河野内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成28年6月14日

(平成28年6月14日(火) 9:18~9:37  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 おはようございます。
 まず6月16日木曜日、東京国際空港、羽田空港の方でございますが、羽田空港において入国管理局、税関と警察との連携状況や、羽田空港のテロ対処部隊の活動状況について確認してまいります。
 おかげさまで伊勢志摩サミット並びにオバマ大統領の広島訪問は、無事に完遂することができましたが、依然としてテロに関しては厳しい情勢が続いております。
 テロなどの不法事案を未然に防遏(ぼうあつ)するために、この水際対策が重要だということを、これまでも繰り返し申し上げてまいりましたので、この水際対策の確認というものをしっかりやってまいりたいと思っております。
 それから、今日で熊本地震の発災から2か月になりました。改めてお亡くなりになった方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災者の方にお見舞いを申し上げたいと思います。
 最大で18万人いた避難者は、八代の地震で少し増えましたが、現在約6,400人になりました。まだ避難所の不自由な暮らしを余儀なくされている方に、一刻も早く安心して生活できる住まいに入居していただきたい。それが喫緊の重要課題だと認識しております。
 建設型の仮設住宅につきましても、6月3日には甲佐町、それから10日には益城町、嘉島町において完成し、益城・嘉島両町では、今日から入居が始まると伺っております。
 改めて避難所、仮設住宅、あるいは二次災害の防止対策など現地の状況を確認するために、明日、熊本県を訪問し、少し先方との意見交換を含め、行ってまいりたいと思っております。
 また、明後日16日の夕方に31回目の非常災害対策本部を開催し、関係省庁と今後の必要な対策の打合せをしてまいりたいと思っております。
 仮設住宅につきましては、5月31日の非常災害対策本部で3,660戸、取りあえずニーズの把握をしておりますが、みなし仮設の入居がどれぐらいできるかということと、それからニーズ調査が少しぶれるところもございますので、各自治体、この3,660がどれぐらいに落ち着いてくるかというところを、まだ把握しているところでございます。
 それから、罹災(りさい)証明につきましても14万6,000件の申請の中で、対応が12万5,000件、約86%できていて、実際に発行されているのが10万件を超えているところでございます。
 引き続き10日現在で343人の応援職員の方に入っていただいておりますので、これからは二次調査がメインになってくるかと思いますが、罹災証明につきましても、しっかり対応してまいりたいと思っております。
 私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)読売新聞、後藤と申します。
 今、仮設住宅3,660戸のニーズを把握されているということなのですが、弊社の調査では、13日までに完成した仮設住宅は232戸に留まっているということなのですけれども、実際にいつ頃をめどに全て全戸完成させたいとお考えでしょうか。
(答)順次、仮設の建設は進んでいるところでございます。今の予定でいくと、7月下旬までには恐らく2,900戸から3,000戸が完成するということになっております。
 みなし住宅に入っていらっしゃる方が今4,000軒、建設仮設が230軒、その他公営住宅が1,200軒、合わせて5,500戸に入っていらっしゃるという状況でございますので、順次完成した仮設に入られる状況になると思います。
 今、16市町村で3,000軒までの建設仮設の建設が進んでおります。それから民間賃貸が約4,000戸になっていますので、7月の上旬には8,000人分の住まいの確保ができると今、想定しておりますので、おおよそ7月上旬までには、避難所が解消できるだけの戸数は建ちますが、若干、こちらの町には余っているけれどもこちらの町には足らないみたいなミスマッチがありますので、7月いっぱいには何とかそうしたものも含め、対応できるのではないかと思っているところでございます。
(問)ということは、みなし仮設は600戸程度確保できそうだということでしょうか。
(答)いや、みなし仮設は今現在4,000戸、7月上旬までには6,200戸確保されると思っております。
 大体7月上旬までに、約1万戸ぐらいの仮設及び公営住宅、民間賃貸住宅が確保できると思っておりますので、そこまでいくと、かなり避難所の解消に向けて進めるのではないかと思っております。
 この数日間、余震がありましたので、少しまた避難所へ戻ってこられている方の数が若干ございますので、また少し落ち着けば、その方も元に戻られるのかもしれませんが、確実に避難所の避難者の数は減っていると認識しております。
(問)共同通信の奥田です。
 今度視察に行かれるときに、阿蘇大橋の崩落現場等も御覧になるかと思うのですけれども、視察の重点というか、重点的にどういうふうなところを見たいのか、お願いします。
(答)阿蘇大橋の崩落場所、それから土砂崩れをしている場所の視察もやらせていただきます。多分、橋はこれからいろいろ検討があると思いますが、恐らく建て替えみたいなことになるのかもしれませんが、崩落、二次災害を防ぐための工事もやると伺っておりますので、そこも見てくる予定でございます。
 メインは住まいの建設仮設の状況、あるいは避難所の状況、だんだん梅雨になってまいりましたし、気温も高くなってきましたので、避難所の環境についても少し見てきたいと思います。
 エアコンをはじめ要望のあった機材については、避難所の設置が終わっていると聞いておりますので、そうした環境も少し見てきたいと思っておりますが、あとは避難所の解消の見通しについて、それぞれの首長さんとお目にかかって、意見交換してまいりたいと思います。
 日程については、もう貼り出していると思いますので、日程はそちらを参考していただけたらと思います。
(問)時事通信の新部と申します。
 罹災証明書の関係なのですけれども、発行の今後の見通しなのですが、今、なかなか再調査の依頼というのもありまして、すぐ100%というのは難しいと思うのですけれども、大体どのくらいで発行できそうか教えてください。
(答)発災から1か月までの分については、大体5月いっぱいで終わっているかなと思いますので、今、申請があったもの全体に対して、もう既に来ていただいたら、お渡しできるという分も含め86%と聞いております。
 あと、まだ若干申請がぽつぽつと出てきているのと、残りは二次調査の依頼の分ですので、二次調査は少し時間がかかりますが、343名が応援に出ていただいておりますので、そこはしっかり確実にこなしていきたいと思っております。
(問)産経新聞の市岡といいます。
 時期的な問題もありますけれども、そろそろ検証作業というフェーズに移っていくのかなと思うのですが、そのあたりの見通しを教えてください。
(答)検証チームは立ち上がって、初動の検証をやっていただいております。これは救命・救急のフェーズ、それから物資をどう運べたかといった、初動の対応についての検証を今やっていただいております。それが今月いっぱいぐらいで終わると思います。今度はそれを受けて防災計画にどう反映していくかということをやっていくことになると思います。
(問)見通しとしては、いつ頃をめどに改定を進めていこうというお考えになりますか。
(答)年内ぐらいに、いろいろな議論を終えられたらと思っております。
(問)共同通信の竹生です。
 話題が全く変わるのですが、東京都の舛添知事が自身の政治資金流用問題で追及を受けていて、不信任決議案も出される見通しですが、今後、どのように対処していくべきとお考えでしょうか。
(答)どうするか、都議会がお決めになることですが、2014年1月、当時の猪瀬知事がお辞めになって選挙になると、5,000万円もらった知事が辞任して、50億円かけて都知事選挙をやらなければいけないというときに、これはやはりいかがなものかと。
 あのときは山口県の知事も病気でお辞めになって、山口県の知事選挙もたしか似たような時期にあったのではなかったかなと思うのですが、知事あるいは政令指定都市の市長さん、首長さんがお辞めになっているケースというのは、調べてみると結構な件数があるのです。
 それで、知事さんがお辞めになるたびに、東京都ですと、たしか50億円だったと思いますが、それだけのお金をかけて知事選挙をやらなければいけない。しかも1,000万都市の東京で、極めて短期間の選挙戦になるわけですから、候補者の知名度競争みたいなことになってしまって、一体全体、東京の首長を選ぶときに、ほとんどノーイシューで知名度選挙みたいなことで、果たしていいのだろうかという問題提起をしたことがございます。
 あのときに、自民党の中でも少し知事選挙、あるいは政令指定都市の市長ぐらいまで、選挙のやり方を変えるべきだということを申し上げまして、要するに、知事と副知事をセットで選んで、知事が辞めたら残余の期間は副知事がやるということにして、知事と副知事をセットで、この2人がふさわしいかどうかを都道府県民に選んでいただくのが肝要ではないかということを申し上げたら、2年たってまた同じ状況になりましたので、ここはやはり、今回はもう間に合わないと思いますが、少なくとも今回もし都知事選挙になったら、少し知事選挙、政令指定都市の市長選挙の在り方というのは見直す必要があると思います。
 私は見直しの方向は、アメリカの大統領選挙ではありませんけれども、知事と副知事をセットにして選んでいただいて、知事が欠けたときには、残余の期間は副知事がやるということにしないと、ここで知事が辞めました、短期間の選挙です、何だかよく分からないけど知名度のある人が次の知事になりましたといったら、また2年後に都知事選になる可能性だってあるのではないかと思いますので、そこは都民の皆さんに真剣に、首長を選んでいただけるような選挙の在り方というものをやらなければいけないだろうと思っておりますので、あのときも選挙のやり方を変えるべきだと申し上げましたが、今回も、特にまだ2年しかたっていなくて、こういう状況になったわけですから、やはり真剣に都道府県知事、政令指定都市の市長さんまでは、選挙の選び方というのを改める必要があると思います。
(問)そうすると、現時点で選挙のやり方に問題があるからといって、今、舛添知事は辞めるべきではないと、そういうことではないですね。
(答)今回は、もう今の現行法でやらざるを得ないわけですから、それはどうするかは、都政の問題なので、都議会がお決めになることですから、私がとやかく言うことではありませんが、少なくとも猪瀬さん、舛添さんと2回、こうしたことが続けば、それはやはり都知事に限らず、首長の選び方というのは、真剣に考えて改めないと、数十日間で、「さあ、次の知事さんを選んでください」といっても、一体全体、何が争点になって、東京が抱えているどういう問題に、それぞれの候補者はどういう考えで対応するのかなどということが伝わらないまま、知名度がある人が次の都知事ですということになるのでは、それはやはりおかしいだろうと思います。
 そういうケースが、前回の山口県の知事が病気になられたときも同じようなことが起きるわけですから、調べてみていただくと、結構な件数があって、私もちょっと驚いたのですけれども、やはりこの選び方というのは改める必要があると思います。
 今回は残念ながらその対象にはなりませんが、もし仮にそういうことになれば、それはやはりこういう都知事の選び方でいいのかということは、しっかり問題提起をしていかなければいけないと思います。
(問)昨日も都議会の方で集中審議が行われましたけれども、舛添知事の答弁が、今までと何ら変わりなくて、税金を使って家族で泊まったホテルの会議の相手を、プライバシーに関わることなので、ということで明かさないなど、都民としても納得がいかないような説明ぶりなのですけれども、かつ、御自身の進退に関しても、リオ五輪まで待ってほしいというような言い方をされています。
 こういう言い方で、東京都民の理解は得られるとお思いでしょうか。
(答)私は神奈川県民でございますから、東京都民がどう考えているかというのは、なかなかあれかもしれませんけれども、恐らく多くの都民の方は、余り納得していないのではないかと思いますが、これは都政でございますから、都議会が決める話で、私が舛添さんについてとやかく言うあれはないと思いますが、舛添要一さんは、谷垣総裁、大島幹事長、私が幹事長代理のときに除名した人でございます。
 ですから、都知事選挙のときに、舛添要一さんを候補に選ぶのはいかがなものかということを、あのときにも結構主張させていただきましたが、進退については、それは御自身と都議会で決めていただく話で、私は、こうしたことが短期間に首都で2度も繰り返されるということは、首長の選び方について、問題提起をしっかりしてまいりたいと思っております。

(以上)