稲田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年6月28日

(平成25年6月28日(金) 8:52~9:08  於:合同庁舎4号館6階620会議室)

1.発言要旨

 本日、閣議の前に、国家公務員制度改革推進本部を開催いたしました。本部において私から、「今後の公務員制度改革について」を説明し、御了承いただきました。その内容は、平成21年に麻生内閣が提出した国家公務員法等の一部を改正する法律案を基本に、国家公務員制度改革基本法の条文に則して機動的な運用が可能な制度設計の早急かつ丁寧な検討を進め、秋に国会が開かれる場合には、国家公務員制度改革関連法案を提出するとともに、来年春に内閣人事局を設置することを目指す。国家公務員制度改革推進本部は、7月10日に設置期限を迎えるため、今後の法案の立案業務、及び内閣人事局設置準備業務については、行政改革推進本部において行うという今後の公務員制度改革の方向性を明らかにしたものであります。
 また、本部では、総理より、各大臣及び人事院総裁に対し、「今後の公務員制度改革について」に則った公務員制度改革の実現に向け、最大限の努力と協力を行うよう御発言があり、必要な機能を備えた内閣人事局の設置を指示されたところでございます。
 今後は、本決定に基づき、早急かつ丁寧に検討を進め、秋に国会が開かれる場合には、法案を提出することを目指したいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の鈴木です。
 今の公務員制度改革についてなんですけれども、今日の本部決定された公務員制度改革についてなんですが、内閣人事局について、局長についてどういった方を指名されるかとか具体的な制度設計について明記されていない。これは、麻生内閣のときの法案にも書かれていた部分でもあるんですが、そういったことの明記は見送られたことと、あと閣議決定も今回見送られているわけですけれども、それについて今回いろいろ見送られた理由についてどういったことがあったのかということと、あと、これ秋までに、秋の段階で法案の提出が時期的に可能なのかということと、あと大臣としては内閣人事局の局長というのはどういった方がふさわしいというようにお考えでしょうか。
(答)幾つか質問がございました。
 まず、閣議決定が見送られたのではないかという御質問ですが、これについては、5月に大臣所感を出したときに、1か月後に今後の方向性とスケジュールについて本部決定を目指しますということを申し上げたかと思います。それに従って今日は本部決定をしたと。閣議決定は、法案提出のときでよろしいのではないかと思っております。また、国家公務員制度改革推進本部には、人事院総裁もお見えになり、あとは閣議と同じメンバーですので、本部決定で十分ではないかというふうに思っております。
 また、その具体的な細部について書き込まれなかったのはなぜかという点でありますけれども、今回、平成21年の法律案を基本、まさしく、いわゆる甘利法案をベースにしていくという方向性と、そして来春の内閣人事局の設置、また、秋に臨時国会が開催される場合には、臨時国会における法案提出という、その方向性とスケジュール感は明示をしたところであります。具体的な細部につきましては、引き続き関係者と調整の上、法案提出までにまとめていきたいと思っています。
 また、今、内閣人事局長についてのお尋ねがありましたが、甘利法案では、官房副長官の中から指名をすると記載をされていたわけでありまして、それが基本となって調整をするということになるかと思います。
(問)その甘利法案のときも、官房副長官の中で、事務の副長官がいいのか、政務の副長官がいいのかという議論があったと思うんですけど、大臣としてはどちらのほうがよろしいとお考えですか。
(答)私は、そこはあまり決め打ちする必要はないのではないかと、やはり適格な方を人選するということが必要であるので、法律の中であまり狭めて候補者を書き込むのはいかがなものかとは思います。
(問)NHKの山本です。
 関連なんですけれども、自律的労使関係について、基本法でも「措置する」というふうに明記されていますけれども、今回決定というのを拝見すると、恐らく「その他の法制上の措置」というところに含まれるんだろうとは思うんですけども、細部について全く記載がありません。今後の方向性とスケジュール感をどういうふうに大臣はお考えか教えてください。
(答)この自律的労使関係については、基本法の12条に、「便益及び費用を含む全体像を国民に提示し、その理解のもとに」という、そういう条件が付されているところであります。また、自律的労使関係について盛り込んだ法案は、平成24年に衆議院の解散とともに廃案になっており、また、自立的労使関係を現時点において措置することについては、各方面から様々な指摘がされておりますし、また、私が就任いたしまして以来開催してきましたアドバイザーとの意見交換会においても様々な指摘がなされているところでありますので、私は、検討すべき課題が現時点でも多いのではないかと、引き続き検討していきたいというふうに思っております。
(問)日経新聞の兒玉です。
 この国家公務員制度改革は、民主党政権を含めて過去三度廃案になっています。今回は、政府・与党を含めて関係省庁と調整がうまく順調に進んでいくという見込みはあるのでしょうか。
(答)前回の記者会見のときも、この公務員制度改革というのは、私は大変不幸な歴史をたどってきたなというふうに思います。ただ、理念は、私はやっぱりやらなきゃいけないことだし、明治以来の縦割り行政の弊害というのはあります。ですから、この公務員制度改革を基本法の理念に則って改革を進めることは、政治を前に進めるためにも非常に重要なことであると私は認識をいたしております。
 そして、今お尋ねは何でしたでしょうか。
(問)政府・与党や、あと関係各府省と調整がうまくいっているのか。例えば、人事院さんなんかと過去に甘利法案などではいろいろやりとりがあったと思われますが、その辺については。
(答)人事院ともかなり議論を現時点でも進めておりますし、見解の違いはありますけれども、やはりきちんと議論をした上で進めていくべきだし、私はこの公務員制度改革が不幸な歴史によって、まるで官僚バッシングと同義のように受け止められておりますけれども、きちんと説明をすれば、決してそういうものではなくて、能力・実績主義によって省庁の垣根を横断した人事をすることによって、私は縦割りの弊害も除去されるし、関係者に理解をしていただけるものだと考えています。
(問)共同通信の中久木です。
 先ほどの閣議決定の部分なんですけれども、5月に自民党の望月行革本部長が総理に面会したときに、総理から、6月中に閣議決定をして、秋の臨時国会に法案を出したいというような言葉があったと思うんですけれども、そうすると、今回閣議決定しなかったことをやはり見送りと捉えられると思うんですけれども、この点いかがですか。
(答)私は(望月)行革本部長が総理のところに来られたときに同席をしておりましたが、総理からは、来春の内閣人事局の設置を指示されて、そして秋に臨時国会が開催される場合には、この法案を成立させるということを指示されました。6月中の閣議決定ということは、私にはそのときの記憶はありません。
(問)すみません、人事院との見解の相違があるというふうにおっしゃったんですが、今後、調整の仕方なんですけれども、例えば、関係閣僚で協議する協議体というか、どういう場でその調整するお考えですか。
(答)人事院には閣僚はいないので、そして、甘利法案自体は平成21年に閣議決定もされ、法制局も通っておりますので、例えば、憲法上の問題とかそういうことは、私はクリアされていると思います。その点、人事院と何が懸念されているのかについてはきちんと議論をしていきたいということであります。
(問)テレビ朝日の菅原といいます。
 行政事業レビュー公開プロセス、ちょっと話変わるんですが、すみません。今日でとりあえず全部終了することになります。これまで個別の審議の中では、委員のほうから、事業の廃止を強く主張するものがよく見られました。実際、今回廃止という選択項目がないわけですけれども、やはりどこか不十分さがあるというふうにはお感じにはならないでしょうか。
(答)私は、廃止という選択肢がなくなったとしても、なぜ廃止という選択肢をなくしたかということは、廃止という選択肢を置くことによって、廃止という結論が非常にクローズアップされるということで、そこばかりクローズアップされるというよりも、本当の議論をしていこうと考えたからです。私も視察をした中で、抜本的改善という意見、抜本的改善の中には、もちろん廃止も含まれているんですが、抜本的改善ということを指摘されたものについては、本当にそもそも見直さない限り、廃止という趣旨でありますので、そういう点はきちんと各府省がその指摘を受けて自発的にどうするかというのはきちんと検証していきたいと思っています。
(問)フジテレビの和田でございます。おはようございます。
 先ほども出た話で、なおかつ火曜日にも出た話で、細かく詰めて恐縮なんですが、内閣人事局長なんですが、先ほど甘利法案を基本となって調整するというお話があったんですが、火曜日のときのほうが少し言い回しがはっきりしていたかなと思うんですが、大臣御自身は、内閣人事局長は官房副長官を充てると、その中から総理が選ぶという方針と受け止めてよろしいのかということと、常日ごろ意見交換をされていると思うんですが、総理御自身もその点については御異論がなさそうなのかという。
(答)重要な論点ではありますけれども、そこまでのことを私は総理からはまだ聞いておりません。ただ、私としては、やっぱり甘利法案をこの1か月間精査してきまして、事務か政務かは別として、官房副長官の中から選ぶというのが良いのではないかと自分は思っております。
(問)時事通信の大沼ですけれども、今日の本部の中では、甘利法案をベースに今後議論していくという方針に対してどういう意見が出たのかというのと、来年春の設置というのは、4月設置ということでいいのかについてお願いします。
(答)今日、本部の中で、平成21年の法案、いわゆる甘利法案をベースとする、そして基本法に即して法案を準備するという方針について異論は出ませんでした。
 それから、4月と決め打ちはしていませんけれども、春という総理の指示に沿って進めたいと思っております。
(問)共同通信の中久木です。すみません。
 公開プロセスに戻るんですけれども、事業によってはかなり厳しい意見も出ているんですけれども、概算要求に反映するかどうかは各省の判断に委ねられていると思うんですけれども、この公開プロセスの議論を活かすために各省庁に求めることを、大臣のほうから。
(答)当然、何のためにやっているかといったら、概算要求に活かすためにやっていますので、それは当然の前提として自律的な取組を見ておりますが、それを概算要求に活かすかされたかどうかは、秋に行政改革推進会議できちんとチェックをしたいと思っています。

(以上)