山谷内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成27年3月31日

(平成27年3月31日(火) 8:55~9:14  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 おはようございます。5点ほどございます。
 まず、1点目、対北朝鮮措置の延長でございます。本日の閣議において、我が国の対北朝鮮措置に関し、4月13日で期限が到来する、北朝鮮籍船舶の入港禁止措置、及び北朝鮮との輸出入禁止措置について、人道的観点から特別の事情がある場合に入港を認める例外措置を含め、期限を2年間延長することが決定されましたので、御報告いたします。このあと、官房長官からも正式に発表がある予定でございます。
 それから、防災関係が3点でございますが、最初に「首都直下地震基本計画」の変更についてでございます。本日、「首都直下地震緊急対策推進基本計画」の変更について、閣議決定いたしました。この変更は、今後10年間で達成すべき目標を盛り込むこととしたものであり、関係機関が認識を共有し、首都直下地震対策に取り組むこととしております。閣議において、関係閣僚には、地方公共団体や所管業界等と密接な連携を図りつつ、諸般の対策を進めていただくようお願いしたところであり、引き続き、政府一体となって、首都直下地震対策の一層の推進を図ってまいります。
 次に、危機管理組織の在り方についてであります。昨日、内閣府の赤澤副大臣を座長として、関係省庁の副大臣等で構成する会議において、「政府の危機管理組織の在り方について」の最終報告が取りまとめられました。最終報告では、平時から大きな組織を設けることについては、現段階では積極的な必要性は直ちには見出しがたいとしつつ、大規模災害等が発生した非常時に、国・地方を通じた関係機関が持てる力を最大限に発揮できるかどうかがポイントであり、そのための対応方策を具体的に取りまとめております。自然災害を始めとする危機管理対応は、不断の見直しと改善が不可欠であり、今後とも、今般取りまとめられた最終報告の実施などを通じ、災害対応に万全を期してまいります。
 3点目ですが、防災基本計画の修正等についてであります。本日、中央防災会議を持ち回りで開催し、防災基本計画を修正いたしました。この修正は、原子力防災体制などに係る「3年以内の見直し検討チーム」による3月5日の報告を踏まえ、地方公共団体による避難計画の具体化への国の支援や地域原子力防災協議会の設置などを、防災基本計画に明確に位置付けるものであります。
 併せて、中央防災会議においては、平成27年度の総合防災訓練大綱を決定いたしました。
 これらにより、関係機関一体となって、平時からの災害対策に万全を期してまいります。
 最後に、お知らせでございますが、連休中の5月3日日曜日から5月6日、諸般の事情が許せばとはなりますが、アメリカのワシントンDC及びニューヨークに出張いたします。ワシントンでは、4日月曜日にアメリカ政府関係者を中心に会談を行います。ニューヨークでは、お手元に配付した資料にあるように、5日に「北朝鮮による拉致を含む人権侵害に関する国際シンポジウム」を日本政府主催で開催いたします。
 ワシントンでの会談については、現在調整中でありまして、後日改めてお知らせしたいと思います。拉致問題や領土・主権をめぐる問題を含め、私の担当事項にかかる幅広い関係者にお会いして意見交換を行いたいと考えております。
 ニューヨークでのシンポジウムでは、拉致問題を始めとする北朝鮮の人権状況についての国際的な議論をリードしてきた日本が、最近の国際社会の機運の高まりを維持・強化する上で更なる役割を果たすことを目的として開催するものであります。すなわち、昨年のCOI(北朝鮮における人権に関する国連調査委員会)報告書の公表、これを受けた一連の国連人権理事会及び国連総会における決議、安保理での議論、そして先週の人権理事会決議採択という流れを、北朝鮮の人権状況の改善につなげるため、我が国としても更に貢献していきたいということであり、それが拉致問題の解決にも資するという考えであります。
 参加者については現在調整中ですが、私が基調講演を行うほか、マルズキ・ダルスマン国連北朝鮮人権状況特別報告者や拉致被害者御家族等にも、スピーカーとして御参加いただく予定であります。詳細固まった段階で改めてお知らせしたいと思っております。
 また、いまだ調整中ではありますけれども、ニューヨークでは国連の関係者と海洋分野等に関して意見交換をすることも考えております。
 以上です。

2.質疑応答

(問)すみません、TBSの丹羽です。よろしくお願いします。今、配っていただいているこのチラシといいますか、あれなんですけれど、横田拓也さんのお名前が載っていますけれども、どういう思いといいますか、役割を担ってお話しされるのかということと、あと、今、最後におっしゃったニューヨークで国連関係者と海洋分野の、それについてもう少し詳しくお願いします。
(答)横田めぐみさんの弟さんでいらっしゃいます拓也さんが、今回御参加いただく予定となっております。本当に姉と弟、引き裂かれて長い長いが年月がたっております。御家族の思いを、痛切な思いを語っていただき、拉致問題解決につなげていけたらと思っています。
 また、海洋ですね。現在調整中でありますけれども、海洋政策担当大臣としまして、国連海洋法条約に係る事務局機能を有する国連関係者との間で、同条約の実施に関して意見交換をする考えであります。
(問)朝日新聞の久木です。北朝鮮に関する制裁措置の2年間の延長ということですが、日朝交渉の中で、いまだ初回報告というのはなされていないんですけれども、今の日朝交渉の現状をどのように捉えた上での、こういう今回の措置になったのでしょうか。
(答)今回の措置は、拉致・核・ミサイルの包括的解決を求めるというものでありまして、北朝鮮に対して、拉致被害者を含む全ての日本人に関する調査を迅速に行い、その結果を速やかに、かつ正直に通報することを日本としては求めておりますけれども、現時点においては調査結果の通報はございません。本日、閣議において決定したこれらの措置の期限の延長は、北朝鮮をめぐる諸般の事情を総合的に勘案し、判断したものであります。
 北朝鮮は、我が国を始めとする国際社会による働きかけにもかかわらず、引き続き関連安保理決議に違反し、挑発的な言動を繰り返しております。平成26年3月には新たな核実験の可能性を示唆する声明を発表したほか、同年3月、6月、7月及び平成27年3月には、国連安保理決議に違反して弾道ミサイルを発射しております。拉致・核・ミサイルといった諸懸案の包括的解決に向けた、北朝鮮の具体的行動に向けて、国際社会、連携していかなければならないと考えております。
(問)関連で、すみません、もう一点。近々、家族会(北朝鮮による拉致被害者家族連絡会)の方々とも会われる予定だと思いますが、その調整状況とですね、今回の措置について、どのような形で大臣からも御説明なさいますでしょうか。
(答)現在調整中でありまして、どのような内容の元にということは、ちょっと今日は控えさせていただきたいと思います。
(問)すみません、NHKの清水といいます。「首都直下地震基本計画」に関してですけれども、今回、減災目標を設定したということで、その意義を改めて伺いたいのと、それから、基本計画そのものは1年前にできていると思いますけれども、これに伴って自治体の動きというか、それを落とし込む動きというのがなかなか進んでいないというのが現状だと思いますけれども、そのことについて、どのようにお考えで、どういう取組を進めていかれるおつもりでしょうか。
(答)基本計画に盛り込んだ減災目標ですけれども、例えば想定される最大死者数約2万3,000人からおおむね半減、想定される最大の建築物全壊焼失棟数、約61万棟からおおむね半減、住宅等の耐震化、平成20年で79%でしたが平成32年には95%に、また、電気に起因する出火の防止として、感震ブレーカー等設置率を平成36年には25%にしていきたい等々の目標が示されておりますが、今後、基本計画に盛り込んだ定量的な減災目標を達成するために、関係機関と緊密な連携を図りながら、建築物の耐震化等その具体的な実現、方策に取り組み、適切なフォローアップを行ってまいりたいと考えております。
 また、これまでも進めてきました政府の災害対策本部と被災自治体との情報共有、連絡体制の構築、発災時の具体的な応急対策に係る計画策定、住民の円滑な避難や帰宅困難者対策、企業等の事業継続に係る取組などを着実に推進することにより、対策に万全を期してまいりたいと考えております。
(問)例えばこの計画に基づく対策に対しての、何らかの財政的支援措置があるとか、そういう何かしら制度的な支援の検討というのはないのでしょうか。
(答)今後10年間で達成すべき目標でありますので、不断に見直しが必要なことを措置していきたいと考えております。
(問)共同通信の河内です。すみません、拉致の関係、北朝鮮の制裁延長の関係なんですけれども、家族会のほうは、昨年の7月に解除した制裁の再発動とか、若しくは追加制裁など、強い姿勢を求めていると思うんですけれども、政府としてこうした再発動や追加制裁を行う考えというか、それについてはどういうふうに考えていらっしゃるのかと、もし、現在その初回報告が遅れている中で、そういう追加制裁とか制裁の再発動とかをしない、今のところしていないのはなぜかということについて、お聞かせ下さい。
(答)家族会の皆様からは、そうした御意見を聞いているところであります。政府としては、引き続き北朝鮮に対して、迅速に調査を行い、速やかにかつ正直に結果を日本に通報するよう強く求めているところであり、求めていくところでもあります。
 拉致問題は安倍政権にとって最重要課題であります。対北朝鮮措置については、引き続き、全ての拉致被害者の帰国に向けて、何が効果的かという観点から、不断に見直しを行っていくということであります。
(問)NHK、川田です。すみません、ちょっと関連なんですけれども、今回の閣議決定で、その制裁措置がまた延長されたというのは、今あったように、その家族会からも例えば再制裁、強い再制裁を望んだり、そういった強い姿勢を示してほしいということを日本政府に求めていましたけれども、そうしたこともやっぱり背景になって制裁の延長になったかということを教えていただければと思います。
(答)これは、4月13日に期限が来るということであります。今も申しましたように、引き続き、全ての拉致被害者の帰国に向けて、何が効果的かという観点から、対北朝鮮措置については不断に見直しを行っていく考えであります。
(問)関連というか、要は、これまでですね、今日、この時点までに、例えばその北朝鮮が拉致被害者を何名生存とか、返してきていれば、恐らくその北朝鮮への制裁というのは延長されなかったんじゃないかなと思うんですけれども、そういったことも、これまでに1回目の報告がなされていないと、そういったことも、その延長の背景にあったのかどうかということなんですけれども。
(答)国連安保理決議違反でありますから、先ほども申しましたミサイルの発射とか、それに対して北朝鮮は何ら国連安保理の決議に従うようなことを行ってきていないわけですから、それらに対する措置ということであります。

(以上)