山本内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成29年2月14日

(平成29年2月14日(火) 9:02~9:13  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 冒頭発言はありません。

2.質疑応答

(問)日米首脳会談の件なのですけれども、大臣先週金曜日の会見で、安全保障も含めた強固な日米同盟関係の構築やお互いの貿易経済発展につながることを期待というふうにおっしゃっていましたけれども、今回の日米首脳会談の評価と、それからあと大臣常々米国の保護主義に関しても懸念されていたかと思うのですけれども、今回の会談でのそこら辺の受け止めも同時にお願いできますでしょうか。
(答)私は、今回の日米首脳会談は大変大成功だったと思います。安倍総理がトランプ大統領と強固な信頼関係を築かれたということは、単に日本のみならず、アジア、あるいは世界全体に対して安心感を与えることにもつながったのではないかと思います。
 しかも、安全保障面では尖閣の安保5条適用、しっかりと明言、また声明に明示されたということで、非常に100%以上の成果にはなったのではないかと思いますし、経済関係については、これから副総理とペンス副大統領の間で経済対話というのが行われることになりまして、具体的な話はそこで行われていくのだと思いますが、そういう中でそれぞれの立場をしっかりと言い合う、そして理解できるという素地ができたということは、非常に高い評価をするべきではないかと思います。
 また、詳しい話は今日の集中審議なんかでも安倍総理がお話しされると思いますけれども、トランプ大統領との間で貿易問題についても安倍総理のお考えを示されて、トランプ大統領もだんだん理解していただけるようになっているのではないかなという感じを持っておりまして、大変期待をしております。
 保護主義というのは、一時的に部分的な利益があるように見えますが、中期、長期的に見れば逆に自分のところも損をするというようなものでありますので、これは正に歴史の教訓から我々は決して採ってはならない方向だと思っておりますので、そういう点についての議論ができる素地ができて、それがだんだん修正されていくというように期待をしているところです。
 ダボスの会議で、サマーズ氏が言っていましたけれども、ある会社に800人の雇用をメキシコから行かないで、アメリカに戻すというような介入をして800人の雇用は守るかもしれないけれども、そのことによってペソが16%から20%近くまで下がってしまうと、その影響というのは10万人規模の影響を与えることになるのだよと、そういう問題なのだというような話をしていまして、そうしたことがだんだん分かってくるのではないかなと思っております。
 是非保護主義に陥らない健全な国際貿易関係、そういうものを築いてもらえるように願っているところですし、そういう話ができる基礎ができたという意味で、私はもうすばらしい、正に安倍総理のこれまでの外交経験がトランプ大統領にとっても大きな味方というように感じられたのではないかと思ってうれしく思っております。
(問)山本大臣、先週末に行かれた北海道の出張について、何か全国に広げていきたい事案とか、あと今後生かしていきたいような取組について教えてください。
(答)先週の土曜日、日曜日に北海道を視察いたしました。
 初日は、北海道庁主催の地域創生セミナーに参加しまして、道内の市町村長や経済団体トップの方々始め250名以上が集まった盛況でありまして、そこで地方創生の理念とかヒントとなる成功事例、またリーサスの活用の仕方について講演を行いました。
 また、セミナーでは3名の民間の方々、これはトビムシという森林開発をやっている竹本吉輝さん、それから女性のリーダーで津軽海峡マグロ女子会というのを作っている杉本夏子さん、それから地方のバス路線を奇跡的に立て直したという十勝バス代表取締役社長の野村文吾さん、こういう3名の方々が地方創生の実例を紹介されました。これは本当にすばらしい活動ぶりでありまして、大変大きな感銘を受けました。
 私も各市町村長が自助の精神を持って頑張ってもらいたいと、そういうところには全面支援するという話をいたしました。
 そして、その日は夕方、ちょうど「さっぽろ雪まつり」の最終土曜日でありましたので、日曜日まであったのですが、そこで初めて「さっぽろ雪まつり」を見させていただきましたが、陸上自衛隊、民間団体の皆さんの創意工夫で作られた雪像を拝見して、最近は外国人のインバウンドも非常に増えていると、10万人以上の外国人が来るのだと、250万を超える観光客でにぎわっているということで、これまた地方創生の一つの大きなイベントになっているのではないかと思いました。
 2日目は、当別町、それから江別市、それから札幌市の北海道開拓の村、それから北広島市にそれぞれ行ったのですが、当別町は、農産物の六次産業化をやりたい。それから移住・定住を進めるためにスウェーデンヒルズというのを作っておりまして、これも進んでいます。また、そういうスウェーデンヒルズで移住・定住してきた人も含めて、若い北海道医療大学の卒業生が作った障害者施設があるのですけれども、その「ゆうゆう」の活動に移住・定住者がボランティアで参加して、町全体がそこを中心にごちゃまぜで交流できる、ある意味でいう当別版CCRCの実践をやっていまして、大変感銘を受けました。
 また江別市では、もともと煉瓦生産で有名な地ですが、その古い工場をリノベーションした商業施設、そこで地元に四つの大学があるらしいのですが、その大学の学生たちと懇談をいたしました。彼らは、市や企業が連携してやっておりますインターンシップに参加している学生でありまして、そのインターンシップを通じて、地域の課題とか、あるいは自分たちの将来についていろんな考えをめぐらせるということを聞いて、大変若者も参加しているという意味で勇気付けられました。
 また札幌市の北海道開拓の村、これは大変広大な土地に開拓の歴史的な施設も作り、また体験型のイベントをやるということで、実は今回この体験機能、酪農とか書道とか華道等をやる事業について、拠点整備交付金で支援を決定したところでありまして、その状況を見に行きまして、これはすばらしい観光拠点になるのではないかなというふうに思いました。
 また、北広島市、ちょうど千歳と札幌の中間にあるのですけれども、ここは昔は団地ができて、大いににぎわっていたのですが、そこが大変高齢化しまして、これでは駄目だということで、廃校を利用した地域包括ケアの拠点となっている介護施設ができまして、それが地域の住民も利用できるような施設、オープン型の施設にして、また体育館もあるということで、そういう交流が進むことによってだんだん若い人も少しずつ戻ってきているというようなことがありました。
 大変面白い取組だと思いまして、今日的な問題を解決する手だてになるのではないかと、こういう意味で非常に他の地域でも参考になるような事例ばかりだというふうに思いまして、今後稼ぐ力の向上とか移住・定住の促進、雇用創出というそういう取組を是非横展開してもらうように宣伝もしていきたいなというふうに思っています。北海道大いに頑張っていただいているという気を強くしました。
 今回の拠点整備交付金でも北海道の市町村が占める割合は11%、一番大きい。もちろん市町村の数も多いということもありますが、頑張ってくれているということで、また他の地域でも喝を入れてもらう事例になるではないかと思っています。

(以上)