石破内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年9月12日

(平成26年9月12日(金) 11:37~11:50  於:中央合同庁舎第8号館1階S106会見室)

1.発言要旨


 <まち・ひと・しごと創生本部の基本方針について>
 お待たせいたしました。
 本日、第1回、まち・ひと・しごと創生本部を閣議後開催いたしました。議題として基本方針を決定したところであります。内容はお手元の資料です。見ておいてください。
 それぞれの大臣から発言がありまして、総務大臣から、全国の自治体とも密接に連携しながら魅力あふれる地方の創生に全力で取り組む。厚労大臣から、全国一律のバラマキ型ではなく、人口減少を克服するための地域の効果的、効率的な社会システムの構築に取り組む。農水大臣から、農山漁村の所得を向上させ地域のにぎわいを取り戻すことが重要だ。経産大臣から、現場の声をしっかり聞きながらしごとの観点を中心に取り組む。国交大臣からは地方の創生、若者の仕事づくり、女性の活躍、高齢者にも住みやすいまちづくりに取り組む。環境大臣からは、環境対策によって地域経済の成長を図る。復興大臣から、新しい東北を創造するため活力ある高齢社会や地域資源の活用などについて、モデルとなる先導的な取組支援が重要である。有村大臣からは、地域の実情に応じた少子化対策の強化が不可欠であるという発言がありまして、総理から最後に発言があり、これはお聞き及びのとおりでありますが、現場に積極的に出向き、地域の魅力やニーズ、意欲あふれる取組を把握した上で、各府省の意見を伺いながら、従来とは異次元の、異次元という言葉が出ますが、異次元の大胆な政策をまとめていくこと。その際、各府省の縦割り、バラマキ型の対応を断固排除すること。地域の個性を尊重し、全国同じ枠にはめるような手法をとらないことを徹底すること、地方創生は待ったなしの課題である。改造から10日で基本方針を決定することができたが、このスピード感を持って進めようという発言があったところであります。
 今後、創生本部におきましては、50年後に1億人程度の人口を維持するための長期ビジョンと人口減少克服、地方創生の観点から制度政策を総点検し、改革を実行するための5カ年計画である総合戦略を年内に取りまとめるところであります。
 臨時会には、まち・ひと・しごと創生の基本理念などを定めます、まち・ひと・しごと創生法案を提出いたします。創生法案とともに、地方創生関連の法案を提出し、地域活性化関連施策のワンストップ化を実現するものであります。
 お手元にお配りいたしました資料のとおり、創生会議の有識者として12名の方々を内定いたしました。公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会会長の池田弘さん、倉敷市長の伊東香織さん、NPO法人グローバルキャンパス理事長の大社充さん、島根県海士町、隠岐島前高校魅力化コーディネーターの奥田麻依子さん、コマツ相談役の坂根正弘さん、NPO法人全国商店街おかみさん会理事長の清水志摩子さん、農業生産法人株式会社サラダボウル代表取締役の田中進さん、経営共創基盤代表取締役CEOの冨山和彦さん、NPO法人わははネット理事長の中橋恵美子さん、慶應義塾大学商学部教授の樋口美雄さん、東京大学公共政策大学院客員教授の増田寛也さん、帯広畜産大学監事・前小樽商科大学学長の山本眞樹夫さん。
 以上であります。幅広い分野から人口減少克服、地方創生についてすぐれた見識をお持ちの方々にお願いすることになりました。今後、所要の手続を行いまして、正式に御承諾をいただきまして、会議の構成員として就任をいただくと、かような予定になっておるところであります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)先ほど総理が異次元の大胆な政策を行うというふうにおっしゃっていましたが、この異次元の意味、例えば予算的なものなのか、それとも政策の新しさなのか、少し説明をお願いしたいということと、現場に積極的に出向いてとおっしゃっていましたが、大臣の具体的な予定等あれば教えていただければと思います。
(答)異次元というのは、金融緩和も異次元だというようなことでありまして、これは総理の御発言の意味というのは、私が忖度して申し上げることもいかがかと存じますが、要するに、今までの予算の組み方に、バラマキであるとか重複であるとか、なかったとは思わない。それをどういう手法でバラマキを排すか。あるいは重複を排すか。要は、お客様は国民なわけです。霞が関の論理とか政治家の論理というのが今までの次元であったとすれば、それは国民が一体何を求めているのかということに直接つながるという意味で、異次元ということだと私自身は理解しているのです。
 また、単年度主義でございますから、それがきちんと効果を発現したかどうか、もちろん基金というものもありますが、基金も使い残しがかなりあったりいたしまして、ですから国民と政治、政府との直結という意味、あるいは年をきちんと先を見据えてやるという意味、これが異次元の異次元たるゆえんではないかと私は思っておるところでございます。
 地方出張は、先ほども会議で副大臣、政務官、補佐官にも申し上げたところですが、まだみんな着任10日目とか9日目とか、そんな話であります。政務におきましては、何のために、どこに行くのかということをきちんとつくっていきましょうねと。ただ行ってお話を聞いてそれでおしまいということではない。それは平さんも小泉さんも伊藤さんも識見の高い方でありますので、そこへ行って、何を見てそれをどのように普遍化するかというのがなければだめなんだというふうに思っております。
 また、政務のみならず、この創生本部等々の職員も、そのマインドを持って地方に出ていかなければなりません。そういうことで答えは現場にあり、ということでございますが、それがなかなか見えないことがある。我々も随分出張しましたが、いいお話を聞く、それをまたいかにも会議っぽい会議で書かれたものを読む、そろそろ時間でございますので、みたいな話になる。余りそういうような地方に出向くやり方が大きな効果を上げるとは思っておりません。あえて言えば、この言葉も気をつけて使わなければいけないが、戦略的な地方への出向きということを、早急に体制をつくって実現したいと思っておるところであります。
(問)先ほど地方創生関連の法案の提出についてお話がありましたけれども、この法案の具体的な内容についてもう少し御説明いただきたいのと、有識者会議の今後の位置づけなんですけれども、どのように創生本部と議論を重ねていくのか、そこについても具体的に教えてください。
(答)具体的な内容が決まっていれば苦労しないわけでありますが、これは一種、基本法的なもの、ただ基本法と銘打つわけではございません。御承知のとおり基本法というのはその下に膨大な法体系がございますので、まだそういうような域に達したものではないが、かなり基本法的な性格、即ち理念というものをきちんと定めるということでございます。
 あるいは理念を定め、それぞれの役割を定め、そしてまたそれが実効が上がるような施策、仕組みを整え、ということでございます。その具体的な中身は、これから精力的に詰めてまいりますが、そういうようなイメージだと思っていただければ結構でございます。
 有識者会議というのは、それはこれからの議論でございます。どのように位置づけるかというのは、大きな論点でございますが、それはこの法律の趣旨にのっとって考えてまいりたいと思います。
(問)有識者会議の人選についてお伺いしますが、このメンバーですけれども、具体的に起用の理由と、今後どういったことを期待されるのか、その狙いについてもう少し詳しく教えていただけますでしょうか。
(答)起用の理由というのは、先ほど申し上げたとおりでございます。これはそれぞれの分野において、すぐれた見識を持ち、あるいは地域において確実な成果を上げているという方々でございます。
 例えば観光というものがある。これは大社さんにお願いしたわけですが、観光カリスマとも言われている方であります。では、観光の見地からどのようにして地方創生を図っていくのか。あるいは小樽商科大学の前の学長である山本先生は、地域における教育というものをどのように地方創生に生かしていくのか。あるいは商店街もそう、農業もそうです。それぞれの分野において、見識を持っている、かつ地域において確たる成果が上がっている。そういう方々を選ばせていただきました。
 もちろんこの分野もあるではないか、あの分野もあるではないかというと、これはものすごい数になるわけですが、この有識者会議とはまた別に、これは大臣のもとにという形になるかもしれませんけれども、それを固定的な会議で人間はかくのごとし、第何何曜日にやるのであります、みたいな形にすると機動的な運営ができませんので、これは政務あるいは事務方ともよく相談の上、そういうものも大臣のもとにつくっていきたいと思っています。
 ここは、やはり広い分野が必要だろうと思います。これは例えば冨山さんのお話など、私も本は随分読んだのだが、実際お話をこのテーマに関して直接聞くのは昨日が初めてでしたが、やはりなるほどね、ああ、そうなんだという、一種の目から鱗みたいな話がございますよね。それがプレゼンとして、非常に説得力を持つということもまた必要なことだと思っております。
 ですから、そういう方々に存分に発言いただき、私どもの知らないことを御教授いただき、地方創生のためにはあらゆる分野というものを総動員しなければならない。そしてまたそれが有機的に結合しなければならない。何でもいいから思いつくことをやってみようみたいな手法はとりませんので、そういう意味で全体的なつながりも念頭に置きながら、有識者の方々は御議論いただけるものと思っております。

(以上)