甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年11月13日

(平成27年11月13日(金) 9:50~10:03  於:合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日、第12回健康・医療戦略推進本部を持ち回りで開催しましたので、その報告を申し上げます。
 議題は、1として「平成27年度第2回医療分野の研究開発関連の調整費の配分について」及び2として「国立研究開発法人日本医療研究開発機構の中長期目標の変更について」でありまして、資料は、お手元にお配りしているとおりであります。
 まず、調整費につきましては、年度途中の研究開発の加速等に活用するために、平成27年度は175億円を健康・医療戦略推進本部が配分することになっております。平成27年度の第2回目の配分につきましては、「オーダーメイド医療の実現化プログラム」等、ゲノム医療関連を中心に、残額の29.6億円を配分することと決定いたしました。
 また、独立行政法人の調達について新たなルールが定められたことに伴いまして、日本医療研究開発機構の中長期目標を変更することについては、健康・医療戦略推進本部の意見として、異議なく了承することといたしました。
 こうした取組によりまして、日本医療研究開発機構を中心に、世界最高水準の医療の提供に資する医療分野の研究開発を戦略的に推進していきたいと考えております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)週明けの月曜日に7-9月期のGDPが出ます。もし2期連続マイナスになると、与党などから景気対策を求める声が出るかもしれません。これまで大臣は、景気対策を否定されてきましたけれども、景気対策をやる可能性や必要性について教えてください。
(答)補正は、1億総活躍やあるいはTPPで緊急に対応すべきものについては、その中に乗ってくると思います。そして、それが間接的に景気を押し上げる効果というのはあろうかと思います。ただ、純粋に景気対策に絞って、例えば公共事業等、そのためのものとしてやっていくかということについては、現時点ではまだ想定いたしておりません。7-9月期の数字が出た場合、その数字の大きさや中身を精査したいと思っております。
(問)そういう意味では、先日の経済財政諮問会議でも1本目の矢の原案が出ましたけれども、あれ以外のものも出る可能性があるのでしょうか。
(答)基本的には補正に関しては、1億総活躍並びにTPPの当面の対応がその趣旨になると思います。
 加えて申し上げれば、今官民対話をいたしておりまして、好循環を回す、つまり賃上げ、それから投資、これを強力に要請いたしております。これが民需主導の景気対策ということになるわけです。
(問)先ほどのGDPのお話にも少し関わってくると思うのですけれども、昨日、機械受注統計が発表されまして、7-9月期はかなり落ち込んだのですけれども、10-12月期はプラスに転じる見通しであると。また、GDPについてもエコノミストなどの予想では、10-12月期はかなり戻るというような予想が多いようですけれども、先行きに少しプラスの見通しがいろいろ出ていることについて、大臣御自身は、これは結構いい兆候で回復してきたなというイメージなのか、あるいは反動みたいなもので、まだまだ弱いとお思いなのかという御所見と、その御所見の影響で例えば今後企業に対する設備投資の拡大要請の姿勢など、そういったあたりに変わってくるものがあるのかどうか、この2点よろしくお願いいたします。
(答)アベノミクスの指標の中で最大好転しているのが企業収益、それから、雇用の指標であります。これは好循環が回り出して、人手不足ということもあって有効求人倍率が上がり、そして、失業率が下がる。そういう中で内部留保が積み上がる。その内部留保から設備投資や海外事業のM&A等に投じられた株式投資を差っ引いた現預金等でも200兆円を超えるように積み上がっているわけです。
 これをどう使っていくかについては、我々は生産性革命に資するような投資をしてくださいと。そこは、日本の企業の設備のビンテージが20年前と比べて5年から6年古くなっています。つまり最新の更新が行われていないで海外企業と戦っている状況ですから、今はその環境整備をするチャンスであり、原資はこういうふうにあるということが一つ。
 それから、新しいこの産業革命に備えてくださいということ、これを具体的に我々は申し上げているわけであります。
 あわせて3点目はTPPであります。経営者の方に話を聞くと、一部に国内市場が人口減少の中で拡大が見込まれない。そういうところへの投資については、どうしても臆病になりがちだという話ですけれども、TPPというのは何をする作業か、いろいろな側面がありますけれども、それは日本を投資拠点にしていく。投資のハブにしていくということがTPPであります。そこの国から輸出を、関税ゼロあるいは有利な関税で、どの範囲まで輸出できるかということが投資拠点としての魅力になるわけです。TPPで工業製品の関税はゼロになるわけです。ゼロの地域が世界経済の4割になる。そこに日本が位置しているということをよく考えていただきたい。その輸出拠点になるということです。
 ですから、国内の市場が人口減少で小さくなるということしか考えていないと、これは経営者としては視野狭窄になりますよということです。そのためのTPPで、TPPというのは要するに対象地域を広げるということです。日本と同じ商売ができる、つまりルールも統一化するわけであり、日本と同じ商売ができる地域を異次元的に拡大していくということですから、投資拠点としては極めて適切であると思っております。
 人手が足りないときこそ、正に世界に先駆けて省力化投資をしていくということであろうと思います。日本の生産人口で生産効率を圧倒的に上げて、あるいは輸出に対しての拡張も生産性の力でできるというふうにしていくのが今の経営者の判断だと思います。今が判断時だと思いますし、思い切って踏み出してもらいたいと思います。
(問)マイナンバーの関連ですけれども、日本郵便が今のところ、今月11日の時点で配達済みがまだ約1割ということで、通知カードが今月中の配達完了がなかなか難しいのではないかという見方が出ております。政府としては今月中に配達を完了したいという考えだと思うのですが、そのスケジュール感への影響ですとかこの制度全体への影響みたいなことをどのように御覧になっているでしょうか。
(答)現状で印刷局から郵便局に届いているのは、世帯数で言うと半分くらいだと聞いております。そこから家庭に届いているのが半分のうちの2割、全体の1割ということなのだと思います。総務省が作業を督促して、できるだけ予定どおりになされるよう努力をしている最中だと思います。一部12月にはみ出てしまうことがあるかもしれませんけれども、できるだけ迅速に発送作業を完了したいと思います。
(問)東芝という会社は御存じだと思いますが、ウエスチングハウスの原発建設の関連で、子会社の部分にだけ巨額の損失があったということを昨日明らかにして、子会社についてだけ減損を処理したと。連結の決算については、会計ルール上開示の義務がないということで、これまでも開示するよう求められてきたのですが、していませんでした。このような東芝の対応をアナリストなどからは不適切ではないかというような声もあるのですが、どのように御覧になっていますでしょうか。
(答)その事案は詳細に承知しておりませんけれども、国際的な会計基準に沿って説明がつくように対処していただくのがいいかと思います。

(以上)