山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成29年4月11日

(平成29年4月11日(火) 8:59~9:08  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 私からは、特に冒頭発言ありません。

2.質疑応答

(問)先日、社会保障・人口問題研究所が将来の日本の人口の推計を発表したと思うんですけれども、出生率等改善して、5年前の結果よりも改善してきたということはあったと思うんですが、政府が掲げている2060年に1億人という人口の維持の目標というのは、ちょっと実現は難しそうな数値でした。
 大臣としては、この数字についてどういうふうに思われるでしょうか。御所見をお願いします。
(答)今回の推計では、近年の出生率の上昇傾向を反映して、中位の仮定で将来の出生率が1.44と、前回推計値1.35より高くなっています。
 2065年の総人口は約670万人増加して8,808万人となるなど、人口減少の進行度合いの速度や高齢化の進行度合いは、やや緩和されたものとなっています。
 これは、近年進めてきた子育て支援や両立支援制度の拡充が一定の効果を有したものと考えられますけれども、足元の出生率の実績1.45及び将来の出生率の仮定中位推計で1.44は、まだ希望出生率1.8より低い状況でありまして、今後とも地方創生の観点からも若い世代の結婚、出産、子育ての希望がかなうよう、地域アプローチによる働き方改革などの取組を進めてまいらなければいけないと思っております。
 私の個人的な感触も付け加えれば、生涯未婚率の数字を見ていますと、90年ぐらいから急速に高まっているわけです。これは、私はやっぱりデフレがそこから始まったところでありまして、やっぱりデフレが継続し、経済が停滞すると、どうしても生活の不安が出てくるということで、そういう出生率などに影響するんだろうと、あるいは未婚率、出生率に影響するんだと思っておりまして、何よりも経済をしっかり立て直す、そして人々の所得環境が良くなるということを念頭にする政策が最大重要であって、それがいろいろなことを良い方向に変えていくというふうに思いますので、これからもしっかりアベノミクスを成功させ、地方にまで進展させるようにしっかりやっていかなければいけないと思っています。
(問)先日から「DMOネット」の提供が始まっていますけれども、その概要と目的を教えてください。
 また、あと全国でDMOの候補法人の登録が広がっていると思いますが、特徴的事例と、あと地方創生を進めるに当たってDMOにどのようなことを期待するか、大臣のお考えを教えてください。
(答)全国各地域において、日本版DMOの形成に向けた取組が活発化している一方で、観光地域のマネジメントやマーケティングに関するノウハウや人材の不足といった課題を抱えている地域も少なくないことから、こうした課題の解決を情報面から支援するために、3月31日金曜日に「DMOネット」の提供を開始したところであります。
 本システムを通じて、DMOが実施する、観光地経営に必要なデータの収集・分析などの様々な業務を支援するとともに、DMOと、DMOをサポートする民間事業者や専門人材とのマッチングや、全国各地域のDMO間の連携・交流の促進に取り組んでいきたいと思っております。
 また、日本版DMO候補法人につきましては、現在、広域連携DMO、地域連携DMO、地域DMOの3種類を合わせて、134の候補法人が登録されています。
 その中で特徴的な事例としては、「一般社団法人豊岡観光イノベーション」というのがあり、これはWILLERグループをはじめとした官民協働で設立されたDMOでありますけれども、ここでは例えば、無料Wi-Fiスポットの接続履歴等からユーザーの行動履歴を把握・分析し、マーケティングに役立てております。
 地方創生においては、地方の平均所得を上げるための取組を進めることが重要でありまして、このためには、観光地経営の司令塔であるDMOが、「DMOネット」等を活用しながら、マーケティングに基づく戦略の策定、DMO間の連携・交流を通じたノウハウの共有、優れた事例の横展開等を図ることで、それぞれの地域の特色を生かした「稼ぐ」観光地域づくりを進めていただくことが大変大事だというふうに思っております。
(問)昨日発表になったんですけれども、静岡市の推計人口が政令指定要件の目安とされている70万人を割り込みました。恐らく政令市初かと思うんですけれども、大臣の御地元である北九州なんかでも人口減少傾向にあると思いますが、大都市においても人口減少が進んでいるという現状と及び今後の対策に関して、担当大臣としての受け止め、所感がありましたらお願いします。
(答)静岡市の人口がそういう状況だというのは承知しておりますけれども、私の地元の北九州も100万人を割って95万人で、大変だ大変だと言っているんです。
 ただ、私は日本全体の人口が減る中ではある程度の人口減少というのはやむを得ない。むしろ、それをどれだけ抑えていくかという取組が必要で、そのために地方創生というのを一生懸命やっているわけです。
 その都市に住んで良かったと、魅力があるというような都市作りをしていかなければ、本当の小さい田舎だけじゃなくて中核的な都市も人口流出というのは起こると思いますので、これはその都市のトップなり、あるいは議会、住民なりが本当に真剣に、どうしてやったら魅力があって、人々がそこに住みたいと思うようになれるかを考えることが大事だというふうに思います。
 また、そのために自助の精神を発揮して、稼ぐという取組をしっかりやっていただけるんであれば、我々は推進交付金等で全面的に支援をしていきたい、人材面でも情報面でも支援をしていきたいというふうに思っています。
(問)物流の人材不足が深刻化しているんですけれども、千葉市が特区として指定されて取り組んでいるドローン宅配について期待されていらっしゃることだとか、地方創生の観点からも見た上でのお考えみたいなものをお聞かせください。
(答)ヤマトの問題もありましたけれども、人手不足で物流関係の仕事のやり方は激変するだろうというふうに思います。
 まあ、私から言わせると、そんなことを見込んでいなかった経営者がちょっとサボっていたのではないかという気がしておりますけれども、アベノミクスが進める最大のポイントは、完全雇用の達成ですから、急速に人手不足になるというのは、もう分かっているわけで、それに対して対応策を考えていくというのが企業経営者と私は思っています。
 その意味では、IT投資とか、ようやく慌てて宅配ボックスなんて話を始めていますけれども、そういうことに真剣に取り組んで設備投資をどんどんやってもらわなければいけない。
 それから、将来の行方を考えると、ここまで人手不足になれば、正に我々は特区でこれからレギュレーションサンドボックスというやつでやろうとしているドローンや自動走行、こういうことがもう喫緊の課題として現実的に必要性を帯びてきたというふうに思います。
 私も運送会社の社長さんなどから、人手不足と言われるんで、いや、もうそのうち運転手がいなくなるよ、そういう交通体系になりますよと、そういうことも考えて企業経営というのをやっていかなければいけなくなりますよという話をしましたけれども、そういう意味では、おっしゃるように、宅配とかいうのはドローンは非常に可能性がある。それから長距離については、例えば今度経産省は、たしか2020年にトラックを何台か併走させて自動走行トラックというのを高速道路で走らせる予定だというような話もありましたけれども、そういうことがどんどん進んでいくと思います。
 直ぐに3年でというのは無理かもしれませんが、10年後にはかなり変わった形になる。それは、もう必然的に人手不足になるわけですからやっていかざるを得ないということだと思います。

(以上)