有村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年6月30日

(平成27年6月30日(火) 9:11~9:35  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 皆様、おはようございます。共生社会政策担当の大臣として御報告いたします。
 今朝の閣議におきまして、明日7月1日から31日までの1か月間、「青少年の非行・被害防止全国強調月間」を実施する旨、発言をいたしました。この月間は、昭和54年以降毎年行っております。昨年は、残念ながら、児童虐待や児童ポルノ事件の被害児童数が過去最多となったほか、本年2月に神奈川県川崎市で起こった大変痛ましい事件など、青少年が被害者や加害者となる、社会の関心が高い事件も数多く発生しています。こうした状況を踏まえて、期間中、関係省庁、地方公共団体及び関係の団体等と連携を強め、青少年のインターネットの適切な利用に向けたリーフレットを配布するなど、青少年の非行や被害防止に向けた広報活動を集中的に実施いたします。
 特に、いじめや暴力行為に悩み苦しむ子供たちのSOSを受け止める相談窓口「24時間子供SOSダイヤル」の周知徹底を図ります。番号は0570-0-78310、最後の五つの数字を「なやみいおう」と覚えていただけるとありがたいです。ナビダイヤルのため、全国どこからでもお近くの教育委員会の相談窓口につながるようになっています。詳細については、内閣府共生社会政策担当までお問合せをいただきたいと思います。
 二つ目の御報告です。行政改革担当としてです。今日の閣僚懇においても発言をいたしましたが、行政事業レビューについては、6月2日から29日までの間に、各府省によって公開の行政事業点検、いわゆる公開プロセスを予定どおり行っていただきました。66事業を対象に行った各省の点検の結果は、廃止が2事業、事業全体の抜本的な改善とされたものが21事業、事業内容の一部改善を指摘されたものが39事業、現状どおりが4事業となっています。
 今後、国が行う約5,000全ての事業について、各府省において総点検を行っていただきます。その際、今般の公開事業点検での指摘、あるいは過去の秋のレビューなどで指摘した内容をしっかり受け止めていただきたい、また、厳格な自己点検を行っていただきたい旨、閣僚懇において各大臣に要請をいたしております。詳細については、行政改革推進本部事務局にお問合せをいただきたいと思います。
 私からの冒頭の発言は以上です。

2.質疑応答

(問)日経新聞、甲原です。おはようございます。
 明日から「ゆう活」が始まりますけれども、テレビCMなどで結構、徐々に機運が高まっているようにお見受けしますけれども、改めて意気込みと、明日からの「ゆう活」についてちょっと思いなどをいただけると助かります。
(答)明日7月1日から、「ゆう活」の本格実施を行います。安倍内閣を挙げて、特に私が担当させていただいております女性の活躍、あるいは少子化対策担当、あるいは国家公務員制度担当、この三つが主体的に立ち向かっていかなければならないのは長時間労働の是正です。そういう意味では、内閣挙げて長時間労働の是正を大事な目標に掲げております。その一環として、今年初めてのキックオフとなる「ゆう活」を是非とも成功させたい。来年以降につながるような長時間労働の是正が実際になされ、そして少子化担当大臣としても、夕方以降のおそらく子供がお風呂に入る時間までには、父親と母親を家庭に戻したい。こういう世界では当たり前のことが日本はなぜこんなに難しいのかという思いを問題意識として私自身も持っています。家族をお持ちでない方も、自己研さんに励んだり、あるいは大事な自分のゆとりの時間で今後を考える、そういう経験は必ず人生の糧になりますから、そういう経験を国挙げて、特にこの霞が関、永田町でやっていきたいと思っております。ノウハウをためることも今年一年の大事な目標であろうかと思います。
 お聞き及びかもしれませんが、各省庁で大臣、副大臣、政務官が事務次官や官房長などと手分けしてしっかりと夕方に省内を回るということもやっていただく予定でございます。私もその見回りに入らせていただく予定ですが、確かにプラスだったと思ってもらえる方がどのくらいいらっしゃるのかを引き続きモニタリングしたいと思います。もとよりいろんな事情で参画できないという方もいらっしゃいますが、この分野は楽しむことも大事ですので、朝の新鮮な空気、気ということを楽しんで、夕方には帰りますといって、それがクールワークだなと、いい働き方だなと周囲からも受け止められるような上司のあり方、組織、職場の意識のあり方の転換を図る一歩にしたいと思っています。
 国会がかなり大幅に延長されますので、国会の通告という観点からは、この「ゆう活」でみんな「この時間を大事にしよう」というメッセージを出しながら、願わくば与党のみならず野党の先生方にもこの趣旨を御理解いただきまして、発言権は一貫して尊重しますので、質問通告はできるだけ早く出していただきたい、前々日の夜6時までに出していただけると本当に職員の皆さんありがたいという率直な声を異口同音に聞きますので、その中での提出時間をちょっとでも早くしていただく契機の一つになれば大変ありがたいと思っております。
(問)(日経新聞・甲原記者)大臣御自身は何か「ゆう活」の取組とか、早く帰るとか、そういうようなのはありますでしょうか。
(答)私の秘書官の中では、夕方4時過ぎ以降に突発的な事項以外のレクは原則としては受けたくありませんというメッセージを出されると聞いていますので、それも一つだなと思っています。
 私も「ゆう活」を進める職責をお預かりしている一人でございますので、私がネックにならないように、適切な時間に帰って、私が動くか動かないかで随分多くのの方々の夜の働き方も変わってくるということを痛感していますので、自らに言い聞かせて実践をしていきたいと思っています。
(問)おはようございます。フジテレビ、和田でございます。
 行きがかり上、ちょっとやはり繰り返しになってしまうのですが、質問をせざるを得ないので。例のオリンピックの五輪スタジアムの件です。私、以前質問させていただいたときに、1600億円台というようなことを前提に質問させていただいたのですが、やはりというか、予想以上に2520億という金額で決着を見たということのようなのですが、やはりこれは最近の北京オリンピックだったり、以前に例を挙げさせていただきましたがロンドンオリンピックだったりと比較をしても、それからその後、私はJリーグのスタジアムはどのぐらい金がかかっているのかななんて思いまして、ちょっと調べたのですが、もちろん目的も違うわけですが、100億から600億ぐらいで大体建設しているのです。
 なおかつ、以前も申し上げましたが、IOCですらコンパクトなオリンピックを標榜している。そして何より気になるのは、やはりオリンピックのチケットなんてそう安いものじゃないですから、行けないよ、行けないわというような方々にも、行革を強いているという中にあっては、やはり2520億円というのは理由が立たないというか、行革の対象であろうと私は信じて疑わないのであります。
 例えばこれ、荒っぽいことを言ってしまえば、仮に1000億でスタジアムを建てて1500億余れば、保育園の500個でも造れるだろうなんていう気もいたしまして、やはりこのオリンピックスタジアムに2520億円かけるというのはその後のランニングコストを考えても、これはまさしく、間に合う、間に合わないの問題はあるにしても、行革の対象であろうと信じて疑わないのですが、御所見をお伺いをしたいと思います。
(答)御指摘拝聴いたしました。
 国家の威信をかけて2020年のオリンピック・パラリンピックを成功させなければなりません。これが大前提です。またラグビーのW杯もありますから、それらに向けて、費用の制約、時間の制約、また資材、マンパワー、建設業界のなかなかに厳しい制約、それから技術の難しさ、様々な要素が絡み合います。デッドラインもおのずからございますので、今回オリパラ担当大臣として遠藤大臣が着任されましたし、まずは整理をしていただくことに全力投球していただけるものと思っています。全貌が明らかになり、ゴーサインが鳴り、着々と、というときには、当然どの分野も行革の範疇から聖域化するという意図はございませんので、そういう目で見ていきたいと考えます。
 以上です。
(問)(フジテレビ・和田記者)これはお答えいただかなくて結構ですが、下村さんもデッドラインがある、これをもう建設の計画を、これはお金がかかるのですが、私もちょっと建設も少し勉強したことがあるのですが、そもそもお金のかかる設計をコンペで選んでしまって、こういうことになっているのですが、ある種こういうデッドラインができてしまった。そのデッドラインがあるからやむを得ないのだという論理は、これもしかするとそれを本当に理由にするのであるならば僕は、大臣がではないですよ、失政ではないかとすら、実は思っておりますので、またでありますが、もし必要なときには勇気を持って御発言をいただきたいと思います。
 お答えは結構です。
(答)御指摘承りました。ありがとうございます。
(問)共同通信の工藤です。おはようございます。
 昨日、「さんきゅうパパプロジェクト」のキックオフのシンポジウムがありましたけれども、その場でシンボルマークの発表だとかありましたが、「キックオフ」という名前がついているからには、その後も取組が様々なところでなされると思うのですが、今後のさんきゅうプロジェクトの予定だとか、あのシンボルマークがどういったところで使われるのかというのを教えてください。
(答)昨日、内閣府の講堂で「さんきゅうパパプロジェクト」のキックオフを行いました。そこには、人口問題の委員長でいらっしゃいます経団連の岡本副会長、それから全国知事会を代表して内堀福島県知事にもお越しいただきました。基本的には「さんきゅうパパプロジェクト」も、パパが配偶者の出産直後に休暇あるいは休業を取るということです。これも狙っているのは長時間労働の是正や新しい命が誕生したときにやはり父親の存在、プレゼンスをしっかりと見せていく、経験していただく、そしてそのライフイベントに対する経験を持って御自身のキャリアにもいかしていただきたいということのキックオフでございました。
 基本的には、官邸にもその後総理にも御報告に上がりましたが、フリーユースのシンボルマークでございます。そしてホームページからどなたもダウンロードして、例えばマグカップに使う、あるいはノートに使う、名刺に入れるということも自由にしていただけるようにしていきたいと思います。
 今後5年間を集中取組期間としている少子化社会対策大綱では、配偶者が出産されたそのときに休暇をとる人を、男性で8割の休暇取得率にしたいという大胆な目標も掲げています。また休業という意味では13%を目標に掲げています。現在2%強でございますから、相当多くの方々がこの存在に気付いていただけるようにPRをしていきたいと思います。
 現在のところ、特段ここでイベントをまたしますという予定は考えておりませんが、これから順次そういう発信はしていきます。そのためのキックオフだったと認識しております。
(問)(フジテレビ・和田記者)肝心なことを忘れておりました。
 規制改革の実施計画が間もなく決まるのだと思いますが、御自身に評価を求めるというのもちょっとおかしいですが、大臣御自身はどんな評価をされますでしょうか。
(答)いろいろな分野での提言を有識者会議でおまとめいただいて、それを総理がお受けになっていただいて、政府として実施計画を間もなく決定することになります。国民生活に大きな影響を与えると考えられる重要な改革の事項が数多く盛り込まれています。同時に私自身、率直に認めますが、今後関係省庁で検討するという書きぶりもございます。そういう意味では、その改革の理念、何のためにその改革を行うのか、その実利が国民に還元されるにはどのくらいかかるのか、かつて理念を持って行われた規制が果たして今の時代に適合しているのか、そういう目で骨抜きにならないようにしっかりと注視させていただくというポーズも明確にしたいと考えております。
(問)(フジテレビ・和田記者)それと、去年から今年にかけて農業、医療と大きなもの、規制改革の中にあったわけですが、これなかなか難しいと思うのですが、そもそも総理のおっしゃるところの第三の矢の一環であるとは思うのですが、成長戦略には短期的に、あるいは中長期的にどのくらい効果があるものだとお考えでいらっしゃいましょうか。なかなか数字は難しいと正直言って思うのですが。
(答)どのくらいというのが、金額ベースなのか、定量的な表現をするのが適切かは現時点では分かりませんけれども、当然、成長戦略に資するという視点で、有識者もそして私たちも実施計画をまとめておりますので、少なくとも使い勝手が悪くなったと言われることのないように気を付けたいと思います。
 農業も正に今、本国会で審議していただいておりますし、医療に関してはこれから、私の担当している分野でも医薬分業を推進するというスタンスを明確にしながらも、患者さんの利便性・安全性を高めたい、そのコストに見合っただけのサービスを受けているのかどうかという率直な国民感情もございますので、それを丁寧に説明していく、丁寧に見ていくことを厚生労働省ともやっていきたいと思っております。
 ここは思った以上に関心が強いなと思っていますし、行革の方ではジェネリックの使用促進ということで報道機関、あるいは特番などもこの週末になされましたから、そういう意味では、世論の受け止め方、また直接の利害関係である業界の方々、指導官庁である厚生労働省、そして財政再建の視点からの大事な削減の調整をしていくことの一角を担わせていただきたいと思っております。
(問)毎日新聞の山田です。
 行政事業レビューなのですけれども、有村大臣が力を入れていらっしゃる担当の女性活躍や少子化についても抜本的な改善が必要という指摘がなされていますが、大臣としてはどういう部分に問題があり、どういう改善を図っていきたいかということを御所見をお願いします。
(答)御指摘のとおり、少子化担当大臣の所管であります地域少子化対策強化事業が内閣官房・内閣府の行政事業レビューの公開プロセスに載りまして、評価としては「事業全体の抜本的な改善」というカテゴリーに載りました。私自身は今回、経済産業省の公開レビューに参画をさせていただきましたが、自分の所管ということもあり、ここの部分には見学をしていなかったわけでございますけれども、行革担当大臣として、また少子化担当大臣として、両方の視点で詳細の報告を上げていただくように今朝、指示したところでございます。
 ちょっとその場にいなかったので、詳細を把握はしておりませんけれども、恐らく全国知事会から要望があった30億円ではないかと考えられます。この要望はあるのですが、では、そこでどういう成果目標、特に定量的なターゲットを何にするのかというのが自治体によっては必ずしも明確ではなかったというラインは聞いておりますので、その詳細を見てみたいと思っております。
 決して少子化対策が必要ない、というニュアンスでの御指摘とは全く思っていませんので、全国知事会の皆様とも、あるいは地方公共団体の皆様、手を上げてくださる方々にも当然ながらモラルハザードのないように、そして国民の税金からこのような施策を打つわけですから、その効果をしっかりと見ていかなければいけないよという、そういう意味での圧力は強めていきたいと思っております。
 女性活躍推進に向けた取組に必要な経費という事業名がどのことを指しておられるのかについては、これから詳細を見てみます。
 もう一つ分かっていただけることは、去年から行政事業レビューについては、時の内閣が最重要事項と考える施策も聖域にしないということを総理から厳命されていますし、そして聖域にしないことは極めて大事だということを地方創生の石破大臣も、また女性活躍の私も明確にそのスタンスを冒頭から申し上げてきましたので、逆に今日報告を聞いて、少子化や女性活躍がちゃんと俎上(そじょう)に乗っていて指摘を受けているということは、私はある意味では健全なことだという印象を持っています。
 女性活躍推進に向けた取組に必要な経費ということについては、ちょっと漠とした報告しか現在の時点で受けておりませんので、詳細を見させていただく機会を与えていただければと思います。当然私も行革の目で厳しく見ていきます。

(以上)