石原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年4月5日

(平成28年4月5日(火) 9:02~9:12  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日の閣議において総理より、平成28年度予算の年度内成立の実を上げるため、平成27年度補正予算とあわせて、平成28年度予算について、できる限り上半期に前倒しして実施して早期に効果を発揮させていくこと、各大臣に対しては、適切な進捗管理を含め、予算の早期実施に協力をお願いしたい旨、御発言がありました。財務大臣からも同様の発言がありました。
 これを受けまして私からは、お手元に配布しているとおり、景気の現状と海外の下振れが、我が国景気が下押しされるリスクにつながるという旨、28年度予算についても前倒して実施し早期に効果を発揮させることが重要である旨、発言いたしました。こうした取組により、デフレ脱却を目指して、経済再生に向けた取組を更に前進させてまいります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今お話のあった28年度予算の前倒し執行ですけれども、年度後半には効果も息切れしてくる部分もあるのではないかと思うのですけれども、そこをどうつないでいくのか、追加対策などもまた念頭に入ってくるのかどうか、そのあたりについてよろしくお願いします。
(答)今日総理から各大臣しっかり進捗管理をという明確な御指示もありましたので、契約ベースで早くなっていくと思います。今の段階では、前倒し執行の状況、それに景況感あるいは、どこの事業主体が予算を執行・契約されていくのか、そういうところを見ていくことが、一番重要ではないかと考えています。
(問)本日からTPPの承認案と関連法案が、衆議院本会議で審議入りします。大臣は今国会の後半戦の大きな焦点になると以前おっしゃっていましたけれども、野党が徹底的に審議を要求する構えもありますが、大臣はどのように臨まれていくのか、また改めてお考えをお願いします。
(答)先月8日に協定と関連する整備法案について国会に提出いたしまして、いよいよ本日の本会議で議論がスタートします。協定の国会承認、そして協定を実施するために必要不可欠な11の国内法の規定の整備を、総合的・一体的に行うものを御審議いただくことになります。国会において十分御審議がいただけるよう政府として丁寧に説明していかなければなりません。そして、我が国が率先して動くことによって、TPP協定全体の早期発効に向けた機運を高めていくことが重要ではないかと考えています。
(問)昨日、日銀の黒田総裁が異次元の緩和を始めてから4年目に入ったということなのですけれども、物価の見通しがほぼ達成できない状況になっている上に、4月末には展望レポートがあって、恐らく景気見通しの引下げがあるのではないかという観測も流れておりますが、改めてこの4年で目標が達成できていないという現状についてどのようにお考えになっているか、お聞かせ願えますでしょうか。
(答)金融政策の所管は日銀ですが、2%の物価目標、これはヨーロッパの国々のスタンダードと変わらないごく当たり前な目標ですが、様々な要因により、達成していないということは事実です。
 そんな中で量的・質的金融緩和に加え、今度は新たにマイナス金利という政策を実施し、日銀の強いメッセージとして緩やかなインフレを作っていくことに取り組んでいる。今はデフレではない状態だと思いますが、デフレを脱却している状況にはない。安倍内閣は実質よりも名目成長が大きい、緩やかに物価が上昇していく、デフレ社会からの脱却ということをテーマに、経済政策を実施しているわけですから、現在4年目にはなっておりますけれども、実質2%、名目3%を目指すという目標を掲げている以上、デフレ脱却に向かって日銀と政府が一体となって進んでいくことが、今は肝要ではないかと考えています。
(問)先ほどのTPPの審議に話が戻りますが、本会議では今日、審議入りできそうですけれども、特別委員会の方では、野党が様々な条件を求めて、審議が遅れそうな見通しとなっております。政府与党としては、この国会中に承認、それに関連法案の成立を目指していると思うのですが、冒頭からなかなか難しい状況になっていることについて大臣は、どのように御覧になっていますでしょうか。
(答)後半国会は重要案件がまだほかにもたくさんあります。その中でTPPに焦点が当たってくるのではないかと以前に言いましたが、それは野党の皆様も同じ立場なのではないかと思います。この議題で政府を追及していこうという姿勢のあらわれなのではないでしょうか。国会の審議について、いつどこで何をやるのかということは、立法府の方で適切に、与党の理事が、野党の理事と折衝して決まっていくと思っています。
(問)昨日の経済財政諮問会議で、民間議員から、消費喚起のための財政出動や税制を何らかやるということが提案されましたけれども、その議論は、昨日はなかったということですけれども、大臣としては、この民間議員からの提案をどう評価するかということと、仮に消費増税するけれども、何らかで減税をしたとすれば、財政面から見たときにそれはあり得ることなのか、大臣のお考えを教えてください。
(答)私はそこのところは国会に出席しており、席を外していましたので、昨日十分にお答えできなかったのですが、民間議員がそういうことに言及されるということは、消費税を上げる環境を整えるには様々な施策が必要であるという趣旨と思います。それは裏を返せば、景況感が弱含んでいるということです。先ほどもお話しさせていただきましたように、海外景気で弱さが見られて、中国を始めとするアジアの新興国や資源国の景気が下振れしているという事実。それが我が国の経済を下押しするリスクというものはあると、そういう公式的な認識を私どもは持っていますし、経済界の方は、御自身の事業がありますので、そこで体温のように認識されている。そういうことがあるからこそあのような御提言があったのだと思います。

(以上)