稲田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年6月25日

(平成25年6月25日(火) 11:28~11:45  於:合同庁舎4号館6階620会議室)

1.発言要旨

 冒頭、私からは、本日午前10時から官邸において、再チャレンジ懇談会を開催いたしました。これまで再チャレンジ担当大臣として、若者・女性活躍推進フォーラム等の場において、主として若者の雇用拡大や再チャレンジ推進に取り組み、さきの日本再興戦略にも幾つかの施策を盛り込んだところです。今回の懇談会は、より広い再チャレンジの観点から、失敗しても、障害があっても、何度でも再チャレンジでき、努力が報われる社会を構築するため、実際に再チャレンジを果たした方々にお越しいただき、それぞれの思いを語っていただきました。具体的には、日本再興戦略にも盛り込まれたニートの方々への支援策や経営者の個人保証のあり方の見直し、また障害者支援の強化の話が出ました。これを受け、総理からは、日本再興戦略に盛り込まれた施策を強力に推進していきたい旨の発言があり、同時に関係省庁に対して、その着実な実施について指示がありました。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)読売新聞の田島です。公務員改革についてお尋ねしたいのですけれども、先月24日の会見で、1か月後をめどに方針を決定したいというふうに御発言されましたけれども、そのお考えに変わりはないかということと、具体的な日程についてどのようにお考えか。それと、政府与党内ではこのタイミングでそういった決着を図るということに異論もあるようですけれども、その点について大臣のお考えをお願いします。
(答)まず総理からは、来春の内閣人事局の設置の指示をされております。また、御承知のとおり、基本法において、7月10日に公務員制度改革本部の期限が来ます。やはりそこまでに私は方向性というものを出すべきだと思いまして、1か月前の所感にそういうことを書いているところです。
 また、私はこの公務員制度改革はとても不幸な歴史があって、その理想はいいのだけれども、その後の誤った政治主導ですとか、何となく公務員制度改革が公務員バッシングと同様に解されるというようなことがあったかと思います。しかし、私はやはり規制改革会議を見ていても、やはりこの縦割り行政の弊害というのは排除をしなければならないというふうに思っています。なぜこんなに岩盤のような規制がいつまでも残っているのかというと、やはり省庁ごとの縦割りがあって、なかなかその規制を取り払うことのインセンティブが働かないというのもあると思います。そういう意味において、幹部人事を一元化する。何もそれは好き勝手に人事を行うということではなくて、きちんとした適格性審査もやり、そしてそこで公平な人事をやっていって、省庁を横断した形の人事をやるということは、縦割り行政の弊害を除去することについて非常に私は有益だと思うし、機動的な人事行政を行うための最小限度の機能は内閣人事局に移管をすべきだというふうに思っています。
 そして、今まで(国家公務員制度)改革基本法が制定されてから、多くの議論が積み重ねられております。私はどこかで決断をしなければいけないと思いますし、またその決断をして、非常に大きな改革ですから、もし仮に問題点があれば、それを変えていくということもやっていくべきだと思いますので、これ以上、議論をするという、もちろん丁寧かつ早急なという党の提言もありますけれども、丁寧かつ早急な議論をして、来年4月の内閣人事局設置に向けて進めていきたいというふうに思っております。
(問)具体的な日程なのですけれども、今月いっぱいというと、今週金曜日までですけれども、金曜日までに決めるおつもりかどうかということについて。
(答)金曜日までにとか、そういうことではなくて、やはり7月10日というのが一つ大きな節目であろうかと思いますので、今調整を行っているところです。
(問)フリーランスの安積です。クールジャパンについてお伺いしたいのですけれども、本日報道された通商白書で、TPPを推進することが記載されていまして、クールジャパン推進としては、日本ブランドの強みを活かして、よりたくさんの生産物、工業製品、農産物を含めて、海外に発信していかなければならないということなのですが、例えば日本米などブランド品として国際競争力は十分にあると思うのですが、ただ、お米の担当の農水大臣が、脱炭水化物ダイエットとかされていまして、お米を召し上がらないダイエットをされているわけなのですけれども、これについてクールジャパン担当大臣としてはどういうふうにお考えでしょうか。
(答)林(農林水産)大臣、そういえばスマートになられたなと今思います。そして、やはりクールジャパン戦略担当大臣としては、クールジャパン戦略自体が隗より始めよというか、自らが発信するということは非常に重要だと思いますので、私はおいしいお米をどんどんと食べていただきたいと、スタイルを気にせずにというふうに、クールジャパン戦略担当大臣としては思いますし、今おっしゃった日本のブランド米、これは非常に世界からも価値があるというふうに認められておりますので、これをどんどんと輸出していく方法というものも考えていかなければならないと思います。
(問)フリーランスの安積です。体形を気にせずというよりも、お米に対しての偏見があるのではないかと思うのです。日本食というのはかなりヘルシーで、ダイエットというか、海外の食べ物に比べたらダイエットに適切なのですが、こういったものを、お米、米飯を含めて、どんどん発信されるということはありますでしょうか。
(答)科学的な根拠は別にして、朝御飯を食べている子どもは非常に成績がよいという記事が載ったことがあります。私はやはり今おっしゃったように、お米はすごくヘルシーだし、カロリーも少ないし、海外ではダイエットにもいいということで、日本のお寿司を始め、日本食、お豆腐とか非常に人気があるので、林大臣がお米に対して偏見があるとは私は全然思っていませんけれども、是非その良さも発信をしていけたらと思っています。
(問)時事通信の大沼ですけれども、都議選で自公で圧勝した、その受け止めをお願いします。
(答)私は予想というか、全部当選するというのは初めてかと思いますけれども、やはりこの都議選の結果に慢心することなくというか、でもやはり地元に帰ると、アベノミクスの効果がまだ実感できないという声も非常に多く聞きます。そういう意味で、都議選で勝ったから参議院選で大丈夫だということは全然なくて、むしろ参議院選に向けて、このアベノミクス、そして安倍内閣の成長戦略を始め、政策をきちんと訴えていくと、そして地方にも目を向けた政治をやっているのだというところはアピールをしていかなければいけないと思います。
(問)ライターの藤井と申します。18日の会見で、児童ポルノ法に関して、表現の自由について、不当な制限にならないようにするべきという御発言があったかと思いますが、正当あるいは不当な線引きというのはどうするべきなのかというようなところが、特に漫画、アニメのファンの方々に関心が高いかと思います。以前にも、表現の自由は無制限ではないというふうな御見解を述べていらっしゃったので、どういう場合に制限があるべきなのかという、これはクールジャパン政策にも関連することだと思いますので、大臣御自身の御見解をいただければと思います。
(答)この間質問の中で、ドラえもんの入浴シーンが法案が成立したら発信できなくなるのではないかというような、そういう質問がありました。私も日本のアニメ、コンテンツを発信していく上で、過剰なというか、不当な制限があるということは、クールジャパン戦略担当大臣としても、ないようにしなければならないと思っております。
 表現の自由も無制限ではないというふうに発言をしたのは、表現の自由というのはまさしく民主主義における投票箱の過程を保障するという意味において、非常に憲法上の権利の中でも優越的な地位を占めていると思います。ただ、それも無制限に何でもかんでも表現の自由を認めるというわけではなくて、やはり一定の制約はあるという趣旨で言いました。そして、それは個別具体的に検討すべき問題だというふうに思っています。
(問)ありがとうございます。すみません、ちょっと別件で、先ほど再チャレンジに関する懇談会についてのお話があったので、こちら、若者、女性、高齢者への支援というふうな側面で出されているのだと思うのですけれども、とはいっても、雇用する側の意識というふうなものが変わらないと、なかなか雇用に結びつかないと思うのですけれども、そういったところはどのような方策であるべきかというところもお聞かせいただければと思います。
(答)非常に重要なポイントの指摘だと思います。また、若者・女性活躍推進フォーラムをずっとやってきましたけれども、再チャレンジ、若者、女性だけではなくて、高齢者もあるし、また様々な人生のステージにおいて再チャレンジということが考えられるかと思います。そんな中で、今日は非常に私も感銘を受けた話ばかりだったのですけれども、中でも5年間ほどひきこもりをしていて、そしてその人が、やはり自分に合った一歩を踏み出すということで、地域若者サポートステーションでの経験をお話しになりました。今回の成長戦略、日本再興戦略の中でも、この地域若者サポートステーションの取組をもっと充実をさせる、そして企業の意識をどう変えるかということは、そう簡単には変えられないと思いますけれども、そういう取組をやっていることや、再チャレンジをされている方々のそういう勇気を持って一歩を踏み出している経験なども発信をし、また教育の中でも取り入れていくことによって、社会全体の意識を変えていくということが重要なのではないかと思っています。
(問)共同通信の中久木ですが、再チャレンジ懇談会なのですけれども、この懇談会の位置づけなのですけれども、これは今後どういうふうに進めていくのかと、報告書か何かをまとめる予定があるのでしょうか。
(答)まず、今まで再チャレンジとしては、若者、女性ということで、若者の学び直しとか、また就職・採用活動開始時期変更の問題やら、そういうところに取り組んできて、結果というか、結論も出してきましたが、今日はそれに限らず、いろいろな場面で、障害者の方であったり、ひきこもりであったり、また破産をされた方とか、いろいろな方の話を聞くという懇談会をしました。また、総理も、自分自身も再チャレンジなのだと、そして一回失敗したことが実はキャリアなのだということを今日もおっしゃっておられましたけれども、そういう社会づくりをしていく、また政策において再チャレンジを支援していくということを盛り込んでいますけれども、その実施に向けて充実をさせていくということも含めて、今日の懇談会は開催をいたしました。
 ただ、今日非常に短い時間だったこともありまして、出席された方々からも、もう少しお話ししたい。もちろん私も個別に聞くこともあろうかと思いますけれども、またもう一度開催をするということも検討していきたいなと思っています。
(問)報告書のまとめというのは。
(答)そして、今日、色紙を皆さんに書いていただきましたよね。それも、色紙を書いていただいたことも発信をしていきたいですし、報告書をまとめるという種類のものとは考えてはおりません。
(問)フジテレビの和田でございます。
 先ほど公務員制度改革が出て、大臣は来年春の内閣人事局設置に向けた意気込みを示されたので、その関連でちょっと先走った質問で大変恐縮なのですが、あまり厳しい顔をしないでください。
 内閣人事局長なのですけれども、内閣総理大臣が内閣官房副長官の中から指名する者をもって充てるものとするという方向のようなのですけれども、これは文字通り総理が指名をされるということだと思うのですが、大臣御自身が念頭に置いておられるのは、事務の副長官ということではなしに、国会議員の副長官なのか、全くそういうことでは念頭に置いておられないのかという点についてお伺いします。
(答)内閣人事局長の人選についても、過去、甘利大臣のときに出された法案のときにも、非常に議論になったかと思います。議論の末に内閣官房副長官の中から選ぶという、そういう方針をそのときは示されて、法案の中にそういう文言になっていたかと思います。私自身も、事務であるか、政治家であるかということにとらわれずに、内閣官房副長官の中から選ぶというのがいいのではないかというふうに私は思っております。

(以上)