山口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年1月13日

(平成27年1月13日(火) 11:12~11:29  於:合同庁舎第8号館1階S103会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。お疲れさまでございます。

 それでは、私の方から総合科学技術・イノベーション会議を、今朝ほど開かせていただきました。それについて御報告させていただきたいと思いますが、本日10時から第7回総合科学技術・イノベーション会議を開催いたしました。本日は、国家的に重要な研究開発の評価につきまして、文部科学省の「フラッグシップ2020プロジェクト」及び経済産業省の「地域イノベーション協創プログラム」の二つについて評価案をお示しして、原案のとおり決定いたしました。続きまして、平成27年度の科学技術予算編成に向けた基本方針について審議し、決定いたしました。更には、平成26年度第2回医療分野の研究開発関連の調整費の配分につきまして、甘利大臣から御報告をいただきました。

 出席委員からの主な発言につきましては、まず議題1の国家的に重要な研究開発の評価につきましては、下村文科大臣の方から、「ポスト「京」の開発に国として主導的に取り組みたい」、宮沢経産大臣からは、「これまでの事業の成功事例の分析をしっかり行い、活用してまいりたい」との発言がありました。

 また、議題2につきましては予算でありますが、原山議員から、「今年前半は第5期基本計画の検討に力を入れたい」、中西議員からは、「ダイナミックな世界の変化に対応、特にデジタルソサエティへこれを日本の強みにしていくこと、これを第5期の核としていきたい」、橋本議員からは、「産業競争力会議での大学改革等の議論を第5期基本計画に反映をさせていきたい」などの御発言がございました。

 また甘利大臣からは、「科学技術予算の質的な改善も検討していくべき」、高市総務大臣からは、「ICTや防災技術の研究開発などをしっかりと推進をしていきたい」、更には下村文科大臣からは、「科学技術・イノベーションは成長戦略の中核であり、未来への投資という認識でしっかりと取り組んでまいりたい」等の発言がございました。

 最後に、皆様方もご覧いただいたと思いますが、安倍総理からは、次のような点について発言がございました。「本日決定をした科学技術関係予算の編成に向けた基本方針により、施策の重点化の方向性を示すことができた。更には、本日評価を決定したポスト「京」につきましては、強い意志を持って世界で1番を目指したい。更には、本日の決定を踏まえた来年度予算編成を行い、安倍内閣の重要施策として実現に移していきたい。そして、成長戦略を一層力強く実行を加速していくため、次期科学技術基本計画については、本年夏を目途に中間的な取りまとめを行えるように精力的な審議をお願いしたい」ということでございます。

 私からの報告は以上でございます。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 今日の総合科学技術会議のことについてお聞きしたいんですけれども、予算編成の基本方針を決定しましたけども、第4期科学技術基本計画で目標としていた25兆円というのはなかなか難しい状況になっているかと思うんですけども、大臣として、この予算総額について今後どのように対応したいか。
(答)大体今回がおそらくおおむね、まだ決定はしていませんが、22、3兆円なのかなという感じがします。これは中身的に厚労省の関係が一部違う項目に入ったということが一つあるのですが、もう一つが、GDPが2.8%の成長率で25兆円というような数字が出てきたわけで、それからしますと、そこまでGDPいかなかったものですから、25兆円というのは目標だったのですが、若干届かないかなと。しかし、諸般の事情を考えると、おおむね目的・目標どおり進みつつあるのではないかと。地方分もプラスしますから、そこで何とかと、及第点かなという感じです。第5期もしっかり書き込みたいと思います。
(問)もう一つ、今回、国家的な研究開発の方で地域イノベーションがあったかと思うんですけども、そこで成功事例の分析と深掘り、モデル化、そういうことが指摘されているんですが、今までも同じような地域イノベーションの施策はいっぱいあって、同じようなことをずっと指摘され、また政府全体の取組についても今後反映していきたいと。特にまち・ひと・しごと創生本部事務局とかいろいろある中で、今後こういう地域イノベーションの創生についてどのように取り組んでいかれるんでしょうか。
(答)確かにこれまで行ってきて、じゃあ、どれだけ達成できたかなというのは若干数字的には望ましい数字ではないのですね。しかし、例えば徳島県のお隣の香川県の希少糖を活用したレアシュガーって、これは非常におもしろく、うまくいった例なのだろうと思います。そういった成功事例をもとにして、今お話があったような、地方創生という課題があります。私自身も今回、科学技術というものを、できれば地方の様々な中小企業のニーズをしっかり踏まえた研究開発をやって、それをいわゆる産業育成あるいは企業に結びつけていくということ、これは非常にしっかり行っていきたいと思いますので、新たにそういった意気込みで取り組もうということです。
(問)沖縄タイムスの大野です。
 沖縄振興予算についてお聞きします。明日、予算が閣議決定されるわけですけれども、沖縄県内から、やはり辺野古に反対する翁長知事が当選したことで、政府は大幅に減額をするんじゃないかと懸念する声も出ていますが、具体的に金額は大幅に減るのでしょうか、具体的な金額はどのくらいになりそうでしょうか。
(答)最終調整を行っている最中でありますので、具体的な額というのはまだ確定をしておりません。皆様方の方があちこちで取材をしてよく御存じかもわかりませんが、少なくとも以前から申し上げていますように、リンクはさせるべきではない、いわゆる基地問題とですね、あるいは知事選挙と。という立場で私はずっと行ってきまして、ただ、これも度々申し上げてきましたように、今回の予算編成というのは非常に厳しい状況になるだろうと当初から思っておりました。流れを見ておりますと、消費税10%を先延ばしした。しかし、社会保障関係あるいは子育て支援等々は予算をつけたいという話があったので、その分どうしてもしわ寄せを受けるわけですね。その中で、できるだけ必要額を確保したいということで、積み上げ方式でいろいろ行わせていただきました。これも前に申し上げたのですが、全体の、例えば公共事業の繰越不用額等の数字と、沖縄の繰越不用額の数字と、ここが大きな乖離(かいり)があるじゃないかという指摘は財務省の方からも相当強くいただきました。そこの、いわゆるきちんと説明のできる積み上げ方式での予算獲得ということで今回頑張ってきているわけでございますので、そういった面からは何とか必要額は確保できるのではないかと思っております。
(問)琉球新報の問山です。
 その必要額は何とか確保できるということなんですが、必要額というのは大臣の中でどういった基準があるのか、どれを重視しているのかというのをまず1点お願いします。
(答)これも事務方の方でいろいろと沖縄県の方とも調整をしていただいて、例えば継続事業とかありますよね、あるいは、これ、もう用地ができないのでおそらくできないだろうというのもありますよね。そういうのをずっと精査をしていったという中で数字を積み上げてきているということです。
(問)その数字の積み上げなんですが、概算要求の時も今年度を上回る額で上げてきているんですが、その概算要求を作る上で積み上げというのはきちんとしてこなかったということになるんでしょうか。
(答)前のお話がかなり絡みますので、そこは精査をしていませんが、ただ、今回これはどうだろうということを個々にずっと行っていくと、少し無理かなという事業も確かにありました。ただ、これまで概算要求からかなり減るのではないかというような報道もなされておりますが、過去には例えば概算要求から570億円も減ったとかいろいろあるのですよね、ずっと。そういう中で、そんなことはないという関係、結果になると思います。
(問)関連して。共同通信の佐伯と申します。
 今日一部報道で、3,300億円台を確保する見通しじゃないかという報道もあったんですが、これについてはいかがでしょうか。
(答)そのぐらいは取りたいですね、是非とも。3,100億円という報道が一時期出まして、これはもう大変だという思いで取り組みましたので、少なくともそれ以上は取りたいというようなところで頑張っている最中です。
(問)それは復興特会も含めた額ということになりますか。
(答)復興特会というと。
(問)前年だと3,475億円から3,500億円に特会を含めてなっていたと思うんですけど、それも含めた額。
(答)そうですね。
(問)科学新聞の中村です。
 先週木曜日の大臣も出られた有識者議員との会合で、ドイツのインダストリー4.0が紹介されたかと思うんですけども、あれを見ると、例えば産学官だけでなく労働界も含めて全体として議論して戦略を作っている。一方、日本を見ると、大臣の所掌している戦略本部もいくつも乱立していて、じゃ、相互に連携しているのかというと、情報交換はしているけども、一体的に作るということはなされていないと思うんですよ。そういう中で、第5期科学技術基本計画を作るに当たって、もうちょっと他の本部とか、あるいは労働界とか、もっといろいろなことを巻き込まないと実質的な計画、戦略とかできないかと思うんですけど、そこら辺どうお考えでしょうか。
(答)私も冒頭しか出ておりませんでしたが、中身はしっかり聞いております。最近の動きとして非常に注目すべき話なのだろうと。ですから、労働界云々というのは非常に参考になりますので、今回、第5期を進めていくに当たって、幅広くしっかりと、かつ今言ったものを関連づけながら、できるだけ全てを掌握しながら進めていきたいと思います。これはまた有識者議員の皆様方とも相談してみたいと思います。
(問)日本消費経済新聞、相川です。
 消費者庁の2015年度の当初予算についてお伺いします。本年度から地方消費者行政活性化基金への上積みができなくなって、単年度交付金になるということが言われています。この消費者庁の活性化基金は、昨年になってようやく将来的に相談員を雇ったりセンターを作ったりすることができるようにということで4年間延長されて、最長で2027年まで使えることになった矢先のことです。それで、地方には混乱が広がっているのですが、当初予算でいくらぐらい確保される見通しで、この問題についてどのように対応されるのかお教えください。
(答)基金については、非常に地方にとっては使い便利がいいですよね。この件にかかわらず、私がこれまでかかわってきたものも、地方活性化にしても、あるいは地域医療再生にしても基金ということで行ってきましたが、ある時期、非常に民主党さんの厳しい御指摘がございまして、いいかげんじゃないかというような話の中で、確かに財政規律という側面もあります。そういう中で、基金は極力止めて、単年度の交付金に移行というような大きな流れの中で、今回、交付金というようなことになるわけですが、ただ、必要な額といいますか、地方のセンター等々がもっと活性化し、人もあるいは環境もということで、そこの御要望を踏まえた予算編成になってきていますので、同時にこれを単年度で終わらせないように、これはしっかり取り組みたいと思います。
(問)科学新聞の中村です。
 先程の総合科学技術会議の議論の中で、甘利大臣から、科学技術予算の質の向上が必要だという指摘があったかと思うんですけども、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
(答)質の向上というのは、常に考えていくべきなのだろうと思います。甘利大臣も、経済財政担当ですから、このイノベーションが経済再生あるいは日本経済の立て直しにつながるようにという強い思いがおありになるんですよね。私も同様の思いがありますし、しかも、今回は地方創生という喫緊の課題、大きな課題があるわけで、これを何とかしていきたい。特に地方の場合は、産業がなかなかないんですね、働く場所がないんですね。これを作るためにも、是非ともこれはそういった意味で質をしっかり考えながら、目に見えてこういうふうにつながっていくなというやり方ができれば一番ありがたいなとは思っています。

(以上)