石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年2月19日

(平成28年2月19日(金) 8:55~9:10  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 私から冒頭1点。来週水曜日、2月24日でありますが、三重県四日市市におきまして、今年度最後となりますが、自治体の職員の皆様方に対してRESASについて御理解を深めていただき、政策立案に活用する方法を議論していただく政策立案ワークショップを開催します。場所は四日市市で、有識者として東京大学の松原先生をお招きして開催するものであります。今回は三重県、同県津市、四日市市、松阪市、鈴鹿市、尾鷲市、1県5市の合同開催ということでありまして「広域的な産業振興策について」がテーマということになります。
 昨年夏からほぼ月1回のペースで開催してまいりました、今回が6回目ということになります。これをやるだけでは意味がないので、この一連のワークショップの成果を、この事例集として経済産業省において取りまとめ、今年度内に公開したいというふうに思っております。行った人はなるほど、なるほどと思うわけですけれども、これを広く地域の自治体の方々、あるいは関係者の皆様方に御理解をいただくために、この事例集というものを今年度内に公開する予定で今、作業をいたしております。
 極めて注目すべきこととして、信金の取組が挙げられようかと思います。東京都の多摩信用金庫、石川県の興能信用金庫、京都府の京都中央信用金庫等、信用金庫が近隣自治体に呼び掛けを行って、RESASシステムを活用した自治体職員向けの勉強会を開催するという動きがございます。「産官学金労言」とこう言っているわけでありますが、信用金庫の側から自らこれを使ってやろうよということを自治体の側に呼び掛けるというようなことは、今まで余り聞いたことのないお話であります。今まで官は官、民は民というか、そういう形であったのですが、信金の側からこれを使ってやろうよということ、やはりともすれば自治体間の連携というのは、それぞれ首長が選挙で選ばれているということもこれあり、なかなかいろんな意識があって、うまく進まないこともないわけではないのですが、信用金庫はそんなことを言っていられないのでありまして、金融機関、1つの町、1つの市だけで完結しているわけではないので、商売は。そうすると、信用金庫の側からやりましょうということで、むしろ民が官をリードするという形でこういう取組が全国に広がりつつあるというのは極めてすばらしいことだと、妙な日本語ですが、そのように思っておるところであります。
 今後ともこの動きを加速すべく、RESASを活用した政策立案、昨年末行いましたRESAS政策コンテストもそうでありますが、こういうものを広げるということを更に加速するべく努力をいたしたいというふうに思っておるところであります。
 以上です。

2.質疑応答

(問)政府関係機関の地方移転についてお尋ねします。自民党の実行党本部の本部長を務める鳩山元総務大臣がイニシアチブというものの案をまとめまして、全ての省庁が移転できる機能を切り出して、5年間実験的に事業を行うというような内容になっていますけれども、これについての受止めと、政府としてこのイニシアチブについてどのような対応をされるんでしょうか。
(答)これはもう決定したのでしょうか。
(問)これから。
(答)これからですね。鳩山イニシアチブというものを鳩山本部長の下で構想され、議論がなされておるということはよく承知をいたしております。与党の中核と担うというか、公明党とともに担っている連立与党において多数を占めております自由民主党の総裁直轄の機関でありますところの地方創生実行統合本部において、そういう提言が今後なされると。それがどういうものか完成してから仔細(しさい)に拝見をしたいというふうに思っております。もちろんそれは総裁に対して提言がなされるものであり、私どものほうも、それを貴重な成果として受け止めていけなければならないと思っております。
 一方におきまして、私どもとして総理大臣を本部長といたしますまち・ひと・しごと創生本部におきまして、3月末までに方向性を決定するということになっておりますから、そこに不整合がないようにしていかなければならないと思っております。これを受けられた総裁が、またどういうような御判断・御指示をなされるかは、今、私の知るところではございませんが、当然それは重要なものとして認識をしていかねばならない。と同時に、今、我々が進めていることと、非常に壮大な構想であります鳩山イニシアチブなるものが、これは地方創生だけではなくて国家の在り方、統治機構の在り方、中央と地方との在り方そのものにも関わってくるものでございますので、よく政府全体でこれを拝見して議論を深めるということになろうかと思います。
 いずれにしても方向性は一致をしておるわけでありますので、不整合のないようによく注意をしてまいりたいと思っています。
(問)来週22日が「忍者の日」ということで、その関連で1点質問をすみません。複数の自治体が地方創生の交付金を受けて、さまざまな取組みを行っていて、忍者の魅力とか外国人誘客のための起爆剤に今後、この忍者というものがなり得るのかという、もし大臣の御所感があればお願いいたします。
(答)極めて難しい御質問ですね。やはり我々の世代ですと、小学生のころ、「伊賀の影丸」とか、赤影とか青影とか出るのは、「仮面の忍者赤影」か、みなさんは知らないでしょう。そういうのがあって、横山光輝先生が執筆されておったかと記憶いたしております。忍者なるものが忍びの者という語感だけではなくて、片仮名あるいはローマ字表記で「NINJA」ということになり、それが非常に日本の持てる技からも外国の方々に対して、一種の神秘性を持ったものとして、それが伝わっているということがあろうかと思います。ですから、伊賀であるとか甲賀であるとか、そういうところにおいて忍者なるものの服部半蔵なんておりました、そういう歴史的な解明がなされるとともに、正しい形で、あるいは魅力的な形で海外にそれが発信されていくということは、インバウンドの意味からも大きいものがあろうかと思います。
 これは徳川幕府、江戸幕府において、どのように忍者を活用し、ある意味、情報収集というか、CIAとはいいませんが、そういう情報収集活動のようなものがどのように行われていたのかという点も、私、個人的には関心のあるところであります。 忍者という独特のものが国内外において、その価値あるいは魅力というものを認識し発信する。それによって新しい発見があり、新しいにぎわいが創出されるということは大きな意義があると思っております。
(問)ちょっと大臣の所管と違っていて恐縮なんですが、本日、予算委員会で民主党の野田前総理大臣が出て、議員定数なる話になると言われておりますが、幹事長なども御歴任されて、この問題とか御所見が深いと思うんですけれども、今後の目下の議論について定数削減、もし御所見がありましたらお伺いできますでしょうか。
(答)報道で今日、野田前総理が質問に立たれると。恐らくそこにおいて取り上げられるのは民主党政権の最終盤において野田総理と安倍総裁との討論がありました。私、あのときに安倍総裁の近くに座っておって、あのやりとりはかなりハプニング的とはいいませんが、野田前総理があのときに、私は解散しますよと言ったのを、私は驚きを持って聞いた。その場で総裁に対して、これは受けましょうということを申し上げたことをよく記憶をいたしておるところでございます。ですから、野田前総理の御主張としては、税と社会保障の一体改革をやるのだと。そして、国民に御負担も求める。しかし、社会保障の改革も重点的に行うということかもしれません。そういうことを政治の側が行うということであるならば、当然政治の側も定数を削減するというようなことをしなければならないのだと、そういう御趣旨の御質問かもしれないと推測したりするものであります。実際聞いてみないと分かりませんので、あくまで推測です。そうなりますと、これも新聞報道ですが、総裁が自民党に対して、この検討を急ぐようにというような御指示を出されたやに承知をいたしております。
 定数削減が良いとか悪いとか、それはいろんな議論があって、国民の代表というものの数を減らすという話ですから、そのことは本当に良いことなのかいという、そもそも論もあるのかもしれません。一方において、やはり税であるとか社会保障であるとか、そういうことで国民に対して御負担をお願いするということであるならば、国会も自らの身を削ってというか、国民にお願いする資格というものを持とうと努力をしているというところに大きな意味があるのかもしれないと思ったりしております。
 その場合に、国会議員を減らすということを考えたときに、相似形的に選挙区も比例区も減らすのか、1票の格差のお話は定数とは直接関係のない話なんです。1対2を超えてはいけないという話であって、最高裁の一連の判決というものは、定数を減らせということに言及をしていないわけでございます。そうすると、やはり身を切るということに重点が置かれてくるわけですが、相似形的に選挙区も比例区も減らすのか、選挙区を減らすのか、それとも比例区を減らすという案も、それは理論的にはあり得ることでございます。政府の立場として、あれが良いとかこれが良いとか、そういうことを申し上げるべきでは全くございませんので、そういう議論があるということを御紹介しただけの話でございますが、今後、総裁のいろんな御指示も受けて、党内で議論を加速化させるということが必要なことであります。要は国民に負担をお願いする資格を我々は持ち得るかどうかということに議論は収れんしようかとは思っておりますが、これが定数の話になってきますと、アダムス方式をどうする、こうするということと合わせて、どうしてもその地域から自分たちの代表者がいなくなるという話ですので、それは良いことなのかという話もございまして、これはまた比例区も比例区の意義があるわけですけど、今の選挙制度全体を見た形での議論が進むのではないかなという、これは推測です。

(以上)