石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年3月15日

(平成28年3月15日(火) 8:55~9:15  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 明16日、「地方分権改革有識者会議・提案募集検討専門部会合同会議」を開催いたします。
 まず、27年の提案募集の取組を総括していただきます。これを踏まえまして、28年の提案募集の進め方につきまして、有識者の方々に御議論をいただくというものであります。
 平成27年は、市町村の提案団体数が低調であったことが課題として挙げられます。提案団体数が39でございました。
 知恵は現場にあるのであって、住民サービスの最前線で働いておられます市町村の職員の方々には、ぜひとも積極的な御提案をお願いしたいと考えておるものであります。
 私どもといたしまして、市町村からの提案を喚起いたしますために、市町村説明会を全国10ブロックで開催するということにいたしております。会議で御了承いただきますれば、翌日の17日から募集を開始するものであります。というのが1点です。
 もう一つ、何となく自慢ぽい話で恐縮でありますが、サンケイリビングという、これは産経新聞の関係でしょうか、こういうものがあるわけであります、御存じの方もいらっしゃるかもしれませんが。
 これが「助かりました大賞」というものをやっておりまして、これは、10万人以上の主婦の読者の皆様方が、1年間を通じて最もこれがあって便利、助かったと実感した商品・サービスを投票して選ぶ賞ということであります。このたび、「プレミアム付き商品券、ふるさと名物商品・旅行券」が、この大賞をいただいたということであります。
 今回の表彰に際しましては、主婦の皆様から、「一生思い出に残るような3世代家族旅行が出来た」とか「普段は買い物に無関心な夫や子供と、これを何に使うか家族会議を開き、楽しく買い物や食事が出来た」といったお声を合計で3,500件以上もいただいたということであります。これがそのトロフィーでありまして、結構重い。
 第22回助かりました大賞一般サービス部門金賞、内閣府殿という、まことに珍しいことが起こっておりまして、これがその表彰状であります。
 というようなわけでありまして、今日の夕刻には内閣府が後援をいたしております「ふるさと名品オブ・ザ・イヤー」の表彰式がございます。私どものほうからそのような表彰をさせていただく、そういう機会はありましても、私どもがいただくという機会は、私の経験する限り初めてのことでありまして、珍しいことであり大変うれしいものであります。
 このプレミアム付き商品券でありますとかふるさと名物商品・旅行券は、国会でいろいろな御議論もいただきました。経済効果があるのかとか、バラマキではないかとか、いろいろな御議論、これは真摯に受け止めねばならないことでありますが、このように一般の方々にこのように選んでいただけるというのは、それなりに有り難いことだと思っておるところであります。
 この事業の消費喚起効果自体は、年度末の事業終了を待ちまして、極力客観的に検証を行ってまいります。
 今回の受賞に感謝しつつ、これを機会といたしまして、また改めて良い形で行政、民間、市民、この三者の連携が進んでいくようにしたいと考えております。行政としては、これをどうやって使っていただくか、バラマキ等々の批判を受けないがためにも、消費の喚起を図るためにもどうすればよいかということで、一生懸命考えたものであります。
 それを受ける形で、商店街でありますとか、あるいは旅館業の皆様方、ホテル業の皆様方がいろいろな商品を考える。そして、それをどう使おうかということで御家庭、御家族、近隣の方々、そういうところでいろいろなお話し合いがなされる。正しく行政、民間、市民の方々の連携というものが大事なのでありまして、それが更に進んでまいりますように取り組みたいと、かように考えている次第でございます。
 以上です。

2.質疑応答

(問)冒頭の分権の話ですけれども、27年度は提案団体数が低調だったということですけれども、今年度の実績を見てみましても、地方版ハローワークの創設を除けば、若干小ぶりだった話が多かったやに印象を受けるんですけれども、そもそも地方からのニーズ自体が出がらしているんじゃないかというようなことも思えるわけですけれども、この提案募集方式自体の在り方についてはどうお考えでしょうか。
(答)これは、知恵は現場にあるということを先ほども申し上げましたが、実際に行政実務に携わっておられる方々が、この権限がおりてくると良いのになということは、実際国民の方々と身近に接している地方行政の最前線の方々が一番御存じのはずで、やはりこれは不便だなとか、これは権限を移譲されても全く差し障りがないし、それがスピードアップにつながるとか、そういうことは現場の行政官の方々が一番肌で感じておられることだと思っておりまして、この提案募集方式というのを今後も変えていくつもりはございません。
 ただ、どうもこの仕組みがよくわからない。どうやって提案をしたら良いのか、誰のところに話を持っていったら良いのかよくわからないという行政の一線の担当官がたくさんいると思うのですね。だから、その提案募集方式というのはこのようなものです。今までこんな成果が上がりました。皆さん方もお気付きの点はありませんかと。
 これは、政府の側が主導するというのも一つの考え方なんですけれども、政府は地方行政の最前線にいるわけではない。これは、中央政府と地方政府とそれぞれ役割が違うので当たり前のことです。ですから、政府が良かれと思ってやったことが、実はとんちんかんだったりすることもありますので、やはりまず仕組みを知っていただくというところから始めなければいけないのではないかと思っておるところでございます。
 したがいまして、説明会というのはかなり懇切丁寧にやりたいし、このパンフレット(「地方分権改革事例集~分権改革の成果を活かし、豊かさと安心が実感できる地域をつくる~」平成27年12月)というのも、民間の方々のお知恵もかりながら、かなりわかりやすいパンフレットを作っておりますので、これの活用方を図りたいと思っておるところであります。
(問)他党のことになるんですけれども、昨日、民主党と維新の党の新党の名前が「民進党」に決まったんですけれども、まず、民進党という党名に対して大臣がどのように思うかという印象を1点と、あと、一度は政権を担って、約20年間続いた民主党という政党が幕を閉じることになるんですけれども、他党のことではあるんですが、それについて何か所感というか思うことはありますでしょうか。
(答)やはり小選挙区制というのは、主権者たる国民の手によって政権交代可能な二大政党を作るということが当初企図したものでございました。
 そのころは、今民主党の代表を務めておられる岡田さんもメンバーでしたが、政治改革を実現する若手議員の会などというもので、20数年も前のことになりますが、侃侃諤諤(かんかんがくがく)の議論をし、やはり政策とか党の運営とか、そういうものに誤りがあった場合には、主権者たる国民の手によって政権が交代するという可能性、これは担保しておかなければいけないだろう。ですから、政策を誤れば、党の運営を誤れば政権が交代するのだという緊張感というものを持って自由民主党は臨まなければいけないのだという議論を当時、竹下総理あるいは宇野総理、海部総理、宮沢総理の下で散々やりました。ですから、政権交代というのが起こった。民主党に替わり、また自公に替わりということが起こったのだと考えております。
 したがって、私どもとして、そういう政党が存在することによって自由民主党が己を律し、誤りなきよう期すという意味において、もう一方の勢力であります民主党、その名は変わって民進党が更に更に良い政党になっていくということを、私ども自由民主党のためにも、もちろん政権が交代しないように我々は万全を期さなければいけないことでありますが、期待をするものであります。
 民進党というのは、それは私知りませんでしたけど、自民党も公募して決めた名前だそうですね。今日、某紙にそんなようなことが出ておりました。私、生まれる前のことですから知りませんですけれど。だから、人が決めたから自主性がないとか、そのような批判をするつもりはございません。ただ、議員たちで話していると、「意外だね。立憲民主党のほうがきっと多いと思ったのにね」という反応が、私の知る限りでは同僚議員の中では多かったと思っております。名前も大事ですが、同時に、前も申し上げたと思いますが、やはり党綱領というものを早急に詰めていただいて、それを新しい政党の党員皆さんがシェアをするということはとても大事なことではないでしょうか。
 我が党が今政権に戻って3年が経過をしましたが、常に原点は党綱領を作るというところで、伊吹先生が座長となられて、本当にこれまた侃侃諤諤(かんかんがくがく)の議論をしましたが、やはり何かあったときにも、あのときの党綱領を作っていたときの場面を思い出すというのが、野党を経験した自由民主党の議員の中には共通の認識としてございます。
 ですから、名前もそうですけれど、党綱領をどうするかということも、新党が発足するときには、全ての議員の賛同の下にそれがなされるということのほうが、私は名前も大事だが、中身も大事だというふうに思っておりますので、更なるいろいろな有益な議論が民主、維新の中においてなされることを期待するものであります。
(問)関連でよろしいでしょうか。一昨日の自民党大会や、その前日の全国幹事長会議でもそうだったと思うんですが、安倍首相が、多分、今年の参院選や4月の補欠選挙などを念頭に、自公連立政権対民共勢力の戦いだというような形で、ある種色分けというかして戦いを進めていこうかなという姿勢なのかなと思うんですけれども、特に、前回参院選では幹事長として戦いの最前線に立った大臣がそういった認識でいられるのかどうか、どういった認識で今年の戦いを見ていらっしゃるのかというのを伺えますでしょうか。
(答)それは、選挙に臨む方針は党で決めることでありますので、政府として党がどう臨むかということについてコメントをすべきだとは思っておりません。
 当然、私どもは自由であり、民主でありという、自由と民主主義、そして人権の尊重というものを党の基本とするものでございます。ですから、それと背馳(はいち)するようなといいますか、そういう勢力が仮に出るとすれば、それは私どもとして国民の皆様方に賢明な御選択をお願いするということは当然のことだと思っております。
 同時にポジティブに、なぜ自由民主党、公明党の連立政権なのかということも合わせて当然党として提示をしていくことだと思っておりまして、そこは選挙の手法として、国民の皆様方の心の琴線に触れるような訴えかけというものをあらゆる面においてなしていくということが必要なことであり、それは総裁の意向を体して党において決定されることだと考えております。
(問)地域再生計画の本社機能移転について2点だけお伺いしたいんですけれども、道府県の間でかなりこれが広がっていく見通しということがこれまでの中で少しずつ分かっていて、それで、各道府県が企業の本社機能を誘致するということについて広がりが出ているということに関して今どういうふうにご覧になっているかということと、あと、財政力がある自治体は、自分のところの地方税を、自分のところの財力で下げて企業を誘致するという動きもあるんですけれども、それによって自治体同士の格差が広がったりとか、そういう懸念がないかという点の所見を聞かせてください。
(答)企業の本社機能の移転、これは移転型と拡充型とございますが、だんだんと制度が周知をしてきて、よくよく考えてみればというようなことで、地方に移転をするという動きがだんだんと加速しつつあるというのは大変に有り難いことだと思っております。
 今週も経済関係の方々との会合もございますが、折に触れて、この制度の周知に我々は更に努める必要があるだろうと思っております。
 「SHIFT」というタイトルの大きなポスターがありますが、やはりこれが、例えば経団連であるとか、個人の経営者の自発的な集まりでありますが、経済同友会でありますとか、あるいは日本商工会議所ですとか、そういうあちこちに貼られて、経営者が集まると、おいおいと、おまえのところどうするんだ。どうも移転したほうが税制優遇もあるみたいだしなというようなお話が随所で交わされるようになるまで、私どもとしては努力をしていかねばならないことだと考えております。
 財政力の違いによって、財政力の豊かなところは地方税というもので優遇措置を更に拡充するということも、それは当然あるわけでございます。そこにおいて、財政力の弱いところがどんなに頑張っても来てくれないということにならないように、そこは総務省とも御相談のことでありますが、交付税制度等の有効な活用というものは現在も行っておるところでありますが、更に検討の余地がないかどうか私どもとしても、そういう財政力が弱いがゆえに不利益を得ることが極力ないように努めてまいりたいと考えております。
(問)地域再生法改正案の審議が午後から始まりますけれども、その狙い、意義について改めてお願いいたします。
(答)地域再生法改正案の内容をここで改めて御説明するまでもないと思いますが、例えて言えば、交付金のきちんとした位置付けでありますとか、あるいは企業版ふるさと納税でありますとか、あるいはCCRCでありますとか、そういうものを法律の中にきちんとうたいまして、地方創生の流れを法的にも確たるものにしたいというふうに思っておるところでございます。
 そこにおいて、中央政府の側がこういうことである。だから、このとおりにやってくれという話ではなくて、CCRCにせよ、あるいは新型交付金の活用の仕方にしても、仕組みは作りますが、それをどのようにして活用して、人の流れを呼び込んでいくかということは、それはそれぞれの地域においてお考えをいただくことであります。政府は、それにふさわしいパートナーとして人的な面あるいは情報の面、あるいは財政的な面で支援をするのですけれど、とにかく何かしてちょうだいという話ではなくて、こういう仕組みを使ってどのようにして地域を再生していくかは、地域の方々の知恵と熱意によるものなのですということです。国はそういうところを全面的に支援をしますが、従来のように公共事業、企業誘致だけで、だけでとは言いませんが、雇用と所得を創出するというやり方から根本的に転換をしていくというものを、この地域再生法案というものは目指しておるものでございまして、そのあたりの認識が広まること、そしてまた、より良く活用されることというものを、この法案の審議を通じて御理解をいただくべく努めたいと考えております。

(以上)