山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年7月11日

(平成29年7月11日(火) 10:25~10:59  於:中央合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 本日は、2件報告がございます。
 1件目は、地方分権改革の提案募集です。本年も地方から昨年を上回る311件の御提案をいただき、課題であった市町村からの提案も、団体数、提案数ともに約3割増加しております。本日の閣僚懇談会において、各大臣に対し、地方からの提案をいかにして実現するかという基本姿勢に立ち、提案の最大限の実現に向け、地方からの提案を自ら御確認いただき、検討に当たって強力なリーダーシップを発揮するよう要請いたしました。
 本年も、地方の現場における支障を解決し、住民サービスの向上に資するよう、地方からの提案の実現に向けて積極的に取り組み、地方分権改革を着実かつ強力に進めてまいります。
 2件目です。本日から明日にかけて、地域における意欲ある取組や地域のニーズなどを把握し、今後の地方創生に関する取組に生かすべく、和歌山県高野町、白浜町、田辺市、広川町、有田市、和歌山市を視察いたします。いずれも詳細については事務局にお問い合わせください。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)先月成立した改正特区法についてお伺いしたいんですけれども、最先端の実証実験などを迅速に行うための日本版レギュラトリー・サンドボックス制度を1年以内に検討、措置することが盛り込まれましたけれども、この内容や意義と、具体的にどのような分野の実証実験を想定しているのかを教えてください。
(答)去る6月に成立されました改正国家戦略特区法では、近未来技術の実証をより円滑かつ迅速に行えるようにするために、安全性に十分配慮しつつ、事前規制や手続を抜本的に見直す新しい仕組みとして、日本版レギュラトリー・サンドボックスの検討を盛り込んだところでございます。改正法の施行から1年以内に具体的な方策を検討の上で具体的施策を講ずることを、国会にお約束したものであります。
 改正法は、9月までには施行されることになります。具体的には、2020年に完全自動走行サービスの開始を目指す自動運転と、早ければ2019年に宅配の実現を目指すドローンという、取組が急がれる分野を主な対象とし、最先端の実証実験を行っていく際に、諸手続のために実験が迅速、円滑に進まないこととならないようにしてまいります。実証実験によって実際に明らかになる課題を踏まえて、特区制度の中の新たな目玉となるような仕組みを議論、検討しているところです。
(問)企業版ふるさと納税についてお伺いします。
 昨年度1年間の寄附額が7億4,600万円程度というふうにまとまりまして、個人版ふるさと納税は2,844億円余りと、ちょっと規模に差があると思うんですけれども、この7億円という寄附額の大臣の評価と、今後、企業へのPRに向けてどのように取り組んでいかれるおつもりか、お聞かせください。
(答)まだ制度が始まって年が浅いということで、金額的にはそれほど上がっていないということがありますが、ただ、実績を見ますと徐々に増えてきているということ。それから、個人版と違って、一切恩典がないんですね。企業としては、正にブランドとしてだけの意味合いしかありませんので、インセンティブは少し弱いというところがあるかもしれませんが、しかしそれは地域に対する貢献、地方創生に応援したいという企業の、ある意味でいう社会的責任に基づくような話ですので、是非大いに取り組んでもらいたいと思います。
 税制的には、寄附額の最大約6割が軽減されるわけでありますから、企業にとっても損はない制度だと思います。見てみると、やはり首長さんが一生懸命企業をどれだけ回っているかということが如実に反映され、そういう頑張りをしたところがやはり増えていますので、この点は是非市町村のトップの皆さん方が頑張ってもらいたいなと思います。
 大きな取組としては、北海道の夕張がありますので、是非これから周知徹底、我々も宣伝に努めたいと思いますし、トップの方々も頑張ってもらいたいなというふうに思います。着実に成果は上がってくると確信をしております。
(問)獣医学部の関連で、4条件の関係で幾つか教えてください。
 4条件の中で、先端ライフサイエンスなど新たなニーズについては、前回の閣議後会見の中で、製薬業界から要望書も出ているというふうにおっしゃいました。これはヒューマンサイエンス振興財団の竹中会長やAMEDの榑林執行役が個人名で出したものだと思います。今治市のホームページにも応援メッセージとして載っています。
 製薬業界といえば、製薬企業72社が所属する製薬協が基本的に業界団体ですけれども、ここが新薬開発の分野で獣医師が必要だという要望書を出したことは、これまでありません。改めて製薬協にも取材しましたけれども、そういう要望書を出す予定もないと言っています。本当に製薬業界からニーズというものはあるのでしょうか。
(答)一番分かりやすいものとして、京都府の提案書を見ると、製薬会社に聞いたアンケート調査があります。そこで関西圏が中心ですけれども、たしか25件ぐらいの製薬会社が回答していて、獣医師について、毎年採れているのは5社ぐらいしかいなく、他のところはなかなか採れないと。是非そういう実験動物を扱うような獣医師を欲しいんだというようなことを強く要請しています。
 それから、従来の獣医師の方にとっても、最初はかなり会社で鍛えないと、なかなか使いものにならないということがあって、最初からそういう教育をしてもらった獣医師が出てくれば大変ありがたいということを示されておりますので、そういうのを見ていただければと思います。
(問)新たな具体的な需要について、定量的に示すのは難しくて、定性的な傾向があればということを昨日の閉会中審査でもおっしゃっていました。
 昨年9月のワーキンググループのヒアリングで、八田座長が新たに必要な分野の計測は可能だから、ちゃんと計測しろというふうに文科省に求めています。これは計測可能なのではないでしょうか。
(答)どういう形で計測可能なのか。そのアンケートで言っている何人が必要かという、そういう数字を集めればできるかもしれませんけれども、ではそれが本当に全国全てを網羅するかというと、それはなかなか難しいと思いますよ。
 それから、需要というものを考えるときには価格の概念がなければ意味がないというのが私の元々の考えで、どれだけ給料を払うという話がないと、そこは分からないわけですね。そういう需要というのは、人為的にある程度推計はできますが、それはあくまでも推計であって、結局最終的には市場メカニズムで決めるしかないんです。もしそれをやろうとすれば、モデルを作らなければ恐らくできないでしょう。
 そういう意味では、アンケート調査とか、ヒアリングとかによってやっていけば良いんだけれども、それさえもやらなかったというのが文科省の態度ですよね。
(問)需要と供給というのは価格だけではなくて、人的需要がどれぐらいあるかを示せというのがこの4条件の原則だと思うんですけれども。
(答)人的需要というのは、給料を幾ら出すかによって変わるわけですよ。高い給料だったら幾らでも来ますよ。低い給料だったら、行きたくないという話になってしまうわけで、需要と供給は価格の概念がなければ意味がないんです。
 私は農水省の試算も数合わせだけで不十分だと思うのは、牛の数が減っているからや、ペットが減っているからと言ってはいるけれども、それらは価格の概念がないので、需要とは関係ないでしょうと。ペットの数が減っても、年をとったり、あるいはもっとペットを大事にしようというような傾向が増えれば、価格は上がるわけですよ。
(問)前々回の閣議後会見でも今のペットの獣医師の給料が高いからというようなこと、下げればというような趣旨の発言をおっしゃっていましたが、それだと基本的に全ての職種はどんどん給料が下がっていって、デフレも解決しないと思うんですけれども、足りない分野を上げるという考え方はないのでしょうか。
(答)国会の質疑でも、デフレになるじゃないかと言われましたが、そこはマクロとミクロを混同している話です。私は獣医師の話をしているわけで、獣医師の支払いは確かに下がるでしょうと。では、経済学を分かっている人は、そこで止まらずに、そのペットに支払う額が減ることは、お金が余るというわけでしょう。その余ったお金で他の物を使えば、他の値段が上がってくる。
 このように、下がる物もあるけれども、上がる物もあって、マクロ経済で見れば、そういう個別の議論で下がったからといって、デフレになるのではないかという議論ではない。したがって、デフレ云々の議論をするんだったら、マクロ経済全体として考えないと、解決策が出ないんですね。
 要は、ミクロのところで、ある部分で価格が下がったから、全部デフレになるのではないですかという議論ではありません。お金が余れば、他に使いますから。
(問)そのライフサイエンスや人獣共通感染症などの対応については厚生労働省が所管となります。ただ、ワーキングや分科会での議論に一度も厚生労働省の担当者が出席していないのはなぜでしょうか。昨年9月の今治市の分科会で藤原審議官が、厚労省担当者は本日は都合により欠席と発言しています。ただ、厚労省の担当者に確認したところ、なぜ私たちが出席するのか理由を尋ねたところ、明解な回答がなく、そのまま出席要請もなかったというふうに言っていて、食い違っています。事実関係はどうなんでしょうか。
(答)その辺の事実関係については詳しくは知りませんが、我々は規制監督省庁とやるわけです。今回の規制監督省庁は文科省で、文科省に、規制が正当であるかどうかを証明する挙証責任はあるわけです。これは基本です。
 したがって、そこから先は規制監督省庁がどういう形でどこを呼んで、どこに聞き、どういうデータを持ってくるかと、それは自由です。規制監督省庁が決めればいいことです。しかし、一旦、規制をやっている以上は、その規制監督省庁が全責任を持たなければ駄目です。我々は文部科学省を相手にしていれば良いわけで、もし文科省が規制を必要だと思ったら、自分たちでちゃんと勉強して、説明してくればいいのであります。基本的に我々が相手にするのは規制監督省庁ですから。
(問)その点について文科省側は厚労省や農水省に需給のデータについては出してくれるよう、内閣府からもお願いしてほしいというようなお願いをしていますが、それについて、内閣府は答えていません。これは文科省が勝手にそう言っているだけで、内閣府としては、その義務はないということなんでしょうか。
(答)それはそうですよ。規制監督省庁とやり合うのが基本ですから。だから、本当に必要、欲しいと思って、やるんだったら、呼んでくればいいし、もし是非内閣府から強い要請もしてほしいということであれば、それは応じることもあるとは思いますけれども、基本は規制監督省庁とやり合うのが、この規制改革についての原則です。
(問)昨日の閉会中審査のことで、昨日は大臣は答弁のところで、御自身、昨日の説明で、国民への説明責任を果たしたという点で、自己採点で100点中何点だったと思いますか。
(答)採点は自分でやることではないと思いますから、そういうことはしませんが、ただ、説明については、これまでも随分やってきました。しかも、4条件を説明してくれと言えば、一つ一つ、相当言わなければいけないですから、それは時間が掛かるんですよ。4条件については、幾らでも説明しますが、これを言っていると、今度は長過ぎると言われてしまい、では4条件聞いているのではないのですかという話になってしまっています。
(問)国民に対して丁寧に説明できたというふうな、大臣としては。
(答)私としては、4条件について説明しろと言われたら、そういうことについて、一つ一つ最大限説明しているつもりであります。
(問)説明できたという理解でいいですか。
(答)私はそう思っています。
(問)前回の会見で、広域的なところの質問をさせていただきまして、そのときに大臣はスタッフの問題とかから、時間とかの問題から、その当時、内部の検討記録というのは残していないというふうにおっしゃっていて、ただ、透明性という部分については、文科省などと協議した原案を11月9日の諮問会議で文書で出しているから、極めて透明性が確保されていると、そういうふうに説明されておりましたけれども、私が常々疑問に思っているのは、その原案を作る過程でどうだったのか、いつ誰がどこでどのようにしてそういう原案ができたのかというところがいまだによく理解できていないから、そこをもう少し分かりやすいように、そういう疑念を払拭するように、文書を出してやるとか、そこの中身が具体的にどうだったかというふうな説明が必要だと思うんですけれども、なぜそこについては説明がないんでしょうか。
(答)説明しているのではないですか。それは別途指示して書かせたわけで、広域的としたときの会議録はなく、その前のやりとりについては、これは文科省から文書が出ていますけれども、最初の原案があり、文科省からの修正があり、また、そのときにいろいろな留意点みたいなものが述べられていました。そこで、私は、私なりにそれらを踏まえ、これまでのいろんな議論も勘案して、どこで獣医師会と折り合いをつけるかとずっと考えているわけです。しかも、それを心配している文科省の立場も考えて、広域的にと入れれば、何とかいくだろうという判断をしてやっているわけですね。そして、最終的にはそれを文科省も認めたと。
 ここで付け加えて申し訳ありませんけれども、昨日前川氏が、いろいろ条件が付け加えられてきて、不透明だったと言っているんだけれども、広域的にということも、最終的には文科省と合意して決めた話です。それから、30年4月というのは、文科省の告示です。共同告示だけれども、中心は文科省ですよ。
 1校に限るというのも文科省の告示ですよ、我々と一緒に決めた。僕に言わせれば、文科省が自分達でどんどん決めていった話ではないかと何を考えているんだろうなという気持ちでしようがないんですけれどもね。
(問)さっきの説明でもよく分からない。つまり、具体的に何月何日、どこで、誰が、どういうふうにして協議したというところが一切、今日の説明でもそうですし、前回まで毎回聞いていますけれども、そこがよく出ていない。10月下旬であったり、大臣の頭の中で、そういう獣医師との意見を配慮したというふうな、そこは具体的に、いつ、誰が、どこで、どういう協議をしたのかということが一切説明がないんですね。そこをなぜ説明できないんですかね。
(答)いや、タイミングとして、11月1日に修正案を出して、2日に決めたとか、そんなのは出ているでしょう。
(問)10月下旬に、だから、そこから、わずか1週間程度だと思うんですけれども、なぜ、そこの期間について、はっきり何月何日どうしたということを、誰と誰が協議した、どういうことで、じゃ、広域的がついたということが、なぜ日付なり、そこにやりとりをした人物なりが、明確に説明できないんですかね、説明しようとしないんですかね。
(答)何月何日なんて、完全に覚えていませんよ、そんなものは。10月の末から11月初めにかけて最終的な取りまとめをやっていくわけですから、その間に、八田さんとも意見交換し、原さんとも意見交換し、そして、文科省とやり合って、そういう中で、私は獣医師会ともいろいろやっていますけれども、そういうのを踏まえて決めていくわけですからね。
(問)少なくとも、やりとりの文書や記録がないということは分かりました。ただ、原案を作るに当たって、例えば、最初の第1案があって、次に話し合いをして第2案が出て、第3案が出て、最終的な諮問会議に出る最終案みたいな形が出ると思うんですけれども、そこの文案でも、国民に公開しようというふうな姿勢はないんですかね。
(答)まず4条件が加わる前の、27年6月8日の国家戦略特区ワーキンググループでは、国家戦略特区の文案にするために、もう4条件の話を始めているわけですよ、あれを読んだら分かりますよ。既存の大学名とか書いて、それが最終的に国家戦略特区の6月30日の4条件になっています。その際に、根拠がないではないかという議論がいろいろなされて、文科省は答弁に窮するわけですけれども、そこで、その年度中の去年3月までに結論を出しましょうと決めているわけですね。そのときまでに、文科省が4条件を満たしていないという反証をできなかったら、本来、そこで終わりですよ。もう決めたという判断なのでやりましょうとなるので。
 けれども、そこはまだ一応余裕を持って、待って、最終的な議論をして、9月16日にワーキンググループで議論しました。昨日、前川氏は、文科省が従来どおりでできると言ったことに反論がなかったと主張されていることですが、ワーキンググループ委員は反論していますよね。むしろ、具体的にどこに就職するなり、どういうニーズがあるかと、文科省の方で説明してくださいといったら、説明できなかったわけでしょう。
 だから、もうそこで、獣医学部は新設するということが決まったようなものですよ。
(問)今、4条件のことを聞いているんじゃなくて、広域的な条件のついた経緯のところに絞って聞いていまして、先ほどおっしゃっていることはよく分かる。挙証責任は文科省にある、それは分かるんですけれども、国民は別にそこを聞いているわけじゃ、どっちに責任があるかを聞いているわけじゃなくて、実際のその決定プロセスがどうだったのかというのをつまびらかにしてほしいと思っているわけですよ。
 そこについて説明するということについて、文科省が持っている資料なり、文科省が今まで経緯というのを知り得る限り説明するということは、いずれに挙証責任があろうがなかろうが、それは文科省が持っている情報の中で国民につまびらかにすれば良い話なんじゃないでしょうか。
(答)いや、文科省が持っている資料は、ワーキンググループの中で認定されたり、区域会議なりに出されていますよね。挙証責任を曖昧にするというのは絶対認められない。それはもう、この規制緩和というのを止めるだけの話ですから。
(問)だから挙証責任がどちらにあるかじゃなくて、国民に対しての説明責任をどうするのかということなんですよ。
(答)国民に対する説明は、私が国会で十分やっているし、記者会見もやっています。
 そのときに、9月の段階で、獣医学部新設というのはもう決まったようなものですよ、理論的に勝負あった。そして、では、獣医学部を新設するんだけれども、それをどこでやるかということを詰めていくわけですね。そして、11月9日の諮問会議に出さなければいけませんから、どこでやるかについて書く時に、「広域的な」と入れるなどもあるし、どこでも良いというのもあるし、県に一つ以上認めないとか、いろいろなやり方がありますよね。
 そういう議論をしている中で、やはり都道府県単位でなければ良いという話では、やっぱりもたないのではないかと。すぐ、近くにあるところからすれば、学生も取られるとかいう話も出てくるだろうと。そういう議論を文科省と、それから民間議員との間でやり合って、そしてまたバックには獣医師会もいますからね。
 これは交渉ですから、そういう議論を踏まえながら、私なりにバリエーションを持って、 こういうのを出すと。確かに、それでは、やはりまだ問題だという話になり、最終的に私の判断で、これだったら獣医師会もまあまあ行くだろうなという判断が「広域的に」ということですよ。
(問)先ほど言っていた、いろいろ話し合って決めたと、そこのいろいろのところが知りたいわけですよ。なぜそこが言えないのですか。
 そこだけ聞きます、最後。
(答)それは私の頭の中にあって、交渉事なんだから、そんなの最初から出したら交渉にならないじゃない。
(問)大臣、この間、獣医師のペットの方の給料について、ちょっと高いと。先週、1施設5,000万円以上が3割を超えているという発言がありました。大臣ご自身は、ペット獣医師の年収というのは、大体どれぐらいがふさわしいというふうにお考えでしょうか。個人事業主、法人役員、常勤被雇用者の3パターンで教えていただけますか。
 もう1点、総理が獣医学部をどんどん作るというふうに発言されたことについてお伺いしますけれども、この発言、通常国会が終わってからの発言で、通常国会が終わってから非常に大きな政策転換ということで非常に注目されているわけですが、この発言の真意について、臨時国会を早く開いて説明する考えというのは、必要性というのはあると思いますでしょうか。
(答)まず、処遇についてですけれども、幾らが適当かというのは、私が言える話ではないと思います。ただ、一般的に公務員獣医師に比べて小動物獣医師の待遇が良いとは聞いております。
 獣医師の分野別推移を見ても、小動物診療が平均の増加率を超えて伸びる一方、公務員が平均以下の伸び率にとどまっておりますから、小動物獣医師の方が人気であるということをうかがえます。
 これは確認したわけではありませんけれども、獣医師関係の専門家から聞いた話によれば、要するに都会の獣医師の経営者というか、トップの方は非常に高給だと。ただ、若い獣医師の人についてはあまり高くない給料で雇われていることが多いと。ただ、そういう人達は将来自分が独立したら高収入が得られるからということでやっているんだというような話も聞いております。
 いずれにしても、一定の質がなければ駄目ですけれども、獣医師の数が増えれば新規参入が起こっても、小動物獣医師の供給が増えて、おのずと均衡するところに決まると、それはある意味で、公務員獣医師と小動物獣医師の待遇格差が埋まるということを先月申したところです。どこまで埋まればいいかというようなことについては、それは市場が決めるとしか言いようがありません。
 公務員になりたいという使命感を持つ人もいるでしょうし、ただあまりに格差が広過ぎたら、小動物獣医師ばかりいってしまうということがありますが、逆に一定以下に下がればそれは経営できませんから、そこは当然あるところで均衡するわけです。それがどこかというのは、前から言っているとおり、それは市場メカニズムが決めるしかしようがない。
 ただ、公務員獣医師の俸給表は、行政職よりは高く設定されていると理解しております。新聞に出ていましたが、厚労省の賃金構造基本統計調査によると、民間で勤務する獣医師の平均年収、約570万円は医師よりは低い数字にありますけれども、全産業平均490万円よりは約80万円高いが、基本的に開業医は調査に含まれていないというふうに理解しております。
 こういう意味で、現在の小動物獣医師のところは、若くして雇われた人と経営者とかなり差があるということがありますから、一概には言えませんけれども、しかしそれでも全体として見れば、公務員獣医師よりは高いというところが現状のところはあると理解しています。そこのところは、基本的に開業医は手当分が入ってないので、この統計は、開業医、要するに経営者については、十分に反映されてないのではないかと思います。
 それから、総理の発言ですけれども、これは国会答弁でも申し上げましたとおり、従来から国家戦略特区による岩盤規制改革というのは突破口であって、それで特段の問題がなければ、全国展開していくのが基本であります。
 一方で、今回の国家戦略特区を決めるときに、最終的に1校ということに絞ったわけでありますが、当初はそう絞るという感覚はなくて、国家戦略特区では当然2校、3校もあり得ると考えていたわけであります。
 ただ、いずれにしても将来的に問題がなければ全国展開をしていくことは、従来からの我々の基本的な考え方であって、総理もそういうことで述べられたものと理解しております。
(問)臨時国会を早く開いて国民に説明する必要があるかどうかという質問なのですが。
(答)それは国会で決めることです。
(問)大臣御自身としては、いかがお考えですか。
(答)私は、国会があればいつでも説明する。
(問)早く開く必要があるかどうか。
(答)これは私が一々コメントする立場にありません。
(問)昨日の閉会中審査では、結局官邸の働きかけがあったのかどうかという根本部分については、議論が平行線に終わりました。
 前川さんが一連の問題のキーパーソンと名指ししている和泉さんや、あるいは安倍首相が出席した上で、早急に改めて審議する必要があるかどうか、山本大臣はどのようにお考えですか。
(答)それは国会が決めることですから、私はコメントしません。ただ、今回のように決めてきた中で、我々は役所とやり合い、それから民間議員と議論をし、最終的に区域会議、特区諮問会議という経緯をきちっと経ているわけでありまして、そのときに、私は、官邸の話なんか聞いたこともありません。官邸から何か言われたこともないし、そんなことを気にしたこともない。きちんとルールにのっとってやっている。
 最終的には加計学園に決まるわけですけれども、それも私は一度記者会見で申し上げたように、9月7日に加計さん来られました際に、これは公正公平なルールにのっとってやりますよ、最後は公募ですからね、ときちっと申し上げているわけであります。そういう形でルールにのっとって、進めていったことでありますから、何をもって官邸が歪めたのか、そういう話は全く私には理解できないし、そんな感触さえも全くなかったということを自信を持って申し上げたいと思います。

(以上)