石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年3月24日

(平成27年3月24日(火) 9:20~9:31  於:合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨

 地域再生法改正案の閣議決定についてです。本日、同法案を閣議決定をいたしましたが、これは昨年末に閣議決定されました「総合戦略」を踏まえまして、中山間地域等において各種生活サービス機能の提供を維持するコンパクトビレッジ、いわゆる小さな拠点の形成、地方への本社機能の移転を含む企業の地方拠点の強化を推進する、という内容であります。今国会で御審議の上、速やかに成立を期したいと考えております。

 次に地方創生交付金の交付決定でありますが、本日、地方公共団体に対して交付決定を行うものであります。

 主な使途を申し上げますと、消費喚起・生活支援型については、市町村ではプレミアム付商品券で、都道府県ではふるさと名物商品、旅行券で活用されるということであります。創生先行型ではしごとづくり、観光振興、人材確保や移住促進、子育てなど幅広い分野で活用されるということであります。後ほど事務方から御説明を申し上げます。

 最後に人材還流政策各省連絡会についてであります。これは国会答弁等でも申し上げているところでございますが、政府が実施する人材還流政策等につきまして関係省庁が連携し、真に利用者にとってわかりやすい事業を実施するため、政務が主導する形で具体的な連携のあり方を検討する連絡会を明日3月25日(水)に立ち上げるものであります。

 この人材還流政策につきましては、移住を伴う地方への人材還流を成功させるために、対象とする人材、あるいはどのような人材に来てほしいかという受け入れ企業の類型に応じて異なった対応を行うということになっております。しかしながら、霞が関のそのような理屈ではなくて、実際に職を求めている、地方で働きたいという方、あるいはそれを受け入れる地元の企業にとって何が一番使いやすいかということを第一番に追求をしなければならない。各省は各省の理屈を言っていても、そんなものは使う人に何の関係もないという話であります。

 本検討におきましては、民間事業者あるいはNPO等々の外部有識者の皆様方からの御意見を交え、ワンストップサービス提供のための各人材還流施策の現場における連携のあり方について議論を行い、何が利用者にとって一番使いやすいかということを最優先して事業設計を行わねばならない、そういう趣旨から各省連絡会を開催するものでございます。

 以上3点です。

2.質疑応答

(問)先程冒頭にありました交付金の決定なんですけれども、2点あるんですが、地方創生先行型の方では、上乗せ分の300億円のほうの交付についても決定されたということですか。
(答)上乗せ分についてはまだです。
(問)わかりました。
 あと地域消費喚起・生活支援型については、利用する自治体、首長のほうから、例えば商品券などについては一過性のもので、地方創生に資するのかという声も実際ありましたけれども、大臣、このような指摘についてはどのように思われますか。
(答)それは商品設計によるのでしょう。自由に使えるお金というものをどう使うか、それを一過性に終わらせるかどうかというのは、まさしく商品設計そのものではないでしょうか。一過性に終わるのだということであれば、それを一つの契機としてつなげていくだけのものが開発できませんと、あるいは国から金が来なければそういうことはもう継続して行うことは不可能でありますと、そういうことを自らおっしゃっておるに等しいことだと思います。私はそういう意識があれば、それが極めて問題ではないだろうかと思っていて、事務方から説明があろうかと思いますが、本当に知恵を絞って一生懸命努力をして、それを一過性に終わらせないような努力をしているところと、どうせ一過性のものだと最初から決めてかかるところとでは、それは違うと思いますよ。
(問)今の質問に関連してなんですけども、商品券の設計に関してなんですが、自治体の担当の方にお話を伺ったりすると、国からは商品券を奨励するという形でレクがありましたと。ただ、実質自由な設計をする時間というのは余りなかったというような指摘もあるんですけども、そういう中で、そういった自治体の自由な設計というようなものが可能な制度設計であったのかという点について大臣の所見を伺えればと思います。
(答)時間が短かったのでいいものができませんでしたということでしょうか。補正予算でございますので、それなりの時限性はあるということになるのは当然のことで、こんなことがあったらいいな、こんなことができたらいいなというふうに日頃から考えているのかどうなのかということだと思います。実際にどうやって地域の消費を喚起をするか、どうやって地元のいろいろな名産品というかそういうものを売り込んだらいいだろうかということを一生懸命考えているところは、これにうまく適合する形で考えるでしょう。そうではないところは、時間がないから、いいものができなかった、時間がない方が悪いというようなことになるのかもしれません。だから、私は今回のいろいろな取組というのは、それぞれの自治体によって差が出ることはあるのかもしれないと思います。そのときに本当に積極的に日ごろから考えていることをこれで実現しようというところと、一過性だ、時間がないと言って、それができなかったことのエクスキューズを考えるところと、それは違ってくるんだろうと思います。
(問)国家戦略特区に関連して伺いたいんですが、改正案に盛り込まれる公園内の保育所設置の解禁なんですけれども、これ、待機児童解消に期待の声がすごく高い一方で、公園がこれまで有してきた機能というか、災害時の避難所であったりとか広く一般の子供たちの遊び場とか近隣住民の憩いの場とか、そうした機能の持つスペースが失われることに対しての懸念の声というのもあるようなんですが、そうした声をどういうふうにお考えになるかということと、そういったものも踏まえて望ましい公園の姿というか、あるべき姿についてどのようなビジョンをお持ちでいらっしゃいますでしょうか。
(答)だからこそ特区なんですよね、これは。どうなのだろうかということを実際にやってみる。公園というものの管轄は国土交通省です。保育園、保育所というものは厚生労働省です。御指摘のように、公園というのは、避難場所であり、広くあまねく多くの人に利用されねばならないのであって、特定目的に使用するものではないというのが公園側の理屈ということになるわけですよね。
 保育園の方は保育園で、場所が足りない、スペースがないというようないろいろな問題を抱えているが、じゃあ、それを融合させてみたらどうなるだろうかということをやってみるわけです。実際に今想起してみて、公園というものがどのように利用されているのだろうか。大勢の人たちがそこへ来て、公園が本来果たすべき目的に使用されているだろうか。自治体によって差はありますが、日本の公園の面積ってそんなに小さいものではありません。国際水準から見てもかなり多く設置をされているというふうに認識をしております。
 そこで、昼間公園に行ってみると、どう使われているのだろうか、本当に本来の目的のように使われているだろうかというと、それは必ずしもそうではない。むしろ有効活用するに当たって、子供たちがそこでいろいろな保育の目的に沿ったような活動をする。例えば高齢者の方々で公園で時間を過ごされる方も多いわけですが、そこで出会いがあるということもあるんでしょう。そういうような有効な活用の仕方があるのではないか。本来、保育園はかくあるべきものというのがあって、それに基づいていろいろな法律ができ、いろいろな、こうあらねばならぬという規定があるのだけど、では、実際どうですか、今本当にその目的のとおりに公園は活用されていますか。保育園で何か困ったことありませんかということを、それをマッチングさせてみたらどうだろうかという考えで、さればこそ特区なわけですね。それがうまくいけば、それはそれで横展開をするということもあり得ることでしょう。
 それから、先程の商品券の話もそうなのですが、そういう、様々な意見をいかにして乗り越えていくかということが創生の創生たるゆえんだと思っているわけです。様々なことをおっしゃる方々と、そうはいっても前向きに取り組もうという人たちと、いろいろな人たちがいるのだろうと思いますが、私どもは法の趣旨を曲げてまでというつもりはありませんが、いろいろな仕組みあるいは習慣等々が時代に合わなくなっているという危機感を持っているわけですね。それを変えていくことが地方創生の一番のポイントなのかもしれません。

(以上)