稲田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年9月20日

(平成25年9月20日(金) 10:51~11:06  於:合同庁舎4号館6階620会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私からは、冒頭、まず海外出張について申し上げます。
 9月21日から24日までの日程で、フランスのパリを訪問します。今回の訪問では、OECD事務局のルテルメ次長等とアベノミクスと規制改革について意見交換を行います。また、200年以上の歴史のあるフランス国立公文書館を視察して、公文書の保存や利用促進の取組状況について伺います。更に、日本人の手によるクールジャパン発信イベントである「トーキョー・クレイジー・カワイイ・パリ」が9月20日から9月22日まで開催されますので、22日にこのイベントを視察することを予定いたしております。
 続きまして、行政改革推進会議について発言をいたします。
 独立行政法人改革について、本年6月の第3回行政改革推進会議において、制度見直しを中心に中間的整理を行ったところです。同会議では、総理から、この中間的整理を踏まえ、年末に向けて個別法人の組織見直しなど更に検討を進めるよう御指示があったところです。これを踏まえ、本日9月20日付で行政改革推進会議の下に、「独立行政法人改革等に関する分科会」を立ち上げることといたしました。分科会の構成員は、皆さんのお手元にお配りをした紙のとおりでございます。
 独立行政法人は、各府省が行政サービスを提供するための重要な政策実施機関であります。今回の改革では、それぞれの法人が、本来期待される政策実施機能を十分発揮できるよう制度や運用の改善を図るとともに、最適な組織環境を整える必要があります。同時に、民でできることは民での視点から業務組織を見直し、独法を含む官のスリム化を図ることや、業務、財務の透明性を高め、法人の経営効率を高めていくことも重要課題であると認識をいたしております。このため、組織見直しを中心とする今後の分科会の検討においては、予断を持って無理な数合わせを行うのではなく、まずは丁寧なヒアリングを通じて各法人の業務内容を十分に吟味していただく。その上で最もふさわしい組織のあり方等を御審議いただき、年末に向けてしっかりとした改革案を取りまとめていただきたいと考えております。
 独立行政法人改革は過去二度にわたって改革法案が廃案になるなど、長い議論の経緯はあるものの、いまだ実現には至っておりません。まさに百の議論よりも一の実行が求められております。地に足のついた改革案を取りまとめ、これを着実に実施することにより、第1次安倍内閣で着手して以来の改革の集大成といたしたいと思っております。
 冒頭、私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)共同通信の中久木です。
 この「独立行政法人改革等に関する分科会」なんですけれども、23人有識者がいらっしゃいますが、これは、例えば独法、今101ですかね、100ぐらいありますけれども、例えば、省庁別に分けてワーキングチームみたいな形でそれぞれ議論をしてもらう、どういう形で議論をしてもらうお考えでしょうか。
(答)101、御指摘のとおり独法ありますし、それぞれ個性もありますから、ワーキンググループに分けて審議をいただくという方向がいいのではないかと私自身は思っています。
(問)現段階で幾つに分けるとか、どういう分け方をするかというのは決まっているんでしょうか。
(答)具体的なことはまだ決まっていないし、この分科会の中で決めていただくということになるかと思います。
(問)初会合はいつごろに。
(答)初会合は現在調整中です。
(問)この独法改革のスケジュール感なんですけれども、中間まとめのときには、年内に整理・統合案をまとめて、来年度から実施するという方向だったと思うんですけれども、これは同じ方向で、つまり来年の通常国会に通則法の改正案を提出するということでよろしいのでしょうか。
(答)6月の行政改革推進会議で総理から、年末に向けて個別法人の組織見直しなど更に検討を進めるように指示があり、今から年末にかけて個別独法について検討を進めます。また、本年6月に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針、「骨太の方針」において、平成27年4月からの改革実施を目指して必要な法制上の措置を早期に講ずるものとされたところであります。
 今御指摘の通則法の改正について、来年の通常国会の提出を目指して御議論いただいて、見直しの成案をまとめていきたいと思っています。
(問)朝日新聞の明楽です。
 公務員制度改革についてなんですけれども、今現状で法案がどの程度まとまっているのか、与党PTにいつごろその案を示すのか、臨時国会冒頭の提出を目指しているかとは思うんですが、それのスケジュール感は変わっていないでしょうか。
(答)春の内閣人事局設置ということで、来年の人事に間に合うようにするためには、この秋の臨時国会に関係法案を提出して成立をさせるということを今目指して、現在、人事院を含め政府内の調整を行っているところであります。また、与党内でも早急かつ丁寧な議論をしていただきたいというふうに考えております。
(問)日経新聞の兒玉です。
 公務員制度改革についてなんですが、21年法案では、人事院からの機能移管の部分で、試験の企画と実施の部分を分けて、企画の部分だけを内閣人事局に移すということでしたけれども、その方針に変わりはないかということと、その狙いについてお願いします。
(答)その方針に変わりはありません。そして採用試験、研修に関して、内閣人事局において、例えば、国際的な感覚を身に付けた人を採用したいとか、研修は国際感覚を身に付けた人を育てるように、育成するようにしたいとか、そういう大きな方針は内閣のほうで決めて、その実施は今までどおり人事院で行っていただくと、そういうイメージであります。
(問)もう1点、独法改革の分科会についてなんですけれども、この分科会には、基本的に全ての個別の独立行政法人を呼んでヒアリングをするということになるんでしょうか。
(答)基本、全ての独法を呼ぶということを考えております。
(問)テレビ朝日の菅原です。
 今の公務員制度改革の採用試験、企画の部分でお聞きしたいんですが、今大臣、まさに内閣として採用したい。例として、国際的な感覚を身に付けた人を採用したいとかおっしゃったんですが、人事院の公正・中立性、独立性ですね、公務員の公正・中立というところを確保するための人事院による企画試験だったと思うんですが、そこの部分だけ内閣に移るというところに関してはどうでしょうか、恣意的な、やはり将来的にわたっても、そういう採用というのが行われかねないというふうにはお感じになりますでしょうか。
(答)例えば、日本国としてこれから、例えばTPPの問題等もありますから、やはり世界でもう一度勝つためにも国際感覚を身に付けた人であるとか、そういう公務員像を政権が想定することが、私は公務員の中立・公正性に違反するものとは思っておりません。そもそも中立・公正というのは何ものからも制約されない無味乾燥なものではなくて、憲法15条のいうところの、公務員は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではないという、一部の既得権益者のために働くとか、そういうことを排することが、やはり私は中立・公正の肝ではないかなと思っています。
(問)わかりました。もう1点続けて恐縮です。パリのクールジャパン関連ですが、先ほど視察とおっしゃったんですが、これは大臣、見て回るだけでしょうか。それとも、何か大臣自らも。
(答)そうですね、「トーキョー・クレイジー・カワイイ・パリ」は初めての日本人の手によるイベントでもありますので、私も発信ということを一度考えてみたいなと思っています。
(問)具体的には。
(答)具体的には着物を着てとか、あとブースにちょっと寄って、そこで行われているイベント等にも参加していきたいなと思っています。
(問)読売新聞の田島です。
 公務員制度改革なんですけれども、あまり与党の議論等でもスポットライトが当たっていない部分ですが、政治任用のスタッフの部分で、国家戦略スタッフというところから総理補佐官の増員ですとか大臣補佐官という名前にするとかというのを与党に示しているということですけれども、大臣、その辺の政治任用のスタッフポストについて、今回のどのようなお考えを持っていますでしょうか。
(答)スタッフという表現よりも、イメージ的には、例えば、私だったら内閣府特命担当大臣に就任して、そのときに大臣を補佐する立場の人を任用することができる。総理の周りに今も補佐官いらっしゃいますけれども、それを充実して、総理の行われる企画立案だとか、そういうものを補佐する人を規定していこうというのがイメージであります。
(問)関連なんですけれども、大臣補佐官とか首相補佐官の増員をする場合に、政治家も登用できるようにすると思うんですけれども、そういった場合、政府に国会議員の数が増えていくということにもつながっていくと思いますけれども、どちらかというと、今回の公務員制度改革を通じてそういった方向が望ましいと大臣はお考えでしょうか。
(答)誰を任用するかというのは、大臣の、また総理の権限でもあるし、それをあらかじめイメージとして政治家をということではなく、今、大臣補佐官というポストはありませんが、そういうポストをつくるということに、私は意味があると思っています。
(問)東京新聞の横山です。
 公文書を一定期間経過した後に公開することの制度化について、今のお考えをお聞かせください。特に民主党政権で公文書管理法の改正、公文書の原則30年後公開等が検討されていたかと思いますが、今どういう状況になっていますでしょうか。
(答)民主党政権では、例えば、閣議の議事録を作成して、それを何十年後かに公開をするというようなことが考えられていたかと思います。今、公文書の管理の問題、それから閣議の議事録については、閣議のあり方や国会のあり方とも非常に緊密に関係することであると思いますので、そういう点も含めて検討しているところであります。
(問)情報公開法を改正して、対象となる開示情報を拡大するとか、情報公開を推進するというお考えはありますでしょうか。
(答)情報公開法自体は私の所管ではありませんので、コメントを差し控えたいと思います。

(以上)