有村内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年3月6日

(平成27年3月6日(金) 8:58~9:12  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨

 皆様、おはようございます。

 まず、男女共同参画及び女性活躍を担当する大臣として御報告いたします。

 明後日、3月8日は、1975年に国連が定めた「国際女性の日」でございます。

 男女共同参画及び女性の活躍を推進する上で、世界的に大切なこの日に寄せて、男女共同参画局のホームページで、私自身のメッセージを発出させていただきます。お手元にも配付しております。間もなく、数時間以内には掲載させていただく予定です。

 これまで御努力、御尽力をいただいた我が国の先輩、諸氏諸兄、また世界の方々に対して、改めて、この歴史を重ねてこられた、その活動や思いに敬意を表しながら、男性にとっても女性にとっても暮らしやすい社会の実現にスタッフ一同、心を尽くしていきたいと、思いを新たにする次第でございます。これが第1点です。

 そして二つ目でございますが、公文書管理担当の大臣として御報告をいたします。

 ここにポスターを掲示していただいておりますけれども、国立公文書館が、今日から5月10日まで「JFK-その生涯と遺産」展を開催いたします。キャロライン・ケネディ大使の御着任を契機に、改めてケネディ一家あるいはケネディ元大統領の生涯に日本でも関心が高まっています。今回の展示は、元大統領の遺された足跡を日本の公文書館とアメリカの「ジョン・F・ケネディ大統領図書館・博物館」が所蔵する貴重な資料や映像でたどる企画展となっています。我が国の国立公文書館にとって、海外の所蔵資料を展示するのが今回初めてでありますが、ケネディ図書館にとっても、今回の展示会ほどの規模でなかなか門外不出のものを出していただいたり、あるいはその規模という意味で海外に資料を提供したりしていただくのは初めてのことであります。この企画展を実現するに当たって、ケネディ大使の御理解、アメリカ大使館の御支援、また、今となってはもう身内になりますけれども、加藤国立公文書館館長も、私が大臣として拝見させていただいても、物心ともに非常に思いを尽くしてのこの実現に当たられているということを、身をもって感じます。彼らの貢献に改めて敬意、感謝を申し上げながら、一人でも多くの国民の皆さんに見ていただきたいと私からも御推薦申し上げます。

 昨日、安倍総理とケネディ大使に展示を御覧いただき、開会式でテープカットもしていただきました。展示されている160点の資料の中では、例えば、1943年に太平洋戦争時代、後に大統領になられるケネディさんがアメリカのボートに乗っていたとき、日本の駆逐艦「天霧」(あまぎり)に衝突され遭難した際に、11人が生存したのですが、その際、椰子(やし)の実に、恐らくは爪でメモを彫って救助を求めた。そのメッセージも、後ほど大統領になり、その頃の修羅場を忘れないということでしょうか、その椰子の実を木枠に入れてペーパーウェイトにして大統領執務室に将来飾っていくことになる、そのペーパーウェイトも今回展示されています。

 また、核実験の停止をワシントンDCのアメリカン大学で訴えられた、いわゆる「平和の戦略」、歴史的な演説でございます。そこで、その全面戦争を核時代にすることの無意味さを訴えて、平和を構築していくことがアメリカ国民ならず世界の人々にとって大事だ、今を生きる世代のみならず、後世の人々にとっても大事だという演説をされたのですが、当日のスピーチ原稿の中に「peace for all men」というところを直筆で「all men and women」、世界の人々というところに「men」だけではなくて「women」ということをケネディさん御自身が手書きで付け加えている、そういうドラフトも御覧になることができます。

 また、池田勇人首相に向けて手書きでメッセージを入れられた、そういう自民党の宏池会(こうちかい)に保存、大事に保管されていた資料も供出をしていただいておりまして、日米の対等なパートナーシップを提唱している、その戦後のいわゆる西側諸国としての日米関係あるいは世界の趨勢(すうせい)を見据えた時代の一端を伝えることができればと思っております。

 同時に、キャロライン・ケネディ大使の小さい頃、御幼少の砌(みぎり)に、大統領執務室の、まさにケネディ大統領の机の下に、キャロラインさんがいとこと一緒にかくれんぼしている写真や、「大統領執務室」と印字された紙にキャロラインさんがクレヨンで小さい頃書かれた絵など、家庭における姿も垣間見ていただくことができます。

 戦後70年というこの年に、ケネディ大統領の時代の日米関係に思いを馳せ、そして、今後の日米関係の強い絆を確認する、その一助になれば、そしてなることができると私も痛感いたしました。

 特に心に残ったのは、お互いの生死を分ける、その1943年、ジョン・F・ケネディさんが遭難したとき、当時は戦火を交えた日本の「天霧」、そこの艦長が花見(はなみ)艦長という方で、もう故人でございますが、96歳になられるその花見夫人が昨日代表してお見えになっていて、キャロライン・ケネディ大使も、その御主人であった花見艦長とお父上のケネディ大統領が戦後交流を続け、そしてアメリカの大統領になられたときも、花見艦長が「頑張っていただきたい」とエールを送って、ずっと交流をしてこられたということの一端をケネディ大使御自身が大変大事にして、今は故人となった花見艦長からのお手紙のコピーをアメリカから持ってこられて、96歳の花見夫人にお渡しされているなど相当心を砕かれて日米の過去、現在、未来に対して思いを尽くされていることを感じ取ることができたのはありがたかったと思っています。

 同時に、国立公文書館の存在は、私たち日本人にとって、世代を超えて受け継がれていくべき大事な国の歴史、民族がたどった歴史、私たちが大事にしてきた価値の継承を記録に残していく大事な財産だと改めて思いました。より多くの方に、この公文書館を訪問していただいて、日米両国の、まさにライブヒストリーを実感していただければありがたいと思います。入場は無料です。内閣府公文書管理課に詳細はお問い合わせいただきたいと思います。

 以上、私の方から御報告をさせていただきました。

2.質疑応答

(問)共同通信の工藤です。よろしくお願いします。
 国際女性の日に寄せてということで紙をいただいておりますけれども、当日、大臣はどちらかで、この国際女性の日ということで何か講演をされたりだとか、何か御予定はあったりするのでしょうか。
(答)明後日のことでございます。結論から申し上げると、3月8日は自民党大会で、そちらの方に出席をすることになります。それに先んじての明日は、自民党大会のプレイベントということで、私自身も自民党所属の議員でございますので、全国の党員さんが集まる自民党のプレイベントの会合のワンセッションで、女性の活躍推進に向けて、同僚の自民党の議員、関係の自民党の役員の方々とともに講演、それからシンポジウムをさせていただきます。当然、次の日に思いを馳せながら、私たちがこれを牽引していきたい、していこうということを党員さんにお話をさせていただく予定でございます。
(問)フジテレビの和田です。おはようございます。
 また所掌ということとは余り関係のないテーマなのですが、あえてお伺いをしたいのですが、選挙権年齢を引き下げる公職選挙法の改正案が国会に提出されたわけですが、それ以外にも、例えば民法の成人年齢ですとか、あるいは少年法も対象年齢を引き下げようというようなことも議論になり始めているのですが、この3点については、御見解としてはいかがでございましょうか。
(答)和田さんが冒頭おっしゃってくださったとおり、直接の所管ではないので、突っ込んだ発言は自重しなければならないと思っておりますけれども、やはりこれからの社会をつくっていくその責任や、そこに発言権を持つという主権者の重みに鑑みて、超少子高齢社会の中でしっかりと大きな役割を担っていただく層が声を上げていくことが大事だという潮流でございますから、公平・公正な姿がどの辺なのかという真摯な議論が活発に行われ、単に議会、国会というだけではなくて、何をもって成人となすのか、何をもって社会的責任のある大人と見るのかということも含めて、社会的な議論が活発に行われることを願っております。
(問)(フジテレビ・和田記者)大臣御自身は、成人年齢あるいは少年法の対象辺りというのは、私はこうなのだというような御見解はお持ちではないですか。
(答)選挙への参画を考えるのであれば、やはり少年法のあるべき姿というのも避けては通れない、リンクするものではないでしょうか。やはり責任と権限の行使というのは、やはり相応の責任を求められるでしょう。権利だけというわけにはいかない。それはやはり一般論として申し上げても、自由であること、責任を伴うこと、義務を行使することというのは、セットであってこそ進むものだと私は思っております。

(以上)