森内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年1月17日

(平成26年1月17日(金) 12:23~12:40  於:合同庁舎第4号館6階605号室)

1.発言要旨

<平成25年の年間自殺者数について>
 お待たせをいたしました。私から4件ございます。
 まず、平成25年の年間自殺者数について申し上げます。
 本日の閣議において、私から、この件について発言をいたしました。平成25年の自殺者数は2万7,195人となり、15年ぶりに3万人を下回った一昨年と比べて更に663人減少いたしました。担当大臣として、一人でも多くの方の命を救えるように、今後とも関係省庁や地方公共団体と連携しながら、地域の実情に応じたきめ細かな自殺対策を一層推進してまいります。
 詳細については、担当にお問い合わせをください。

 

<第1回情報保全諮問会議の開催について>
 次に、第1回情報保全諮問会議の開催について御報告を申し上げます。
 本日、総理御出席のもと、官邸において第1回情報保全諮問会議を開催いたしました。会議冒頭、安倍総理、及び本会議で座長を務めていただきます渡辺読売新聞グループ代表取締役会長・主筆から御挨拶をいただき、その後、各委員の皆様方から、特定秘密保護法に関する貴重な御意見をいただきました。今後、本法の施行を担当する大臣として、各委員の皆様方の御意見を踏まえつつ、運用基準の案や政令案の作成等に向け全力で取り組んでまいる所存でございます。
 なお、本日の会議に関する内容等の詳細につきましては、この後、本会議で主査を務めていただきます永野委員からブリーフィングがございます。

 

<茨城県の少子化対策事業の視察及び橋本昌茨城県知事との意見交換等について>
 次に2件、視察について御報告をいたします。
 茨城県について。一昨日15日水曜日でございますが、茨城県の少子化対策事業の視察及び橋本昌茨城県知事との意見交換等のため茨城県へ行ってまいりました。
 茨城県は、全国に先駆けて、若者の出会いの場の提供などの結婚対策支援を推進しています。平成18年6月に設立された、いばらき出会いサポートセンターは、運営上の様々な工夫により、週末は利用者の予約が埋まるなど多くの方に利用されており、設立7年半で成婚数が1,100組を超えたと伺いました。また、実際にマリッジサポーターとして活動されている8名の方とお会いをし、活動内容や日頃の思いを伺いました。サポーターの皆さんはボランティアでございまして、活発に男女の出会いの機会の創出を支援されており、すばらしい取組だなと感じました。県内で制度が知られており、認知度が非常に高いので、それが充実した活動につながっていること、結婚まで結びつけることはなかなか難しいなどのお話もありました。
 橋本知事との会談では、知事から、結婚支援の重要性についてお話がありました。結婚、出産や子育てに関する素晴らしさを伝える取組が必要であると御意見をいただくとともに、少子化対策、女性の活躍推進などについて意見交換を行いました。
 その後、茨城県信用組合を訪問いたしました。企業は社会に貢献すべきという考えの下、男女共同参画を進めるために、女性だけの出張所を開設したり、託児所の設置や出産祝い金などによる従業員の子育て支援を充実させています。今回の視察の結果を踏まえ、今後も関係機関としっかり連携しながら、女性の活躍推進、少子化対策に取り組んでまいりたいと思います。

 

<三重県への食品表示等問題などにかかる視察について>
 最後に、三重県の視察について申し上げます。
 昨日、食品表示等問題などにかかる視察を行うために三重県を訪問してまいりました。現地では、福寿荘という旅館ですね、及び合歓の郷ホテル&リゾートを視察したほか、鈴木英敬三重県知事との面会、三重県消費生活センターの消費生活相談員、不当商取引指導専門員との意見交換を行いました。
 特に福寿荘は、三重県の旅館ホテル生活衛生同業組合の理事長を社長が務めていらっしゃるということで、福寿荘は事件はなかったんですよ。本物のイセエビをイセエビとして提供している。理事長でございますので、これを消費者庁から組合として講師を招き、組合員であるホテルや旅館を集めて適正表示の研修会を2回にわたり開催をした。それから、福寿荘御自身も、違反事例はなかったんですけれども、理事長として模範を示すために、9月までさかのぼって表示の自主点検をきちんとシートをつくりましてやっている。そして、調理場も視察をさせていただきましたけれども、調理場の中に本日の産地情報というものをきちっと仕入れ伝票をもとに料理長が記載をし、それを従業員が全員見て意識を共有する。お客様にお料理を出す従業員の皆様までしっかりと情報を共有して行っているというところを見せていただきました。
 また、合歓の郷ホテル&リゾートでは、食品偽装の件が該当していたということを御自身が発表した、そういうホテルでございますけれども、偽装の問題があったホテルは、私、消費者大臣の視察を受け入れるのに二の足を踏むところが多い中、積極的に受入れをしてくださったことは評価したいと思います。そして偽装、1年半ぐらい産地の表示が異なっていたところを改善をした点を見せていただきました。実際に従業員の皆様の朝礼も再現をしていただきまして、私が立ち会って、どのように仕入れ係、メニュー作成者、調理者、二重、三重にチェックする体制を構築したかというところを直接確認をさせていただきました。御協力をいただいたホテル、旅館には感謝を申し上げます。
 現在、食品等の表示の適正化や地方の消費者行政の基盤強化のために必要となる法改正を含む措置の検討を進めているところでございまして、また今回の出張でも景品表示法のガイドラインを作成する上で懸念される点などについて生の声を直接伺いましたので、それらを今後の政策立案に生かしてまいりたいと思います。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)秘密保護法の今日の情報保全諮問会議のメンバーについて幾つかお伺いします。
 一つは、座長に渡辺恒雄さんが選ばれた理由は何かということと、読売新聞というのは、もともと法律に賛成の立場だったと思いますが、報道界からメンバーを選ぶ際に、法案に反対、慎重な社という、そこの方からの人選というのをお考えにならなかったのか。
(答)座長には、年齢が最高齢であること、それから報道機関の御出身であるということなどから座長をお願いしたわけでございます。
 そして、法案に対する姿勢でございますが、どの報道機関も法案に対しては様々な御懸念もお示しをいただいていたというふうに承知をしております。
(問)読売新聞以外からの人選というのはお考えにならなかったのでしょうか。
(答)様々な立場の方から広く人材を募るということで検討をしてまいりました。その結果、渡辺氏にお願いをしたということでございます。
(問)7人のメンバーの中で、日弁連の清水さんが明確に反対をされていたという立場だと思うんですけれども、他のメンバーの賛否はどうなっているのかということと、その賛否の立場というのは人選する上で考慮されたかということをお願いします。
(答)他のメンバーの賛否でございますが、今日の会議の中で様々な御意見が出ましたけれども、内容については主査のほうに発表していただくことをお任せしております。なぜなら、これは有識者の会議でございまして、私はその報告を受け止める立場でございますので、主査のほうに伺っていただければと思います。
 人選の際に、これは様々な御意見、様々な立場の方を人選するということで、特に賛否にはこだわらずに人選をしてまいりました。清水弁護士は、日弁連の委員会の立場で私の大臣室に来ていただきまして御意見を伺った経緯もございますので、お願いをしたということになっております。
(問)食品表示の関係でお伺いします。昨日、外食業界とか業界団体が集まって情報交換会をやったようなんですけれども、その場で、今度のガイドライン案について「厳し過ぎる」とか「内容が不透明」だとか「現場の意見を聞いていない」というふうな意見が出たようなんですけれども、改めてガイドライン案について大臣のお考えをお聞かせください。
(答)その業界団体の会合の内容についてはまだ詳細を承知しておりませんけれども、ガイドラインは、現在パブコメにかけている最中でございまして、御意見がございます場合には、パブリックコメント等にお寄せいただければ、幅広い御意見を勘案してガイドラインを作成してまいりたいというふうに思います。
 内容が不透明であるとか、曖昧であるという御指摘には、これは謙虚にお応えしていかなければならないと思っておりますが、今までの制度の様々なガイドラインも参考にしつつ、その中でも特にわかりやすさというところにこだわってつくってきたつもりです。つまりQ&A方式にして、これは当たるのかというふうに、イセエビについて、「ロブスターをイセエビというふうに書いたら、これは景表法違反ですか」「違反です」というふうにQ&Aで、まず、違反であるか、違反でないか、問題となるか、問題でないかということを最初にお示しをした上で、その後、理由をずっと書いていく。
 今までは、例えば、違反するのか、違反しないのか、よくわからないような記述が長く続くというような御指摘も過去のそういった文書には指摘があったわけでございますので、今回はしっかりとわかりやすくしたわけでございますが、それに対してもまだ更にわかりにくい点が御指摘をいただければしっかりと対応してまいりたいと思います。また、厳し過ぎるという御指摘については、これは法令の解釈を過去の処罰例等をもとにお示しをしたものでございますので、これは違反となる事例については業者の皆さんはしっかりと法令を守っていただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。
(問)今のに関連して、昨日の本会議の中で、例えば、サケのお弁当だったら、業界の中ではサーモントラウトを使うとか鴨南蛮だったら合鴨を使っていたりするような習慣があるみたいなんですけど、その辺について今回公表したガイドラインでは問題があるというふうに書いてあって、それがやはり現場の声を生かしたものではないという懸念が示されているんですけれども、それについてはいかがでしょうか。
(答)具体的な事案についてここでお答えをすることは避けたいと思いますが、そういった御懸念を今パブリックコメントにかけておりますので、まさにパブリックコメント上でも構わないですし、担当の課のほうでも構いませんので、お寄せいただければ、それは様々なお声を勘案した上で検討してまいりたいと思っています。
 いずれにせよ、この食品表示の偽装の問題は、消費者の皆様が表示どおりのものが売られているというふうに信じて、そして購入をして食べているということでございますので、消費者には選択をする権利があるわけですから、消費者が選択をする権利の行使のために必要となる情報は正しくそれは表示をしてくださいということでありまして、それに至るまでの業者さんのコスト等については、必要以上に過大なものにならないように配慮はいたしますけれども、やはりそもそもは消費者の信頼の確保ということが最も重要でございますので、その点をしっかり御理解をいただきたいなというふうに思います。
 昨日の視察でも、三重県の福寿荘さんを始め皆こじんまりとした旅館なんですよ、私が見に行ったのは。そこでは、調理する人もメニューをつくる人も仕入れする人も、ほとんど同じ人たちがやっていて、偽装しようもないし、間違いの起こりようもないのに、今回こういった事件が起きたから、そういったことを毎日朝10時半から、全部仕入れ伝票を点検して行っています。更に、イセエビがこの事件で、ロブスターを使っていたところがみんな本物のイセエビを求めてきて需要が上がって、イセエビの値段は今3倍に上がっている。そうすると、福寿荘さんは、目の前の浜でとれたイセエビを今まで使っていたのに、ある日もう3倍になってしまって、しかし、お客様にお示しをしているお値段は変えようがないということで大変苦労しているんです。それでも、やはり福寿荘さんの社長さんは、理事長さんは、「やはり私たちの商売は、お客様が食事と、それから景色を楽しみに来るんだ。だから、消費者の皆様、お客様に信頼をしていただけるような努力は惜しみません」というふうにおっしゃってくださったんですね。やはりそういった業者さんの心意気と申しますか、そういったことはしっかりと守っていただきたいなと思います。
(問)秘密保護法の諮問会議の部分に戻らせていただきます。
 今後、会議のメンバーは秘密の中身をチェックするというわけではなくて、基準案の策定等について議論していくと思うんですけれども、議論を今後更に深めてもらうために、例えば、現状の特外秘の一部等を、例えばサンプルのような形で示して、どういうものが秘密に当たるのかというイメージを持ってもらった上で更に議論を深めてもらうというような、そういうお考えは今の時点でございますでしょうか。
(答)この諮問会議は、民間の委員の方が本法律の運用基準、その他の事項について意見を言っていただける貴重な機会でございますので、それに諮問会議から要望があれば、可能な限りでお応えをしていきたいと思いますけれども、現在のところ、委員の先生方からそのような御要望はありません。

(以上)