甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成28年1月20日

(平成28年1月20日(水) 18:44~19:07  於:合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 月例経済報告等に関する関係閣僚会議の概要を報告申し上げます。
 景気の現状についての総括判断は、「このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」といたしまして、先月から据え置いております。
 個人消費や設備投資には改善の遅れがみられておりまして、他方で、企業収益や雇用・所得環境の改善が引き続きみられており、緩やかな回復基調が続いているとの景気の基調についての認識に変わりはありません。
 先行きにつきましては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復に向かうことが期待されます。ただし、アメリカの金融政策の正常化が進むなか、中国を始めとするアジア新興国等との景気が下振れし、我が国の景気が下押しされるリスクがあります。
 また、原油価格や中国株式市場の下落などを背景にしまして、金融資本市場では大きな変動がみられておりますけれども、我が国や海外の経済動向・市場動向については予断を持たずに注視してまいります。
 政策の基本的態度につきましては、先月からの変更点といたしまして、「平成28年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」、「平成28年度予算政府案(概算)」、「経済・財政再生アクション・プログラム」が取りまとめられたこと、平成27年度補正予算が成立したこと、を踏まえた記述にいたしております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今回、景気の判断については据え置きだったわけですけれども、先行きのところで「金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある。」という記載を加えました。本日、東京市場では、日経平均が600円以上下落し、海外市場では、先ほど為替について1ドル115円台をつけたという状況にあるようですけれども、この市場変動によるリスクについて、大臣はどう見ていらっしゃるのか、お願いします。
(答)市場がいろいろな行動をとります。リスクオン・オフの繰り返しだと思いますが、そう右往左往する必要はないのかなと思います。中国でも、手さぐりながら的確に対応していくのではないかと思っております。
(問)甘利大臣が代表を務める自民党の支部などが、千葉県の建設会社に便宜を図った見返りとして政治献金を複数回受け取っていたけれども、その一部を政治資金収支報告書に記載していなかったという情報が、どうやら明日報道される見通しだと聞いているのですけれども、事実確認と、今後の対応についてお願いします。
(答)今日も移動する先々で同種の質問を受けておりますが、まだ明日発売の週刊誌の現物を読んでおりません。今後調査をした上で、国民の皆さんに疑惑を持たれることがないように説明責任を果たしていきたいと思っております。
(問)今日の月例経済報告の結果を踏まえて、今後のデフレ脱却への道筋なのですけれども、それをどのように見ていらっしゃるか、何が必要かということと、あともう一つ、もうすぐ日銀の金融政策決定会合があると思うのですが、追加緩和の必要性などについてどう思われるのか、それをよろしくお願いいたします。
(答)デフレ脱却に向けて補正予算が成立したばかりであります。でありますから、この迅速な執行に向けて政府を挙げて取り組んでいくということだと思います。
 それから、日銀の金融政策については、政府がその必要性について言及することは市場に無用の混乱を与えることになると思いますので、都度都度日銀の判断によるのではないかと思います。
(問)先ほどの週刊誌報道の件ですが、そこでは、2013年11月に議員会館で一色という方から、業者の人から50万円ととらやの羊羹、2014年2月1日には大和の地元の事務所で50万円入りの封筒を大臣に手渡したと。細かい日付まではわからないとは思うのですが、そういう事実はあったのでしょうか。
(答)週刊誌報道がきちんと発行されて発売されたもの、恐らくいろいろな事前情報でおっしゃっているのかもしれませんけれども、正確にどういうことを指摘されているのかについて事実確認が必要だと思います。でありますから、発売されたものを見て、そして今後しっかり調査した上で、国民に疑惑を持たれることがないように説明責任はしっかり果たしていきたいと思います。
(問)週刊誌報道の関連ですけれども、渡したとされる千葉県白井市の一色武さんという方は、大臣は御存じですか。
(答)全ての質問について、明日発売されたものを、どういう最終的な書き方になっているのか確認をさせてください。極力正確に答えられるものは答えたいと思います。
 何度も同じ答えで本当に申しわけないのですけれども、しっかり調査した上で、国会議員であり閣僚でありますから、国民の皆さんに疑惑を持たれることがないようにしっかり調査した上で説明責任を果たしていきたいと、これが今私が言える精いっぱいのことであります。
(問)この後国会の方では新年度予算案の審議がありまして、春先には恐らくTPPの関連法案の審議も始まると思うのですけれども、このタイミングでそのような重要閣僚のお一人でいらっしゃる大臣の週刊誌報道が出るということの影響や、若しくは御所見について伺いたいのですが。
(答)当然いい影響があるわけはないわけでありますから、政策運営の上でしっかり政策推進ができるように、その前段として説明責任がしっかり果たせるように務めを果たしたいと思っています。
(問)我々、みんなゲラを何か何となく入手して見た上で質問しているのですけれども、内容はある程度見られているかと思うのですが、総理や官房長官にこの件について何らか相談をされたりなど、そういったことはしているのでしょうか。その点を教えてください。
(答)取材を受けたということは、やるべきこととして連絡はさせていただきました。
(問)そのときに大臣としては自分としては身に覚えがないとか、何かどういう説明されたのか。
(答)私自身が取材を受けているわけではないです。問合せなどが、秘書とかに何か話が来たようですので、自宅の前で待っている人がいらっしゃって、いろいろお話しされたようですけれども、それには一切お答えしていません。こんな方が来られましたという事実関係だけを少し言った程度です。
(問)原油が12年4カ月ぶりに1バレル28ドルを割り込んだのですが、これが原因で今日の大きな株価の下落につながったと思うんですけれども、改めて今後の原油安の影響と見通しについてお聞かせください。
(答)原油安は、日本経済にとって、この瞬間を考えれば、それはプラスに働くと思います。ただ、中長期的な見方からすると、少なくとも産油国や資源国経済にダメージを与える。そうすると、それが日本からの輸出に影響を与える等々、あるいは、恐らくその資源国は、資産売却をすると、財政を組めなくなってくるのです。その中に日本株も入って当然いますから、資源国の金融保有資産の売却が、かなりの売り圧力になって、下げ圧力になっているということもありますから、そうしますと株価は低くなると、日本経済にとってはいいことではありませんから、そういう意味で、油価は全体のバランスのいいところで維持されるというのが、いいのだと思います。
 このまま原油安が続いて、ずっと世界経済が堅調に推移していくのは、難しいのではないかと思います。
(問)先ほどから、明日発売の週刊誌ということを大臣はおっしゃっていますが、ネット上に、既に一部については報道されておりまして、それによりますと、政治資金収支報告書への記載漏れというところと、あっせん利得処罰法違反の疑いという2点が指摘されているのですが、この2点について、否定も肯定もされないということでしょうか。
(答)それも読んでおりません。何度も、せっかくおいでいただいて恐縮なのでありますけれども、ミスリードするようなことはできないわけですから、報道の事実関係を正確に把握して、それに対して正確に答えるということが、今やるべきことだと思います。それが、国民の皆様に疑惑を与えないように、しっかり説明責任を果たすという上では、非常に大事だと思っております。
(問)明日、仮に発売の週刊誌を御覧になって、その説明責任というのは、いつ、どのような形で果たされるおつもりでしょうか。
(答)明日の段階で、全部が解明できる話ではないですから、明日で説明できるところは、説明するということだと思います。
(問)このような疑惑を持たれたことで、この疑惑に関して、進退についてどうお考えになるのか。また、総理などに御相談されたのか、いつ判断されるのかについて、お伺いします。
(答)全く、相談はしていません。やるべきことは、疑惑を持たれることがないように、しっかり調査をして、しっかり説明責任を果たす、それが今やるべきことだと思います。
(問)明日、大臣が、一旦、内容を御理解された部分まで説明してくださるということですが、その調査の最終的なめどといいますか、国会が続いていく中で、そういった影響も先ほど大臣御自身も懸念されていましたけれども、いつごろまでにというめどを教えて下さい。
(答)今の段階で、現物を詳細に読んでいるわけではないので、それをいつまでにということ、それは、説明責任を果たさない危険性がありますから、それはしっかり調査した上で、次第に見通しは出てくると思います。
(問)大臣は先ほど、しっかり調査した上でとおっしゃられたのですけれども、大臣は以前にダボス会議へ出席される意向があったと思うのですが、その予定に変更はあるのでしょうか。
(答)ありません。
(問)このような週刊誌報道が出るということで、大臣御自身のこれまでの、その政治家人生で、このような疑惑を持たれるようなことをされていないと言えるでしょうか。
(答)はい。私は、国家国民のために、正々堂々、真摯に取り組んできたという自信はあります。
(問)今日、会見が予定の時間から50分ほど遅れたのですけれども、これの理由を教えていただけますか。
(答)今日の月例経済関係閣僚会議で、いろいろ事前に指摘されていることがありました。指標が部分的に下げているのに、改善するというのはどういうことなのかなど、幾つか意外に思われる点がありました。それから、世界経済のリスクが若干リスクオフに動いているのではないかということです。株価が大分下げましたので、その辺は慎重に、精査していかなければいけないと思って、実はもっといろいろ質問が来るかと思ったのでありますけれども、そちらの質問はそう多くはありませんでした。
(問)週刊誌報道の件ですけれども、既に秘書の方や事務所の方に取材が入った段階で、何らかの事実関係の確認等を大臣から指示されて、これまでに内容について何か確認をされている点はあるのでしょうか。
(答)もちろん、いろいろ問合せがあった時点で、話が入ってきていますから、それは説明責任を果たすことに向けて、対応を取らなければならないということは事務所に指示しております。
(問)少なくともその内容について、調査結果の内容が大臣にまだ来ていないということなのでしょうか。
(答)これは来ておりません。そんなに簡単なことではないと思います。
 それに、二転三転するようなことは発言するべきではないと思います。一つがおかしくても、ほかが正確でも全体の信用性が失われることがこの種のことではあります。ですから、できるだけ正確に、正直にというのはもともとそのつもりであります。それに応えたいと思っております。
(問)今までの週刊誌報道についてお話を伺った中で、そうすると疑惑については否定ということでよろしいでしょうか。そのように私は理解したのですけれども。
(答)私自身は、国民の皆様から後ろ指を指されるような行動は、今日までしてないと思ってきました。
(問)御自身の点ではなくて、秘書に関してはどうなのでしょうか。
(答)秘書に関してですか。そこをしっかり調べたいと思います。
(問)仮に秘書が、何か国民の期待を裏切るような行為をしていた場合、政治家としての責任というのはどのようにお考えですか。
(答)その内容にもよります。調査結果を見てからにしてください。ここで、予断を与えるような発言は、「あのとき、ああだったじゃないか」みたいなことになりますので、全部が確認された時点で、それぞれお話ししたいと思います。

(以上)