加藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年4月19日

(平成28年4月19日(火) 8:45~8:59  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 閣議での発言及び冒頭で私から申し上げる件は特にございません。

2.質疑応答

(問)日本経済新聞の三木です。2点質問させてください。
 新三本の矢で、GDP600兆円であったりとか、あと希望出生率1.8など、そういう政策の実現に向けて一億総活躍プランなどまとめられていると思うのですけれども、同時に、骨太の方針や成長戦略、こちらの政策と一億総活躍プランとの担う役割の違いであったりとか、あとGDP600兆円、それぞれ政策がどのような割合でこの600兆円というのを実現させていく比重を持っているのか。そこのところ、お考えをお聞かせください。
(答)今お話がありました三つ、「ニッポン一億総活躍プラン」、これは私のところで進めさせていただいておりますけれども、「一億総活躍社会」に向けて、今お話がありました、「戦後最大のGDP600兆円」、「希望出生率1.8」、「介護離職ゼロ」という三つの具体的な目標に焦点を当てて、10年程度で取り組む施策の絵姿を全体を示していこうということであります。
 他方で、「骨太方針」というのは、翌年度の予算編成、あるいは中長期的な財政健全化目標の達成に向けた基本方針を含めて、マクロ的な経済財政運営の基本設計を示しているものでありまして、また、「日本再興戦略」は、民間投資を喚起して経済再生を図るための、中長期的な構造改革・制度改革に関する施策を取りまとめているものというのが、それぞれの性格であります。
 また、それぞれを取りまとめるに当たっては、一億総活躍国民会議、経済財政諮問会議、そして産業競争力会議において議論し、取りまとめているところでありますが、基本的に、相互に整合性がとれる内容になるように留意して、実効性の上がるプランを作っていくということであります。
 例えば、一億総活躍国民会議においては、経済財政諮問会議や産業競争力会議の方にもメンバーとして入っていただく等の配慮もさせていただいているところでありまして、いずれにしても、例えば600兆に関して、経済財政諮問会議や産業競争力会議とも連携しながら、一体となって取り組んでいきたいと思っておりまして、600兆に向けての増加部分をどこの会議でどれだけ出すということではなくて、それぞれ、それに向けての考え方といいますか、対応を取りまとめていくと、こういうことになっていると思います。
(問)(日経新聞・三木記者)もう1点お願いします。昨日の経済財政諮問会議の中で、アベノミクスの税収分、底上げ分というものを子育て支援などに充てていこうというようなお話があったと思うのですけれども、加藤大臣は、このアベノミクスの底上げ分というものがこれからも安定して財源になり得る恒久財源というふうにお考えなのでしょうか。
(答)昨日の財政諮問会議では、私の方から、女性の活躍推進と少子化対策のそれぞれ取組、考え方について説明をさせていただきました。それから加えて、これは説明の部分ですが、別途、保育士や介護職員の待遇改善を図っていくためには、それぞれの保育所とか介護の事業所が具体的に待遇改善をしていただかなければならない。そのためにも継続的・安定的な財源の確保は必要であるということ、また、少子化対策等が効果を表していくためには、やはり結婚を考え、子供を産むことを考えておられる方々、また、例えば保育士や介護職員を志す方々、また、そうしたサービスを利用する子育て世代の方々が、将来に向けて明確な展望を持つということが必要でありますから、そういう意味においても、それぞれの施策が継続的に実施されていくということが必要だということは申し上げさせていただいたところでございます。
(問)NHKの伏見と申します。
 北朝鮮に関係しての質問なのですけれども、5度目の核実験に向けて動きが見られ、いつでも実験ができる状況にあるのではないかというような分析もある中で、拉致問題担当大臣として、今の北朝鮮の対応について、どういう所感をお持ちかというのを教えてください。
(答)政府としては、北朝鮮の核・ミサイルの開発は断じて容認することができないという姿勢で一貫をしております。引き続き、関係国と連携をとりながら、北朝鮮に対して、そうした行動を自制すること、そして安保理決議等を誠実かつ完全に実施するように引き続き強く求めていきたいと思っております。
 また、拉致担当大臣としては、当然でありますけれども、「対話と圧力」、「行動対行動」の原則の下で、北朝鮮に対してこうした国際社会と連携をしつつ厳しい圧力をかけながらも、一方で対話を通じて、全ての拉致被害者の一日も早い帰国の実現に向けて全力で取り組んでいきたいと、こう考えております。
(問)共同通信の原口と申します。
 今週の半ばから靖国神社の春季例大祭が始まりますけれども、現時点で参拝されるお考えなどはあるか、教えてください。
(答)靖国神社の参拝ですか。それに関しては、元々行くとか行かないということをこれまで申し上げてきたこともございませんので、その状況状況の中で、これまでも判断させていただいているところでございます。
(問)毎日新聞の細川といいます。
 昨日、厚生労働省、内閣府の方から、保育の事故の関係の件数が発表されました。死亡件数14件、事故件数は結構多かったと思うのですけれども、量の拡充を急いで緩和的なものも進める一方で、保育の安全性や質の確保という点に懸念が残ると思うのですが、この点、どういうふうに担保していくか、お聞かせください。
(答)先般、「教育・保育施設等における事故報告集計」の公表等をさせていただいたところでございまして、その中では、平成27年に報告のあった死亡事故は14件、治療に要する期間が30日以上の負傷や疾病を伴う事故等は613件ということであります。ただ、一部、4月から入っているものと1月から12月までの部分が少し混在はしております。
 いずれにしても、国としては、これまで重大事故の防止や事故発生時の対応に関するガイドライン、これは施設・事業者に、あるいは地方自治体に対するガイドラインを作成をしているところでありますし、また、重大事故の再発防止のための、地方自治体に対しては、事後的検証を実施するということについても、通知を出させていただいているところでございます。
 またさらには、国においても事故報告の傾向分析や再発防止の提言を行うため、内閣府に今月中にも有識者会議を設置していきたいと思っておりまして、今後とも地方自治体と連携して、認可保育園等における重大事故の発生や再発の防止に努めていきたいというふうに思っております。
(問)(毎日新聞・細川記者)関連で、昨日、厚生労働省の方で、待機児童の多い自治体の首長を集めて意見交換会があったのですけれども、その中で、首長からは、保育士の処遇改善をまずやってほしいという声が結構出ました。加藤大臣も、処遇改善をすることが大事ということは前からおっしゃっていると思うのですが、ほかの産業と比べて10万円ほど平均でも違うところであると思うのですが、どれぐらい引上げを目指しているのか。なかなか財源との兼ね合いもあると思うのですけれども、ちょっと所感を伺えたらと思います。
(答)これから正に保育所の整備を更に進めていく上においても、保育所を確保していくというのは非常に大きな課題だというふうに認識をしておりますし、その上において、保育士の方々の賃金を上げるということも含めて、あるいは働きやすい環境を作っていくということを含めて、処遇改善をしていくということが必要だと思っておりますし、昨日の厚生労働大臣と待機児童が多い首長さんとの間の議論でも、そうした話が出たということは承知をしているところでございます。
 あとは、いずれにしても、これ、今言った具体的な対応については、今議論をし、国民会議においても議論をしていただき、そうしたことを踏まえて、この5月に取りまとめます「ニッポン一億総活躍プラン」、その中で実効性のある具体的な中身を盛り込んでいきたいというふうに思っております。
 また、それぞれ与党からもお話も頂くわけでありますから、それらも踏まえて対応していきたいと、こう考えております。
(問)(毎日新聞・細川記者)ちょっと突っ込んで恐縮なのですが、今、保育士の処遇改善、2%の賃上げが前倒しで行われるべきなのではないかという話もあるのですけれども、最終的に5%、保育の質の確保も含めて、上げていくことになっていますけれども、今3%を確か実現されていて、あと2%、早く実現できればという声もありますけれども、今度の処遇改善の中で2%を目指すのか、それともそれ以上を目指すべきかというところで、加藤大臣のお考えはどうでしょうか。
(答)まず、処遇改善を5%ということについては、税と社会保障一体改革の中の少子化対策を充実していくという中で盛り込まれておりまして、そのうちの3%部分はいわゆる消費税引上げ分の0.7兆円で対応する。残りの2%部分は、ほかも含めると0.3兆という部分に当たりますけれども、別途財源を確保して実施をすると、こういう整理になってきておりまして、まず、3%部分については消費税を、まだ10%まで上げておりませんけれども、既にそれを実施をしていくということで、一つ一つやらせていただいていると、こういうことであります。
 したがって、その流れというものはしっかり踏まえながら、他方で、今あるこの状況をよく見極めながら考え方をしっかりと具体的に取りまとめていきたいというふうに思っておりまして、今の段階で何%という具体的な数字を頭に入れているものではありません。
(問)NHKの伏見です。
 先ほどの関連になるのですけれとも、教育・保育施設での事故の傾向分析や提言を行うために、有識者会議を設置するというふうな御発言がありましたけれども、これは、具体的にどういう場に。これまでも恐らく内閣府の中で、事故のガイドラインのつくり方だとか、検討していたようなところもあったかと思うのですけれども、どういった会議体を想定されているのかというのをお聞かせください。
(答)教育・保育施設等における重大事故の再発防止策に関する検討会というのがありました。そこでの取りまとめの中で、先ほど申し上げましたガイドラインを作成するとか、地方自治体における事故検証をしっかり実施してほしいというという提言をいただいたところであります。また、国においては有識者会議を設置をして、地方自治体の検証報告などを踏まえ、再発防止策を検討するという提言もいただいておりますから、それを踏まえて、内閣府に有識者会議を設置をしていきたいと思っています。

(以上)