河野内閣府特命担当大臣閣議後記者会見要旨 平成28年5月24日

(平成28年5月24日(火) 9:42~9:56  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 私から2点でございます。
 一つは、本日の閣議において、「消費者白書」を閣議決定いたしました。今回は「地方消費者行政の充実・強化」を特集として取り上げて、地域における地方消費者行政の果たす役割について、具体的に被害に遭った場合に7割の方が身近な相談窓口に相談したいと考えていらっしゃいますので、特に高齢者はその割合が多いわけですから、身近な地域での相談窓口の整備が有効であるということと、高齢者の相談件数が依然として高水準ですけれども、御本人が相談をして来られる割合が低い、御家族その他が相談に来られるということもありますので、この見守る仕組み作りというのが大事だろうと思います。
 どこに住んでいても、質の高い相談を受けられるような体制の整備、それから4月1日の法改正を受けての見守りネットワークの構築、それから消費者ホットライン「188(いやや!)」の周知徹底に力を入れていきたいと思っております。
 それから、もう一つ、消費者でございますが、昨日、「電力託送料金に関する調査会(第1回)」が消費者委員会において開催されました。総務省の家計調査によりますと、我が国の家計支出の中で電気料金が占める割合は3.8%と高く、電力料金に占める託送料金の割合が30%から40%でございます。これは今年の3月分の東京電力の電気代の領収書ですけれども、裏を見ていただきますと、今回、3月分から初めて託送料金、あるいは使用済燃料再処理等既発電相当額、電源開発促進税というものが幾ら電気代に含まれているかというのが初めて公表されるというか記載されました。
 今までは再生可能エネルギーの賦課金だけが表記されていて、再生可能エネルギーは高いですという宣伝に使われておりましたが、これを見ていただくと、再生可能エネルギーの賦課金がキロワットアワー当たり税込みで1.58円に比べて託送料金は税抜きでキロワットアワー当たり8.57円。これはなぜ税込みと税抜きが揃えてないのか私は非常に疑問でございますが、8.57円、計算してみるとやはり3割以上が託送料金ということになりますので、この託送料金がなぜこんなに高いのか、どうしたらコストを削減することができるのか、消費者委員会に諮問をいたしました。活発な御議論をいただいて託送料金の引下げにつなげてまいりたいと思っております。
 また、経済産業省が小売事業者の電源の開示状況、あるいは様々な情報をどれぐらい開示しているかという調査をしておりますので、その結果を受けて、消費者が必要としている、あるいは消費者が望んでいる情報がしっかり開示されるよう、経済産業省に消費者庁から強く求めていきたいと思っております。
 それは託送料金のような値段だけではなくて、どういう電源構成になっているのか。あるいは、その電源構成のCOの排出係数はどれぐらいなのか。使用済み核燃料がどれぐらい排出されているのか。そうした電力の小売会社を選ぶ際に、消費者が求めている情報がしっかり開示されるように努めてまいりたいと思っております。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)テレビ朝日の朝日です。
 2点お伺いするのですけれども、まず白書の件で、統計の中で携帯電話やスマートフォンに関係した相談件数が一応過去最高で、どんどん増加の一途をたどっています。消費者庁としてそれをどのように対応というか、大臣自身の受止めと今後の対応についてちょっとお伺いしたいと思います。まず1点目でお願いします。
(答)だんだん情報化が進むにつれて、いろいろなものが変わっていくスピードが速くなっているのだろうと思います。昔、テレビやラジオがそれなりの世帯に普及するまでにかかった時間と最近のスマホが世帯に広がるスピードを比べれば、それこそ何十分の1の時間であっと言う間にほぼ全世帯に広まるという状況になっているわけです。消費者行政も対応の時間を速くしていかなければいけないと思っております。
 今回、消費者契約法と特商法の改正をやらせていただいて、特に特商法は5年後見直し規定もございますが、これは5年も待っていられないという状況が出てくるのは当然に予想されますので、見直し規定に縛られずに、必要とあらばもっと早い段階で見直しをしていくことをやっていかなければいけないと思っております。
(問)昨日、託送の関連の調査会で、経済産業省側の説明の中では現在の託送料金が高くはないという主張をしていて、調査会の中で質疑がうまくいかない部分もありました。大臣のその御所見はどのようにお考えなのかということと、この調査会自体のスケジュール感についてちょっとお伺いできればと思います。
(答)調査会には恐らく7月上旬ぐらいを目途に何らかの答申がまとまるのではないかと期待をしております。国際的な比較をしても明らかに日本の託送料金は高いと、これは昔からそういうことが言われておりました。経済産業省は言わば電力会社寄りの主張をされているわけで、だからこそ消費者庁が消費者委員会にきちんと議論してほしいという諮問をしたわけです。調査会のメンバーには誰に遠慮することもなくしっかりとこの問題にメスを入れていただきたいと思っております。
(問)読売新聞の後藤です。
 いよいよ今週26日から伊勢志摩サミットが始まり、テロ対策に向けて今進んでいるところだと思いますけれども、改めて意気込みといいますかメッセージがございましたらお願いします。
(答)現地は最大限の警戒態勢に入っております。また、オバマ大統領の広島訪問を受けまして、広島、あるいはその周辺の県警も万全の警戒態勢を敷いております。テロの対象は現地だけでなく、大都市圏、あるいは人の集まる集客施設など当然に対象になることが考えられますので、東京も都内様々なところに非常に大勢の警備体制のための警察官の姿が目につくと思います。万全の態勢で現地並びに東京を含めた大都市圏、あるいは集客施設、万全の態勢で警戒に臨んでまいりたいと思っております。
 また、物理的なテロだけではなく、サイバーテロも予想されると思いますので、そうした方面でもしっかりと対応を取れるように各省、関係団体と連携をして万全の準備をしているところでございます。
(問)NHKの長内と申します。
 ちょっと話が変わるのですけれども、昨日の決算委員会で旧外地特会を審査されたわけですけれども、何か受止めがございましたらお願いします。
(答)外地特会、昭和19年、20年、終戦時に朝鮮総督府、台湾総督府、あるいは南洋庁といった特別会計が終戦の混乱で資料もなく、決算がまとまらないまま、外務省がそれを引き継いで、70年間ずっと放置していたわけでございます。私が衆議院の決算行政監視委員会の与党の筆頭理事だったときに、見つけたと言いますか、棚晒しになっている一連の特別会計をやはりちゃんと国会に提出して、当然資料がありませんから、全部やれるわけではないかもしれませんが、少なくとも戦後70年と昨年言われていた70年のけじめはやはりしっかりつけるべきだということを主張して、随分外務省、財務省、それから一部債権を持っている厚生労働省などのお尻を叩いて提出をさせましたが、国務大臣として提出するときの閣議決定に自分が署名をすることになりましたので、ちょっと何か驚いたと言いますか、昨日参議院のほうで決算をやっていただいて、まだ衆議院が残っておりますが、これで衆議院も終われば、本当の意味で戦後の決算というのが終わるのだろうと思いますので、外務省に部屋を二つ分、大量の資料が眠っておりましたので、これをしっかり世の中に公開して、決算関係でない資料も入っておりましたので、いろいろな研究に役立てていただきたいと思っております。
(問)たびたびすみません。読売新聞の後藤です。
 沖縄県うるま市の女性遺棄事件に関連してなのですけれども、今年3月にも米兵による婦女暴行事件があったのですけれども、過去にも同様の事件があったところでして、大臣は先日の記者会見でこういう事件が起きてはならないのは、全国どこでも一緒だというお話をされました。米軍関係者による事件が多発しているのは否定できない事実でありまして、警察としては再発防止策をどのようにこれから強化していくお考えかお聞かせください。
(答)私も沖縄に次ぐ基地県である神奈川から選出されております。神奈川でも横須賀で割と最近に事件が起こりました。せっかく日米同盟がしっかりと機能している中で、こうした一部米軍関係者による犯罪が続くとこの日米同盟の信頼関係にもひびが入ることになります。残されたそれぞれの事件の御遺族、あるいは御関係の皆様の悲しみに思いを馳せると本当に許し難いものがあると思っております。
 警察も治安の維持という観点から、万全を尽くしたいと思いますが、やはりこれは米軍としっかりと相談をして、どうしたらこの事件の再発を防ぐことができるのか。抜本的な対策をとらなければいけない時期に来ているのだろうとは思っております。
 やらなければいけないことを一つ一つきちんと両方で詰めていって、こうした事件、事故が起きないようにするための方策をやはりしっかり腰を据えて考えていかなければならないと思います。

(以上)