石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年5月29日

(平成27年5月29日(金) 8:44~8:56  於:合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。閣僚懇で海洋政策担当である山谷大臣より、総合海洋政策本部参与会議におきまして、地方創生実現のため、海の価値を活用した地域の創生振興と人材育成を主体的に進めることが必要である等の提言がなされた旨のご報告がありまして、私のほうから、海洋資源は非常に重要な地域資源の一つであると、離島における先進的取組とは地方創生に大きく寄与するものであると。山谷大臣とも連携し、今後とも海洋資源等を活用した地方の取組を支援したいという旨、発言をしたところであります。
 以上です。

2.質疑応答

(問)冒頭の発言ですけれども、海洋資源の活用、地域資源ということですが、これ、例えば大臣が視察された海士町の水産物資源のことを念頭におっしゃっているのか。それとも、またエネルギーですとかそういった点で捉えていらっしゃるのか。
(答)それはいろいろであります。海士町の潮風を吸ってミネラル分を多く育った牧草を投入した隠岐牛の取組とか、あるいはCASシステムを使った岩牡蠣でありますとか、あるいは、今日のどこかの報道に出ていましたが、散骨の島というんですかね。そういう、いろんな離島とか海とか使った取組は海士町に限らずございます。あるいは、潮力発電とか、ブルーツーリズムとか、いろんなものがございます。そういう海を使った取組です。四面環海の我が国であります、広い排他的経済水域を有するわけでもございますので、海を活用した地方創生というのは、いろんな観点から考えられると思っております。
(問)以前も会見でのご指摘があったんですけれど、5月は地方創生に関するイベントですとか会議とかというのが政府主催で相次いで開かれると思うのですが、改めてお尋ねしたいんですけれども、その地方創生に関する広報の重要性について、大臣どのようにお考えであるか。そして、5月も終わりますけれども、6月以降、どのように展開されていくのか。2点お尋ねしたいと思います。
(答)今週もいろんな取組をさせていただきました。地方で働きたいとか、あるいは一昨日、国民会議を開催をいたしました。明後日は東京ミッドタウンで13時半から、地方創生フォーラム「地方で暮らす、日本が変わる」という催しをすることにいたしております。
 これは、どこもかしこも非常に人の集まりもよろしいと。また、先の国民会議というのは、三村座長の見事なおさばきもあって、この手の会議にしては非常に面白かった。ただ、面白かった、面白かった、以上おしまい、ではなくて、あそこで初めてお互い顔を会わせたという人もいっぱいいるはずなのですね。あそこでいろんな方が全員、意見を開陳されて、ふうん、へえ、ほお、とかいう声がよく上がっておりました。ご覧になったとおりであります。
 事務方にお願いをしておりますのは、早急にあそこでのいろんなやりとりというのを取りまとめて見られるようにするということです。参加された方々が、お互いに啓発し、触発し合うということで、またいろんな動きになって広がっていくのだろうと思いますし、もう一つ、あそこのやりとりをどなたでも見られるようにして、驚きと感動、自信と誇りみたいなことをキーワードとして感じてもらえれば。やはりこう、みんないろいろ思ってはいるんだけれど、地方居住とか、地方で仕事を見つけるとか、そういうことについて、取組がいろいろばらばらと、点在という言い方がいいかどうかわかりませんが、していたと。それを政府が中に入ることによって、さらなる広がりを持っていくということが重要です。また、実際に広がりつつあるんだなという実感を持っております。そういうイベントに参加された方が、職場にお帰りになって、おうちにお帰りになって、今日こんな話あったんだよということが大事なんだろうなというふうに思っておりまして、今後ともそういうものを続けていきたいと思っております。ご協力お願いいたします。
(問)今、地方創生、PRという話がありましたけれど、一方で、その特別委員会のほうは、定足数の問題で少し一時中断するような話が去年に引き続きあったりとかですね。それについて大臣はどう思われるのかと。
 あと、ちょっと本当、所管外であれなのですが、昨日、安保法制のほうのですね、国会で、総理のほうがちょっと野次でですね、「早く質問しろ。」というような話ありましたけれども、これについて大臣、どうご覧になりますでしょうか。
(答)安保特、法制特というのかしら、これも動き始めたと。それで、いろんな委員会が動いているので、なかなかこう、私も若いころやったことありますが、人のやりくりというのが難しいねということはあります。
 これは国対のすごく苦労するところですし、定数を集めるのは、理事の大変な仕事なのですが、やはりこう重要法案を審議をしていただいておりますので、そこは特に、もちろん野党の方々にも出ていただかねばなりませんが、与党の責任として常に定足数が割れないようにしていくということについて、現場の方々のご努力を、本当にご面倒なことですが、さらにお願いしたいと思っております。
 辻元さんの質問中の総理のご発言については、私、現場を見ていないので、なかなか確たることは申し上げられません。審議が、良い議論のかみ合いに、もちろん立場は違うのですけれど、なっていくように、それはお互いに努力をしなければいけないことだと思っております。
(問)少し関連で伺いたいのですが、総理大臣もそうなんですけれども、中谷大臣もですね、不適切な発言で野党側に陳謝されたりということがありました。大臣も常々、丁寧な審議が必要だと、国民に理解を得られるようにとおっしゃっていますけれども、実際にご覧になられていないとは思うのですが、今後どのような審議が望ましいと思われますか。
(答)この手の法制は特にそうなのですが、言葉の定義というものを、きちんと共有をした上で議論を組み立てないと、議論がすれ違いになってしまうということはございます。政府として法案を提出をし、審議をお願いをいたしておりますので、そこは野党の皆様方に、野党に限りませんが、いろんな言葉の定義というのはこういうものですよという説明をきちんとして、ご理解をいただく努力というのを、中谷大臣は非常に誠実に一生懸命やっていらっしゃるというふうに思っております。
 先ほどの答えとも重複するんですが、非常にかみ合った議論になるためには、いろんなテクニカルタームというのか、そういうものについての理解を共有した上で、良いとか悪いとかいう議論になるべきものだと思っておりまして、中谷大臣の真摯なご努力というものは、今までもそうでしたし、これからもさらに大臣は続けられて、有意義な審議に努力をされるというものだと思っております。
(問)世界遺産についてなんですけれども、中国の全人代の委員が世界遺産委員国に対して、日本の登録を反対するように説得しているというようなことを、韓国と、その国会議員との会談で明らかにしたというような報道がありますが、なかなかその中国の態度はかなり強硬になってきているという、見る向きもある中、これ、どのようにこの事態を対処していくというようなおつもりでしょうか。
(答)中国は中国のいろんなお考えがあって、やっておられることだと思います。中国がいろんなお考えの下に、いろんな国にいろんなことをおっしゃると。私どもとしては、我々の立場を関係各国に、先般も副大臣が海外に参ってきちんとご説明をしたところでありますので、そういう努力はこれからもしていかねばならないと。そしてまた、中国、韓国に対しても、これはもう誠心誠意お話をしていくべきものであって、聞く耳持たぬとかですね、実にけしからんとか、そういうような感情的なリアクションも当然、人間ですからあろうとは思いますが、そこは私どもとして本当に誠心誠意、中国や韓国の理解も得るべく今後とも努力をすることが、いい結果につながると思っております。
(問)関連しまして、同様に、一部報道で、韓国のほうの報道で、22日の日韓の協議で、日本側が韓国に対して妥協案の協議を提案したという報道があるのですが、それについて真偽のほどをお伺いしたいと思います。
(答)そのような事実があったとは承知をいたしておりません。私どもとして、現段階で妥協案とか、そういうものを示したということはございませんし、ただ、向こうのご主張というものを承る場があるわけですから、そこにおいて今後も、次回の日にち等々決定しているとは承知をしておりませんが、さらに理解が深まるような努力はしていかねばならない。妥協案を提示したような事実はございません。

(以上)