甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年12月4日

(平成27年12月4日(金) 10:47~10:58  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 私からは特にありません。

2.質疑応答

(問)ヨーロッパのECBが量的金融緩和を半年間延長するなど、追加の金融緩和を決めました。これについて、世界経済や日本経済にどのような影響を与えていくと御覧になっていらっしゃるのか、その見方を教えてください。
 また加えて、アメリカのFRBのイエレン議長も、12月の利上げを示唆する発言をしていまして、各国の金融政策に違いが出ているというところがあって、市場の波乱要因との指摘もあるのですけれども、この辺りについてどのようにお考えでしょうか。
(答)中央銀行と市場との関係というのは、マイナスに反応することについては、どうその衝撃をうまく先に織り込ませるか、プラスの反応については、できるだけいい意味で期待を裏切ってサプライズを与えるかというのが、中央銀行と市場とのうまい対話だと思います。
 ECBの場合には、マイナス金利は拡大する、これは既に織り込まれている。それから量的緩和を拡大するということを期待されていた。期待は、実はそのとおりにいかなかったのだと思います。ですから、市場の受け止め方は、若干期待よりは低かったという受け止め方なのだと思います。しかし、これは、ECBと市場との対話をどう進めながら、向かう方向に、順調に、乱高下なく進めていくかという腕の見せ所なのだと思います。
 FRBにつきましては、イエレン議長が、市場がともすれば、マイナスに反応することを、これは正常化していく過程であるということをうまく織り込みながら、進めていっている。FRBの行動に対して、市場は、もうそれは織り込んでいますということで、それで正常化に向かうということは一番いい向かい方だと思います。これも、中央銀行と市場とのやりとりの中で、腕の見せ所かなと見ております。
(問)日本経済への影響というのは、どのような見方をされていますでしょうか。
(答)ECBは、若干、市場が期待したものと規模が違っていたということはあるかもしれませんけれども、そう大きな影響は出ないと思います。太宗は織り込み済みということです。
 FRBにつきましては、出口に向けて順調に進めていく。極力それによる影響を少なく、極小化しながら、正常化に向けていくという路線は、順調にとられていくのではないかと思います。
(問)今日、経済財政諮問会議の一体改革の方のプランの原案が出る予定と聞いていますけれども、改めてその意義と、今回の原案のでき上がりの評価、いろいろな数値目標をつけるに当たっては難しさもあったと思うのですけれども、そういう課題というか難しさ、その辺りをどうお考えでしょうか。
(答)私の記憶する限り、内閣が経済財政改革を、構造改革として提言して、それを具体的な工程表に移して、実施の作業までできたということは過去にないと思うのです。部分的に、どの分野をどうする、あるいは目標だけ掲げて、強制的に、物理的に数字をカットしていくということはあったかもしれませんけれども、構造を変えながら、その自然的帰結として財政の効率が上がってくる、ワイズスペンディングに移行してくるということは、かつてやったことがないことだと思います。ですから、安倍内閣がこれを成功させれば、無理無理の歳出カットではなくて、自然の帰結として、行政サービスを、質を落とさずに効率を上げて財政支出を少なくするということができるという、革命的な出来事だと思います。
 この経済・財政再生計画に基づいて、主要分野について、社会保障であるとか社会資本整備であるとか、あるいは文教、科学、あるいは制度、地方財政、かつてそれぞれの分野が、我がエリアは聖域という理屈を述べていたところに、聖域なく、これは、その予算の使命をしっかり果たしながら、効率化を上げていくという取組であります。見える化を進めることによって、ワイズスペンディングにどんどん近づけていくわけであります。
 そして、改革の工程表を作って工程を管理する、KPIというものを設置して、PDCAを回していくという、今までやったことがない、歳出全体についての構造的な見直しであります。これは是非成功させて、安倍内閣の以降の内閣でも、制度的な仕組みとして織り込んでいきたいと思っております。
 専門調査会の新浪会長、民間議員、有識者の方々、大変な御苦労をいただいたわけでありますけれども、当初は「できっこない」とみんな高をくくっていたと思いますけれども、「これならできるかもしれない」、「いや、きっとできる」という方向に、向かいつつあると思っています。
(問)今年の明るい話題を提供した人物を題材にした変わり羽子板に、オバマ大統領や福山雅治さんと並んで甘利大臣が選ばれましたけれども、御所見あればお願いします。
(答)よくぞ聞いていただきました。
 2年前にも、世界の50人に選ばれましたけれども、そのときにも感激はいたしましたけれども、今回は別な感慨を感じております。早速、娘からメールが来まして、「おめでとう。ついに福山雅治と並んだね」というメールでありました。「ちょっと違うけどいいか」という感じで、別種の感慨を感じているところであります。
(問)その羽子板のテーマが「TPPは成功か」の後にクエスチョンマークが2つついている点と、大臣は今年、髪型も大きくモデルチェンジされたわけですけれども、羽子板ではきれいな七三分けになっていることについて御所見があればお願いします。
(答)まず久月の方ともう少し意思疎通をしっかりしなければいけないということで、やはりインターネットの時代でも、フェイス・トゥー・フェイスがいかに大事かということを痛感いたしました。
 つくづく思い起こすのは、このネット時代になって、直接いろいろな場面でフェイス・トゥー・フェイスが減っていくと言われますけれども、実は経営本を読んでも、本当に大事なことは、フェイス・トゥー・フェイスでしっかり認識を共有することが大事だと言われているのです。
 思い出しますと、電話の回線が最初に引かれたのは、ベルの研究室と助手のところを、電話を引いたそうですけれども、世界最初の電話通信は、「用があるから来てくれ」という電話だったということですから、やはりフェイス・トゥー・フェイスは大事かなと思います。久月としっかりフェイス・トゥー・フェイスをして、髪型の問題も、それからTPPの進捗についても、あるいは見通しについても認識共有をしたいと思います。

(以上)