森内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年6月27日

(平成26年6月27日(金) 10:48~11:06  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

 <消費者基本計画の見直しについて>
 おはようございます。私からは2点ございます。
 まず1点目が消費者基本計画の見直しについてです。
 本日、消費者基本計画の改定について閣議決定を行いました。この度の改定では、新たな重点施策として課徴金制度の導入を含む景品表示法に基づく表示の適正化を追加するなどいたしました。なお、改定においては消費者委員会及びパブリックコメントの意見等を踏まえるとともに、今年度に実施している消費者行政のレビューを盛り込むなど見直しを行っております。
 今後とも消費者基本計画に盛り込まれた各施策を実効あるものとし、消費者の安全・安心が確保されるよう政府を挙げて取り組んでまいります。
 
 <不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律の施行期日を定める政令について>
 次に、景表法等の施行期日を定める政令について申し上げます。
 本日、不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律の施行期日を定める政令を閣議決定いたしました。本政令は、先般公布されました不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律のうち景品表示法の改正部分及び独立行政法人国民生活センター法の改正部分を平成26年12月1日に施行させるとともに、課徴金制度の整備に係る検討規定を本政令の公布の日に施行させることを定める政令です。
 今後、改正景品表示法の円滑な施行に向け、必要な政令指針等を速やかに策定するなど準備を進めるとともに、十分な周知を行ってまいります。また、課徴金制度の検討につきましては、早期の法案提出に向けて法制的な詰めを加速してまいります。
 以上です。

2.質疑応答

(問)昨日、各紙が報道しているんですけれども、カネボウの問題で、カネボウが補償を支払うと発表しました。あの問題からそろそろ1年たつわけですが、大臣、改めて今回の措置についての受けとめ等々を教えていただければと思います。
(答)昨日、カネボウ化粧品が被害者への補償内容の見直しを発表いたしました。個別の補償内容については被害者と事業者との間の民事上の問題でありますので、コメントすることは差し控えたいと思いますが、カネボウ化粧品には、当時女性の皆様に非常に大きなショックと不安を与えた問題でございますので、製品の安全確保と再発防止の取組をしっかりと進めていただきたいと思っています。それとともに、まだ治療が終わっていない消費者の方もいらっしゃるわけですから、しっかりと誠実な消費者に対する対応を行っていただきたいと希望します。
(問)安愚楽牧場の財産被害の関係で、被害者の方からの提訴からしばらく時間がたっていたかと思うのですけれども、消費者庁と農水省が被告に名を連ねていると思いますが、裁判での対応というのは、ある程度決まったことがあるのでしょうか。
(答)安愚楽牧場の訴訟でございますけれども、国賠訴訟が提起されたというふうに報道がございまして、報道によると東京、宇都宮、名古屋と提訴されたということでございますが、訴状の送達は宇都宮についてのみ6月16日に送達され、6月17日に消費者庁で受領をいたしました。その他の訴訟については、まだ訴状の送達は受けておりません。これを踏まえて法務省や農水省等と協議をして対応をしていくことになります。
 この安愚楽牧場につきましては、消費者被害の中で戦後最大の被害と言われております。被害者の数、被害金額とも戦後最高というふうに言われている大きな消費者被害でございます。前政権下のことでございますが、消費者庁が当時、安愚楽牧場から報告をしたいという申し出があったにもかかわらず報告を受けることを拒否したという事実があったというふうに報告を受けております。そのことについて国会の場において、当時の松原消費者担当大臣が、消費者庁としては報告を受けるべきであったとして当時の担当に厳重注意をしたということ及び担当大臣としては遺憾であると答弁をしたということも承知しております。私は、そういう経緯を踏まえますと、消費者庁として、また政府として、この事件には真摯に向き合っていくべきものと思いまして、事務方にその旨指示をしたところでございます。
(問)真摯に向き合っていくべきと思うことは、具体的にどういう対応をとるような指示をされたんでしょうか。
(答)事実関係をしっかり調査することがまず大事だと思います。当時、消費者庁が報告を受けなかったということは事実であろうと思います。そして、その当時の安愚楽牧場の状況、被害の状況、牛の数が実際とどれほど異なっていたか等々によって、消費者庁が報告を受けなかったことによって、それ以降の被害の拡大にどれだけ因果関係があるのかということが焦点だと思います。担当する省庁として、被害にどれだけ因果関係があったということが裁判の争点になると思っておりますけれども、私としてはやはり今後は、その真実、事実調査とともに今後の消費者庁の対応のあり方ということをしっかりと見直していかなければならないと思います。担当する業者が報告に来ると言っているのに、来なくてよいというようなことが今後はあってはならないというふうに思います。
(問)今のお話ですと、それは消費者庁の当時の対応に、これはもう既に出ている話ですけれども、改善点があったということで、これはもう消費者庁だけで決められる問題ではないと思いますけれども、裁判でも全面的に争うのではなくて、ある程度落としどころを探っていくということになるんですか。
(答)裁判の方向については、まず事実関係をしっかり調査をして対応していくべきだと思いますが、私は、その対応のあり方ですね。やはり誠実に真摯に向き合っていくべきものというふうに思います。
(問)消費者基本計画についてですが、大臣、次の大きな見直しがあるということかと思うのですが、あまり本格的な見直し項目が入っていないと思うのですが、どのぐらいのパブコメが出て、パブコメを踏まえて変更された点がありますでしょうか。更に、次期の消費者基本計画の改定に向けて大臣のお考えをお聞かせください。
(答)パブコメの数ですけれども、5月9日から26日までで332件のパブリックコメントに寄せられた御意見がございました。例えば高齢者などを狙った詐欺的投資勧誘事犯の取締りの強化についての御意見を踏まえまして、担当する省庁に厚生労働省を追加するなどの見直しを行ったところでございます。
 基本計画に関する意見についてのご質問は、資料が来るまで、他の方の質問にお答えします。
(問)情報保全諮問会議について伺いたいのですけれども、夏ごろにパブリックコメントを行いたいというような発言を以前されたと思うのですけれども、その後、実施の時期等についてのことは動きましたでしょうか。
(答)情報保全諮問会議でございますね。第2回会議のスケジュールでございますね。これは近々に開いてまいりたいと思いまして、今日程調整をしているところでございます。
 消費者基本計画の見直しについてのご質問でございますけれども、今回は5カ年計画の最後の見直しになりまして、次の新たな5カ年計画を策定しなければなりません。これは本年度中に策定をしなければなりませんので、先ほどお話をしました、新たに見直しとして入れました課徴金制度の導入を含む景品表示法に基づく表示の適正化の点であります。このほかにも、私としてはいろいろなことをやりたいと思っております。消費者庁が総務省から勧告を受けました。前政権のことではありますが、前政権下の3年間について総務省が丸々1年かけて調査をして、その結果を勧告をしてきたわけでございますが、さまざまな点を指摘されております。そういったことにお答えをする準備を今している点でございますが、お答えをした、その内容を踏まえて、5カ年計画にしっかり盛り込んでいきたいと思います。
 この総務省の勧告を受ける前ですけれども、私が大臣になって消費者庁の中を見て、根本から立て直さなければならないなというふうに思って、さまざましてきたことがあります。消費者庁と消費者委員会、そして国民生活センターの三者のあり方、あり方見直し検討会もしてまいりました。そのほか、消費者事故調の内容もそうですし、スピードもそうですし、調査に上げるか上げないかの選定の方法もそうですし、さまざまなことで見直しをしなければならない点が多くありました。こういったことを一つ一つ実行してまいりましたが、その結果を踏まえて新たな5カ年計画にもしっかり盛り込んでいきたい。総務省の勧告の前に消費者行政のレビューというものを私で指示しまして、私が気がついた以外にも直すべき点がないかどうか、総ざらいするということで指示をしております。このレビューの結果を踏まえて、新たな5カ年計画にも入れ込みたいと思っています。
 そして何より一番やりたいと思っていることが消費者教育です。起こった消費者被害に一つ一つ対応して救済をしていくということは大事なんですが、近年激増している消費者被害に対応するには、まず防止ということで、国民一人一人の消費者問題に対応できる力をつけていくという意味で消費者教育、それには広い意味で事業者の教育も含まれます。事業者が良質な事業活動をして消費者被害を未然に防止する、また消費者被害を起こしてしまった事業者も、小さいうちにそれを公表して自浄作用でなくしていくということができるように、事業者教育、消費者教育、それをしっかりと進めてまいりたい。そういったことも見直したいと、5カ年計画に入れたいと思っております。
(問)ありがとうございます。もう一点、食品表示法の新基準のプレ案についてなんですが、消費者委員会の表示部会で最終的に報告がまとまる日に、まだ議論の終わっていない日に、消費者庁から出たパブコメ案が報告という形で了承もされないまま終わってしまい、それがパブコメにかかるようなんですが、具体的に委員の中からは、取り上げている意見が偏っている部分、意見が出てどれが最終案に入るかというのもはっきりしない段階で、もう既にパブコメ案として出てしまいました。そのパブコメについても、これではとても普通の一般の消費者が理解できないのではないかと、具体的にこれまでの議論がわかるような形で出してほしいという要望が委員から出されていますが、いつごろ、どのような形でパブコメは出されるんでしょうか。
(答)その辺の手続がどのようなものがあったかというのは承知しておりませんので、しっかり報告をさせて対応したいというふうに思います。

(以上)