河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年12月4日

(平成27年12月4日(金) 11:01~11:16  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 おはようございます。
 私から今日は4件でございます。
 まず、日曜日12月6日から7日月曜日にかけて高知県に出張いたします。
 南海トラフの地震のかなり大きな被害が想定されるということで、高知県は、防災対策に随分力を入れていただいております。知事との意見交換をはじめ防災対策の取組について実際に見させていただきたいと思っております。6日日曜日から7日月曜日でございます。
 それから、今日の閣議で、「活動火山対策特別措置法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」及び「活動火山対策特別措置法施行令及び内閣府本府組織令の一部を改正する政令」の2本を閣議決定いたしました。
 活動火山対策特別措置法の改正案につきましては、施行期日を12月10日木曜日といたします。施設利用者の円滑かつ迅速な避難の確保を図るため、避難確保計画の作成などが義務付けられる避難促進施設の種類を定めることなどとなっております。一層、火山防災対策を推進してまいりたいと思います。
 今日、国際組織犯罪等及び国際テロ対策推進本部第23回の会合が行われました。パリにおける連続テロ事案を受けたテロ対策の強化加速化策を決定をいたしました。
 議事内容につきましては、内閣官房副長官のところで御説明をすることになっております。
 警察からは都道府県警察に対してテロ対策の強化について通達をすることとしております。
 それから、今日第2回の給与関係閣僚会議が開催されまして、一般職の国家公務員の給与については人事院勧告どおり改定すること。一般職国家公務員の勤務時間について、原則として全ての職員を対象とするフレックス制を拡充することについて意見の一致を見たところでございます。
 その後の閣議において、お手元に資料を配っていると思いますが、そのとおり決定をいたしました。
 私からは以上4件でございます。
 ごめんなさい、失礼しました。もう一個あった。
 閣議で、国家公務員の雇用と年金の接続について発言をいたしました。
 28年4月から年金支給開始年齢が62歳になります。そのために雇用と年金の接続が必要になりますので、28年度以降も引き続き定年退職する職員を再任用することにより対応することといたしまして、各大臣にも引き続き再任用についての取組をお願いをいたしました。
 併せて再任用職員の更なる本格的活用についても検討してまいりたいと思います。
 以上、5件でした。失礼しました。

2.質疑応答

(問)NHKの藤島です。
 活動火山法の関係なんですけれども、この改正、御嶽山の教訓を踏まえてのものになるかと思うんですが、今回施行が決まったということで、改めてこの法律に期待すること。
 それから、いろいろ今後も国として火山防災対策を支援していかなきゃいけないと思うんですが、どんなことをしていくというふうにお考えですか。
(答)火山というのはいつ来るかがよく分からない訳ですから、しっかりと取組を強化してまいりたいと思っております。手引きを出して、シェルターをきっちり用意をしてくださいというようなことも行いましたし、あるいは火口付近にいろいろな計器を備え付けて観測を強化する、あるいはこれは文科省、気象庁で専門家を更に増やしていこうということで予算要求もしているところでございますので、研究ができる人材を増やし、計測装置などでしっかりモニタリングをすると同時に、万が一の噴火に備えて、先般御紹介をしたアラミド繊維のようなものを活用していただいて、なるべく自治体のコストの負担を抑えてしっかりと必要な対応ができるように進めてまいりたいと思っております。今50か所そういう火山がありますんで、防災担当としてはしっかりモニタリングしてまいりたいと思っております。
(問)避難計画のお話がありましたけれども、避難確保計画をつくるということも、新しく、自治体だけではなくて集客施設などの負担にもなってくると思うんですが、これに対してはどのようにフォローしていこうというふうにお考えですか。
(答)コスト的にもいろいろ負担が増える部分はあると思います。国として必要なところはしっかりバックアップはしていかなければいけないと思いますが、御嶽山のような状況もございましたし、口永良部やら箱根をはじめ、かなり国民の皆様にも最近の火山の状況というのは御理解をいただいていると思いますので、そこはしっかり進めていただくよう関係各所にはお願いをしていきたいと思います。
(問)共同通信の出井と申しますけれども、先ほどの給与関係の閣僚会議の結果についてなんですけれども、人事院勧告を受入れて、これによって国家公務員の給料も引き上げられることになると思うんですが、改めて所見をお伺いしたいんですけれども。
(答)これは労働基本権が制約されていることの代償措置でございますんで、基本的に尊重するというのが政府の基本姿勢でございます。今、民間企業に賃上げをお願いをしているというところから見ても、マクロ経済的にもそぐうものかなというふうに思っております。
 また、それと併せて、子育てやら介護やらいろいろなニーズが、これは国家公務員にも生じているところでございますので、フレックスタイム制の全職員への原則適用ということでしっかり努めてまいりたいと思います。
(問)もう一つ。
 昨日の災対特の中で、大臣から気候変動というのが今現状の豪雨災害とかというものにつながっているというお話がありまして、同時に、それについて有識者を集めて状況等を議論した上で、政策に生かしていきたいというような御発言がありましたけれども、これはもう少し具体的に言うとどのようなことをイメージされていますか。
(答)今COP21開催されておりまして、まず気候変動を食い止めるというのが、本来大前提でなければならないというふうに私も思っております。ではありますが、台風の状況を見たり、最近の大雨の状況を見たりすると、残念ながら気候変動の影響を受けた災害の激甚化、あるいは竜巻のようなものがあちこちで生じているという多様化が現に起きているということも事実でございますので、気候変動を食い止めるということをきちんと対応するという前提ではありますが、気候変動がもたらす災害の激甚化を将来的にどう考えていったらいいのか、あるいは将来の更なる激甚化に備えるために、今どんなことをやらなければいけないのかといったことなどを少し議論をしていただいて、国民の皆様に注意喚起できるような部分は、しっかりとお願いをするようなことをしていかなければいけないという問題意識を持っておりますので、今有識者の選定やらお願いやらをしているようなところでございます。これはもう少しまとまりましたら、また改めてきちんと発表させていただきたいと思いますが、そういうことを今考えております。
(問)一つ、去年国交省で太田大臣が、新たなステージに対応した防災・減災の在り方ということで、激甚化する気象災害とかというものにどう備えていくかというような議論を、有識者の先生方を集めてやっていたという経緯があるんですが、そことの整合性といいますか、どのような関係で見ていらっしゃるのかな。もうちょっと踏み込んで具体的なものになっていくんですか。
(答)どういうふうになるかというのは、まだこれからでございますが、ハードウエアだけでなくて、いろいろなソフトウエアその他社会の仕組みまで踏み込んでいけたらいいなというふうに思っております。
(問)東京新聞の新開です。
 テロの関係でお聞きしたいんですけれども、大臣、先日のBSの番組に出演されたときに、ISILも含むサイバーテロの危険性について発言されていました。
 今日、テロ情報収集ユニットの設置が正式に、方針が決まったと思うんですけれども、サイバーテロ対策って今後どういう取組を考えていらっしゃるのか、改めて聞かせてください。
(答)重要インフラへのサイバー攻撃というのはですね、例えば欧米あるいはアメリカのそうしたテロ対策を手がけてきた方々との意見交換の中でも、やはり重要視されてきておりますし、アメリカのジャーナリストのテッド・コッペルが『Lights Out』という本を出して、アメリカの送電網がいかにサイバー攻撃に対してもろいかという、今取り寄せて、これから読もうと思っているところなんであれなんですが、そういう話題にもなってきて、大分認識は高まってきているんではないかと思っております。
 イスラム国のテロというところから言うと、日本はシリアからの難民も少ない、あるいは島国であってそう簡単にテロリストが歩いて来れる訳でもございませんし、銃器の対策は徹底をされているという、現実の世界では日本が少し先行している部分はあるかもしれませんが、サイバーの分野は、結局物理的な距離はあんまり関係なくなって、セキュリティが一番甘いところから狙われることになります。特に金融ですとか鉄道ですとか電力ですとか、もう本当にライフラインに直結するようなものが攻撃されかねないわけですから、これはインフラ供給者と密接に連携をして、そういったものが現実として起こり得るという想定の基、やはり対応を強化していただく必要があると思っておりますんで、そうした働きかけをこれからしっかりとやってまいりたいと思っております。
(問)そうすると、それは外務省にできるテロ情報収集ユニットの取組とは別に、警察サイドとして働きかけていくという感じになるんですか。
(答)今度のテロユニットは、省庁の垣根を取り払って一体的にやろうということでございまして、警察からも人を出します。イスラム国が何を考え、どういう準備をしているかというのは、当然このユニットを通じて情報を入手してまいりますし、それと反対側から国内のインフラ対策がしっかりできているかどうかというのは、これは何もイスラム国だけがそういうことをやってくるとは限りませんので、イスラム国の情報をユニットで収集するのと同時に、全般的なサイバー攻撃に対する取組というのはやっていかなければならないということですので、最終的には上流と下流と両方からきちんと手当をしていきたいと思います。
(問)テレビ朝日の松井です。
 先ほど火山対策の話の法律の改正を聞きましたが、年内に、以前、10省庁ですか、関係者を集めた会議があった訳ですが、そういったような会議が年内に、あるいは年度内、今大臣はどういうことをお考えでいらっしゃいますか。
(答)名称変更を含め、どういったことを優先的に取り組んでいくかというのを今検討しているところでございますんで、そう遠くないうちにきちんと発表させていただきたいと思っております。名称は変更いたします。

(以上)