有村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年9月11日

(平成27年9月11日(金) 8:58~9:15  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 今日は私から特段御報告することはございませんので、御質問があればお受けいたします。

2.質疑応答

(問)おはようございます。毎日新聞の山田です。先日以来ちょっと質問している、妊娠のしやすさのグラフが掲載された高校生向けの副教材の件なのですけれども、先日の7日に、日本生殖医学会より理事長名でコメントが出されております。その内容等を御存じであれば、その受け止め、コメントをお願いしたいと思います。
(答)今日、山田さんから御質問があったのは、日本生殖医学会の苛原稔(いらはらみのる)理事長のことですか。
(問)(毎日新聞・山田記者)理事長名で、お名前の読み方は存じ上げませんが。
(答)はい。日本生殖医学会の理事長名で生殖医学会のホームページに今回の教材に対してのコメントが掲載されていることは認識をいたしております。
 そもそも、この若い世代に、正確に、妊娠・出産に関する医学的・科学的に正しい知識を得て、自らデザインを考える一助としていただくというアイデアは「少子化社会対策大綱」の議論から出てきており、また、日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本生殖医学会、日本母性衛生学会、日本周産期・新生児医学会、日本婦人科腫瘍学会、日本女性医学学会、日本思春期学会、日本家族計画協会という、それぞれの学会の皆様から、学会として、こういう正確な知識を若い世代の教育にしっかり入れていくべきだという御要請もいただいて、ここまでマスコミフルオープンで進めておりました。
 少子化社会対策大綱の策定のための検討会でも、また要望書も受けておりますので、こういう展開になっているわけですから、今回のことが高校生に伝える情報として適切だという、理事長名でホームページにお書きになっていただいていることは、真面目に、真摯に取り組んできたということを一定の評価をしていただいていると思って、ありがたいと受けとめました。
(問)(毎日新聞・山田記者)ありがとうございます。
 一方で、本日の夕方に、副教材なりグラフなりの撤回や回収を求める集会というのが開かれる予定になっています。その件について、御存じであれば受け止め、コメントをお願いします。
(答)そういう動きがあることは、今日ですね。
(問)(毎日新聞・山田記者)はい。
(答)詳細は理解をしておりませんけれども、そもそも、高校生が健康な生活を送るためにということで、防災のこと、あるいはたばこの影響、交通安全のこと、食生活のことなどが書かれている19、20という項目の中で、そこにはマタニティマークの紹介、あるいは妊娠したときにどういう休暇・休業が取れるかという、それぞれの社会的な休暇制度、時間外労働の制限や、どのような権限が与えられるかということもあります。不妊というものが元来、女性だけの問題と誤解されがちでしたが、これが男性由来でもある、あるいは原因がわからないということもあるということ、それから、ライフプランを考えることが大事ですよということ、それから、子供がどのような存在かという、お子さんが私たちに幸せをもたらしてくれる、あるいは無償の愛を捧げる対象だという世論の調査結果を書かせていただいています。
 また、妊娠・出産に影響を与えるものとして、特に若い世代に関わるやせ過ぎの問題、それから肥満の問題、それから、年齢が影響してくるということを書いているということですから、どこに問題があるのかということがあれば、まず、これをしっかりと見ていただきたいと思っております。
 当然、これが印刷されるまでには、内閣府と、それから文部科学省、とりわけ学校現場の先生方の意見なども反映されて、文部科学省の責任において出されていますので、相当な方々のいわゆるプレッシャーにならないように、それから、もとより妊娠・出産を、いつ授かるか、授からないか、あるいはいつにするのかということも含めて、それぞれ御自身が決められることであり、どのような選択をされてもそれは尊重されるべきということは、私も着任以来毎回、事あるごとに申し上げてきましたし、また、そのような検討会でもその価値は皆で共有をしておりますし、そういう発信にも努めてまいりました。
 そういう意味では、私たちの動きを正確に、まずは御覧になっていただきたいと思っております。
(問)(毎日新聞・山田記者)副教材の内容について、ページ数が四十数ページに及びまして、様々、高校生のこれからの人生を考えるに当たって非常に有用な内容がまとめられた教材だと思っておるのですけれども、その妊娠のしやすさのグラフについては、先ほど2件申し上げたとおり、賛否両論、様々な意見が世の中に出されている状況であります。
 高校生に向けた教材でありますから、いろいろな意見、賛否両論があるのを、そのまま伝えるのもいいかもしれませんが、一方の意見に乗ったもの、内容を伝えるというのは、やはり一定の反発があると思われます。
 そのことについて、もう少し社会、世の中の理解を得られるような方策というものは、これからとれないものでしょうか。
(答)今、山田さんから一方の意見とおっしゃっていただきましたが、バランスのとれた記述ということには相当の注意を払ってきています。これは文部科学省も内閣府も同じスタンスです。
 例えば、この45ページある高校生の副教材の中で、4ページをこの妊娠・出産、あるいは安心して子供を産み育てられる社会に向けてということに割いていただいておりますけれども、その中には、望まない妊娠を防ぐためにということで、主な避妊法、あるいは人工妊娠中絶ということでの母体保護法ということで、そのことも書いておりますので、当然ながら、産めよ増やせよという視点はありません。
 望まれるときに、それぞれの国民が子供を授かりたい、あるいは多くのお子さんを授かりたいというときに、それをしっかり支援できる社会の環境を整えていこうということで、保育園、幼稚園、あるいは認定こども園の受け入れ数を増やしたり、あるいは、その量と質の両方の向上を目指してきているということとも相まって、特定の思想というわけではないことは、ファクトを見ていただければお分かりになっていただけると思います。
 繰り返しになりますけれども、ここまでやってきたのは、3月の「少子化社会対策大綱」の発表、それに至るまでのプロセスも、全てマスコミにもフルオープンとして、その時々にも報道をしていただいておりますし、それから、この副読本を作るということも、その準備段階から皆様を通じて報道もしていただいておりますし、そういう意味では丁寧な手続を一つ一つ積み上げてきたという結果でございます。
(問)共同通信、瀬野です。おはようございます。2問ございます。
 1点目が、本日、衆院の方で労働者派遣法改正案、改正労働者派遣法が成立の見通しなのですけれども、一部で低賃金の働き方が拡大するという懸念もあります。派遣労働には今、多くの女性が就労されている実態もあるのですけれども、女性の活躍という観点から、どのように評価されていますか。あるいは、もし注文を付けるとしたら、どのようなことになりますでしょうか。
(答)今回の法改正が働き手、あるいは働いていただくその方を雇用する雇用主、また社会にとって、健全に運用されることを願っています。
 当然、いわゆる非正規の方々も含めて、パートには女性が多い、また、女性の中でも希望してパートを、働き方を希望していらっしゃる方、また、本意ならずという方々もいらっしゃいますから、その思いを丁寧に拾っていただいて、少しでも双方、また結果としての社会の福利が、また持続的な経営が可能な、両方のバランスがとれた形を、私としても、直接の所管外ではございますけれども、女性の活躍ということで、念じています。
 当然ながら、繰り返しになりますけれども、マタニティーハラスメントなどのあらゆるハラスメント、特に派遣の場合は派遣先、派遣元という関係があって、直接の利害関係が全て一致するわけではありませんので、そういうところでハラスメントのない職場環境を日本全体でその理解と具現化に努めていかなければならないと思っております。
(問)(共同通信・瀬野記者)すみません、もう一問お願いします。
 今日の夕方に、経済財政諮問会議がございます。もし御参加されるのであれば、経済界の方も参加されると思いますが、どのような思いをお伝えになられたいか、ちょっとお聞かせください。
(答)今日、経済財政諮問会議が官邸で開かれると理解をしております。その中に、私も臨時議員として参加をさせていただきます。
 やはり、子ども・子育て支援新制度がこの4月から、消費税を税率上げないという選択をされた中でも、格段の政治的配慮、それから政治的意思を明確にするということで予定どおり実施されましたので、それを引き続き実施する来年度に向けて、財源の確保に必死で頑張りますし、特に、その若い世代、取り分け、これから結婚しようとする、また現在の子育て世代に予算的配分をしていただきたいということを、心して御報告しようと思っています。
 もう一つは、やはり子供の貧困について言及をさせていただこうと思っています。総理も、子供の貧困対策は日本の未来への投資そのもの、子供たちの未来は日本の未来そのものだとおっしゃっています。なかなかその実態が社会から見えにくくなっている、そのお子さんを取り巻く状況の一端を、限られた時間でございますが、御報告させていただいて、そこに官民挙げての体制を作る、そういう準備をしていること、また、そこに御配慮をいただきたいことということを、経済財政諮問という中では御報告をさせていただこうと考えています。
(問)朝日新聞の伊藤です。よろしくお願いします。
 今の質問の関連なのですけれども、今日の諮問会議でアピールされることで、その少子化対策ですとか貧困対策を今、言及いただきましたが、新たに何かアピールされるようなことがあれば、教えていただければと思います。
(答)新たなアピールというのは、それ以外のトピックでということですか。今回、新たに目玉となるような提案や、スタンスを表明するということは特段ないのですが、当然ながら、地域少子化対策強化交付金、26年度補正で30億円ということですが、それを引き続きやりたいということ、それから、若い世代への金銭的なバックアップという意味では、結婚・子育て資金の贈与への税制措置なども、引き続き対策を着実に打っていきたいという表明はさせていただきます。
(問)おはようございます。フジテレビ、和田でございます。御公務とは関係ないので、印象、感想程度で結構なのですが、石破大臣が近く派閥を作られるということで、まず、一般論として、派閥についてどんなお考えをお持ちかということが一つと、石破大臣がこの時期に派閥を作られるということについて、どんな感想、印象をお持ちかという、2点であります。簡単にで結構です。
(答)石破大臣御自身がコメントされていると、報道で知りましたけれども、誰を出すかというよりも、何をやり遂げたいのかという、政策的なスタンスを明確にすることが大事だというふうに御発言されていると、報道で知りました。大事なことだと思います。
 誰がトップリーダーを担うのかというふうに、そもそも心ある方がその準備、心の準備、能力的な準備、それから人脈を作っていくというのは、日本の発展ということを考えてもそれ自体、そういう準備をしていただく方を複数抱えるということは、極めて大事なことだと思います。
 派閥ということに関しては、やはり政策を磨いていくという集団、また、新たに入ってこられた議員、代議士がしっかりと、どのように勉強するのか、どのように有権者と向き合うことができるのか、どのように次の選挙に勝てるように先輩からノウハウを教えていただくのか、その人間的な器やマナーを磨いていく、そういう機会というのは、実際に一定、今でも機能していると思いますので、それ自体を否定するものではありません。

(以上)