有村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年6月26日

(平成27年6月26日(金) 9:09~9:25  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 皆様、おはようございます。
 女性活躍担当大臣として報告をいたします。
 本日、閣議前に、「すべての女性が輝く社会づくり本部」の第2回の会合を開催いたしました。本日の会合では、「女性活躍加速のための重点方針2015」を決定いたしました。女性活躍の取組を更に加速させるための「重点方針」は、今年から新たに策定するものであります。今後は、毎年6月をめどに決定し、各省の予算に反映していきます。
 「重点方針2015」では、国内外で指導的地位を担い得る女性の人材プールを作るとともに、男女の働き方・暮らし意識の変革などに貢献できる、インパクトのある新たな取組を打ち出しています。
 本日の会合では、最後に総理から、女性活躍推進法案の早期成立と国を挙げた取組の促進、科学技術分野で力を発揮する女性の育成と一貫した支援、ワークライフバランスを推進する企業を公共調達でより幅広く評価する枠組みの導入などを、関係閣僚が一丸となって推進するようにと、また、「マタニティ・ハラスメント」などあらゆるハラスメントの根絶、公共トイレの改善を通じた快適・安全な空間づくりなど、女性活躍のための基盤となる施策を充実し、推進していただきたい等の御発言をいただきました。
 「重点方針2015」に掲げられた施策について、できるものから速やかに着手し、政府を挙げて強力に推進をしていきます。
 2点目の御報告です。少子化対策担当として御報告いたします。
 来週月曜日、6月29日に、内閣府の講堂、8号館の1階において「さんきゅうパパプロジェクト キックオフシンポジウム」を開催いたします。
 今年3月に閣議決定した「少子化社会対策大綱」においては、「男女の働き方改革」を重点課題の一つとし、男性の、配偶者の出産直後の休暇取得の促進を新たな施策として打ち出し、この取得割合を5年後、2020年には8割にするという目標を初めて掲げております。妻の出産直後に男性が休暇を取得し、家族との時間を過ごすことで、新しい命が誕生したその時点から父親であることを実感し、家族の結びつき、信頼関係を深め、これからの育児や家事につなげていただけるものと考えます。当然、働き方やライフスタイルを見直すきっかけにもなります。
 内閣府では、「さんきゅうパパプロジェクト」として、経済界や地方自治体とも連携し、パパこそが「産休」を取ろうというキャンペーンを実施いたします。そのキックオフとなる29日のシンポジウムでは、大臣として私も出席いたしますが、岡本圀衞(おかもとくにえ)経団連副会長、日本生命の会長でもいらっしゃいます。また、内堀雅雄(うちぼりまさお)福島県知事にも御出席いただき、御挨拶をいただくとともに、事例発表やパネルディスカッションを行います。あわせて、キャンペーンを進めていくための新たな「シンボルマーク」を公表する予定であります。
 少子化対策や女性の活躍を進めるに当たり、男性の行動や意識改革、男女のライフスタイルの見直しが不可欠です。「さんきゅうパパ」を、そのきっかけの一つにしたいと考えております。皆様にも、是非、積極的に御関心を持っていただければありがたいと存じます。
 詳細は、子ども・子育て本部までお問合せをください。
 私の方から、以上2点申し上げました。

2.質疑応答

(問)共同通信の笠井と申します。おはようございます。
 すみません、自民党内の昨日の動きについて2点お伺いします。
 まず1点目なのですけれども、山本幸三元経産副大臣が派閥の会合で、国会の会期延長について、「ここまで長期延長し、ごり押しするようなやり方が本当にいいのか個人的に疑問だ」と首相を批判する発言があったことについてが1点目です。
 2点目が、自民党の若手議員の勉強会で講師として招かれた作家の百田尚樹さんが、「沖縄の二つの新聞はつぶさなきゃいけない」と、報道の自由に対する挑戦と受け取れるような発言をしたことについて、大臣がどう思われるかをお願いします。
(答)山本先生の御発言に関しては、私も今朝の報道を見る限り確認をしておりませんでしたので、それが今、記者さんがおっしゃっていただくような総理への批判となるのかどうかも含めて、私自身ちょっと確認ができませんので、聞き置きます。御真意を確かめられる術が今ないので。
 それから、もう一つの自民党の有志の議員連盟の講師の方の発言は、あくまで外部から有識者として招かれた方の御発言ですから、それに対して政府の閣僚がとやかくというところはないのかなと。ただ、私も今日の新聞を見て、随分強い御表現ではあるなというファーストインプレッションは持ちました。どうしてなのか、どうしてそう思われるに至ったのかということは、今朝の私が読んだ記事にもなかったので、その前後の文脈をあずかり知らない中での軽々なコメントは控えますが、ちょっとそのタイトルだけ見ると、随分強い御発言だなという印象は、今朝、食卓で記事を見ながら思いました。
(問)毎日新聞の細川です。おはようございます。
 先ほど、女性の輝く本部の決定の中で、安倍総理が最後の発言の中で、「政治分野での女性の活躍も大変重要な課題である。各党の協力もいただいて前に進めていただきたい」ということをおっしゃったのですけれども、女性の政治への参画というのはかなり遅れていると言われている中で、総理がこのような御発言をされたということなのですが、大臣のお考えを。
(答)総理もよくおっしゃっていただいたなというふうに思いながら拝聴をいたしておりました。
 世界の中で女性の地位向上、あるいは積極的な社会への参画を地球レベルで考えたときに、いろいろなランキングがあるわけですが、日本の地位を測るランキングの中で、日本のポジショニングを大幅に落としているのが女性の政治参画の部分、とりわけ、地方議会もそうですが、国政においての女性の議員の数が他国に比べて少ないところです。教育分野、衛生分野での女性の地位は相当高いわけですが、政治の参画の部分で足を引っ張っているという認識は、総理にも、当然私たち、また現局にもございますので、ここの分野を避けて女性活躍は通れるわけがないという危機感をみんな当事者として持っていると思います。ただ、やはり誰を候補者として、誰を当選者としていくかというのは、主権者たる国民が投票してお決めになられるところなので、そういう意味では、まずは各政党で自主的にやっていただくということを促すような、そういう検討を俎上(そじょう)に乗せることを私たちがどれだけ行政の立場で言えるか、そして、そういう機運に持っていけるかどうかというところが課題だなと思いながら総理の御発言を拝聴していました。
 当然、この記者会見でも申し上げていますが、この5月に担当大臣として全国市議会議長会、及び全国町村議会議長会に対し、議会欠席の理由として「出産」を明確に標準会議規則に書いてほしいという検討のお願いをしに行きまして、全国市議会議長会、全国町村議会議長会とも、それぞれの標準会議規則を変えていただきました、5月中に変えていただきまして、これから全国の市議会、町村議会でも、その標準会議規則に基づいた議会の取決めがなされるでしょうから、それから、全国の都道府県議会でも3県、「出産」という規定がない県がございますので、5月に、それぞれ3県にお願いをしているので、今回の6月議会、7月が終了するときには、3県とも、今後、それぞれの会則の改正がなされるかと思っております。それが終わった時点で、確認できた時点で、また皆様に御報告させていただければと思っております。
(問)朝日新聞の畑山です。
 「重点方針2015」の中で、女性の活躍を支援する税制・社会保障制度の中で、個人所得課税について、各種控除や税率控除の一体的な見直しを検討するというふうに入っていまして、「骨太の方針」の素案の方でも、今回、税制と配偶者手当について、女性が働くことで世帯所得はなだらかに上昇、就労に対応した保障というような文言も入っていますが、これは今後、具体的に検討されていく何か段取りとか、大臣の中でお考えはあるのでしょうか。
(答)今回の「重点方針2015」を定めるに当たっては、「すべての女性が輝く社会づくり本部」も、各閣僚に御出席いただいていますし、各省庁のすり合わせをした上で発表させていただいております。そういう意味においては、その表記で私ども内閣府のみならず、この方針でやっていくということは政府の方針ということになっていきます。第4次男女共同参画基本計画期間中のできるだけ早い時期に、この税制や社会保障制度の見直しを行うということで、現在はここで合意をいたしておりますけれども、できるだけ早期にということが文字どおり早くに行われるよう鋭意努力をしていきたいと思っております。ただ、当然ながら、税制、社会保障という国民の暮らしに直結する部分でございますので、内閣府だけというわけにはいきませんし、これは自民党税調、与党税調もございますので、ここで明確なタイムラインは申し上げられる段階にはないということでこの表記になっております。大事なことです。
(問)共同通信の工藤です。おはようございます。
 昨日の話なのですけれども、下の子供を出産して育休を取った場合、埼玉県の所沢市が子供を退園させるというふうにしたのは違法だとして、所沢市に退園の差止めを求める訴訟をさいたま地裁に起こしたのですね。それに対する受け止めと、原告の方々が近く、有村大臣に、問題の解決を訴える要望書を提出する予定らしいのですけれども、この問題に対する対処をどのようにお考えになるのか教えてください。
(答)一連の報道は当然ウォッチしております。子ども・子育て支援新制度においては、保護者が育児休業を取った場合、既に保育所を利用している子供については、保護者の希望や地域における保育の実情を踏まえた上で、市町村が児童福祉の観点から必要と認めるときは、継続利用を可能としています。どういう場合を認めるかというのは、市町村の裁量がございます。
 現在御指摘のケースについては、さいたま地裁に提訴をされるということもあり、個別の市町村についてのコメントは差し控えますが、先ほど申し上げた制度の趣旨を踏まえて、各自治体において地域の実情を踏まえつつ、円滑な制度の実施をしていただきたいと思います。前回も申し上げましたが、やはり今回の根幹的な課題が、保育の供給量が足りていないことにそもそも起因するということであれば、やはり国としても待機児童を解消すべく、必要な受入れ量、受皿の確保を図っていくことが大事だと考えておりまして、関係省庁とも連携をして取り組んでいくことを強めたいと思っております。

(以上)