松本内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成29年7月14日

(平成29年7月14日(金) 10:43~10:56  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 私から3点申し上げます。
 まず一つ目は、梅雨前線による大雨に伴う九州北部の被害状況、政府の対応状況について申し上げます。福岡県、大分県で甚大な被害が生じた災害の発生から1週間以上が経過しました。両県ではこれまでに死者30名、重傷者4名のほか、100棟を超える家屋の全壊や床上浸水が発生しています。改めて今回の災害によりお亡くなりになった方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。
 福岡県では、いまだ連絡のつかない方が20名近くおられます。また、被災地の皆様は大雨により大きな被害を受けた地域の姿を目の当たりにし、大変不安な日々を過ごされております。これまで人命の救助・救出活動、孤立解消に向けた道路の啓開等に加え、避難所の生活環境整備や大量に堆積した流木処理の加速化などに取り組んでまいりました。一昨日までに福岡県、大分県において、冷房施設が必要とされている全ての避難所にエアコン等が設置されたほか、関係省庁一体となった流木対策チームが活動を開始しております。なお、朝倉市、東峰村、日田市などでは、一般家屋に溜まった泥のかき出し、家財の搬出などを手伝っていただく一般ボランティアを募集しております。ボランティアに参加される方は、安全に気を付け、ボランティア保険に加入して活動してください。詳しくは、市や村の災害ボランティアセンター特設ホームページを御覧ください。
 引き続き、政府としましては、総理指示の下、徹底した捜索活動に加え、被災された方々に寄り添った支援を実施していくとともに、一日も早い生活再建に向け、先手先手で政府一体となって対策を講じてまいります。
 次に、新潟県中越沖地震10周年合同追悼式出席及び糸魚川市大規模火災被災地視察について申し上げます。7月16日日曜日に開催される柏崎市、刈羽村主催、新潟県共催の新潟県中越沖地震10周年合同追悼式に政府代表として出席し、震災の犠牲となられた方々に追悼の言葉を述べる予定です。また、式典後には、糸魚川市の大規模火災の被災地を視察をする予定でございます。
 三つ目でありますが、高齢運転者による交通事故防止に向けた警察の取組について申し上げます。本日の閣僚懇談会において、加藤内閣府特命担当大臣から、7月7日に交通対策本部において決定された「高齢運転者による交通事故防止対策」について発言がありました。それに関連し、私から認知症対策を強化した改正道路交通法の施行状況や、先日取りまとめられた有識者会議の提言を踏まえた今後の警察の取組について発言いたしました。今後とも、関係機関、団体等と連携しながら、高齢運転者による交通事故防止対策を強力に推進するよう、警察を指導してまいる所存でございます。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)テレビ朝日の松井と申します。
 この福岡、大分の被災者対策で政府はプッシュ型となりまして、これまでから比べるとかなり積極的にやっていらっしゃるなというのがよく分かるんですが、さはさりながら、我々の取材では170人以上が避難なさっているところで、1週間経ってようやく扇風機が1台だったという場所もあったようです。その後、御覧のように冷房が入ったようですが、そこでちょっと確認したいのですが、去年の例えば岩手や、あるいは一昨年の常総などの避難所などのそういったものの何週間で何があったというのは、そういうまとめたものが一括となっていて、データとして残っていて、そういうものは全部反映されていると考えてよろしいんでしょうか。
(答)そのデータが今、お示しできるかというと手元にはないのですが、当然のことでありますが、過去の教訓、経験といったものを踏まえて対応しているところでありますが、その災害の状況はそれぞれの地域で大きく違うところがあります。今回も流木が多く流れてきていて、その奥へ入りたくても入れない状況が出ていて、そのためにその流木対策ということで今、懸命にそのチームをつくって対応しているところでありまして、当然、そういったことを踏まえて対応はしておりますが、それを拒む様々な状況も生まれておりますので、そういったことも今回の経験もしっかりとチェックしておいて、次に対しての対策の一つとしていかなければならないと思います。
(問)大臣は実際に行かれたわけですが、御覧になってみて、よくやっているというふうに御覧になったということでしょうか。
(答)大型の重機がなかなか入り込めるような状況にないのです。そのために人の手でそれを対応していくというところにとどまっておりまして、そのために早くチームをつくって、その対策対応ができるような体制の必要性というものを直ちに総理に報告をしたところであります。
(問)共同通信の井澤です。
 九州豪雨のボランティアに関して伺いたいのですけども、先程大臣からボランティアに入る際の注意点、言及がありましたが、この連休で多数の方が参加されると思うのですけれども、復旧復興に向けてボランティアに期待するところがありましたらお願いします。
(答)このボランティア、NPOが連携をとって地域のニーズと一体になって対応できるということが極めて重要でございます。情報共有がいかに図られるかというところを注意して見ていかなければならないと思います。
 7月11日からは平成29年7月九州北部豪雨支援者情報共有会議が設置されまして、NPOとボランティア団体、福岡県、朝倉市、全国社会福祉協議会、内閣府などが参加しているところでございまして、同会議におきまして、朝倉市役所において毎日18時より開催されているこの会議を通じまして、効率的な支援活動を行うための情報交換をさせていただいているところでございます。
 また、福岡県の災害対策本部を通じても、NPO等との連携が図られているところでありまして、まずは必要なもの、何をどこでどうするかといった細かい作業等についても、情報の共有ということが一番重要だと思います。
(問)雑誌記者の中島です。
 7月は飲酒死亡事故の一番多い月になりますので、それにちなんでお尋ねします。2015年と2016年を比較しますと、飲酒の死亡事故は、若干ですけれども12人増えています。厳罰化から7年ですけれども、この現状についてどう思うかということ。
 それからもう一つ、有識者の間では、三重県であるとか福岡県であるとかがアルコール依存症の対策を条例で制定しておりますけれども、こういったような結果を分析評価していくことが大事ではないかということを言われています。この指摘に対して大臣、どんなふうにお考えでしょうか。
(答)飲酒運転は死亡事故等の重大事故に直結する悪質危険な行為であり、これを根絶しなければならないところ、今、お話がありましたように、平成28年中の飲酒死亡事故は213件で前年より12件多く、6年ぶりに前年より増加いたしました。
 これについて警察庁において分析を行ったところ、飲酒死亡事故については深夜だけでなく早朝に発生する事故も多く、また、飲食店だけでなく自宅で飲酒して事故を起こす事例も多いこと、また、車両単独事故により、運転者が死亡する事故が多いのですが、約25%は第三者を死亡させていること、飲酒直後から1時間までの時間帯での事故が多いということ、飲酒終了から一定時間経過後の事故も発生しているということなどが判明をしたところでございます。このような状況を踏まえた上で、飲酒運転を絶対にしない、させないという国民の規範意識を更に確立していく必要があるものと私は認識しております。
 警察はこれまでも飲酒運転の厳罰化、取締りの強化、根絶に向けた広報、啓発等の取組を推進してきたところでございますが、飲酒運転による悲惨な交通事故が依然としてなくならない実態を踏まえ、対策を更に強力に推進していくよう警察庁を指導してまいりたいと思います。
 また、有識者の意見の件でございますが、御指摘の取組については飲酒運転根絶対策の一環として、条例に基づいて飲酒運転違反者の情報を公安委員会から県に提供して、違反者にアルコール依存症の検査のための医療機関の受診と結果報告を義務付け、アルコール依存症の者の発見と治療を促進する取組と承知しております。この効果検証については、必要に応じて各県において実施されるものと認識をしておりますが、警察においては今後とも、この条例の施行状況について注視してまいりたいと思っております。

(以上)