石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年2月27日

(平成27年2月27日(金) 8:34~8:57  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。

 着任以来申し上げておるところの「地方創生コンシェルジュ」でございます。この制度については、かねてから申し上げておりますとおり、その地域に愛着や関心を持ち、意欲を持っている各府省庁の職員を相談窓口として選任をし、地方公共団体の地方創生に向けた取組を政府として積極的に支援をする趣旨でございます。本日、17府省庁、総計871名の名簿を公表します。地方公共団体は、この名簿をもとに、希望する地方創生コンシェルジュに相談ができます。本日のお昼に新潟県、福島県の担当になりますコンシェルジュと、新潟県見附市長、福島県会津若松市長が出席をし顔合わせ並びに意見交換を行うものでございます。これは、規模の小さな市町村、おおむね人口5万人以下を考えておるところでございますが、そういうところに国家公務員などを派遣いたします地方創生人材支援制度、いわゆるシティマネージャーと言っておったものでございますが、それと相まって人的な支援を行い、地方公共団体による地方創生の取組を積極的に支援をするというものでございます。これもそんな簡単にできる話ではないのですが、地方創生コンシェルジュにつきましては、希望を募り、精査を行い、本日の運びになったものでございます。本日の11時半から8号館の講堂で名簿公表の詳細を御説明を申し上げる段取りになっております。

 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)今発表のありました「地方創生コンシェルジュ」についてなんですけれども、これまでの相談体制と違う点と、あと名簿の公表にどういった意義があるのか、どういった効果が期待できるかということをお願いいたします。
(答)これは最初から申し上げていることですが、こういうことをやりたいんだというときに、では、どこへ行ったらいいんだということがあって、もちろんまち・ひと・しごと創生本部に来ていただければいいんですけれども、そうはいっても、つても何もないよねということはよくあるお話でございます。それで一生懸命調べて、某省某課だろうなと思って行ったところ、いやいや、うちではないんだな、要件が合わないんだな。御苦労さまでしたみたいなことにすると、非常に意欲喪失というか、どうしていいかわからないということになります。例えば、鳥取県であればこういう人たちですよと、北海道であればこういう人たちですよということがあって、じゃ、その人のところへ行ったらば、特に親切に丁寧に相談に乗ってくれる。自分のところではないですよ、御苦労さまでしたということではなくて、それではこの省のこの人、あの省のこの人に紹介してあげる。コンシェルジュ自体も、なぜ鳥取県のコンシェルジュになりたいか、なぜ北海道のコンシェルジュになりたいか、土地勘とか愛着とかを持った人を選任しておるわけですので、話も早い。また、いろいろなことに複合的にというのか、相談に乗ってもらえるということで、とにかく地方創生をやるに当たって、国と地方との一体感というものをつくりたいと思っています。本当に一緒になってやるんだと、親切、正直、丁寧な霞が関が地方と一体となって、この地方創生を実現するんだというようなことを考えてやっているものでございます。内容はどんなことでも結構ですということでありますし、特にこの地方創生のPDCAとかKPIとか、あるいは自由な交付金をどういうふうに使ったらいいのかというのは、それはわからないこともございますので、とにかく親切丁寧に御相談に応じるということでございます。
(問)関連ですが、この871名という人数ですけれども、率直に大臣として多いか少ないか、当初期待したものと比べてどうでしょうか、印象がありましたらお願いします。
(答)本当に各省庁に多大な御協力をいただいて、871名というのは結構な数字だなというふうに思っております。実際にそれをやりたいよと言ってくれる人がいなければどうにもならないので、そんなことには興味も関心も何もないというような人を無理やりコンシェルジュにしても仕方がない。ですから、例えば自分はその県の出身である、あるいは赴任していたことがある。あるいは、俺はその県が大好きだとか何でもいいんですけれど、そういう動機があってなるわけですから、相談に乗ることを喜び、生きがいにするような人たちであってほしいなと思います。
(問)北海道でいうと、これ表を見ると63名もいらしてありがたいことだと思います。それで、この中にニセコ町とか下川町、紋別市とかと市町村まで書かれている方が中にはいるんですが、それはなぜなのでしょうか。
(答)特にニセコ町がいいとか紋別市がいいとか、そういう強い御希望があったものでございます。ただ、北海道の全部の市町村が個別に当たっているわけではないので、そうでないところはどうしてくれるんだということですが、それは北海道のコンシェルジュになった人がそういうところもカバーするというようなことに相成ります。特にこの市とかこの町とかこの村というのがあった場合には、それは尊重し、そういうような形でお願いをしているということでございます。
 実際やる前には、後ほど事務方からのお話もあろうかと思いますが、コンシェルジュというのは何をする人なんでしょうねと。「地方版総合戦略」をつくるというのはどういうことなんですかねとか、PDCAとかKPIとか「産官学金労言」とか、そういうようなことについて御理解をいただく、研修もやろうと思っております。また、これは実際制度を動かしてからのことですが、実際にうまく機能しているかどうかということも常に点検、改善をしてまいりたいと思います。せっかく相談に行ったら余りちゃんと相談に乗ってくれなかったということだと、何のためにこんな制度をつくったんだということになりますので、これから先、もうこれでおしまいではございませんし、また今回、特定の市町村を希望される方が全ての市町村にあったわけではないので、これから先追加とか、そんなこともあるのかもしれません。まず、とにかく動かしてみようということであります。
(問)関連でお伺いしますけれども、今回17府省庁ですが、例えば防衛省なども入っておりますけれども、ここに期待されている役割、追加されているところと、あと各省庁からは「ゆかりや想い」というものが伝えられているということなんですけれども、コンシェルジュですので、顔が見えないとなかなか相談しにくいところも小さな自治体であると思うんですが、顔の見えるような仕組みというのは何か考えられているんですか。
(答)防衛省も各地に防衛局もございます、九州防衛局とか関東防衛局とか北海道防衛局。そういったところは、実際に自治体とのお付き合いというのはすごくあるわけですよね。そういうことを通じて、自治体の相談に乗りたい。基地あるいは部隊が所在しております市町村は、実は防衛関係の交付税等々もこれあり、非常に重要な、まちの消長というのか盛衰というのか、そういうものを左右する場合もございます。そういうことで、それぞれの地域において防衛の果たしている役割というものを認識しながら、こういうようなことになったのではないかなというふうに思っております。
 顔が見えなければしようがないというのは、そのとおりでありまして、さればこそ、今日、新潟県見附市と福島県会津若松市が担当者と顔合わせを行います。これが新潟県の全ての市町村あるいは福島県の全ての市町村を代表するわけではありませんが、やはり顔合わせというのは大事なんだろうというふうに思っています。ですから、誰がどこの担当になりましたよということを当然同時に都道府県に対して発出するものでございます。そうすると、やはりどこが主催するかは別として、恐らく地方公共団体がやることになると思いますが、では、知事とか市町村長が来たときに、このコンシェルジュの人をお招きをして、一緒にその意見交換しましょうとか、懇親しましょうとか、その辺はもちろんいろいろな規則に則った上のことでございますが、そういうことをやることによって、やはり顔が見えてくる。どんな人だかわからないのに相談のしようもないわけでありまして、そういう機会を設けることについては、更に知恵を働かせていきたいなと思っております。
(問)「地方創生コンシェルジュ」と並んでもう一つの目玉である「地方創生人材派遣制度」の方なんですけれども、あちらの方ですと、当初の計画だと2月末までに内定者が決まるという運びだったと思うのですが、100市町村ほど予定されたと思うんですけれども、現在の進捗状況を聞かせてください。
(答)これはもうほとんどできるような状況になっております。近いうちにまたお話をさせていただくというような機会がございます。
 これも今御指摘のように、今回のコンシェルジュと並ぶ人材的な支援、つまり財政的な支援、情報の支援、ということで重要なものだと位置づけております。
 これも今後日程を詰めてまいりますが、研修を行い、あるいは出発式というのか、そういうものを行い、有効に機能するようにしていきたいと思っております。
 これはもちろん出す側だけの話ではなくて、受け入れる側も、いわゆる副市長とか副町長とかそういう形で受け入れる場合が多々ございますが、議会の同意等々が必要になるわけでございます。そうすると、そういうこととよく整合をとりながら来月の中旬ぐらいにはこういう形でございますというような詳細を御説明できる機会をつくれると思っております。そこに向けて作業を加速しております。
(問)先程防衛省のお話が出たのでちょっとお伺いしたかったんですけども、先日、与那国町で自衛隊の基地ができ、住民投票されましたけれども、賛成が多かったということで、こういった基地が、ある意味地方の振興に役立てたいという思いがあったということですけれども、自衛隊の駐屯地、基地が地方創生に資するというふうに大臣はお考えになられますでしょうか。
(答)これは私がお答えするのが適切かどうかわかりませんが、防衛省におりましたときに、特に北海道が多かったと思いますね。人口が減って減って、うちの町は、うちの村は駐屯地の削減ということが行われると、もうもたないんだと、大臣、頼むから、駐屯地なくさないでと、そういう御陳情を随分いただいたということがございます。ただ、防衛行政あるいは安全保障政策というのか、それは地方創生のためにやっているわけではない。つまり、北海道から九州・沖縄まで、我が国周辺の安全保障環境を見ながら、どこに何を配置するのが国家全体の独立と平和の維持のために、あるいは周辺地域の安定というものを維持するために必要なのかという観点が最優先されるべきものだと思っております。しかしながら、例えば北海道の場合には、非常に広大な土地がございますので、あるいは自衛隊に対する御理解も、長い年月の間に大変強く醸成されてきたということもあるので、どこに何を置くかというときに、防衛省として、全くその地域の状況というものを捨象して物事を考えるということはいたしません。やはりそこの地域において訓練がしやすい、そしてまた多くの方にお支えいただいているということも考慮の要素の一つでございます。当然のことですが、どこに何を置くかというのは、優先順位は我が国の周辺の安全保障環境ということになりますが、今御指摘のようなことを全く捨象して物事を考えているわけではない、それは今でもそうではないかと思います。
(問)大臣にちょっと細かいことを伺って恐縮なんですが、各府省庁別の人数なんですけど、17府省庁というのは、この資料を見る限り、地方創生推進室が1本で立っているので、これは17府省庁で合っているのかどうかということと、霞が関の全省庁からこういう相談員が出るという理解でいいのかどうか、申しわけありません、確認だけで。
(答)そういう御理解をいただいて構いません。外務省もありますし法務省もありますので全省庁で結構です。
(問)すみません、大臣、政治と金の問題で、閣内からまた新たに望月大臣の政治資金出資法関連の話が出てきています。このところ、西川大臣の辞任に続き、下村大臣の問題が相次いで出ていることについての受け止めと、政権に対する影響という部分について御所見をいただきたいと思います。
(答)全て報道ベースのお話なので、それの実相というのか実態というのか、それは当然あのような報道が出たからには、今回でいえば望月大臣ですか、昨日でいえば下村大臣ですか、それはこういうことだということを、つまり法に照らしてどうなのということは突然説明しなければいけないということだと思います。それはもちろん西川大臣は、私はそうしてきたと思いますし、望月大臣も下村大臣もそのようになさると思います。そこにおいて、なお得心がいかないということであれば、予算委員会で議論する。私は予算委員会というよりも、それはむしろ政倫審で予算とか法律とかとは切り離した形で非常に精緻な議論がそこにおいてなされる、そのために政倫審があるのかなと。あれができたときの経緯を考えれば、国会法を改正してまでやったわけですから、ただ、どの場で行うかはともかくとして、私どもが野党のときに鳩山由紀夫元総理の問題とか小沢一郎元民主党代表の問題とかいろいろあって、私も国会で何度もやりましたが、わざわざつくられた政治倫理綱領なるものに照らして、閣僚であろうがなかろうが、今回の補助金を受け取っていた企業から云々ということであれば、それは職務権限とは関係のないお話で、全て政治献金をする企業というものは補助金を受けてから1年以内はと、こういう規定になっているわけで、それは閣僚であるなしを問わず、政治倫理綱領には疑惑を─疑惑という表現だったかな、要するに、そういうようなものを持たれているということを感じたときは、自ら進んでそういうものを説明しなければならないというのが政治倫理綱領の大意であったと思います。
 それから、我々が政権にないときに、鳩山由紀夫元総理に政倫審に出てきて御説明してくださいということを申し上げ、政治倫理審査会もそのようにして出てくるようにというふうに言ったのではないかと記憶をしています。しかし、出てこられなかった。これは強制力を伴いませんので。ですから、やはり私どもとして、それは与党であれ野党であれ考えなきゃいかんことですが、そのために設けられた政治倫理綱領あるいは政治倫理審査会というものの活用というものは与野党と考えるべきことだと思います。それは政府の立場で政倫審を開けとか開くなとか言うような立場ではございませんのでこのような言い方になりますが、やはりそういう場が設けられている、そしてまた政治倫理綱領というものが定められているということをもう一度よく考えてみたいなと私自身は思っております。
(問)政権運営への影響は。
(答)それはわかりません。西川大臣の問題が取り上げられた後も世論調査というのはあったかと思います。そのことについてはコメントいたしませんが、やはり政権というものが、政治と金の問題を政権の側が御説明する、個々の大臣が御説明する。そのことで、ああ、そうだったんだというようなことを認識していただける努力ということを真摯に、誠実に果たすことによって政権の運営に対して支障なきよう期するべきではないでしょうか。

(以上)