石原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年7月12日

(平成28年7月12日(火) 10:45~10:53  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 私から、今日は御報告する件はありません。

2.質疑応答

(問)総理は昨日の記者会見で、秋の経済対策の実施について言及されました。大臣への指示はこれからだと思いますが、この秋に経済対策実施する意義について、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)まだ総理から指示は出ていませんが、経済対策についての話は以前、総理のところに行ったときに伺っています。
 昨日の総理の記者会見を聞かせていただきました。今回の経済対策で配慮しなければいけないこととしては、イギリスがEUを離脱するということで、その影響が新興国や日本の経済など、いろいろなところに波及するリスクが高まっているという認識が一つポイントになるのではないか。それによって、日本の中小企業や小規模・零細企業、日本経済全体にマイナスが及ばないように、また、そういう事態のマイナスが波及してきたときに、それに対する対応が含まれたものでなければならないのだと思います。その結果として、内需を下支えする総合的かつ大胆な経済対策をつくり上げるということになる。総理も同趣旨の話をされていたのだと思います。
(問)アベノミクスについてお尋ねします。参院選では与党の政権運営に対して信任が与えられた結果になったとは思うのですけれども、各種調査や選挙戦の間には、アベノミクスに対して少し反対するというか、そういった声もあったと思います。大臣として今後、そういった声を踏まえて、アベノミクスを少し修正していくお考えがあるのか、少し力点を移していくお考えがあるのか、教えていただけますか。
(答)私も今回の選挙期間中に10地域ぐらい地方各地を回りました。そうしますと、小規模事業者の方々や農家の方々から、場所によっては十分ではないというお話も逆に伺いました。
 総理も演説の中で、アベノミクスの成果は着実に出ているが、まだ道半ばなのだと、だから、この道を行くのか、それとも違う道にするのか、それを今度の参議院選挙では国民の皆様方に御判断いただくということを、そういう趣旨で総理が演説されているのを聞いていました。
 正に私も同じような趣旨で話をしてきました。私が申し上げたのは、成果は出ていると。間違いなく変わってきていると。ただ、デフレではないのだけれども、デフレを脱却したとは皆さん方も思っていないでしょう。だから、町で若い方と話をすると、貯蓄をしなければいけないみたいな話も聞きました。ですから、次はこれまでの成長の果実を生かして、成長と分配の好循環をどう回していくのかということになると思います。
 特に総理は、若い女性のいらっしゃるところで話をされていたのが印象に残りましたけれども、私は、総理の話と並んでするときは話題がかぶるといけないと思って、保育環境の充実と介護に重点的に予算を充当していくということを、私は秋に約束をさせていただきますということを言ったら、総理がそれを引き取って、石原さんが約束したように、それは非常に重要なことだと総理がその後お話しされていました。
 ですから、あらゆる政策を総動員しますけれども、重点的にはそういう部分も一つこれから入ってくると思いますし、先ほど、デフレではない状態だというお話はさせていただきましたけれども、もう一つは、やはりデフレの脱出速度を引き上げていくということが今度の経済対策では重要なのではないかと考えています。
(問)参院選の結果について、与党は過半数になったと思うのですが、農業が盛んな東北地方では、自民党の候補が苦戦して、一方でTPP反対を訴えた野党候補が勝った県もあったのですが、TPP担当大臣としての受け止めと、今後の国会審議に何か影響があるとお考えか、お願いします。
(答)今、御指摘になったのは東北に限定されていたのですけれども、私も東北は、青森県と、選挙の前に福島県と、そして選挙期間中に山形県と、回らせていただきました。
 そこで地元の方々から聞いた声ですが、TPPは非常に誤解されていて、野党の人の方がTPP反対しか言わないから分かりやすい。なので、そこのところを演説でしっかりと話してくださいということを言われたのが非常に印象に残っています。それを裏から返せば、今の御質問にあるとおり、また、選挙の結果にあるとおり、この問題が、私たちが万全の対策をしている米については国家貿易制度を維持して、仮に国内に6万数千トン入ってくるといっても、備蓄の部分で調整しますので、その影響はないという話は選挙期間中もさせていただいたのですが、反対という声の方は、反対と一言ですから。私どもの方は、今の話でも1分ぐらいかかるので、十分に説明し切れていなかったということはあるのかもしれません。
 その一方で、山形県で印象的だったのですけれども、ちょうどサクランボの季節が佐藤錦から、もう少し大きい紅秀峰に変わっていましたので、控室で食べて、皆さんは、アメリカンチェリーが入ってくるとき大反対したけれども、アメリカンチェリーなんか東京で買おうと思っても探さなければ売っていない、東京では売っていませんよと。競争力のあるものは残りますという話をして、こういうものを海外にもっとうまく売っていくことを考える、それがこれからの農業ではないですかと言ったら、そういうところでは大きな拍手も頂きました。
 ですから、やはり引き続いて、TPPの問題については丁寧、かつ万全な措置を実施しているということで、不安を払拭するような説明をしていかなければならないのではないかと改めて感じているところです。

(以上)