有村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年9月1日

(平成27年9月1日(火) 9:25~9:36  於:官邸3階エントランスホール)

1.発言要旨


 女性活躍担当大臣としてまず御報告をいたします。
 9月4日金曜日14時より、六本木の国立新美術館において、日本トイレ大賞の表彰式を開催いたします。
 本日も防災訓練がございましたが、東日本大震災などを経験して、私たちは日頃の何気ない暮らしこそが幸せの原点そのものだと改めて気付かされます。そういう意味では、誰もが毎日何度も使用するトイレを快適な空間とすることは、日々の暮らしの質を向上する上でも極めて重要だと考えております。また、お手洗いは個室ゆえに性犯罪の現場、あるいは自殺の現場などにもなり得ることから、安全で安心できるトイレ環境を実現することも大事だと認識しております。
 先週末に開催されました「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム(WAW!2015)」、「WAW! for All」においても、クラーク国連開発計画(UNDP)総裁、バングーラ国連事務総長特別代表、ワドワ駐日インド大使などにもプレゼンテーションを御一緒にしていただき、トイレを通じた女性のエンパワーメントについて、大変熱心な御議論をいただきました。
 日本トイレ大賞は、このような考え方の下、トイレに関連する優れた取組に対し、私を始めとする関係の大臣から表彰を行うものです。378件に上る応募案件の中から、例えば防災、あるいは防犯、あるいは女性活躍、男女共同参画の視点、様々な課題を解決するための創意工夫や、長年にわたる取組など、優れた案件28件を表彰させていただく予定です。
 詳細は、すべての女性が輝く社会づくり推進室までお問合せをいただきたいと思います。
 2点目の報告です。これは少子化対策担当大臣としてです。
 日本産科婦人科学会は、不妊の定義をこのたび変更されました。これまで、妊娠を希望する男女が2年以上妊娠できない場合を不妊と定義されておりましたけれども、これを1年に短縮することを、8月29日の理事会において正式に決定されました。諸外国の例などを参考にされたと伺っております。
 この定義の見直しによって、子供を望む男女が、不妊に関してより早い段階で専門家に相談したり、受診や治療の選択の機会を得て、早い段階で不妊治療をされるということは、お子さんを授かる確率も高くなりますので、一人でも多くの方が、その希望の実現につながることを期待しております。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)今日から9月ということで、昨日で「ゆう活」の取組というのが一応終わったかと思うのですけれども、まだ実施率の集計はこれから先だというふうに伺っていますけれども、まず終えたことについて受け止めをお願いいたします。
(答)昨日の夕方までということですから、私自身、虚心坦懐、いろんな国家公務員の皆さんにメリットがどういうものか、デメリットをどう感じたかということを個別にヒアリングをしてきましたけれども、集計を待ちたいと思います。
 省庁によって、あるいは部門によって、あるいは国会対応のあるところ、ないところによってかなり差が出たなという認識は漠として持っておりますが、詳細を集計し次第、また皆様にフィードバックをさせていただければと思います。
(問)毎日新聞の山田です。
 先日、妊娠のしやすさを示す高校生用の副教材でグラフの誤りが発見されたわけなのですけれども、その原因について、有識者から提供されたグラフ自体が誤っていたということなのですが、この図版を提供した有識者自身について、内閣府の方でも前からお世話になっている方だと伺っておりますが、どのような責任があると大臣の方ではお考えでしょうか。
(答)まずは文部科学省始め、教育関係者の方々に、正誤表をお配りいただくなど新たに大変な手間をおかけてしまったことに、内閣府特命担当大臣として心からおわびしたいと思っています。前回の記者会見でも申し上げた通り、明確に我が方に非があると思っております。
 今、山田さんが御指摘いただきましたように、有識者から御提供いただいたグラフ、これは女性の妊娠のしやすさの年齢による変化のグラフですけれども、それを別のセカンドオピニオンといいますか、別の有識者にも御覧になっていただいた上で掲載してきたわけですけれども、残念ながらお二方ともクリアランスをしてしまって、そのまま載せたということでございました。
(問)その責任についてはどのようにお考えですか。
(答)御本人も、本当に大変申し訳なかったという思いでいらっしゃいます。日本の少子化対策に大変貢献をしてくださっている方々でございますので、データの勾配の誤りがございましたことを奇貨として、正確な情報、医学的・科学的に正しい情報にしっかり正していただいて、今後とも共に専門的知見を日本の未来のために活かしていただきたいと切に願っております。
(問)その有識者の方は、図版について誰が作ったか分からないという御発言をされているのですけれども、誰が作ったか分からないような図版を提供し、教材に載せ、もう既にインターネットでその図版は拡散されています。やはり非常に責任が重いと思うのですが、その点、有村大臣、内閣府として責任を明確にされ、その有識者の方の名前を公表されるなどのお考えはありますか。
(答)山田さんが知っておられて、お書きになった報道は承知しております。どのような御発言、やりとりが取材の中であったかという経過を私は承知しておりませんけれども、今度の正誤表には出典も明確にして、学会で発表された方の名前も全て正確に、as isで詳細を載せる正誤表を用意させていただいております。
 以上です。
(問)フジテレビの和田です。おはようございます。
 明日久しぶりに規制改革会議が開かれるようなのですが、今後の取り進め方というテーマのようですが、大臣御自身としては具体的なテーマ、あるいはフォローアップも含めて、これから規制改革会議、何を採用されるのか、今回の。
(答)いろいろな分野がございます。現在のメンバーでは来年の6月までの答申に向けて恐らく最後の4回目ということで、このメンバーでは恐らく最後の1年になっていきます。今幾つかの課題ということで、ワーキンググループも含めて、どのような布陣になるかという議論をしておりまして、明日それが確定していくことになろうかと思っています。
 私個人的には、やはり2020年オリパラもございますし、インバウンドでやってくる外国人の方々をどのように安全に迎えるか、またキャパシティーを担っていくか、その分野にしっかりと投資をしていただくかということに関しても当然議論の大きな柱になるかと思っております。
(問)共同通信、瀬野です。
 副読本の件でお伺いしたいのですけれども、大臣は常々妊娠・出産に関しては多様な選択肢があるので慎重にということをおっしゃっていたのですが、今回教科書の副読本の発表を受けて、4ページの構成の仕方が、高校生に対してプレッシャーになるのではというような指摘というか、思いは増しているのですけれども、趣旨は分かるのですが、この表現の、伝え方について、大臣はどういったお考えをお持ちでしょうか。
(答)プレッシャーがあるということを直接は認識しておりませんでしたが、一般的には20代での高い妊娠力が徐々に下がっていって、40代では妊娠が難しい状況だということは、生物学的に、医学的には明確に指摘されているところであり、今回グラフの勾配に誤りがあった、専門家の出していただいた資料にセカンドオピニオンをかけたとはいえ気付けなかったことは明確な非でございます。
 同時に、妊娠・出産に関する医学的、科学的に正しい知識を男女共に若いうちから知っておくことは、やはり大変重要であると考えております。そういう意味では、今回不妊ということが今まで2年と国内ではされていましたけれども、国際的な基準から1年ということもお考えになられたということで、学会が判断されていますので、少しでも御本人たちの希望がかなう、それを応援できる土壌を日本社会として用意したいという、スタッフや私の強い気持ちは変わりません。その変わらない、また強い思いで皆さんに正確な情報を基に知っていただいて、それぞれが選択をされ、どのような選択をしてもそれが尊重されるという社会、また、マタニティハラスメントなどのハラスメントのない社会、結婚のステータスでのハラスメント、子供がいるかいないかのハラスメント、あるいはマタニティ、育て方へのハラスメントがない社会を同時に作っていく努力も抜かりなくやっていきたいと考えております。ゆえに、今回のグラフのことは大変残念であり、その非は率直に認めた上でおわびをしたいということですが、その姿勢には変わりはございません。

(以上)