石原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年5月10日

(平成28年5月10日(火) 9:00~9:09  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日の閣議では特段御報告するような件はありません。

2.質疑応答

(問)日銀の金融政策決定会合以降、円が円高に振れたり、株もかなり下落するなど、直近は少し戻していますけれども、金融市場でかなり不安定な動きが続いていますが、ここら辺の動きと、日本経済への影響というのは、どのように見ていらっしゃいますか。
(答)マーケットについてのコメントは差し控えますが、注視をして、見守っています。今、御指摘がありましたように、今日は少し円安に振れていますし、そこそこの形で寄り付いている。
 企業収益、雇用環境等は過去最高に近いのだと思います。ですから、日本経済のファンダメンタルズには大きな変化はない。
 雇用と所得の環境改善をしっかりと持続させることが重要ではないかと改めて感じています。
(問)総理が外遊されましたが、財政出動をめぐって、ドイツとイギリスは、割と慎重な見方をされていますけれども、G7サミットに向けて、国際的な協調の在り方について、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)総理が5月5日の内外記者会見で、G7が世界経済の持続的かつ力強い成長への道筋を示すべきである、G7が引っ張っていく必要があると言及されています。その上で、いわゆる旧3本の矢の金融政策、財政政策、構造改革を、世界レベルで展開させる必要があることには、筋論から言えば、世界各国の同意を得られると思います。その中で、個別の財政出動については、国ごとに戦後の生い立ちもあり、そこに温度差があるという報道も承知しています。
 ただ、総理がおっしゃっているとおり、低迷した状態から、一気呵成に抜け出すには、脱出速度を上げていかなければならない。ヨーロッパでもECB等が金融緩和政策を打っていますし、我が国でも金融緩和政策を打っていますが、それだけではなくて、財政出動、機動的な対応というものが強く求められている。私もそういう立場をとらせていただいていますので、景気回復を着実なものにするために、指標をしっかりと注視しつつ、あらゆる政策を総動員することが肝要ではないかと考えています。
(問)財政出動を伊勢志摩サミットでまとめたい、協調してやりたいという総理の意向もあるのですが、それに関連して、出すほうと同時に、とらないという選択も、財政出動の中にはあるのだと思いますが、消費増税について、自民党の高村副総裁などは、熊本地震等々を考慮して、延期もあり得るような発言をしているように聞いています。
 こういう発言も相次いでいるわけですが、消費増税について、大臣のお考えは現状ではどうでしょうか。
(答)高村副総裁の発言は、報道で承知していますが、私のところに政策変更の指示は来ていません。来ていない以上は、来年の4月1日に消費税をしっかりと増税させていただく環境を整備していく。それには、マーケットの乱高下に注意をしつつ、所得と雇用環境は改善されているわけですから、このレベルをしっかりと保っていく。
 さらに、一つ加えるとするならば消費です。消費が弱含んでいますので、この部分にも対策を打っていくことが、4月1日の消費税を引き上げる環境を整備する上で重要になってくるのではないかと考えています。
(問)参議院選挙も近づいてきまして、公約にどう盛り込むのか、若しくは、骨太の方針の閣議決定もあると思いますが、いつごろまでに総理は消費増税を行うか行わないのかを判断しないといけないのか。
(答)総理は一度も消費増税をやめるという話はされていません。ですから、そのことについて、私が何の指示も受けていない以上は、検討もしていません。
 ただ、骨太の方針は、参議院選挙が7月にありますので、5月中に取りまとめるというスピード感を持って、しっかりと議論をしていく。明日は経済財政諮問会議もありますし、18日も多分あると思います。特に一億総活躍は骨太よりも早くまとまります。今日も加藤大臣と閣議の前に少し雑談したのですが、党の方々が一億総活躍でいろいろ取りまとめています。そういうものを聞かせていただいて、しっかりと入れたものになるように、それは私の担当しています600兆円経済に向けての部分ですが、若い方々の意見もしっかり取り入れて、実りの多いものにしていきたいと考えています。
(問)話題のパナマ文書が公開されましたが、大臣に直接関係のある話ではないのかもしれませんが、租税回避の問題等がクローズアップされていますけれども、政府としてどう取り組むべきかなど、何か御所見あれば伺えますでしょうか。
(答)これは所管でありませんので、過去の経験からお話をさせていただきます。これは世界的な問題だと思います。党の税制調査会で、BEPS(税源浸食と利益移転)プロジェクトという税制の国際的な枠組みについて2年ぐらい前から議論してきました。違法ではないと承知しています。しかし、世界各国にとりまして、税はその国の政策を推進していく上でどうしても必要なものです。ですから、一部の富裕層や企業が税逃れをすることは、世界的に戒めていく。その方向で議論されていることは、私は正しい方向だと認識しています。

(以上)