森内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年10月29日

(平成25年10月29日(火) 9:10~9:29  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

<「あまみ長寿・子宝フェスタin徳之島」への出席について>
 おはようございます。
 まず、先週の土曜日、26日ですが、鹿児島県奄美群島の徳之島を訪問し、鹿児島県主催の「あまみ長寿・子宝フェスタin徳之島」に出席し、パネルディスカッションに参加するとともに、保育園の視察、子育て関係者、当事者との意見交換、徳之島島内3町、徳之島町、天城町及び伊仙町の町長との意見交換を行い、少子化対策、子育てについて地域の実情をお聞きしてまいりました。
 徳之島を含む奄美群島は合計特殊出生率が高く、特に今言った3町が全国の市町村の合計特殊出生率の1、2、3位を独占しております。その背景には、子供は宝、子は宝という意識が全島で共有されているということがございまして、また長寿世界一でもあるのですけれども、長寿世界一だから日本一ですが、健康で長生きをしている高齢者の方が子育てを手伝うという、住民みんなで子育てを支え合うことにより子供を育てやすいという環境がございます。実際に保育園の運動会に参加した私も、年長さんのクラスと一緒に駆けっこをしたのですけれども、地域全体で子育てをしていますので、子供たちが非常に人懐っこい元気がよいということを感じました。
 一方で、小児科や皮膚科などの医師不足の問題ですね。子供が皮膚病になっても、1か月先しか皮膚科の先生が島に来ない。ところが、1か月先の予約がもう既に満杯ということで、島の外に出て皮膚科にかかりに行く、そのためには船のお金、親も一緒に行きますから2人分、更に1回行ったら戻ってくるのに2泊しないと戻ってこられない、皮膚科に受診するだけでそういった高額な出費があるわけです。そういう問題。それから、9割の若者が高校卒業後までに進学や就職のために島を出ていかざるを得ないという、地域産業の育成や雇用の確保などの課題があるというお話を伺いました。
 少子化対策については、都市部では待機児童解消、これが大変課題でございまして、安倍政権でも加速化プランを展開しておりますが、一方で、離島ですとか過疎地域、また様々な地方におきましては、それぞれ待機児童とは別の課題を抱えているということを強く認識をいたしまして、幅広い取組みが必要だということを感じました。
 このように、少子化危機を突破していくためには、地域の実情にそれぞれきめ細かく応じられる柔軟な取組みが必要だということを感じました。子ども・子育て支援新制度、これの施行に向けて取組みを進めるとともに、結婚・妊娠・出産支援も含めた地域の実情に即した取組みをしっかりと応援していきたいというふうに感じております。

 

<農林水産業・地域の活力創造本部について>
 次に、今朝の閣議の前に第7回農林水産業・地域の活力創造本部が開催され、私から食育担当大臣として発言をいたしました。学校給食における国産の農林水産物の利用を拡大するため、食育推進基本計画を改定してしっかり目標値を掲げて取り組んでいくということをお話ししました。消費者が食品を選択する上で、子供たちが学校給食の中で、食品の選択に必要な様々な情報や味覚といったものを給食の中でも学んでいけることが大事ですし、また、風評被害の払拭等も含めた国産の農林水産物の活用、そういう両方の課題を解決するために、学校給食における地産地消の取組みについて、積極的な意見が他の関係閣僚からも複数出されたところでございますので、前向きに取り組んでまいりたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)秘密保護法についてなんですが、きのう、小池百合子元防衛大臣が特別委員会の中で、「首相動静」、総理の動向を報じている記事なのですが、知る権利を超えているというふうに発言をして、それを受けて菅官房長官が、各社が取材して公になっているので特定秘密に当たらないというお話でしたが、大臣の認識はどのようなものでしょうか。
(答)ちょっと詳細を確認してお答えしたいと思います。
(問)秘密保護法案に関連してですが、民主党が特定秘密保護法案に関連して情報公開法の改正案を提出しました。大臣は、今の情報公開法を改める必要性についてはどのようにお考えになるのか。もし改める必要性があるとお考えでしたら、どのように変えるべきだとお考えかお伺いします。
(答)民主党が情報公開法の改正案を提出したことを承知しております。政府全体としては、情報公開法につきましては総務大臣のほうが所掌でございますので、政府全体でさまざまな視点で検討をしていく必要があると思っております。
 私自身は、特定秘密保護法案が提出されましたけれども、国民に対する情報公開というものをしっかりとしていくことは重要な問題だと思っておりますので、しっかりと検討してまいりたいと思っています。
(問)もう少し、何か具体的に考えていらっしゃることはありますか。
(答)現在、情報公開法というのは特定秘密保護法案が通った後は適用があるわけです。そうしますと、現行の情報公開法に沿いまして情報公開請求がなされた場合には、審査会のほうで審査員の先生方の審査を、不服申立て等がある場合に審査をされると。そのときにインカメラの手続が入るわけでございますので、しっかりとそういった情報公開もしてまいりたいというふうに思っています。
(問)確認ですけれども、特定秘密の関係でございまして、その特定秘密の対象となる事項。内容そのものではなくて、その事項については公表されないという考え方、理解でよろしいのでしょうかという点で、もしそうであるならば、一度指定されると、その存在も公表されないというようなことになるのかなと思うんですけれども、その理由は何でしょうか。
(答)特定秘密の対象となる事項というのは、特定秘密そのものという御質問ですか。
(問)いや、そのものではなくて、その項目と言ったらいいのでしょうか。
(答)項目ですね。わかりました。特定秘密の指定の基準を有識者の御意見を伺って決めてまいりますので、その中で、現在別表に項目は記載されておりますけれども、更に細かい事項を、どのような事項を特定秘密に指定するのかということを明らかにしてまいりたいと思っています。
(問)阪急阪神ホテルズさんの件でお聞きしたいのですけれども、きのう社長が辞任、偽造ではないとしながらも社長が辞任されましたが、改めて大臣の所感をお聞きしたいということと、立入り調査をするおつもりがあるかどうか。されるとすればいつになるのかということですね。お聞きできたらと思います。
(答)偽装であれ何であれ、消費者から見て誤認されるような表示があれば、それは法令に反するということになりますので、現在、本件については、景品表示法に違反する事実があったか否かについて、当事者等からよく話を聞くなどして必要な調査を進めているという報告を受けておりますので、調査が進められていく中で適切な行政判断をしていくということになると思います。
 いずれにせよ、食品の表示というものは、正しくなされている、真実が書かれているという前提のもとで、消費者がその表示を見て、消費者がそれを買う・買わない、食べる・食べないという選択をしていく前提でございますので、これはきちんと事実、真実に基づいて表示をされていかなければならないというふうに思っています。
(問)立入り調査の有無というのはどうですか。
(答)それにつきまして、先ほどお答えしましたとおり、必要な調査を進めていく中で適切な行政判断をしてまいりたいと思います。
(問)先ほど、特定秘密保護法案のことで、それと消費者問題、消費者運動との関係なのですけれども、定義が曖昧なのではないか、要するにテロリズムの適正評価という、12条で出てくる括弧内の書き方なのですけれども、これについて、反TPPとか住民運動、反原発をやっている住民・市民運動、消費者運動が対象になるのではないかという日本弁護士会からの指摘がありました。これについて大臣は、先ほど別表についての項目について、これから検討とかいうことがありましたけれども、どうお考えでしょうか。
(答)日弁連の方とは大臣室において意見交換も行っておりまして、その際も御説明は申し上げておりますけれども、TPPとか原発ということは別表の事項には含まれません。テロリズムとは政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的」で「人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動」をいい、「人の殺傷又は重要な施設等の破壊活動」であることが要件とされておりますので、御指摘のTPPとか原発に反対する市民活動については、「人を殺傷し、又は重要な施設等を破壊するための活動」ではございませんので、本法案のテロリズムには該当せず、また適正評価における調査の対象となることもございません。
(問)その「又は」「又は」「又は」と並列で書かれているので、殺傷と破壊との間に強要というのが一つの定義として歩いているのではないかという御指摘だったのです。ですので、TPPとか、よく、殺傷と破壊というのはもちろんですけれども、強要ということが入るのではないかということでしたけれども。
(答)これは、「強要」と「殺傷」は「又は」で結ばれておりません。今お話しして、録音されておりますので確認をされればと思いますけれども、強要と、それから社会に恐怖を与えるというのは、これは目的のほうでございまして、その後、人を殺傷し、又は重要な施設その他を破壊するための活動でございますので、「殺傷」と「重要な施設その他の物を破壊する」というものに当たらないものでございます。
(問)それともう一つ、集団的消費者被害の還付制度に対する関連法なのですが、これの今国会での進捗について、どうでしょうか。
(答)集団的消費者被害の回復を図るための訴訟法案は、前国会から継続されておりますので、今国会で必ず成立させたいというふうに思っておるところでございます。国会のほうで、その審議の日程を調整していただいていると承知をしておりますが、私からは、早い審議、そして早い成立に向けてお願いを申し上げているところでございます。
(問)TPP交渉が今後進んでいく中で、食品添加物の範囲が広がってくる可能性があります。特定秘密保護法案では、外交もそのテーマの一つになっているかと思うのですけれども、こうした通商交渉の内容というのは特定秘密になり得るでしょうか。
(答)TPPについてはならないと思います。別表に掲げてあるような事項に該当するものであれば、なる可能性もあるかもしれません。
(問)もうちょっと具体的に教えていただけますか。
(答)この法案に別表が掲げられておりまして、4つの項目立てをしております。それについて今後、有識者の御意見を聞きながら、更に細かい基準を定めていくのですが、そこでの御審議、また御検討の結果でございますので、今私がここで入るとか入らないとかいう判断はできませんけれども、別表に掲げるような国家・国民の安全保障にかかわる事項であればなりますし、そうでなければならないということで、それは細かい基準をしっかりと有識者の御意見を聞いて定めてまいりたいと思います。
(問)先ほどから有識者で具体的な基準をというお話をされていますが、昨日、世耕副長官が、秘密保護法の施行前でもNSCの資料については厳格なルールをつくるというふうにおっしゃいました。そのルールができて、更に有識者の新しいルールというのがあった場合、この2つの整合性についてはどのようになるとお考えでしょうか。
(答)私、その記事が出ましたので、朝、世耕副長官に確認をしました。そうしたら、特定秘密保護法案に関することを言ったのではないとおっしゃっておられました。特定秘密の指定の基準に関することを言ったのではないということでございます。

(以上)