石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年4月14日

(平成27年4月14日(火) 9:33~9:55  於:合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 閣議並びに知的財産戦略本部会合がございましたが、特に私どもに関係する事案はございません。
 先週末から今週初めにかけて、地方創生人材を派遣した所へ、政務四役で手分けをいたしまして、それぞれどんな具合ですかというようなことをお電話でお話をさせていただきましたが、4人みんな共通の感想なのですけれども、本当にそういう人材を受け入れたところというのは非常に熱意があるというか、人を送ってくれて本当にありがとうというようなことで、赴任した直後からいろいろな取組をしていただき活用していただいているということを実感した次第であります。
 そういうような意欲のあるところというのが本当に表れてきたということだと思います。そういう地方に派遣をされた人材というのは、かなり濃密な研修を行いまして、国のこの地方創生についての取組というのをよく理解をした上で行っていただいておるわけであります。そういうところで起爆剤という言い方をしていいかどうかわからないが、なっていただいて、この地方創生総合戦略策定に向けての取組が、より実のあるものになるといいなというふうに思った次第でございます。
 以上です。

2.質疑応答

(問)鳥取県の平井知事が、昨日、地方創生の知事グループを立ち上げると発表されたんですけども、この知事グループと政府としてはどのように連携されていくかというお考えをお聞かせください。
(答)これは、選挙前に平井知事から、その構想についての御説明をいただきました。例の「子育て同盟」というのがあって、知事さんがラップを踊るという非常にユニークな試みをされた方々でありますが、それを発展的に改組する形で、地方創生の知事さんのグループをつくると聞いております。
 岡山県だったか、そこで第1回の会議をやりたいということで、もし状況が許せば、そこに私も参加をさせていただきたいと思います。それぞれの市町村において「地方版総合戦略」を作っていただいているわけですが、県の果たす役割というのは、そこにばらつきがないように、あるいは県内における自治体の連携というものが効果的に行われるようにというような、そういう役割を県にはお願いをしているところであって、それがどういうような状況にあるのか、あるいはこれから先、新型交付金も含めて、先般、地方との意見交換を更に密にしたいということを申し上げましたが、その意見交換を密にするに当たっても、平井さんが提唱している知事さんの集まりというのは極めて有意義なものだと考えております。
(問)関連でお伺いします。この政策集団グループ立ち上げですけれども、「子育て同盟」が母体となっているということですが、一方で、知事会は、地方創生の対策本部を設けていまして、その中で、知事同士が国へ提言するという仕組みになっておりますけれども、こうした有志によるグループの立ち上げということと、知事会としての組織の役割、こういう違いについてどのように思われますか。
(答)それは、都市と農村部ということで、いろいろな地域性もございますし、どうしても知事会全体ということになると、意見の集約には、良いとか悪いとかという話ではなくて、それなりの時間を要するし、それで出た結論というのが、全体を取りまとめたものであるだけに、ややクリアカットにならないということも、良いとか悪いとかという問題ではなくて、あるんだろうと思っております。平井知事が提唱しているのは、どちらかというと地方的な件が多いというふうに承知をいたしております。ですから、知事会全体としての御意見を承るとともに、そういうアライアンス的な方々の御意見も両方見ながら国の対応というのを決めたいと思っています。平井知事提唱のグループのサミットが5月23日、正式な名称は、「日本創生のための将来世代応援知事同盟」サミット。何か1回ではよくわからない名前ですが、5月23日の午前中に、岡山県立美術館ホールにおいて開催されるということであります。ですから、この二つ相まって国の対応というものを、より良いものにしていきたいと考えております。
(問)今の関連なんですけれども、地方との意見交換の場にという話がありましたけれども、このグループに特に期待することというのは、どういった分野になるんでしょうか。
(答)何をもって「将来世代応援知事」というのかよくわからないところがあって、「子育て同盟」のときは、お子さんを育てる家庭にある知事さんが多かったと思っております。やはりやや若手の知事さん、平井知事は53才かしら、そのような比較的若い世代の知事さんだと思っております。ですので、そういうような世代の方々がどのようなことをお考えなのか、やはり知事会も非常にベテランのシニアな知事さんと若い知事さんといらっしゃいます。ですから、地域性とともに、世代的な考え方というものが、またここのグループにあるのかなというふうに思っております。もちろんシニアな方がそのような将来世代を見据えてないなぞと切って捨てるつもりは全くありませんが、そういう若い知事さん方が何をお考えなのかということも子育ての観点等々から傾聴に値するものがあるといいなというふうに思っております。
(問)統一地方選についてお伺いします。前半戦、知事選と道府県議選が終わりましたけれども、投票率が低調だったという指摘がありますけれども、大臣、この現象について要因をどう見ていらっしゃるんでしょうか。
(答)これは全国的に見て低調であって、私の県でも戦後最低ということでございました。それは今の状況に取り立てて異議を唱える状況にないのだということで、行かなくても現状が続けばいいなというような消極的支持と認識をするのか、そもそも政治というのに何の期待もしていないのか、そこはよくわかりません。
 やはり国政でもそうですけれど、何か明確な争点があって、自分の一票で政治が変わるというような雰囲気が報道関係の皆様方のいろいろな御努力もあって高まってくれば、やはり行かなきゃというようなことになるんじゃないでしょうか。それが、そういうものが提示されない場合には、消極的な支持みたいなものが強く出るのかなというふうに、一般論的には思うのですけれども。では、大阪は何なのだ、ということがあります。もちろん住民投票はこの後です。一票でも違うと2017年から大阪市は無くなるって結構大変な話でありますが、その前哨戦たる大阪の選挙でも投票率が低いというのは、これは一体何なんだろうということについて、ちょっと私の明解な解がございません。投票率を上げるに当たっては、前もお話ししたかもしれませんが、アジアの諸国では投票に行かなければ何かペナルティがあったりメリットがあったりというような仕組みを入れている国もあって、もう一回きちんと調べようと思いますが、どうすれば投票に行っていただけるかという努力は、やはりこういう状況を慨嘆しているばかりじゃなくて、何か考えなきゃいかんと思っています。ですから、報道機関の皆様方におかれましても、どうすれば投票率が上がるのかということについて、アイデアがあれば、ぜひお寄せをいただきたいものだと考えます。やはり地方選挙というのは国政に比べて、より身近なテーマを取り扱っているわけですから、また、地方議員の方々は、それぞれの選挙区にずっとおられて、我々国会議員に比べて、時間が長いと思っております。ですから、選挙のときだけ登場していろいろなことをおっしゃるという方と、本当に日常からその地域においてきめ細かな活動を展開しておられる方と、それはやはり違うんだろうと思います。私たちも、できるだけ、有権者一人一人にとっての政治家とは何なのだという、その個人的な物語というものを作っていかないと、票は確かなものにならないと思っております。これは大臣として申し上げるというよりも、党の一員として、私、幹事長のときに、若い先生方に、とにかく一人一人との物語をつくりましょうということを申し上げてきました。やはり政党としても努力すべきことはまだたくさんあるのだと思っております。
(問)関連して、後半戦になりますと、市町村の首長選と議員選ということで、市町村ということもあって、「地方版総合戦略」の主役となる自治体だと思うんですけれども、また、前半戦の知事選、同府県議選と違って政党色の薄い方々が一般的な候補になられていて、違った論戦も期待できると思うんですが、大臣、後半戦はどんな論戦を期待したいですか。
(答)それは選挙区によっていろいろなやり方があると思うんですけれども、あえて期待するところを申し述べれば、街頭演説とか、あるいは個人演説会とかそういうところにおいて、スローガンのみならず具体的に我が市は、我が町は、我が村は、こういうKPIを設定したいと思っている。あるいは「産官学金労言」の方々に、こういうように参加をお願いしたいと思っている。そして、民間では当たり前の話かもしれないが、行政においてはPDCAという言葉が全然人口に膾炙(かいしゃ)していないところがあって、PDCAをこのように回したいということを訴えていただけると、より御理解は深まるのかなと、正直言ってそのように思っております。ですので、私は全部の選挙の状況を知っているわけではありませんが、おっしゃるように、道府県と違って身近な市町村ですから、そこにおいて現職の方であれ新人の方であれ、お話をされるにおいてKPIであれPDCAであれ、「産官学金労言」という言葉を使って有権者の方々に語っていただき、そして有権者がそれを聞いて投票するということが一番望ましいのだと思っております。ですので、私どもが申し上げておる「総合戦略」というものが、どれだけ首長たらんとする方々に御理解をいただき、そしてまた、それが有権者に浸透していくのかということを拝見させていただくという言い方はちょっと傍観者的ですが、やはりそこが、民主主義の基本は選挙ですから、そういう訴えがなされることは強く期待したいと思っております。
(問)統一地方選についてなんですけれども、低投票率の要因はいろいろあると思うんですが、知事選において、やはり与野党の相乗りが多かったということが1点挙げられると思いますけれども、これは野党の側にも責任はあると思うんですが、こういった現象が続くことについてどう思われるかが1点と、今回の知事選では、10道県中9人が官僚出身の知事、現在の47都道府県中30近くが官僚出身知事で占められているんですけれども、官僚の知事が増えていくことについての是非と言うとあれですけれども、大臣はどのようにお考えになりますか。
(答)与野党相乗りというのは、私どもがけしからんとかいう話でも何でもないのですが、与野党相乗りになりますと、どうしても責任の所在、選挙を取り仕切る責任の所在が不明確になる。そこは非常に苦労した神戸市長選挙とか川崎市長選挙で、与野党相乗ったがゆえに争点がはっきりせず、そしてまた責任の所在もはっきりしないということで、必ずしも勝ったにせよ、負けたにせよ、いい結果が得られなかったということがございました。ですので、相乗りではあるけれど、我が党が政権与党としてきちんとその選挙をマネジメントしていくということが与野党相乗りというものに埋没しない政権与党の在り方だというふうに考えております。むしろ、国政において立場を異にする方々が、地方選挙においてもそういう争点というものをクリアにする。北海道知事選挙において道民の支持は得られなかったが、原発反対と、私は原発ゼロですというふうな、それはそれなりに争点をはっきりさせた選挙だったと思います。そういう国政上で異なる立場であるならば、やはり地方においても、野党の方々がそのような立場に立たれて有権者に選択肢を提示するというのはあるべきことじゃないでしょうか。だから、私ども野党のときには、与党が立てた候補者に対して、我が党の主張を明確にして候補者を立てるということは地方選ではやってきたつもりでございます。それは他党のことですから、私があれこれ申し上げることではなくて、民主党の中で議論が行われることだと考えております。
 我が中国地方を見ても、うちの県も含めて官僚出身の知事さんが多い。やはり有権者の方々の一種の安心感みたいなものが官僚候補に対してはあるのではないだろうか。つまり、中央官僚あるいは地方官僚でも、ある程度のキャリアを積んで、この方は人格、見識ともに安心できる方だというのは、やはり官僚の強みだと思っております。ですから、官僚知事が増えること自体が全て悪いとは言いませんが、民間でも、例えて言えば、神奈川県知事のように、あるいは岡山県知事のように、言論界あるいはビジネスの世界でそういう信頼感とか安心感とか、あるいは期待感とか、そういうものを持たれた方々はおられるわけであります。ですから、有権者の方々が官僚知事に対して持っておられるような、候補者に対して持っているような安心感とか信頼感とかというものは、決して民間でできないわけではない。神奈川や岡山でできているわけですから、やはり官僚でなければ駄目だということにはなりません。だから、そういうような方々が出られるような環境を醸成していくというのも、やはり有権者も主権者として成すべき一つのやり方なのかもしれません。官僚知事が、別に安易にすぎるとかそんなことを言うつもりは私はなくて、それはやはり安心感の披瀝(ひれき)じゃないか。それを民間の方でも、それができないはずはないと思っておりまして、今後それぞれの地域における主権者の方々の意識というものがどう変わっていくか、そのことについて私があれこれ申し上げるべきことではありません。
(問)細かいことで恐縮なんですが、先ほど知事の会ができるということで、平井知事のほうから選挙前にお聞きになられたと、説明を受けられたということをおっしゃっておられましたが、これはいつごろ、どちらのほうでされたのか。
(答)それは、何月何日何時何分ということは覚えていません。選挙が始まる前でございます。そういうことをやろうと思うんだというようなお話は選挙の数日前にありました。選挙戦が始まってからは、そういう政策について私と平井さんがお話をしたことはございません。

(以上)