森内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年7月11日

(平成26年7月11日(金) 10:40~10:51  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

 <富山市への出張の報告について>
 おはようございます。私から、富山市の出張について御報告をいたします。
 昨日10日木曜日、富山市を訪問し、少子・高齢化に対応した先駆的なまちづくりや子育て支援の取組の視察、及び森雅志富山市長との意見交換等のため富山市へ行ってまいりました。
 富山市長から冒頭、ニュージーランド地震被害跡地における総理の献花について御礼のお言葉があり、御遺族が大変感謝していますというお話でございました。
 次に、人口減少時代におけるモデル都市として注目を集めております、公共交通を軸としたコンパクトシティでございますけれども、全国初となる本格的なLRT「富山ライトレール」に実際に乗車をさせていただきまして、森市長の御説明を伺いながら、高齢者も生活しやすい中心市街地づくりの取組状況を視察しました。
 ライトレールの床面は通常の歩道と全く同じ高さで段差がございませんので、高齢者の皆様が階段なしに乗り降りできたり、障害者の皆様が車椅子で乗り降りをするのが非常に楽でして、バリアフリーな乗り物でございます。それを200円で乗り降りできて、外国人の旅行者の方には無料乗車券を出しております。また、おもしろい取組として、まちの花屋さんで花束を買ってライトレールに乗ると無料乗車券がプレゼントされるということで、花束を持って乗っている人が多くて、とても素敵な景観を醸し出しており、街中に花も飾ってあります。
 高齢者が住むマンションからは雨に濡れずにライトレールの駅に直通になっております。また、ライトレールの途中にスーパーの駅があって、その駅で降りると、そのままスーパーの中に入れるようになっていますから、高齢者の皆様、住処から出て買い物して、また、手押し車で押しながら戻ってくる、病院にも行くということができます。そうしますと、自分で歩いて出かけるということで、介護予防にもなるという、元気にまちの中に出ていく高齢者が増えるというお話でございました。
 また、子育て支援施設とこども図書館が一体となった施設、これも見ました。とやまこどもプラザというのですけれども、騒いでよい図書館ということで、子供たちがワーワー言いながら図書館を使うという様子。それから、こどもプラザのほうは、子育て支援施設と一体となっているのですが、支援施設は遊び場になっているのですけれども、そこに来ているお母さんたちと懇談をさせていただきましたら、お母さんは毎日来たり、週3日来たり、しょっちゅう来ているのですが、何で来るのかといったら、遊具がとても新しくてきれいで広くていいのですけれど、そうではなくて、先生に会いに来ますと。先生というのは、支援施設にいる保育士、所長さんなのですけれど、その方に子育ての悩みを聞いてもらったり、その方の顔を見るだけでほっとするということで、お母さんたちの相談の場所になっているということで、私が今注目をしているフィンランドのネウボラに近い機能があるのかなというふうに思いました。
 さらに、富山市の消費生活相談の概況などについて伺いました。
 富山市は、今度、消費生活センターを土日祝も開所することを決めました。これは700カ所以上全国にあるうちで15番目だったと思いますが、土日祝の開所をするということで、相談員を増員します。その増員については、消費者庁の基金からお出ししています。
 また、消費者庁が基金の中で行っている先駆的プログラム、10分の10の分の予算でございますが、先駆的プログラムを利用して電話録音システムを展開していただきました。25年度で1年間展開をしていただきました。125台高齢者のお宅に電話を録音する機械を貸し出して、そうしますと、振り込め詐欺等の電話がかかってきたときに、「この電話は録音されています」というメッセージが流れた途端に切ってしまうということで、高齢者の被害を事前に予防する効果があったというお話も伺いました。
 こういった魅力あるまちづくり、少子・高齢化の中で生き残っていけるまちとして富山市はまちづくりを進めておりまして、非常に参考になりました。
 最後に、角川介護予防センターも見てまいりまして、ここは市民の方の寄附でつくったということですが、全国で三つしかない介護予防施設です。介護施設でなくて介護の予防の施設で、あのぐらいの規模は全国に三つしかない。そして温泉を使っているものは一つしかないということです。温泉を使ったプール、プールの中に石畳とかいろいろなカーブをつくって、そこを歩いたりして高齢者の方が運動するのですが、ちょっと足腰弱くなったなと思う高齢者の方がそこに通っていろいろなマシンや何かで体を鍛えていくという様子を見させていただいて、将来の介護の負担を減らしていこうという取組もされておりました。
 今後もこういった取組を少子化対策、子育て政策、消費者行政の充実に生かしてまいりたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)通信教育会社のベネッセの件で、問題について二つ教えてください。
 一つは、個人情報保護法の所管大臣として問題をどのように受け止めているかということです。
 もう一つは、ベネッセに対して監督官庁の経産省が昨日、報告徴求していますけれども、リストを販売した名簿業者については規制がないように見えますが、そのことについて、大臣は現状をどのように認識されているか、あるいは対応策みたいなのを考えていらっしゃるのでしょうか。
(答)同社において約760万件、最大2,070万件の個人情報が流出したという発表がなされておりまして、大変遺憾なことだというふうに思っております。同社において速やかに原因究明が行われますこと、そして再発防止に向けた対策が早急にとられることを強く希望いたします。
 所管大臣として個人情報保護法について申し上げますと、個人情報保護法は、主務大臣制をとっておりますので、本件の場合はサービス業を所管する経済産業省が主務大臣となりまして、そこにおいて報告徴求を行ったということになります。消費者庁としてはまたその状況をしっかり注視をし、その原因究明なされた事案の内容に応じて適切な対応を行ってまいりたいと思います。
(問)関連ですけれども、今回報道されていますが、ベネッセから恐らく複数の名簿業者を経由して、最終的にはジャストシステムから発出されたのではないかと報道されています。今おっしゃっていたように、ベネッセに関しては経済産業省の所管になると思うのですけれども、個人情報保護法の規定ですと、不正な手段で得られたと知っていながら入手した場合も個人情報保護法に抵触する可能性があると消費者庁のほうで昨日聞いているのですけれども、名簿業者というのは、これはどちらの業界を所管する省庁が監督すべきものに当たるのでしょうか。
(答)これにつきましては、真実の原因の究明、事実関係がしっかりと調査をされた上で適切な対応を行ってまいりたいというふうに思っております。
(問)その調査はどこがすべきだと、経済産業省がまず一義的に行うべきだというお考えでしょうか、名簿業者に関してもですが。
(答)この事案全体の概要について経済産業省が調査を行っております。
(問)特定秘密保護法の関連についてお聞かせください。先般、集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈を変更する閣議決定がなされたわけなのですけれども、今後、アメリカなどの要請を受けて、日本が海外で武力行使することになった場合に、この戦争に参加する理由に関する情報が特定秘密保護法によって国民に開示されないのではないかという懸念が広がっております。こうした懸念についてどのように大臣お考えになるかお聞かせください。
(答)特定秘密保護法に関しましては、同法に書いてありますとおり、23の項目に該当する場合に主務大臣が特定秘密に指定をするわけでございますので、それに該当するかどうかという話になると思います。

(以上)