石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年5月12日

(平成27年5月12日(火) 9:27~9:34  於:合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.質疑応答

(問)世界遺産の関連でお尋ねしますが、明治日本の産業革命遺産の登録に向けて、平副大臣がセルビアとかクロアチアを訪問されているようですけれども、今後の政府としての登録に向けた戦略というのを教えていただけますでしょうか。特に韓国が反発していますので、そこをどう対応していくのかというところをお願いします。
(答)世界遺産委員会の委員国は韓国、あるいは議長国であるドイツを含めまして、現在21か国ございます。平副大臣のみならず、連休中などに海外出張した政務三役それぞれが分担をして、それぞれの国に対して我が国の考えというものを伝えているというようなことだと承知をいたしております。具体的に誰がどこかということは、今全て正確に申し上げられるものでございませんが。
 韓国には、報道で知る限り、いろんな御主張があるというふうに承知をいたしております。これを登録すべきではないとか、あるいは「負の世界遺産」として位置付けるべきであるとか、あるいは慰霊碑を建立すべきであるとか、いわゆる徴用工というものに関係したものは除外せよとか、あくまで報道ベースで承知をしているだけですが、いろんなお考えがあると承知をいたしております。
 それに対して我が国がどのように対応するのかということを、韓国のいろんな意図、あるいは世論というものをよく認識しながら、我々は対応していかねばならないと思っております。このようなことを政治的な対立に持ち込むというような場ではないということは、一般論としてはそのとおりでありますけれども、世の中そういうことばかりだと、誰も苦労しない話であって、韓国がどのような考えに基づいてそのようなことを言っているのか、あるいは韓国国民がそれにどのように反応しているのかということを、よくよく私どもとして謙虚かつ真摯に理解をしながら、当方の主張というものをより説得力のあるものとして展開していかねばならないというふうに考えております。イコモスの勧告にもいろんなことが書いてあるわけであって、そのこともよく認識をしながら政府として万全を期していく。あえて万全ということを申し上げれば、そういうことだと思っております。
(問)少し所管外になるんですけれども、週末に行われる大阪都構想の住民投票を前にして、各党、活発に動いていると思うんですが、自民党の大阪府連が反対する民主党・共産党とともに街頭演説等されたことについて、菅官房長官は理解できないということをおっしゃっていますが、谷垣幹事長は共感できるというふうに、立場が自民党内も異なってきていると思うんですけれども、大臣、この点について、もし御所見があれば、お願いいたします。
(答)所管外ですので、あくまで大臣としての発言ではないということをお断りしておけば、私が政調会長あるいは幹事長在任のときに、維新という与党ではない党が大阪において非常に勢力を伸ばし、我が党が第1党から転落をし、府議会のみならず、大阪市議会始め、あちらこちらでイニシアティブを失ったと。大阪において勢力を回復するということについて非常な努力を要してきたということは、党の責任ある立場として、それは当然やっていかねばならないものだったと思っております。ですから、谷垣幹事長の御発言は、党を預かる責任者として、現場の大阪府連というものがどれだけ苦しい立場にあって、そして、一つ一つ議席を回復していくということにおいて、協調関係を大事にする幹事長として当然の御発言だというふうに、自分がそうであってもそうだろうなというふうに思います。
 官房長官の御発言、私はよく存じませんが、国政上、立場を維新よりもさらに政府に対して否定的な方々と一緒に組むというのはどういうことなんだろうねという、政府としての、これまた政権に対する距離の関係に基づいて発言をされたものであって、それはもう官房長官、幹事長という立場の違いによるものだというふうに、何か、何となく評論家風で恐縮ですが、そういうふうに思っております。
 だから、私も幹事長時代に思っていたことですが、何とか収れんしていくことはできないものだろうかというふうに思ってきましたが、なかなかそうはいっていない。そこは官房長官も幹事長も当然、広い意味で政権の中の最高幹部でありますから、お互いによくお話をされながら、以心伝心でやっていかれるということではないかなというふうに思います。

(以上)