットに卸し、現地で人気を博している沖縄の企業の取組など、地域の資源を最大限活用して経済を牽引していく事業が実際に立ち上がっているところであり、まち・ひと・しごと基本方針においてもモデルとなる事業を支援することとしております。
 来週25日に、香川県三豊市で行われる地域商社協議会の開催や地方創生推進交付金での重点的支援等を通じて、自助の精神を持って地域商社の立ち上げを目指す地域を応援してまいりたいと考えているところであります。
(問)獣医学部の新設についてお伺いします。
 京産大の先週の会見についてなんですが、今治市や加計学園が特区を利用した獣医学部の新設対象となる前に、事前に予算立てが必要な例えば土地の取得とか教員集めとかボーリング調査を行っていたことについて、京産大は、当然リスクのある話だと、自分たちにとってはリスクのある話だということをしておりました。そういう中で準備不足で断念したという説明だったんですけれども、京産大がこうやって負うことができなかったリスクをなぜ加計学園は負えたんだというふうにお考えでしょうか。
(答)それは私が答えることではないと思います。加計学園なり今治市が考えることだと思います。
(問)大臣、内閣府が一応所管官庁なので、是非ちょっとお答えいただきたいんですけれども、大臣は国会答弁の中で、こうした今治市や加計学園の準備の行為をオウンリスクというふうにおっしゃっていましたけれども、オウンリスクを市や学園に負わせると、事業者等に選ばれなかった場合、その損害がその市民や学園にいってしまうということがあると思います。首長経験者によると、通常、行政はそういうことがないように事前に指導するということなんですけれども、オウンリスクということはこのような事前の指導を、今回は内閣府はしなかったということでしょうか。
(答)それはもうオウンリスクでやってもらっているということでありまして、私どもは関知しておりません。
(問)そのオウンリスクと言うとちょっと冷たい印象を受けるんですけれども、やはり今治や加計学園には、内定の形で何らかの特区選定のお墨付きを与えていたから、京都府や京産大にできない事前準備ができたということなんですかね。
(答)一切ありません。
(問)昨年11月17日の獣医師会とのやりとりのところなんですけれども、その議事録に残っているのは、財政的に大丈夫か待ったをかけていたという発言が大臣のほうからあったというふうに記録されているんですけれども、この発言の意味はどういう意味なんでしょうか。
(答)いや、待ったをかけたというよりは、私は北村顧問から何度かにわたって、今治市の財政が破綻するのではないかとか、そういう話を聞いて、是非それをしっかりと調査してもらいたいというお話がありました。
 また、自民党の村上誠一郎議員も何かそういう発言をしたということがありまして、これは私は大変重要な問題だと思いまして、これはやはり一応しっかりと精査しておかなければ、自分の責任も果たせないと思って、そして、今治市に対してこの事業をやる場合には、どれだけの財政負担が掛かると認識しているのかということを是非教えてもらいたいと、そのことによって財政がおかしくならないかについては知りたいということで、お願い申し上げました。当初は、それは公募もまだ終わっていないような段階で、なかなか言えないというようなこともあったんですが、それでは困ると。そこはもう現時点で想定している前提でいいから、何とか今の時点での想定の財政状況、財政負担というか、そこは示してくれと言って、出してもらいました。それが今回のあの当時における今治市からの返答でありまして、それを獣医師会についても、北村さんのある意味で宿題ということに私は感じておりましたので、お答えしたということであります。
(問)よく分かったんですけれども、待ったをかけたという意味は何ですか。
(答)待ったをかけたというようなことではなくて、その財政状況が大丈夫かということを確認できないと、こういう事業は前に進めることはできませんよという意味で、私は今治市にお願いして、議会の関係とかで不確定要素が多いのはかまわないので、現時点で考えている前提で、どういうものになるかを出してもらいたいというふうにお願いしたわけです。
(問)待ったをかけたというのは、これは大臣が今治市に言ったわけではなくて、あの獣医師会との面談の中で、待ったをかけたという発言をしているんですね。あの文脈から見ると、今治市などに財政状況が大丈夫かどうか確認できるまで待ったをかけていたように受け止められるんですけれども。
(答)そうではなくて、私は11月9日の諮問会議で決めていますので、そのときまでには、ある程度の財政的に大丈夫かということはチェックしておかなければいけないというように考えて、そういう意味でそれまでにはちゃんと出してくださいよというようにお願いしたということです。
(問)昨日、大臣がここで記者団のぶら下がりに応じたときの発言なんですけれども、加計学園と特定したことはないと、あの面会の中で、それで、それは秘書官のメモにあるから確かだというふうに発言されていたんですけれども、その秘書官のメモというのはもう廃棄されて、ないのに、なぜそれが確認できたんでしょうか。
(答)いや、それは秘書官のメモではなくて、秘書官のメモというのは、会議のときに走り書きしていたということでありますが、これが当日、獣医師会から配布された資料がありまして、それを見ていると、全く一緒だということが分かって、途中で秘書官ももうメモを取っても意味ないと、こっちの方に詳しく書いてある。全部をフルでメモを取ることはできませんので、途中で止めて、後でそのメモについてはこれと同じものだから、もういいやということで、後で廃棄したというふうに秘書官から聞いています。
 私が言ったのは、私なりの手持ちのその発言をするときに、金額等を書いて、私がこの点について発言するときは、私だけのメモを作っておりまして、これに金額等、それから事業実施主体ということで書いておるわけでありまして、それに基づいて、事業実施主体という言い方でしか言っておりませんと、そういうことです。
(問)関連なんですけれども、大臣としては、野党側はこのメモがなかったことについても追及をする考えを示していますけれども、大臣としては手続に問題はなかったという考えは、認識は変わらないでしょうか。
(答)そのメモというのは、獣医師会からいただいた資料そのものです。11月28日に正式に獣医師会から私どもにお届けがありました。また必要があれば、それは見ていただければ、同じ内容が書いていて、私はずっとそれを聞いていただけですから。そこに四国で云々とかずっと書いてあるわけですよ。その辺が相手方の思い込みではないかということです。そこに書いてあることがいかにも私が言ったように言われているんですけれども、私はそうではなくて、最初に私が言って、後はもうほとんど北村さんがそのメモに沿って、ずっといろいろなことを言っていたのをじっと聞いていただけですからね。そういうことです。
 だから、したがって、そのメモが必要であれば、獣医師会からの要望書そのものですから、それを見ていただければと思います。
(問)今の説明でもあった山本大臣が用意された文書ということですけれども、そこには金額等が書いてあるとおっしゃいましたけれども、ほかにどんなことが書いてあったのでしょうか、あとこの文書を公表する御予定はないのでしょうか。
(答)これは手持ちのメモで、今治市から聞いたその金額が書いてありまして、それから事業実施主体ということでありまして、これは要するに議会とか、状況によって不確定要素があるのだけれども、しかも事業実施主体は公募で決まる話ですから、そういうことは現時点では決まってないのだけれども、一応現時点で考えられるとすれば、こういうことですよというような条件をいろいろ付けて、書いたやつを用意しておりまして、そこに事業実施主体ということで書いております。それを出すかどうかは、先方にも出していない性格のものでありますから、ちょっとどこにあるかどうか確認してみたいというふうに思います。
(問)事業を進める上で、今治市の財政上に問題があれば進められないということでしたけれども、京都もあり得るという発言をされているということは、京都府の財政については調べてないのでしょうか。
(答)当初は、私は京都府がバックだから大丈夫だろうとは思っていましたけれども、その後財政上の話を聞いたところ、資金計画等は一切立ってないということでありました。
(問)なので、調べてないということですか。
(答)いやいや、聞いたところ、そういうものはないということです。
(問)昨日の時点でも、12月8日に獣医師会から1校にしてくれと強く要請してきたので、1校に限りましたという説明をしていらっしゃいましたけれども、朝日新聞が以前情報公開して、開示請求して出てきた文書によると、12月6日ごろから、念のため1校に限ることを検討するよう、山本大臣から事務方に調整を指示とあります。
 なぜ獣医師会の要請文書が出てくる12月8日の前から、大臣のほうから指示を出されたのでしょうか。
(答)1校にしてくれというのは、8日には正式に文書で出てきましたけれども、その前から私のところには、獣医師会から言われております。それを踏まえて、内々で念のためにそういう場合にはどういう手続が要るのかをちょっと検討しようと、これは内々の指示であります。
 最終的にやはり決定したのは、18日にパブリックコメントが終わりまして、それを見ても慎重な意見も強いということで、そこで最終決断をしたということであります。
(問)内々にというのは、この11月17日の面会のことを指すのでしょうか。
(答)いや、その後から北村さんからもいろいろ1校にしてくれというような話がありました。
(問)北村さんからあったというのは、また直接会って言われたのでしょうか、又は電話等でのやりとりでしょうか。
(答)基本的には、ショートメールで来ます。
(問)2点あります。
 一つは、テレビ朝日の取材では11月17日の獣医師会との面会で、獣医師会側が出していた文書、省略された部分で、山本大臣が放っておくと京都なども続くという発言をしたと、そういう記載があることがうちの取材で分かったのですが、獣医師会側は、それはいわゆる特区を認めないと他にも次々できますよというように受け取ったとしているのですが、まずその発言をしたのか、あと意図、それが1点目。
 あと改めてなのですが、大臣側のメモ、獣医師会側は発言録のようなものを残しているわけですが、改めて大臣側の発言録というか、議事録というか、そういったメモを秘書官が同席していたわけなのですが、残っていないのか、調べたのか、調べてないのか辺りを教えていただけますでしょうか、正確に。
(答)後半の私どものメモについては、秘書官が走り書きしていたのですが、途中でいただいた文書でも一緒のことが書いてあるということで、途中からやめて、その文書でメモとして出せるではないかということで判断して、メモするのを終えたということであります。その後、手書きのメモは資料と同じものだから廃棄したということであります。
 それから、京都もあり得るという話は、ご指摘のような言い方はしてないと思いますが、私がなぜそういうことを発言したかというと、今度獣医師会のメモというか、文書を見てもらうと分かりますけれども、獣医師会は最初から四国・今治ありきという形でずっと議論しているのです。
 私は、最初の挨拶のあとは、ずっとその話を聞いていただけなのですけれども、そういう話をずっとやって、それが終わったところで、四国・今治ばかり言っておられますけれども、京都だってあり得るのですよという話をそういう状況を受けてしたということであります。そのことについては、藏内会長も私からそういう言及があったということは認められたと聞いております。

(以上)