稲田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年4月25日

(平成26年4月25日(金) 9:05~9:20  於:合同庁舎4号館6階620会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 冒頭、私からは海外出張について申し上げます。
 国会の了承がいただければ、5月3日土曜日から6日火曜日までの日程でシンガポールを訪問いたします。今回の訪問では、シンガポールのローレンス・ウォン文化・地域・青年大臣との会談を行います。このほかクールジャパン戦略及び規制改革について講演を行うほか、シンガポールにある日本文化の発信拠点であるジャパン・クリエイティブ・センターや国際的なバイオメディカル分野の研究開発拠点であるバイオポリスの視察などを行います。
 また、クールジャパン戦略に関連して一言申し上げます。
 本日午後、クールジャパン関係府省連絡・連携会議(第1回)を開催いたします。これは、従来政務官ヘッドの会議を見直し、後藤田内閣府副大臣を議長として、昨年策定したアクションプランの進捗管理に加え、関係府省の連携強化にもつなげてまいります。本日は、政府全体でのムスリムの方のためのハラル対応などについて議論する予定であります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)(フジテレビ・和田記者)お疲れさまです。シンガポールですが、シンガポールを選ばれた理由というのは何かあるんですか。
(答)まず1つは、総理が昨年7月にシンガポールの首脳会談をされたときに、総理にこのジャパン・クリエイティブ・センターを見てもらいたいという話があったそうです。そのときに総理から、「日本にはクールジャパン戦略担当大臣がいますので、一度視察させます。」というようなことをおっしゃったということが1つあります。
 また、私自身も(昨年)6月に札幌でクールジャパンをテーマにした車座ふるさとトークを行ったときに、偶然シンガポールのメディアによる旅行番組の取材チームと会いました。そこにシンガポールの女優さんが来られていて、円山動物園の飼育係に扮して日本の動物園を発信するみたいな番組の取材チームとお話しする機会があって、シンガポールの日本に対する関心が高いのだなと感じたということもあります。
 また、規制で今、医療の問題を取上げておりますけれども、シンガポールは非常に高度な医療サービスの実態があるということをいろんな方からも伺っておりますので、それを視察したいと思っております。
(問)日経新聞の兒玉です。
 関連になるのですけれども、規制改革の関係の講演をされるということで、6月の規制改革の答申に向けて海外からの投資家の期待も高まっていると思いますけれども、どういったことを発信されたいとお考えでしょうか。
(答)今回はシンガポール国際商工会議所の主催で、アベノミクスと規制改革についての講演を行うことにしております。アベノミクスの成果や、また、規制改革に関しては今までの取組みを発信して、また、これから先の、今取組んでいる課題などもお話をして、シンガポールにおける我が国の規制改革についても理解を深めて、ビジネスの活性化にも結びつけていきたいと思っております。
(問)NHKの森田です。
 規制改革に関連してなんですけれども、混合診療の議論が本格化してきていまして、先日の本会議の中でも厚労省から慎重な意見というか、ちょっと否定的な意見が相次いでいますけれども、なかなか時間も限られた中で、今後はどのように議論を進めて、どういう方向で取りまとめを考えていらっしゃいますか。
(答)規制改革が目指している困難な病気と闘う患者さんに、選択肢をという考え方については厚生労働省にも理解をいただいているというように思います。そして、総理からも諮問会議の場で、保険外併用療養の大きな改革ということも指示をされております。規制改革自体が混合診療全面解禁を言っているものではなく、また、皆保険制度を維持する必要性とか重要性ということもきちんと厚労省には伝えていて、また、全然患者と医師が同意をすればどんなものでも認めるということではなくて、一定のルールのもとで安全性、有効性を確認するものであるということについても厚労省との間で理解がされていて、厚労省からは安全性、有効性ということは、まさしく評価療養の中でやっているものと余り変わらないですねというような評価もいただいているわけです。
 何が変わるかというと、まさしく評価療養というのは医療保険に適用する医療かどうかを評価する制度であって、まさしく医療保険に乗せるかどうかを評価するにふさわしい医療にしか適用がされず、そして、それは国のリストの中でやるわけです。ところが、私たちが主張しているのは、そうではなくて患者さんが本当にもう困難な病気で、あとは手を尽くす療法がないと。そして、海外では承認されているけれども、日本では未承認のものを使いたいという患者さんへの治療というところに重点を置いた選択療養という新しい制度でありますので、その制度の趣旨自体がやっぱり全然違うと思います。
 現実問題は、安全性、有効性も一緒じゃないかというように言われるんですけれども、私は患者起点の患者が最後に選択療養という形に望みを託した場合に、それを認めていくという新たな制度ですので、理解をしていただけるように頑張っていきたいというように思っています。
(問)朝日新聞の藤原です。
 今の混合診療に関連してなんですけれども、まさに患者主体で選択できるようにというところで、患者の主体性をいかに担保していくかというところと、あと安全性をいかに確保していくかというところが今後課題になってくるとは思うのですけれども、その中で、ただ一方で、患者の側からは、患者団体の側から安全性や主体性、結局は医師のほうの情報格差ゆえに医師主導になってしまうんじゃないかというようなところで不安視している声もまだまだ出ているかと思うんです。岡議長は十分に今後理解を深めていただくと、理解してもらえれば、情報をちゃんと伝えれば理解はしてもらえるというようなスタンスだと思うんですけれども、大臣、今後患者団体に対して理解をどう深めていくかというところと基本のあたりをすみません、今後の取組みとしてお話をお伺いできればと思います。
(答)やっぱり選択療養という位置づけとか意味合いについて、合理的な根拠が疑わしい医療とか、安全性、有効性が疑わしい医療というものを、医者のほうから押しつけられるじゃないですけれども、そういうことがあるのではないかというような不安が基本にあるかと思いますけれども、それでは全くなくて、先ほど申しましたように安全性、有効性というものをきちんと全国統一的に、中立的な機関で審査をした上で提供するということでありますから、ちょっと患者団体の皆さん方が心配されているということはないというように思うんですが、具体的な仕組みについてきちんと説明していく必要があろうかというように思っています。
(問)日経新聞の兒玉です。
 今、全国の統一的な機関で審査をした上でというように大臣おっしゃいましたけれども、これまで規制改革会議の議論の中では、中立的な専門家による評価ということでしたけれども、これは何かしら新しい機関を設けた上で審査するということになるんでしょうか。
(答)ちょっとそこの細かい制度設計というか、そこまではまだ詰めていなくて、その部分については、これから詰めていく問題になるのかなというように思います。どういう機関が中立的で、どういう仕組みで審査をするかということについては、まだ詰めていかなくてはいけないというように思います。
(問)時事通信の大沼ですけれども、昨日日米首脳会談が行われまして、TPPをめぐり協議が継続しており、異例と言われる共同声明発表に至らない状況になっていますけれども、そのあたり、どう受け止めているかお尋ねします。
(答)ただ、本当に今回、日米の首脳会談の成果として例えば尖閣を含む日本の施政下にあるものについての日米安保条約の適用ということをオバマ大統領が明確に発言されたことなど、非常に日米の緊密な関係がクローズアップもされましたし、成果はあったというように思います。
 ただ、今御指摘のTPPの問題に関しては、やっぱりTPPは非常に広範な難しい、お互いの国益というものがかかった交渉でもありますので、今後も交渉を続けるということになったわけでありますけれども、甘利大臣もおっしゃっていましたけれども、一定の進展があったということではないでしょうか。
(問)(フジテレビ・和田記者)先ほどの選択療養の関連で、ちょっとやぼな質問で恐縮ですが、大臣御自身は6月の取りまとめのときには、選択療養あるいはそれに類するような形で厚生労働省と合意までいけるという御自信がおありでしょうか。あるいは規制改革会議としてはこう考えるのだというところで終わるようなおそれも考えられるのでしょうか。
(答)やっぱり私は規制改革会議が提案している選択療養というのは、今の評価療養の制度の趣旨とは違った新しい仕組みを設けることの意義というのはすごくあるというように考えておりますので、できるだけ6月の取りまとめに向けて厚労省をはじめ、国民の皆さん方にも理解をしていただけるように頑張っていきたいなというように思っています。
(問)(フジテレビ・和田記者)厚労省さんと合意できるという御自信はいかがでしょうか。というか今の感触は。
(答)それはかなりテーマ自体が難しい問題であるということも一方で認識をしておりますけれども、認めるための制度をつくることの意義も一方で大きいと思いますので、頑張っていきたいなと思っています。

(以上)