森内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年7月18日

(平成26年7月18日(金) 10:54~11:09  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

<消費者庁の人事案件について>
 おはようございます。本日の閣議において内閣の承認が得られました消費者庁の人事案件について御報告いたします。
 消費者庁長官阿南久が8月9日付で任期満了により退官し、その後任に8月10日付で文部科学省大臣官房付の板東久美子を充てることといたしました。
 また、同じく8月10日付で消費者庁次長山崎史郎が内閣官房に出向し、その後任に消費者庁審議官川口康裕を充てることといたしました。

 

<薬物乱用対策推進会議の開催について>
 次に、薬物乱用対策推進会議の開催について申し上げます。
 本日の閣議後、薬物乱用対策推進会議を開催し、いわゆる「脱法ドラッグ」の乱用の根絶のための緊急対策を取りまとめました。「脱法ドラッグ」については、その乱用者による深刻な事故等が多発したことから、今月8日に私を議長とする薬物乱用対策推進会議を開催したところですが、この会議における総理指示を踏まえ、「脱法ドラッグ」の乱用を根絶すべく、まずできることから迅速に取り組んでまいりました。更に政府一丸となって取り組みを強化すべく、本日緊急対策をまとめたところです。
 緊急対策の内容ですけれども、実態把握の徹底とその危険性についての啓発強化、指定薬物の迅速な指定と犯罪の取り締まりの徹底、規制のあり方の見直しの3つを柱としています。
 いわゆる「脱法ドラッグ」の乱用は、絶対に許されるものではありません。脱法ドラッグの乱用による事故が続いています。政府としても強い危機感を持って、「できることは全て行う」という基本姿勢で取り組んでまいります。
 夏休みに入る前のこの段階で緊急対策を取りまとめました。国民の皆様には、「脱法ドラッグ」は非常に危険な薬物であり、その乱用は絶対に許されないものであることを御認識いただきたいと思っております。
 以上です。

2.質疑応答

(問)消費者庁長官の人事の狙いをお願いします。
(答)消費者問題について、事あるごとに申し上げてまいりましたのは、消費者被害の救済を事故が起こるたびにしているだけでは、なかなか消費者被害が根絶できないということです。このたび、ベネッセによる個人情報の流出事件もありました。子供にかかわる情報が1件1円にも満たない金額で売られるなど言語道断の事件ですけれども、そういった事業者のモラル違反というものも顕在化してまいりました。食品偽装の問題もありました。一流のホテルや大型デパートによるモラルの鈍化であるというふうに思います。
 こうした事業者の規範意識の欠如に対して事業者教育というものが大きな消費者教育の中に含まれます。また、高齢者の振り込み詐欺を始めとした高齢者被害というものが消費者被害の金額のトップを占めております。非常に多額な被害が増加をしております。こういった被害から身を守るための消費者が賢く、みずから、または身近な親しい方が被害に遭わないためのみずから守っていく知恵を身につけるための消費者教育というものも重要です。
 そういった意味で消費者教育推進会議の委員も経験のある板東久美子さんに今後は消費者行政の中で消費者教育、子供のうちから、そして社会人になっても、そして生涯を通じて消費者教育を受けていくといったこと、そして将来事業者になる子供たちについても事業者になったときにしっかりと消費者目線で事業を行っていくということも身につくように期待をしたいと思います。
(問)関連なのですけれども、消費者庁長官は民間から2代連続で登用されていましたが、今回は官僚出身の方ということでありました。このことについて、どのように思われるか、大臣の御所見をお願いします。
(答)私は必ずしも民間にはこだわりません。民間であっても、官僚であっても、消費者行政といったことをしっかりと行っていっていただきたいと思っています。
 今回板東さんを起用したのには、先ほどの消費者教育以外にさまざまな期待を込めてでございますけれども、1つには消費者庁、でき上がって5年たちました。私が大臣になって非常にがっかりした面も多くありました。そこで本来のそもそもでき上がった趣旨にのっとって行われていないのではないかということが消費者団体や弁護士団体からも意見書の形で出されるぐらい消費者庁がうまく機能していなかったわけです。
 このことに対して、一つ一つのことがらを改革してまいりました。例えば消費者安全調査委員会、先日被害者の方もいらっしゃいましたけれども、大臣室で面談もしましたが、そういったことについても数だけを競うような目標が立てられていたり、そして迅速性を追求するような事務的な工夫が全くなされていなかったということで改革をしてきましたが、一つ一つ改革をしていくだけでは解決できない、そもそもの立ち位置というものをしっかり確認するために、過去を振り返ってレビューすることを指示しました。5年間の消費者行政について消費者庁がしっかりとレビューをするということで今般取りまとめをしているところでございます。
 その折に総務省からも最初の3年間で当初の目的どおりに動いていないのではないかという勧告もいただきまして、その勧告にも回答していかなければならない。消費者庁は5年を迎えて、しっかりと立て直しを図っていかなければならない時期にいます。そのような中で、板東さんの今まで霞が関の中で、言ってみれば男社会の中でやり抜いてきたその手腕を生かして、他省庁とも渡り合いながら、そしてこの消費者庁の中もしっかりまとめて立て直しを図っていただきたいと思います。
 聞くところによると、52年入省ですか。そのときに同期で入った女性が5人。その中で今残っているのは板東さん、ただ1人ということです。いろいろな御苦労もあったと思います。女性の活躍という面でも非常に期待したいと思っています。
(問)官房長官の会見で発表があったのですけれども、地方創生本部の準備チームの立ち上げについて総理から指示があったというお話なのですけれども、具体的にどういった指示があって、森大臣は閣僚懇談会で発言とかされたのか教えてください。
(答)名称は今御指摘のあったような名称ではございませんけれども、人口減少、特に地域の人口減少の克服に向けて官邸に設置される戦略本部について総理から指示がありました。
 私からは、少子化危機突破タスクフォースにおいても官邸に戦略本部を立ち上げることを提言してまいりましたので、そのとおりになったというふうに思っております。
 人口減少、少子化問題というものについて、私は第18代少子化対策担当大臣でございますけれども、これまでの取組が決して十分なものではなかった、その一因として少子化対策担当大臣がこの内閣府にいて予算も持たず横串の提言をしていくということは、なかなか力仕事だと思います。そこで、この少子化の深刻度に応じた位置においてしっかり意見を申し上げていくことが重要である。ですから、内閣府から官邸にステージを移して、戦略本部の担当大臣が人口減少と地方の創生といったものについて他省庁に指令を出せるということ。でなければ、我が国の人口減少は解決できないというふうに思って提言をしてまいりましたが、それが本日実現をして総理から指示があったということです。
 私からは、少子化危機突破タスクフォースの中で勉強し、議論してまいりました都市と地方の少子化問題の違い、都市部においては待機児童の解消や、働き方改革の強化が重要である一方、地方においては安定した雇用の場の創出、産婦人科、小児科不足などが問題とされています。そのような地域の実情に応じた支援をしていくこと。また、育児支援だけではなく、結婚、妊娠、出産、育児と切れ目ない支援をしていくとともに、少子化対策と深くかかわる女性の活躍をさらに強力に進めていく必要があるということを閣僚懇談会において申し上げたところでございます。
 そして、昨年私のもとで創設をいたしました地域少子化対策強化交付金がこのような地方の実情に応じた結婚から育児までの切れ目ない支援に使えることとなっておりまして、これを活用した先進的な取組が展開されておりますので、そうしたことも見ながら、しっかり地方と連携しながら政府一丸となって少子化対策に取り組んでいくべきだということを申し上げました。
(問)昨日、特定秘密保護法の運用基準が情報保全諮問会議のほうで示された件なのですけれども、これをパブリックコメントにかけられるということなのですが、具体的な日時のほうはもうそろそろ決まりましたでしょうか。それと、そのパブリックコメント、それに対しての大臣の意気込みというか、思いを教えてください。
(答)パブリックコメントの日時はまだ具体的に決まっておりませんが、1週間程度でかけるということで委員の先生方の御了解を得ているところですので、作業を急がせたいというふうに思います。
 特定秘密保護法は国民の皆様の関心が非常に高く、国会審議等でも注目をされた法律でございますので、この間の運用基準、政令案の策定に関しましても、今までと違ったさらにきめ細かい手法で委員の皆様の御意見を頂戴してまいりました。つまり、御質問をそれぞれいただいて、そしてそのいただいた質問を全ての委員に共有する。そして、いただいた質問に対する回答も全て行って、大量な回答がありましたけれども、それについても委員の皆様と共有する。そして、また再々質問に対しても御回答申し上げる。そして、その質問と回答をたたき台に反映した、その痕跡を見え消しの形で赤字で全て残した資料を作成いたしまして、昨日も配付し、これを国民の皆様にも公表し、見える化をいたします。そういった丁寧な手法で国民の皆様に情報を提供し、不安を払拭してまいりたいと思っていますが、このパブリックコメントにおきましても国民の皆様の質問を直接お受けする場でありますので、今言ったような姿勢で真摯に質問にお答えをしてまいり、そして透明性をしっかり確保して、国民の皆様の疑問にお答えし、不安を払拭してまいりたいと思っています。

(以上)