甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年12月15日

(平成27年12月15日(火) 11:17~11:29  於:中央合同庁舎第8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 お手元に配付しております資料のとおり、本日、総理を会長とし、全閣僚を委員とするPFI推進会議を持ち回りにて開催しまして、「多様なPPP/PFI手法導入を優先的に検討するための指針」を決定いたしました。
 この指針に基づきまして、国はもとより、人口20万人以上の地方公共団体等に対しまして、公共施設の整備に当たり、PPP/PFIの活用を優先的に検討する仕組みを、平成28年度中のできるだけ早い時期に構築していただき、PPP/PFIを積極的に活用していただくよう、国としてお願いするというものであります。
 これによりまして、公的負担の抑制を図りつつ、民間投資やビジネス機会の拡大により、GDP600兆円の実現に貢献するものと考えております。
 詳細は、内閣府PFI推進室にお問い合わせいただきたいと思います。
 以上であります。

2.質疑応答

(問)週末、軽減税率で、対象品目が酒類と外食を除いた生鮮食品と加工食品となり、財源が1兆円必要だということなのですけれども、改めてなのですが、財政健全化に向けた2020年度PB黒字化への影響、また中間目標となる2018年度の基礎的財政収支の赤字を対GDP比率1%に抑えるという目標への影響と、こうした目標の変更があり得るのかということを改めてお伺いしたいと思います。
(答)財政再建目標は変更することはありません。それに向けて安倍政権としては、最大限の努力をしていくことに変わりはないということであります。
 軽減税率等、低所得者への負担を減らしていく手法は、幾つかあったわけでありますけれども、その中の軽減税率がとられる。そしてそれようには、従来のプランでは、4,000億円相当ということになっておったのでありますが、概算で1兆円程度に広がっていく。残りの6,000億円をどう安定的、恒久財源を充てていくかということであります。
 これにつきましては、来年度、党税調を中心に議論を重ねて、結論を出していくということでありますから、それを見守りたいと思っています。
(問)関連してなのですけれども、この財源の議論というのは、これはこれからすぐ始めていくものなのか。それとも来年の年末の予算編成に向けて議論を始めるものなのか。いつ頃から議論するべきだとお考えですか。
(答)これは党税調、与党税調の判断によるものと思いますが、しっかりした議論、それによる影響も検討しながらですから、従来の年末税調よりも少し前から始められるのではないかと思います。
(問)与党の合意の中には歳出歳入双方における議論を通じて、法制上の措置を講ずるのであるという書き方になっているのですけれども、歳入は党税調で議論するとして、歳出をどこで議論するのかという問題が残ると思うのですけれども、これはどのように整理されるのですか。
(答)歳入歳出改革につきましては、政府として、内閣として取り組んでいく。経済財政諮問会議を中心に、方針を示しているところであります。
 予算のいわば構造改革を、従来とは全く違った方法、つまり一律カットなどをする方法は、単価に影響を与えて、その反動が何年か後に出て、元の木阿弥になる。構造的に無駄をなくし、予算の効率を上げるということで捻出していく。あるいは財政再建をしていくという方法は、経済財政諮問会議を中心に提示して、既に実行に入っているわけであります。
 これがしっかり定着していくということ、KPIと併せて達成の状況を随時チェックしながら、改善を重ねていくという方法をとっていきますから、それが定着していけば、財政効率が上がっていって、無駄が省かれていく。それが財政再建を支えていくということにもなるのではないかと思います。
(問)確認ですけれども、そうすると歳出に関しては、経済財政諮問会議で議論していくこともあり得るということですか。
(答)歳出改革、もちろん歳入改革もありますけれども、歳出歳入改革については経済財政諮問会議、その下の具体的な実行をしていく部署で検討して、もう既に部分的には来年度予算に反映させていくということが動き出しております。これがフルセットで予算編成に定着していけば、それなりの効果が上がってくると思いますし、それも見ながら、更にどういう措置が必要かというのは、その時点で検討していくことになろうかと思います。
(問)TPPに関連して、アメリカ議会の共和党のトップのマコネル院内総務が、大統領選挙の前に関連の法案が議会に提出されるのは難しいという考え方を示していますけれども、これがTPPの発効に向けたスケジュールにどのように影響するか、見通しと見解を教えてください。
(答)米国議会内で、いろいろとTPPの大筋合意について注文がついております。
 どちらかというと、内容に対する批判というよりも、手続がきちんと伝わっていないということ、議会と政府との対話が一部、滞っているというように思われます。
 ここは、ホワイトハウスを挙げて、理解を求める努力をしていただきたいと思いますし、そして意思疎通が図られれば、内容的にはこれ以上詰めようがないという努力によって合意したものでありますから、議会の理解を受けられるのではないかと思っております。
 オバマ大統領も、自身のレガシーとして、任期中に議会手続がとれるように最大限の努力をされるという意思表示をされていますから、それに向けた大きな努力が進んでいくことを期待いたします。
(問)今日午後、京都の清水寺で今年の漢字1文字が発表されるのですが、大臣にとって、今年を漢字1文字で表すと何の漢字でしょうか。
(答)私は、今年1年は、不思議な体験の1年だったと思うのです。毎年、1月1日ないし2日に、今年の運勢というのを易学で見てもらうというのを毎年の恒例にしております。
 それで今年は衰運期、運勢が非常に悪くなります、特に体調は悪くなりますし、精神的にもかなり厳しい状況になりますということを言われまして、今年は最悪の年だなと思ったのですけれども、その易学の中で、カード占いというのもありまして、その易学者は、まず四柱推命で占って、その後カードで占うということをやられるのですが、カードを最初に引きましたら、最強のカードが出まして、「最悪の運勢のときに最強のカードを引く人は初めて見ました」と言われました。
 確かに、2月3日以降に体調がかなり悪くなりまして、TPPの交渉のときにも眠れない日が続いて、体調が最悪の中で、政治家として最高の仕事ができたという、まさに占いどおりの結果が出ました。
 私の政治家人生の中で、一番輝けた年であったと思いますから、1字で表すとしたら「輝」、これが一番いいかなと思っています。

(以上)